Askar 50P に ZWO EAF を取り付ける|50P AF KIT の中身・ベルトとプーリーの選び方・取付手順・つまずき 30 項目 完全ガイド

Askar 50P に ZWO EAF を取り付ける|50P AF KIT の中身・ベルトとプーリーの選び方・取付手順・つまずき 30 項目 完全ガイド

結論から言うと、Askar 50P に ZWO EAF を付けるには、Askar 純正の別売品「50P AF KIT」を使います。50P のピント合わせはつまみ(ラック&ピニオンのノブ)ではなく、鏡筒をぐるりと回すフォーカスリングで、そのリング外周にはあらかじめMXL 規格の歯が切ってあります。50P AF KIT は、この歯と EAF のモーター軸をタイミングベルト(MXL 同期ベルト)とプーリーでつなぐための部品一式です。注意点はひとつ——旧型 EAF と新型 EAF(EAFN)で使うプーリーが違います。Sharpstar の公式表では、どちらもベルトは 134MXL(168 歯)ですが、プーリーの内径が旧型用は 5mm、EAFN 用は 4mm です。本記事では、キットの中身、機種ごとのベルトとプーリーの選び方、公式の取付手順 7 ステップ、取り付け後の初期設定、そして実際につまずきやすい 30 項目を、Sharpstar と ZWO の公式資料だけを根拠に整理します。

① 結論|50P は「ベルト駆動」で EAF を付ける鏡筒

ZWO の EAF マニュアルが示す標準的な取り付け方は、「望遠鏡フォーカサーの粗動ノブを外し、フォーカサー軸にカップリングを付け、そこへ EAF のモーター軸を差し込む」というものです。ラック&ピニオンやクレイフォードのようにつまみ軸があるフォーカサーが前提になっています。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3 EAF Setup(「Remove the coarse adjustment knob of the telescope focuser」「Install the coupling on the telescope focuser shaft」)

一方、Askar 50P のフォーカサーは鏡筒一体のシングルスピードのフォーカスリングで、つまみ軸がありません。その代わり、Sharpstar の公式マニュアルは「フォーカスリングには標準の MXL 歯が付いており、スムーズな操作と電子フォーカサーとの互換性を備える」と明記しています。つまり 50P は、最初からベルトで電動化する前提で設計された鏡筒です。

出典: Askar 50P User's Manual「Instructions for use」(「The integrated single-speed focuser ring features standard MXL teeth for smooth operation and compatibility with electronic focusers」)

このベルトとプーリー、EAF を支えるブラケットをひとまとめにしたのが、Sharpstar 純正の「50P AF KIT」です。公式ページは「50P 専用に設計され、ブランドの制限なく、ほぼすべての電子フォーカサーで使える」と説明しています。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 製品ページ「Product introduction」(「specially designed for the 50P, which can be used with almost all brands of electronic focusers, without any brand restrictions」)

なお、ZWO のマニュアルは標準ブラケットの対応機種に「SharpStar telescopes」を挙げていますが、ZWO 公式の対応フォーカサーリストの SharpStar の節に載っているのは 107PH と 150 F/2.8 HNT の 2 機種で、50P の個別項目はありません(2026 年 9 月 26 日確認)。「SharpStar 製だから標準ブラケットで付く」とは読まないでください。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.1 Supported Telescopes、ZWO 公式 EAF Compatible Focuser List & Connecting Methods(SharpStar の節)

ZWO EAF(モーター) キットのベース+L 型プレートに固定 20 歯 MXL プーリー 旧 EAF=内径 5mm EAFN=内径 4mm MXL 同期ベルト ZWO は 134MXL(168 歯) 幅 10mm 50P フォーカスリング 外周に MXL 歯 (鏡筒一体・1 段速) ピント移動 移動量 15mm テンショナープーリー ロックネジで張りを調整 ベルトはテンショナープーリーの「内側」に掛ける(Sharpstar 公式取付図 ⑦)
図 1: 50P × EAF の駆動系ブロック図。Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑦・機種別ベルト/プーリー表と Askar 50P User's Manual(MXL 歯・Focuser travel length 15mm)の記載のみを図示したものです。部品の形状・寸法・取付位置は描いていません。

