Askar 50P に ZWO EAF と CAA を両方付けると干渉する?|公式寸法図で見る干渉ポイント・向きの決め方・接続とバックフォーカス

Askar 50P に ZWO EAF と CAA を両方付けると干渉する?|公式寸法図で見る干渉ポイント・向きの決め方・接続とバックフォーカス

先に結論です。Sharpstar(Askar)と ZWO の公式資料には、「50P に EAF と CAA を同時に付けられる/付けられない」という記載はありません。そのうえで両社の寸法図を突き合わせると、気をつけるべき場所ははっきりしています。CAA 本体の下側に付いている「下部ボックス」(USB 端子の入った張り出し)です。この部分は光軸から下へ 85mm まで伸び、しかも望遠鏡側に張り出しています。50P の鏡筒バンドまわりは、上にハンドル、下にドブテイル、左右の片側に EAF(50P AF KIT)が付くため、下部ボックスを向ける方向を選ぶ必要があります。一方で安心材料もあります。CAA は赤い本体が回るのではなく、回るのはカメラ側のリングだけです。取付時に本体の向きさえ決めれば、撮影中に下部ボックスが EAF 側へ回り込むことはありません。ZWO 自身もマニュアルで「CAA を取り付ける際は、望遠鏡やカメラなど他の部品との干渉に注意すること」と求めています。本記事では、干渉を確かめるべき箇所、向きの決め方、接続とバックフォーカス、ASIAIR での設定までを公式資料だけで整理します。

① 結論|「干渉するか」は公式資料では断定できない。だから「どこを確かめるか」を知る

お問い合わせでいちばん多い形は「50P に EAF と CAA を両方付けたいが、ぶつからないか」というものです。まず、メーカーの公式資料で確認できる範囲をはっきりさせておきます。

  • Sharpstar の 50P 公式ページ・マニュアル・50P AF KIT ページのいずれにも、CAA(電動ローテーター)との同時使用についての記載はありません。
  • ZWO の CAA マニュアルと製品ページにも、50P を名指しした記載はありません。
  • ZWO は CAA マニュアル §6「Things to note」の 1 番目で、「CAA を取り付ける際は、CAA と望遠鏡・カメラなど他の部品との干渉がないか注意し、機材の破損を避けること」と明記しています。

出典: ZWO CAA Manual §6 Things to note(1)(「When installing the CAA, please pay attention to whether there is interference between the CAA and other components such as the telescope and camera to avoid damage to the equipment.」)、Sharpstar 公式 50P 製品ページ、Sharpstar 公式 50P AF KIT 製品ページ

さらに、Sharpstar の 50P AF KIT の取付図では、EAF 本体は鏡筒バンドの横(ファインダー台座を外した位置)に並ぶ形で描かれていますが、EAF 本体の後端と 50P の後端(CAA を付ける面)の前後の距離は、どの資料にも数値で書かれていません。そのため当店は、この記事で「干渉しない」とも「干渉する」とも断定しません。代わりに、両社の寸法図から当たる可能性がある場所を特定し、取付前にどう確かめるかをお伝えします。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①②⑦、Askar 50P User's Manual「Product Size Diagram」(EAF 本体と後端の前後距離の記載なし)

← 前(対物側)            光軸方向の並び(縮尺なし)            後ろ(カメラ側)→ フォーカス リング MXL 歯 鏡筒バンド 上:ハンドル 下:ドブテイル 後端 回転目盛り M48×0.75 オス M54-M48 2mm CAA 16.5mm 本体は固定 延長筒 21mm ZWO カメラ 17.5mm この範囲が CAA とともに回転 EAF 本体 鏡筒バンドの横 ベルト 確認箇所:CAA 下部ボックス 光軸から下へ 85mm・望遠鏡側へ張り出し バックフォーカス(公称値の合計): 2 + 16.5 + 21 + 17.5 = 57mm(50P の対応範囲 50〜65mm、推奨 55mm) EAF 本体後端と 50P 後端の前後距離は公式資料に記載がないため、この図では描いていません。
図 1: 光軸方向の並び(ブロック図・縮尺なし)。Sharpstar 公式 50P「Connection Diagram」「Product Size Diagram」、ZWO CAA Manual §3・§4.1.2・§6、Askar 50P User's Manual の記載のみを図示。部品の形状・寸法・位置関係は描いていません。