② 50P AF KIT の中身|何が入っていて、何が入っていないか

Sharpstar 公式ページに記載されたキット内容は次のとおりです。

部品 数量 内容・用途
MXL 同期ベルト 4 本(長さ違い) 140MXL(175 歯)/134MXL(168 歯)/130MXL(162 歯)/118MXL(148 歯)。使う電子フォーカサーの機種で 1 本を選ぶ
MXL 同期プーリー 2 個 どちらも 20 歯。内径 4mm と 5mm の 2 種類。電子フォーカサーのモーター軸に取り付ける
アダプターブラケット 1 個 鏡筒バンドに固定し、電子フォーカサーを載せるベース。テンショナープーリー付き
L 型ホロープレート 2 枚 電子フォーカサーとベースを 2 組のネジで締結。向きを反転するとネジ穴間隔の広い機種にも対応
六角レンチ 3 本 公式の同梱物写真では M3/M2.5/M2 の表記
ネジ 計 8 本 M4×12mm ×2(L 型プレート固定)/M4×10mm ×4(ブラケットの鏡筒バンド固定、または電子フォーカサー固定)/M3×10mm ×2(電子フォーカサー固定)

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Kit contents」・同梱物写真・Installation 図

そして公式ページには、はっきりとこう書かれています——「50P と、図に登場するすべての電子フォーカサーはこのキットに含まれず、説明用に表示しているだけ」。キットを買っても EAF は付いてきませんし、50P 本体の同梱物(鏡筒・M48 アダプター・チェックリスト・マニュアル)にもキットは入っていません。50P・50P AF KIT・EAF の 3 点を別々に揃える必要があります。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Attention」(「The 50P and all electronic focusers that appear in the illustrations are not included in this kit and are for display only.」)、Askar 50P User's Manual「50P Specifications / Accessories」

③ ベルトとプーリーの選び方|電子フォーカサー機種別の公式対応表

キットに 4 本のベルトと 2 個のプーリーが入っているのは、電子フォーカサーのメーカーごとにモーター位置と軸径が違うためです。Sharpstar は公式ページで、機種ごとの組み合わせを表で示しています。

電子フォーカサー 使うベルト(幅 10mm) 使うプーリー(20 歯・歯幅 11mm)
ZWO EAF 134MXL(168 歯) 内径 5mm
ZWO EAFN 134MXL(168 歯) 内径 4mm
iOptron iEAF 134MXL(168 歯) 内径 5mm
Astro Automatic Focuser 140MXL(175 歯) 内径 5mm
QHYCCD Q-Focuser 130MXL(162 歯) 内径 5mm
Pegasus Astro FocusCube 118MXL(148 歯) 内径 5mm

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」末尾の機種別表(Electronic focuser model / Synchronous belt type / Synchronous pulley type)(表の内容を日本語で転記)

ZWO ユーザーが押さえるのは 2 点だけです。

  • ベルトは旧 EAF でも EAFN でも 134MXL(168 歯)。4 本のうち、この 1 本を使います。
  • プーリーは軸径で分ける。表では「ZWO EAF」と「ZWO EAFN」が別の行に分かれており、旧型(ZWO が「前の世代」と呼ぶ USB Type-B のモデル)を指すと読めます。旧型は内径 5mm、新型 EAFN は内径 4mm です。

この「新型は 4mm」という区別は ZWO 側の案内とも一致します。ZWO は EAFN/EAF Pro の公式製品ページで、「新 EAF と EAF Pro は 5mm のフレキシブルカップリングと完全な互換性がなく、4mm のフレキシブルカップリングの使用を強く推奨する」と注記しています。

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「For users of Takahashi, C8, and C11 telescopes」(「The new EAF and EAF Pro is not fully compatible with the 5mm flexible coupling. We strongly recommend using the 4mm flexible coupling」)、ZWO EAF Manual V1.0 §4(新 EAF はインターフェースを Type-B から Type-C に更新)

EAF Pro について:Sharpstar の表には EAF Pro の行がありません。ZWO は EAF と EAF Pro を同じモーター仕様(ステップ角 7.5°・減速比 1:128)で掲載していますが、50P AF KIT での EAF Pro の組み合わせを Sharpstar は明記していないため、本記事では断定しません。EAF Pro での運用をお考えの方は、ご購入前に公式 LINE でご相談ください。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表(EAF Pro の記載なし)、ZWO EAF Manual V1.0 §5 Specification Parameters

④ 用意するもの|チェックリスト

用意するもの 備考
Askar 50P 鏡筒 鏡筒バンド(ハンドル兼用)・ファインダー台座付き
50P AF KIT 別売。ベルト・プーリー・ブラケット・ネジ・レンチ一式
ZWO EAF 本体 新型 EAFN、または旧型 EAF
USB ケーブル 新型 EAF には 2m の USB2.0 ケーブル(Type-C to Type-A)が同梱
12V 電源(旧型 EAF のみ) 旧型は 11〜15V(DC12V@0.5A 推奨)、5.5mm×2.1mm センタープラス。USB だけでは動かない
制御側(ASIAIR / PC) 新型 EAF は初代 ASIAIR・ASIAIR Pro 非対応(⑥ 参照)

出典: Askar 50P User's Manual、ZWO EAF Manual V1.0 §3 Packing List、ZWO EAF Manual EN V2.4「EAF Specifications」、ZWO 公式製品ページ「Compatibility Notice」

EAF の箱には標準ブラケットと 4 種類のカップリング(4-4/4-5/4-6/4-7mm)が入っていますが、Sharpstar の 50P AF KIT 取付図では、EAF はキットのベースと L 型プレートに固定され、モーター軸にはカップリングではなくプーリーを直接取り付けています。50P ではこの 2 つは使わない構成です。予備として保管しておきましょう。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」③〜⑤、ZWO EAF Manual V1.0 §3 Packing List

⑤ 取り付け手順|Sharpstar 公式の 7 ステップ

Sharpstar 公式ページの取付図(Installation)を、手順ごとに日本語で整理します。作業は明るい室内で、鏡筒を水平な台に置いて行ってください。

  1. ファインダー台座を外す。3mm の六角レンチでファインダー台座の取付ネジを外し、台座を取り外します。50P の鏡筒バンドには左右両側にファインダー台座があり、取付図ではその片側を外してブラケットを付けています。
  2. ブラケットを鏡筒バンドに固定する。M4×10mm ネジで、電子フォーカサー用ブラケットを鏡筒バンドに固定します。
  3. プーリーを EAF のモーター軸に付ける。同期プーリーを電子フォーカサーの軸に差し込み、しっかり締めて固定します(旧 EAF は内径 5mm、EAFN は内径 4mm)。
  4. EAF をベースに載せる。図のとおり、電子フォーカサーをブラケットのベースに置きます。
  5. EAF と L 型プレートを締める。電子フォーカサー固定ネジ(機材に合わせて M3×10 または M4×10 を選ぶ)と、L 型ホロープレート固定ネジ(M4×12mm)をそれぞれ締めます。
  6. 穴位置が合わないときは L 型プレートを反転する。L 型プレートの向きを変えると、ネジ穴間隔の広い電子フォーカサーにも合わせられます。
  7. ベルトを掛ける。ベルトを鏡筒の前側からフォーカスリングへ滑り込ませ、プーリーに掛けます。このときベルトはテンショナープーリーの内側を通します。ベルトの張りはテンショナープーリーのロックネジで調整します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①〜⑦(英文の手順を日本語で要約)、Askar 50P User's Manual(「Dual finder bases are integrated on both sides of the tube ring」)

手順 3 のプーリー固定について、ひとつ補足します。ZWO は EAF のモーター軸について「片側が平らで片側が丸い異形軸なので、カップリングのネジは軸の平らな面に合わせて締める」「取り付け後は手でモーターを数回回して滑りがないか確認する」と指示しています。これはカップリングについての記載ですが、プーリーの止めネジも同じ軸に締めるものなので、止めネジを軸の平面に当てて締め、取り付け後に空回りしないか確かめるのが確実です。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3「Attention」2・3(カップリングについての指示。プーリーへの適用は当店の注記)