② CAA のどこが出っ張るのか|ZWO 公式寸法図を読む

干渉を考えるうえで、CAA の形を正確に知っておく必要があります。CAA は丸いリングではなく、上側が半円、下側に端子の入った箱が付いた「しっぽ付き」の板のような形をしています。ZWO のマニュアル §2.2(仕様)と §3(寸法図)から、干渉に関わる数値を抜き出します。

項目 公式の数値 干渉の見方
外形 136mm × 102mm × 35mm 縦に長い板状
光軸の位置 下端から 85mm 下部ボックス側は光軸から 85mm 離れた所まで届く。反対側(上側)は 136 − 85 = 51mm、左右は 102 ÷ 2 = 51mm(公式寸法からの計算)
リング部の厚み 16.5 ± 0.2mm 光路長(使用バックフォーカス)も 16.5mm
下部ボックス 高さ 42mm、奥行き 34.5mm(フランジ込み 39mm)。Type-C 端子と HC 端子を搭載 リング部(16.5mm)より厚く、差し引き約 18mm 張り出す(34.5 − 16.5 の計算値)
張り出す向き ZWO の取付図(§4.1.1)では望遠鏡側に張り出す向きで描かれている 50P の後端の横・下にある部品(EAF・ドブテイル)に近づく方向
重量・耐荷重 465g / ≤2.5N·m(5kg) —

出典: ZWO CAA Manual §2.2 Specifications・§3 Structural Dimensions Diagram・§4.1.1 取付図(51mm・約 18mm は公式寸法からの当店計算)

そしてもう一つ、干渉を考えるうえで大切な構造があります。CAA は、赤い本体ではなくカメラ側のリング(camera termination ring)が回ります。ZWO のマニュアル §6 では、カメラが外れにくいときの手順として「カメラ側のリングを回して穴を出し、六角レンチを差し込んで固定し、アダプターを回して外す」と写真付きで説明しています。本体は望遠鏡側(前側 M54 メス)に固定され、カメラ側のアダプター(後側 M54 オス/付属の M48 に交換可)と一緒にカメラが回る、という構造です。

出典: ZWO CAA Manual §6(3)(「First rotate the camera termination ring so that the hole shown in the picture are exposed」)、ZWO 公式 CAA 製品ページ「Connection Thread: M54F at the front, M54M/M48M optional at the back」「Locking slot」

つまり、下部ボックスの向きは「取り付けたときに決まり、撮影中は変わらない」ということです。回転中に動くのはカメラとそのケーブルで、CAA 本体の下部ボックスが EAF の方へ回り込んでくることはありません。確認すべきは「取付時の本体の向き」と「回転するカメラ・ケーブルの通り道」の 2 つに絞られます。

出典: 上記 ZWO CAA Manual §6(3)・ZWO 公式 CAA 製品ページからの当店の読み取り

③ 50P の後ろまわりには何があるか|方向ごとに整理する

次に、CAA を付ける 50P 側です。Sharpstar の公式寸法図と 50P AF KIT の取付図から、50P を後ろ(カメラ側)から見たときに、どの方向に何があるかを整理します。

方向 50P 側にあるもの 出典
上 多機能ハンドル(鏡筒バンドと一体。上面はアルカスイス互換の溝) 50P 寸法図・マニュアル
下 160mm ドブテイル。寸法図では鏡筒全長(フード収納時 147mm)より長く描かれ、後端付近まで伸びている 50P 寸法図
左右の片側 EAF と 50P AF KIT のブラケット(ファインダー台座を外した位置に取り付け) 50P AF KIT 取付図 ①②
左右のもう片側 残ったファインダー台座(ガイド鏡などを載せていなければ比較的空いている) 50P マニュアル(左右両側にファインダー台座)

出典: Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」、Askar 50P User's Manual「Instructions for use」(「Dual finder bases are integrated on both sides of the tube ring」「Its top slot complies with the Arca-Swiss standard」)、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①②

50P を後ろ(カメラ側)から見た概念図・縮尺なし 光軸 CAA 取付位置 上:ハンドル 向けるなら実機で要確認 下:ドブテイル 後端付近まで伸びる 片側:EAF + AF KIT ブラケット 反対側:台座のみ 当店推奨の向き 下部ボックス
図 2: 方向別の占有物(概念図・縮尺なし)。Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①、ZWO CAA Manual §3 をもとにした位置関係の整理です。部品の寸法・距離は描いていません。「当店推奨の向き」は公式資料の記載ではなく、当店の推奨です。反対側の台座にガイド鏡などを載せる場合は、この限りではありません。

④ 干渉を確かめるべき 4 か所

確認箇所 なぜ当たる可能性があるか 見るタイミング
A. CAA 下部ボックス × EAF・AF KIT ブラケット 下部ボックスは光軸から 85mm まで届き、望遠鏡側へ張り出す。EAF は鏡筒バンドの横に付く CAA を取り付けて向きを決めるとき
B. CAA 下部ボックス × ドブテイル・鏡筒バンド下部 ドブテイルは後端付近まで伸びている 同上
C. CAA 本体上部 × ハンドル CAA は光軸から上へ 51mm(計算値)。ハンドルは鏡筒バンドの上 同上
D. 回転するカメラ・ケーブル × EAF・ハンドル・ケーブル類 カメラと延長筒は CAA とともに最大 360° 回る 全部組んでから、ソフトで 1 周回すとき

出典: ZWO CAA Manual §3・§4.1.1・§5.2(360° limit)・§6(1)、Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」

一方で、EAF のベルトとプーリーが動く場所(フォーカスリングまわり)は、寸法図で見ると鏡筒バンドより前(対物側)にあります。CAA は 50P の後端よりさらに後ろに付くので、ベルト駆動部そのものと CAA は、鏡筒バンドを挟んで前後に分かれた位置関係です。気にすべきは駆動部ではなく、EAF の本体とブラケットのほうです。

出典: Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」(focusing ring・Multi-functional handle・Finder base の配置)、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑦

⑤ 取り付けの順番と、下部ボックスの向きの決め方

以下は、公式資料の記載をもとに当店が組み立てた手順です。いきなり撮影に出ず、室内で仮組みして確認してください。

  1. 先に EAF(50P AF KIT)を完成させる。ベルトは鏡筒の前側から通すため、後ろに CAA が付いていても作業には影響しませんが、ブラケットの位置を先に決めておくと CAA の向きを考えやすくなります。
  2. 50P 後端の回転目盛りのロックネジを確認する。50P の後端にはロックネジ付きの回転目盛りがあります。CAA はこの後ろに付くため、ここを回すと CAA 本体(下部ボックス)の向きも変わります(当店の読み取り)。
  3. CAA を取り付ける。50P の M48 オス → M54-M48 2mm アダプター → CAA の順(⑥ で詳しく説明)。
  4. 下部ボックスの向きを決めてロックする。EAF・ドブテイル・ハンドルのどれにも当たらない向きを探し、50P 後端の回転目盛りのロックネジを締めます。当店の推奨は EAF の反対側(横向き)です。
  5. カメラを付ける。CAA → 21mm 延長筒 → ZWO カメラ。
  6. CAA をソフトで 1 周回す。ASIAIR などから少しずつ角度を変え、カメラ本体・カメラのケーブル・延長筒が EAF やハンドルに当たらないか、ケーブルが突っ張らないかを目で確認します。CAA のファームウェアには 360° のリミットが入っています。
  7. EAF もゼロ位置〜最大ステップまで動かす。EAF のケーブルが CAA やカメラのケーブルに引っかからないかを確認します。