⑥ EAF の世代と ASIAIR|買う前に確認したいこと

50P 側の取り付けは前章のとおりですが、実際につまずきやすいのはEAF の世代と制御側(ASIAIR)の組み合わせです。

項目 旧 EAF 新 EAF(EAFN) EAF Pro
50P AF KIT のプーリー 内径 5mm 内径 4mm Sharpstar 表に記載なし
電源 DC 11〜15V(12V@0.5A 推奨) Type-C(動作時 5V/500mA) Type-C / 内蔵バッテリー 5V 2.5AH(動作時 4.2V/600mA)
通信 USB 2.0 Type-C Type-C / Bluetooth
モーター 35mm ステッピング・5760 ステップ ステップ角 7.5°・減速比 1:128 ステップ角 7.5°・減速比 1:128
寸法・重量 (旧マニュアルに記載なし) 41×52×70.3mm/215g 41×52×73.4mm/258g
動作温度 (旧マニュアルに記載なし) -20℃〜40℃ -10℃〜40℃

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表、ZWO EAF Manual EN V2.4「EAF Specifications」(旧 EAF)、ZWO EAF Manual V1.0 §5 Specification Parameters(EAF / EAF Pro)

組み合わせ ZWO 公式の記載
新 EAF(有線)× 初代 ASIAIR / ASIAIR Pro 非対応。新 EAF はモーターのトルク増に伴い必要電力が増え、旧世代 ASIAIR の USB 出力能力を超えるため。新世代 ASIAIR の使用を推奨
EAF Pro(Bluetooth)× ASIAIR Plus(RK 版)/ ASIAIR カメラ全ラインアップ 対応
EAF Pro(Bluetooth)× 初代 ASIAIR / ASIAIR Pro / ASIAIR Mini / ASIAIR Plus(CM4 版) 非対応
ASIAIR Plus の版の見分け方 本体の IC ナンバー末尾が「ASIAIRPLUS」= RK 版、「RPICM4」= CM4 版

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Compatibility Notice」「Wireless Bluetooth Control」(原文を要約)

PC で使う場合、EAF は ASCOM と INDI の両方に対応し、ZWO の ASIStudio・ASIAIR APP のほか、SharpCap・FireCapture・Maxim DL・The SkyX・SGP・Nebulosity・FocusMax などで利用できます。

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Extensive Software Support」

⑦ 取り付けたら最初にやること|ゼロ位置・最大ステップ・バックラッシュ

ZWO は「EAF のステッピングモーターにはトルクがあるため、初回操作時にゼロ位置と最大ステップを設定してフォーカサーの破損を防ぐこと」と明記しています。50P は Askar のマニュアルでフォーカス移動量が 15mm と示されている短ストロークの鏡筒なので、ここは必ず先に済ませてください。

設定 考え方
ゼロ位置 ZWO の推奨は「フォーカサーを完全に繰り込んだ位置」
最大ステップ ZWO の推奨は「フォーカサーの全ストローク以下の制限位置」。50P では 15mm の移動範囲に収まるように設定
バックラッシュ coarse=1000/fine=10 に設定 → 1000 ステップ繰り出す → fine で 1 回ずつ戻し、ピント側が動き始めるまでの回数 × 10 をバックラッシュ値とする(ZWO 旧マニュアルの手順)
回転方向 IN/OUT が逆なら Reverse で反転。反転したらゼロ位置を設定し直す

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1 / §6.1.1(初期設定・Reverse 使用時のゼロ位置再設定)、ZWO EAF Manual EN V2.4「Additional Installation Information」「Measuring the Focuser Backlash」、Askar 50P User's Manual「Focuser travel length:15mm」

ZWO 旧マニュアルのバックラッシュ測定は「EAF と反対側のフォーカスノブが動き始めるまで」を見る手順ですが、50P にはノブがありません。フォーカスリング自体が動き始めるまでを目で追って数えてください(50P への読み替えは当店の注記です)。

出典: ZWO EAF Manual EN V2.4「Measuring the Focuser Backlash」(50P への読み替えは当店の注記)

もうひとつ、ZWO のおすすめは「初回は昼間に遠くの建物などでピントを出し、そのときのステップ数を控えておく」こと。夜の現場でピント位置を探す時間が大きく減ります。

出典: ZWO EAF Manual EN V2.4「Manual Focus Control」

⑧ つまずきポイント 30 項目|症状・原因・対処

原因 1|EAFN に内径 5mm のプーリーを付けようとしている

症状:プーリーが軸にガタつく、止めネジを締めても空回りする。
原因:Sharpstar の公式表では、ZWO EAFN 用のプーリーは内径 4mm です。
対処:キットに入っている 2 個のうち、内径 4mm のプーリーに付け替えます。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表(ZWO EAFN:Inner diameter 4mm)

原因 2|旧 EAF に内径 4mm のプーリーを付けようとしている

症状:プーリーが軸に入らない。
原因:公式表の「ZWO EAF」(旧型)用プーリーは内径 5mm です。
対処:内径 5mm のプーリーを使います。無理に押し込まないでください。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表(ZWO EAF:Inner diameter 5mm)

原因 3|EAF Pro の組み合わせが表に見当たらない

症状:どのプーリーを使えばいいか分からない。
原因:Sharpstar の公式表には EAF Pro の行がありません。
対処:推測で決めず、ご購入前に販売店(当店は公式 LINE)へご相談ください。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表(EAF Pro の記載なし)

原因 4|4 本のベルトのうち違う長さを使っている

症状:ベルトが短くて掛からない、または長すぎてテンショナーで張り切れない。
原因:ベルトは電子フォーカサー機種ごとに長さが決まっています。ZWO は旧型・EAFN ともに 134MXL(168 歯)です。
対処:134MXL(168 歯)のベルトを選び直します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表・同梱物写真

原因 5|他社フォーカサーから EAF に乗り換えたのに、ベルトをそのまま使っている

症状:乗り換え後にベルトの張りが合わない。
原因:QHYCCD Q-Focuser は 130MXL、Pegasus Astro FocusCube は 118MXL、Astro Automatic Focuser は 140MXL と、機種ごとにベルトが異なります。
対処:EAF 用の 134MXL(168 歯)に交換します。プーリーの内径も合わせて確認します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT 機種別表

原因 6|キットに EAF が入っていると思っていた

症状:届いた箱に部品しか入っていない。
原因:公式ページは「50P と図中の電子フォーカサーはキットに含まれない」と明記しています。
対処:EAF 本体は別途ご用意ください。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Attention」

原因 7|50P 本体にキットが付属していると思っていた

症状:50P を買ったのに EAF を付ける部品がない。
原因:50P の同梱物は鏡筒(M48 アダプター付き)・チェックリスト・マニュアルです。
対処:50P AF KIT を別途手配します。

出典: Askar 50P User's Manual「Accessories」、Sharpstar 公式 50P 製品ページ「Standard package items」

原因 8|EAF 付属のカップリングで付けようとしている

症状:カップリングを差し込む軸が見当たらない。
原因:50P のフォーカサーはつまみ軸のないフォーカスリング式です。ZWO の標準手順(粗動ノブを外して軸にカップリング)は前提が異なります。
対処:50P AF KIT のプーリーとベルトで駆動します。

出典: Askar 50P User's Manual「Instructions for use」、ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3

原因 9|ファインダー台座を外さずにブラケットを付けようとしている

症状:ブラケットを付ける場所が見つからない。
原因:公式手順の最初の工程は、ファインダー台座を外すことです。
対処:3mm 六角レンチで台座の取付ネジを外し、その位置にブラケットを M4×10mm で固定します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①②

原因 10|EAF 側のネジ穴と L 型プレートの穴位置が合わない

症状:ネジが片側しか通らない。
原因:電子フォーカサーのメーカーによってネジ穴の間隔が違います。
対処:L 型プレートの向きを反転すると、穴間隔の広い機種に合わせられます。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑥

原因 11|EAF 固定ネジの太さを間違えている

症状:ネジが入らない、またはゆるい。
原因:電子フォーカサー固定ネジは、機材に合わせて M3×10 と M4×10 を使い分ける指定です。
対処:EAF 本体のネジ穴に合うほうを選びます。無理にねじ込むとネジ山を傷めます。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑤(「choose M3×10 or M4×10 depending on your equipment」)

原因 12|ネジの長さを取り違えている

症状:M4 ネジが余る、足りない、締め切れない。
原因:M4×10mm はブラケットの鏡筒バンド固定、M4×12mm は L 型プレート固定と、長さで用途が分かれています。
対処:取付図の指定どおりに使い分けます。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」②⑤