出典: Askar 50P User's Manual(「A rotating scale with a locking screw is located at the rear」)、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑦、ZWO CAA Manual §4.1.2・§5.2・§6(1)(手順の組み立ては当店によるもの)

⑥ 接続とバックフォーカス|CAA を入れても 50P の範囲に収まるか

50P は鏡筒内にフラットナーを内蔵しており、接続距離は 50〜65mm(推奨 55mm)です。Sharpstar の接続図では、この距離は「M54-M48 撮影アダプターの端面から」数えると注記されています。ZWO も CAA マニュアル §4.2 で「フラットナー内蔵の鏡筒では、望遠鏡メーカーのバックフォーカス指定に従うこと」としています。

出典: Sharpstar 公式 50P「Connection Diagram」注 [1](「The effective focus range of the telescope rear-end connection is from 50mm to 65mm (from the M54 to M48 photographic adapter).」)、Askar 50P User's Manual「Rear-end connection distance」、ZWO CAA Manual §4.2

CAA を使わない場合、Sharpstar の接続図が示す ZWO 冷却カメラの組み合わせは 16.5mm 延長筒 + 21mm 延長筒 + カメラ 17.5mm = 55mm です(2 本の延長筒は ZWO 冷却カメラの付属品と注記)。ZWO は CAA について「厚さ 16.5mm で、標準の ZWO アダプターを置き換える」と説明しています。つまり考え方は、16.5mm の延長筒を外し、その位置に CAA を入れるです。

出典: Sharpstar 公式 50P「Connection Diagram」注 [2](「The M48 extension tube is an accessory included with ZWO cooled cameras.」)、ZWO 公式 CAA 製品ページ(「Measuring 16.5mm thick it replaces the standard ZWO adapter.」)

ただし、ねじの規格が 1 か所合いません。50P の後端は M48×0.75 のオスねじ、CAA の前側は M54 のメスねじです。ZWO の CAA マニュアル §4.1.2 の取付図では、M48 で出力する望遠鏡の場合、望遠鏡 M48 → M54-M48 2mm アダプター → CAAの順でつないでいます。これを 50P に当てはめると次のとおりです。

順番 部品 光路長(公称)
1 M54-M48 アダプター(50P の M48 オス → CAA の M54 メス) 2mm
2 CAA 16.5mm
3 21mm 延長筒(ZWO 冷却カメラ付属) 21mm
4 ZWO 冷却カメラ(APS-C/フルサイズ) 17.5mm
合計 2 + 16.5 + 21 + 17.5 57mm(50P の対応範囲 50〜65mm 内。推奨 55mm より 2mm 長い)

出典: ZWO CAA Manual §4.1.2 取付図(Telescope M48 → M54-M48 2mm → M54 → CAA 16.5mm、APS-C/Full frame cooled camera 17.5mm)、ZWO 公式 CAA 製品ページ「Connection Thread」、Sharpstar 公式 50P「Connection Diagram」、Askar 50P User's Manual(合計は公称値の足し算)

なお、Sharpstar の 50P 寸法図には後端に M54×0.75 の表記もあります。M48 側を外して M54 に CAA を直接付けられるか、その場合のバックフォーカスの基準面をどこに取るかについては、Sharpstar の資料に記載がありません。この方法を試す場合は、事前に公式 LINE でご相談ください。

出典: Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」(M48×0.75/M54×0.75 の表記)

⑦ 制御・電源・ASIAIR での注意

項目 EAF(新型 EAFN) CAA
接続・電源 USB Type-C(動作時 5V/500mA) USB Type-C(5V 300mA RMS)
ASIAIR の対応 初代 ASIAIR・ASIAIR Pro は非対応(USB 出力不足) 初代 ASIAIR(白い筐体)は非対応
手元操作 EAF ハンドコントローラー(EAF-HC) 同じ EAF-HC を HC 端子に接続して操作できる