原因 13|ベルトがテンショナープーリーの外側を通っている

症状:ベルトの張りが調整できない、動かすと外れる。
原因:公式図の指定は「ベルトはテンショナープーリーの内側に掛ける」です。
対処:ベルトを掛け直し、テンショナーの内側を通します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑦(「Install the synchronous belt on the inside of the tensioner pulley」)

原因 14|ベルトが緩い

症状:EAF は回っているのにピントが動かない・途中で止まる。
原因:ベルトが緩いと、歯が噛み合わずに滑ります。
対処:テンショナープーリーのロックネジで張りを調整します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」⑦(「Tensioner pulley locking screw: adjusts the tightness of the synchronous belt」)

原因 15|ベルトを張りすぎている

症状:動きが重い、EAF が止まってビープ音が鳴る。
原因:張りすぎると、モーターにもフォーカスリングにも余計な負荷がかかります。ZWO は、ストールなどの異常時に EAF がビープ音で警告すると記載しています。
対処:テンショナーを少し緩め、歯飛びしない範囲で軽く回る張りに戻します。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1「Abnormal Alarm」(張りすぎによる負荷増はベルト駆動の一般的知見。Sharpstar 公式に張力の数値指定はありません)

原因 16|プーリーの止めネジが緩んでいる

症状:モーター音はするがピントが動かない。
原因:プーリーが軸の上で空回りしています。公式手順は「プーリーを取り付けてしっかり締める」です。
対処:止めネジを締め直し、手でモーターを数回回して滑らないことを確認します。

出典: Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」③、ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3「Attention」3

原因 17|止めネジを軸の丸い面に当てている

症状:しっかり締めたはずなのに、使っているうちに滑る。
原因:EAF のモーター軸は片側が平らな異形軸です。ZWO はカップリングのネジを平らな面に合わせるよう指示しています。
対処:プーリーの止めネジも軸の平面に当てて締めます。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3「Attention」2(カップリングについての指示。プーリーへの適用は当店の注記)

原因 18|旧 EAF を USB だけで動かそうとしている

症状:認識はされるがモーターが回らない。
原因:旧型 EAF の電源は DC 11〜15V(12V@0.5A 推奨)で、USB はデータ通信用です。
対処:5.5mm×2.1mm センタープラスの 12V 電源を接続します。

出典: ZWO EAF Manual EN V2.4「EAF Specifications」

原因 19|新 EAF を初代 ASIAIR・ASIAIR Pro に挿している

症状:ASIAIR で EAF が使えない。
原因:ZWO は、新 EAF の必要電力が旧世代 ASIAIR の USB 出力を超えるため、初代 ASIAIR と ASIAIR Pro は非対応としています。
対処:新世代の ASIAIR、または PC(ASCOM)で使います。

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Compatibility Notice」

原因 20|EAF Pro の Bluetooth が ASIAIR に繋がらない

症状:Bluetooth 接続が見つからない。
原因:EAF Pro の Bluetooth は ASIAIR Plus(RK 版)と ASIAIR カメラに対応し、初代・Pro・Mini・Plus(CM4 版)は非対応です。
対処:本体 IC ナンバー末尾(ASIAIRPLUS/RPICM4)で版を確認し、非対応機なら有線で接続します。

出典: ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ「Wireless Bluetooth Control」

原因 21|EAF Pro が起動しない

症状:スイッチを ON にしても反応しない。
原因:出荷時の「トランスポートモード」のままです。
対処:Type-C を PC・ASIAIR・モバイルバッテリー・充電器などに挿してから ON にします。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1「Activate the Device」

原因 22|ゼロ位置と最大ステップを設定せずに動かした

症状:フォーカスリングが端に当たってもモーターが止まらない。
原因:50P の移動量は 15mm と短く、制限を入れないとすぐに端へ到達します。
対処:⑦ の手順でゼロ位置と最大ステップを先に設定します。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1「Initial Setup of EAF」、Askar 50P User's Manual「Focuser travel length:15mm」

原因 23|IN と OUT が逆に動く

症状:繰り込みのつもりが繰り出す。
原因:ベルト駆動の取り付け向きによって、回転方向が期待と逆になることがあります。
対処:ASIAIR APP・ASCOM・ASIStudio の Reverse で反転します(EAF Pro は本体の IN と OUT の同時短押しでも可)。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1「IN/OUT」

原因 24|Reverse 後にゼロ位置を設定し直していない

症状:反転後、位置表示と実際のピントがずれる。
原因:ZWO は、Reverse を使った場合はゼロ位置を再設定するよう指示しています。
対処:フォーカスリングを繰り込み端に戻し、ゼロ位置を設定し直します。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1「Pre-Usage Parameter Setup」

原因 25|バックラッシュを測っていない

症状:手動フォーカスで、戻す方向だけ反応が遅れる。
原因:ベルト・プーリー・ヘリコイドを介するため、方向転換時に遊びが出ます。
対処:⑦ の手順でバックラッシュ値を測り、設定します。

出典: ZWO EAF Manual EN V2.4「Measuring the Focuser Backlash」

原因 26|ASIAIR のオートフォーカスでバックラッシュ設定が効かない

症状:バックラッシュ値を入れたのに AF の挙動が変わらない。
原因:ZWO の ASIAIR 解説では、Fine/Coarse/Backlash の 3 設定は手動フォーカス時のみ使われ、ユーザー定義のバックラッシュは AF ルーチンでは使われないとされています。
対処:AF は AF 側の設定(ステップサイズ等)で調整します。

出典: ZWO 公式 KB「ASIAIR Focus」(「These three settings are only used during manual focusing」「user defined backlash is not used by AF routines」)

原因 27|オートフォーカスの V カーブが描けない

症状:AF が何度もやり直す、合焦位置が推定できない。
原因:ZWO は、手動で合わせた開始位置が V カーブを描ける位置でないと、AF がさらに位置を移して再試行すると説明しています。
対処:先に手動でおおよそピントを出してから AF を実行します。

出典: ZWO 公式 KB「ASIAIR Focus」

原因 28|暗闇でピント位置がまったく掴めない

症状:星が大きくボケて、どちらへ動かせばいいか分からない。
原因:ピント位置の目安を持たずに現場に出ています。
対処:昼間に遠方の建物でピントを出し、そのステップ数を控えておきます。

出典: ZWO EAF Manual EN V2.4「Manual Focus Control」

原因 29|夜が更けるとピントがずれていく

症状:撮影開始時は合っていたのに、後半の星像が甘い。
原因:気温変化でピント位置が動いています。
対処:EAF は 3.5mm 端子に外付けの温度センサーを接続できます。ASIAIR では時間・温度・フィルター交換をきっかけに再フォーカスを実行する設定があります。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §4・§6.1、ZWO 公式 KB「ASIAIR Focus」(AF トリガー設定)

原因 30|夜露や厳寒で動作が不安定になる

症状:夜露で濡れたあとや真冬に動きがおかしい。
原因:EAF の動作湿度は 20〜60%(結露なきこと)、動作温度は EAF が -20℃〜40℃、EAF Pro が -10℃〜40℃です。
対処:夜露対策をし、範囲外の環境での使用は避けます。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §5 Specification Parameters

⑨ 50P ならではの注意点

バックフォーカスは先に合わせる。50P はフラットナー内蔵で、接続距離は 50〜65mm(推奨 55mm)、M48×0.75 オスねじの基部から最大 65mm までと指定されています。フォーカス移動量は 15mm なので、カメラ側の接続距離がこの範囲から外れていると、EAF でリングを端まで回してもピントが来ない、ということが起こり得ます。EAF を付ける前に、手動でピントが出ることを確認しておきましょう。

出典: Askar 50P User's Manual「Instructions for use」「Rear-end connection distance」「Focuser travel length」、Sharpstar 公式 50P 製品ページ「Parameters」

ファインダー台座が 1 か所減る。50P の鏡筒バンドには左右にファインダー台座がありますが、AF KIT の取付手順ではその片側を外してブラケットを付けます。ファインダーやガイド鏡を載せる計画がある方は、もう片側の台座と、ドブテイル・M4 ねじ穴の使い方を先に考えておくと安心です。

出典: Askar 50P User's Manual「Instructions for use」、Sharpstar 公式 50P AF KIT「Installation」①

PC もスマホも使わずに微調整したいとき。EAF には別売のハンドコントローラー(EAF-HC)を 3.5mm 端子に接続でき、手元でフォーカスを操作できます。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.5 Hand Controller Focusing

⑩ 関連商品

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最終更新: 2026-09-26/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar(Askar)公式 50P AF KIT・50P 製品ページ、Askar 50P 公式マニュアル、ZWO 公式 EAF マニュアル・製品ページ・ナレッジベース に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑬ よくある質問(FAQ)

Q1. Askar 50P に ZWO EAF は付きますか?