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §5、ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Compatibility Notice」、ZWO CAA Manual §2・§2.2・§5・§5.2

新型 EAF と CAA を ASIAIR で両方使う場合は、初代 ASIAIR と ASIAIR Pro を避ける必要があります(新型 EAF が ASIAIR Pro に非対応のため)。

もう一つ、ASIAIR でガイドする方は CAA 設定ページのガイド校正の項目を必ず確認してください。ZWO は次のルールを示しています。

  • ガイド星の像が CAA と一緒に回る場合は「Calibration data rotates with CAA」を ON、回らない場合は OFF。50P を撮影鏡にして別のガイド鏡でガイドする構成では、ガイド像は CAA と一緒に回りません。
  • ガイド光路に奇数枚のミラーを含む場合(例:OAG とガイドカメラの組み合わせ)は「Calibration Data Reverse Rotation」を ON、それ以外は OFF。
  • CAA を使う前に、プレビューモードでプレートソルブと同期を行うことが推奨されています。

出典: ZWO CAA Manual §5.1.2(1)(2)

⑧ 補足|50P の EAF 取付図は Sharpstar 公式に 2 種類ある

今回の調査で、Sharpstar の公式サイトに 50P の電動フォーカサー取付図が 2 種類掲載されていることを確認しました。1 つは 50P 本体ページの「Electronic Focuser Assembly Diagram」、もう 1 つは 50P AF KIT ページの「Installation」です。ブラケットの形(テンショナープーリーの有無)も、機種別のベルト長の表も異なります。

項目 50P 本体ページの取付図 50P AF KIT ページの取付図
ファインダー台座を外すレンチ 2.5mm 3mm
ベルトの張り方 電動フォーカサーを上に持ち上げて張り、ネジを締める テンショナープーリーのロックネジで調整
ZWO EAF 用ベルト 129MXL(161 歯) 134MXL(168 歯)
ZWO EAFN 用ベルト 129MXL(161 歯) 134MXL(168 歯)
プーリー内径(EAF/EAFN) 5mm/4mm 5mm/4mm

出典: Sharpstar 公式 50P「Electronic Focuser Assembly Diagram」①〜⑤・機種別表、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①〜⑦・機種別表(2026 年 9 月 26 日確認)

プーリーの内径(旧 EAF=5mm、EAFN=4mm)はどちらの資料でも一致しています。ベルトの長さと張り方は、お手元のキットに付属する説明書と同梱部品に合わせてください。判断がつかない場合は、キットの写真を添えて公式 LINE でご相談ください。

出典: 上記 Sharpstar 公式 2 資料の比較(どちらを優先すべきかの指定は、Sharpstar の資料にありません)

⑨ チェック項目 21|症状・原因・対処

原因 1|CAA が 50P の後端にねじ込めない

症状:CAA の前側が 50P の後端に入らない。
原因:50P の後端は M48×0.75 オス、CAA の前側は M54 メスで、規格が違います。
対処:ZWO の取付図にある M54-M48 2mm アダプターを間に入れます。

出典: ZWO CAA Manual §4.1.2 取付図、ZWO 公式 CAA 製品ページ「Connection Thread」、Askar 50P User's Manual

原因 2|CAA 付属の M48 アダプターを前側(望遠鏡側)に付けようとしている

症状:付属品の M48 アダプターで 50P につなごうとして合わない。
原因:付属の M48 アダプターは、CAA の後側(カメラ側)の M54 を M48 に交換するための部品です。
対処:前側の接続は原因 1 のとおり M54-M48 2mm で行います。

出典: ZWO CAA Manual §2.1・§4.1.2 Note、ZWO 公式 CAA 製品ページ「M54M/M48M optional at the back」

原因 3|16.5mm 延長筒を残したまま CAA を追加した

症状:ピントが来ない、または周辺像が崩れる。
原因:CAA は 16.5mm の標準アダプターを置き換える部品です。両方入れると 16.5mm 長くなります。
対処:16.5mm 延長筒を外し、合計が 50〜65mm に収まるか計算し直します。

出典: ZWO 公式 CAA 製品ページ、Sharpstar 公式 50P「Connection Diagram」

原因 4|バックフォーカスの合計を計算していない

症状:EAF でフォーカスリングを端まで回してもピントが来ない。
原因:50P のフォーカス移動量は 15mm。接続距離が 50〜65mm を外れると EAF では補えません。
対処:各部品の光路長を足し、50〜65mm(推奨 55mm)に収めます。

出典: Askar 50P User's Manual「Rear-end connection distance」「Focuser travel length」

原因 5|CAA の下部ボックスが EAF・ブラケットに当たる

症状:CAA を締め込むと EAF に当たる、または下部ボックスとブラケットの隙間がほとんどない。
原因:下部ボックスは光軸から 85mm まで届き、望遠鏡側に張り出しています。
対処:50P 後端の回転目盛りで CAA 本体の向きを変え、EAF から離れた向きでロックします。

出典: ZWO CAA Manual §3・§4.1.1・§6(1)、Askar 50P User's Manual(後端の回転目盛り)

原因 6|下部ボックスがドブテイル・鏡筒バンド下部に当たる

症状:下向きにすると下部ボックスがドブテイル付近に当たる。
原因:ドブテイルは鏡筒全長より長く、後端付近まで伸びています。
対処:下向きは避け、横向き(EAF の反対側)を優先して検討します。

出典: Sharpstar 公式 50P「Product Size Diagram」、ZWO CAA Manual §3(向きの優先順は当店の推奨)

原因 7|撮影中に CAA 本体ごと回ると思っている

症状:回転中に下部ボックスが EAF に当たるのではと心配になる。
原因:CAA で回るのはカメラ側のリングで、本体は回りません。
対処:取付時の本体の向きだけ確認すれば十分です。回転中に確認すべきはカメラとケーブルです。

出典: ZWO CAA Manual §6(3)(camera termination ring を回す手順)

原因 8|回転中にカメラのケーブルが EAF やハンドルに引っかかる

症状:回転の途中でケーブルが突っ張る、機材が引っ張られる。
原因:カメラは CAA とともに最大 360° 回るため、ケーブルに余裕が必要です。
対処:ソフトで 1 周回しながら、ケーブルの余長と通り道を調整します。

出典: ZWO CAA Manual §5.2 Note(360° limit)・§6(1)

原因 9|CAA が片方向にしか回らない

症状:ある角度から先へ回らない。
原因:CAA のファームウェアには 360° のリミット設定があります。
対処:反対方向に回します。故障ではありません。

出典: ZWO CAA Manual §5.2 Note

原因 10|50P の回転目盛りを緩めたまま撮影している

症状:CAA の角度と実際の写野の角度が合わない。
原因:50P の後端はロックネジ付きの回転機構です。緩んでいると CAA 本体ごと向きが変わり得ます。
対処:向きを決めたらロックネジを締めます。

出典: Askar 50P User's Manual「Instructions for use」(「A rotating scale with a locking screw is located at the rear」。影響の説明は当店の注記)

原因 11|反対側のファインダー台座にもガイド鏡などを載せている

症状:下部ボックスを向けられる方向が見つからない。
原因:AF KIT で片側の台座を使うため、もう片側にも機材を載せると、横方向の逃げ場がなくなります。
対処:ガイド鏡の載せ方を見直すか、上方向を実機で確認します。

出典: Askar 50P User's Manual(左右両側のファインダー台座)、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①(逃げ場の考え方は当店の注記)

原因 12|CAA が ASIAIR に表示されない

症状:ASIAIR の機材一覧に CAA が出てこない。
原因:初代 ASIAIR(白い筐体)は CAA に対応していません。
対処:対応する ASIAIR、または PC(ASIStudio・ASCOM)で使います。