付きます。ただし別売の「50P AF KIT」が必要です。50P のフォーカスリングには MXL 歯が切ってあり、キットのベルトとプーリーで EAF とつなぎます。

Q2. EAF 付属の標準ブラケットとカップリングだけで付けられませんか?

50P はつまみ軸のないフォーカスリング式のため、ノブを外して軸にカップリングを付ける ZWO の標準手順は当てはまりません。Sharpstar の公式取付図でも、EAF はキットのベースに固定し、軸にはプーリーを付けています。

Q3. 50P AF KIT には何が入っていますか?

MXL 同期ベルト 4 本、20 歯 MXL プーリー 2 個(内径 4mm と 5mm)、アダプターブラケット 1 個、L 型ホロープレート 2 枚、六角レンチ 3 本、M4×12mm ネジ 2 本、M4×10mm ネジ 4 本、M3×10mm ネジ 2 本です。50P 本体と電子フォーカサーは含まれません。

Q4. ZWO EAF にはどのベルトとプーリーを使いますか?

ベルトは旧型 EAF・EAFN とも 134MXL(168 歯)です。プーリーは旧型 EAF が内径 5mm、EAFN が内径 4mm です(Sharpstar 公式表)。

Q5. EAF Pro でも使えますか?

Sharpstar の公式表には EAF Pro の記載がありません。組み合わせはご購入前に公式 LINE でご確認ください。

Q6. ZWO 以外の電子フォーカサーにも対応しますか?

Sharpstar の公式表には、iOptron iEAF、Astro Automatic Focuser、QHYCCD Q-Focuser、Pegasus Astro FocusCube の組み合わせも掲載されています。機種ごとにベルトの長さが異なります。

Q7. 取り付けに特別な工具は要りますか?

ファインダー台座を外すのに 3mm の六角レンチを使います。キットには六角レンチが 3 本付属しています。

Q8. 手持ちの ASIAIR で新型 EAF は使えますか?

ZWO は、新型 EAF について初代 ASIAIR と ASIAIR Pro は USB 出力が足りないため非対応としています。新世代の ASIAIR か、PC(ASCOM)での運用になります。

Q9. 取り付けたあと、最初に何を設定しますか?

ゼロ位置と最大ステップです。50P のフォーカス移動量は 15mm なので、その範囲に収まるよう最大ステップを設定し、続けてバックラッシュを測ります。

参考にした一次情報

  1. Sharpstar(Askar)公式 50P AF KIT 製品ページ— Product introduction、Kit contents、Attention、Installation ①〜⑦、機種別ベルト/プーリー表、同梱物写真
  2. Askar 50P User's Manual— Instructions for use、50P Specifications、Product Size Diagram(Focuser travel length)
  3. Sharpstar(Askar)公式 50P 製品ページ— Parameters、Standard package items
  4. ZWO EAF Manual V1.0(EAF / EAF Pro)— §3 Packing List、§4 Product Introduction、§5 Specification Parameters、§6.1 / §6.1.1、§6.2.1、§6.2.3、§6.3.5
  5. ZWO EAF Manual EN V2.4(旧 EAF)— EAF Specifications、Additional Installation Information、Manual Focus Control、Measuring the Focuser Backlash
  6. ZWO 公式製品ページ EAFN / EAF Pro— Compatibility Notice、Wireless Bluetooth Control、Extensive Software Support、カップリングの注記
  7. ZWO 公式 KB「ASIAIR Focus」— 手動フォーカス設定、AF ルーチン、AF トリガー
  8. ZWO 公式 EAF Compatible Focuser List & Connecting Methods— SharpStar の節

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