出典: ZWO CAA Manual §5・§6(2)

原因 13|新型 EAF が ASIAIR Pro で動かない

症状:CAA は動くのに EAF が使えない。
原因:新型 EAF は必要電力が旧世代 ASIAIR の USB 出力を超えるため、初代 ASIAIR と ASIAIR Pro は非対応です。
対処:新世代の ASIAIR を使うか、PC(ASCOM)で運用します。

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Compatibility Notice」

原因 14|CAA を回したらガイドがおかしくなった

症状:回転後にガイド補正の方向がずれる。
原因:ガイド校正の「CAA と一緒に回転」設定が構成に合っていません。
対処:ガイド像が CAA と一緒に回る構成なら ON、別のガイド鏡なら OFF にします。

出典: ZWO CAA Manual §5.1.2(2)

原因 15|OAG を使っているのに反転設定を OFF にしている

症状:OAG 構成で回転後のガイドが安定しない。
原因:ガイド光路に奇数枚のミラーがある場合は「Calibration Data Reverse Rotation」を ON にする必要があります。
対処:OAG とガイドカメラの組み合わせでは ON にします。

出典: ZWO CAA Manual §5.1.2(2)

原因 16|プレートソルブせずに CAA で角度を合わせた

症状:指定した角度と写野の向きが一致しない。
原因:ZWO は、CAA を使う前にプレビューモードでプレートソルブと同期を行うことを推奨しています。
対処:撮影 → プレートソルブ → 同期の順に行ってから回転させます。

出典: ZWO CAA Manual §5.1.2(1)

原因 17|CAA 用に別のハンドコントローラーが必要だと思っている

症状:手元操作の手段が分からない。
原因:CAA は EAF 用ハンドコントローラー(EAF-HC)に対応しています。
対処:EAF-HC を CAA の HC 端子につなぎます(別売)。

出典: ZWO CAA Manual §2・§5.2

原因 18|カメラが CAA から外れない

症状:カメラ側のアダプターを回しても外れない。
原因:カメラ側のリングが一緒に回ってしまい、力がかかりません。
対処:リングを回して穴を出し、六角レンチを差し込んで固定してからアダプターを回します。

出典: ZWO CAA Manual §6(3)、ZWO 公式 CAA 製品ページ「Locking slot」

原因 19|重いカメラ・フィルターホイールを載せている

症状:回転が不安定、止まる。
原因:CAA の耐荷重は ≤2.5N·m(5kg)です。
対処:カメラ側に付ける機材の重量を確認します。

出典: ZWO CAA Manual §2.2 Load Capacity

原因 20|夜露で濡れた

症状:結露のあとで動作が不安定。
原因:CAA の保護等級は IP42、EAF の動作湿度は 20〜60%(結露なきこと)です。
対処:夜露対策を行い、濡れた状態で使い続けないようにします。

出典: ZWO CAA Manual §2.2 Protection Level、ZWO EAF Manual V1.0 §5

原因 21|EAF のベルトの長さが説明書と合わない

症状:記事や公式ページの表どおりのベルトを使うと張りが合わない。
原因:Sharpstar 公式サイトには、ベルト長の異なる 2 種類の取付図があります(⑧ 参照)。
対処:お手元のキットに付属する説明書と同梱部品を優先します。

出典: Sharpstar 公式 50P「Electronic Focuser Assembly Diagram」、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」

⑩ 関連商品

50P AF KIT は、本記事執筆時点で当店の常時在庫品ではありません。M54-M48 2mm アダプターを含め、構成に必要な部品はお取り寄せの可否も含めて公式 LINE でご相談ください。

⑪ 商品ページ・公式 LINE のご案内

本記事で扱った商品ページはこちら

ZWO CAA(Camera Angle Adjuster) を商品ページで見る →

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最終更新: 2026-09-27/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式 CAA マニュアル・製品ページ、ZWO 公式 EAF マニュアル・製品ページ、Sharpstar(Askar)公式 50P・50P AF KIT 製品ページ、Askar 50P 公式マニュアル に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑬ よくある質問(FAQ)

Q1. 50P に EAF と CAA を両方付けても干渉しませんか?

Sharpstar・ZWO の公式資料には、50P での同時使用の可否は書かれていません。当たる可能性があるのは主に CAA 本体の下部ボックスで、EAF・ドブテイル・ハンドルとの位置関係を取付時に確認する必要があります。ZWO も CAA マニュアルで、取付時の干渉確認を求めています。

Q2. CAA が回転するとき、本体の出っ張りも一緒に回りますか?

回りません。CAA で回るのはカメラ側のリングで、赤い本体は望遠鏡側に固定されたままです。本体の下部ボックスの向きは、取り付けたときに決まります。

Q3. CAA の下部ボックスはどちらに向ければいいですか?

当店の推奨は、EAF を付けた側の反対側(横向き)です。50P は上にハンドル、下にドブテイル、片側に EAF が来るためです。向きは 50P 後端のロックネジ付き回転機構で調整し、決めたらロックします。最終的には実機で確認してください。

Q4. CAA は 50P にそのままねじ込めますか?

50P の後端は M48×0.75 オス、CAA の前側は M54 メスなので、そのままでは付きません。ZWO の取付図では、M48 出力の望遠鏡に M54-M48 2mm アダプターを介して CAA をつないでいます。

Q5. CAA を入れるとバックフォーカスはどうなりますか?

CAA は ZWO カメラ付属の 16.5mm アダプターの代わりに入れます。M54-M48 2mm + CAA 16.5mm + 21mm 延長筒 + ZWO カメラ 17.5mm の公称値の合計は 57mm で、50P の対応範囲 50〜65mm に収まります(推奨 55mm より 2mm 長い)。

Q6. ASIAIR で EAF と CAA を両方使えますか?

初代 ASIAIR(白い筐体)は CAA に非対応、新型 EAF は初代 ASIAIR と ASIAIR Pro に非対応です。両方を ASIAIR で使うなら、これらを避ける必要があります。

Q7. ガイド鏡を別に載せている場合、CAA の設定はどうしますか?

別のガイド鏡ではガイド像が CAA と一緒に回らないため、「Calibration data rotates with CAA」は OFF です。OAG でガイド像が CAA と一緒に回る構成なら ON にします。

Q8. EAF のハンドコントローラーで CAA も操作できますか?

できます。ZWO の CAA マニュアルに、EAF-HC を CAA の HC 端子に接続して回転角を手動で調整できると記載されています。

参考にした一次情報

  1. ZWO CAA Manual(CAA-M54)— §2 Product Description、§2.1 Items Included、§2.2 Specifications、§3 Structural Dimensions Diagram、§4.1.1・§4.1.2・§4.2 Installation、§5・§5.1.2・§5.2、§6 Things to note
  2. ZWO 公式 CAA 製品ページ— Compact and Lightweight Design、Product Details(Locking slot)、Connection、Specification(Connection Thread)
  3. Sharpstar(Askar)公式 50P 製品ページ— Product Size Diagram、Connection Diagram(注 [1][2])、Electronic Focuser Assembly Diagram
  4. Askar 50P User's Manual— Instructions for use、50P Specifications、Product Size Diagram
  5. Sharpstar(Askar)公式 50P AF KIT 製品ページ— Installation ①〜⑦、機種別ベルト/プーリー表
  6. ZWO EAF Manual V1.0(EAF / EAF Pro)— §5 Specification Parameters
  7. ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ— Compatibility Notice

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最終更新: 2026-09-27/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式 CAA マニュアル・製品ページ、ZWO 公式 EAF マニュアル・製品ページ、Sharpstar(Askar)公式 50P・50P AF KIT 製品ページ、Askar 50P 公式マニュアル に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。