ZWO NEW EAF アドバンスセット 使い方・撮影設定 完全ガイド|同梱ハンドコントローラー・温度センサーで自動ピント合わせを一晩中安定させる

ZWO NEW EAF アドバンスセット 使い方・撮影設定 完全ガイド|同梱ハンドコントローラー・温度センサーで自動ピント合わせを一晩中安定させる

最終更新: 2026年08月15日|天体ショップ(株式会社天文堂)

ZWO NEW EAF アドバンスセットは、電動フォーカサー本体(NEW EAF = EAFN)に、手元操作用のハンドコントローラー(EAF-HC)と温度センサー(EAF-Sensor)を同梱した「これだけで一晩の運用が完結する」構成のセットです。単体機に比べて後付け購入の迷いがなく、PC ありの撮影、PC なしの惑星/目視、夜間の温度補正、遠征時の手元合わせ、と使い分けが最初から想定できます。本記事では、開封から撮影ソフトでのオートフォーカス設定・温度補正・保管まで、一次情報(ZWO 公式マニュアル V1.0 / N.I.N.A. 公式ドキュメント)に沿って手順を解説します。

① 開封から通電確認まで|構成品と端子配置

1|構成品の確認(アドバンスセット)

やること:NEW EAF 本体・EAF ハンドコントローラー・温度センサーの 3 点が揃っているか確認する。
ポイント:NEW EAF 単体版の同梱品は「EAF 本体 ×1/標準ブラケット ×1/2m USB2.0(Type-C to Type-A)ケーブル ×1/3mm ・ 2mm 六角レンチ 各1/フレキシブルカプラー(4mm・5mm・6mm・7mm)各1/M5×10 六角ネジ ×2・M4×8 六角ネジ ×4/スペーサ 5枚(内径5mm)/Quick Guide」。アドバンスセットはこれに HC と温度センサーが加算される。
設定値の目安:受け取り時に付属六角レンチ 2 本と 4 種カプラーが揃っていることを最優先で確認。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §3 Packing List

2|EAF 本体の端子とボタン

やること:本体上面の IN/OUT ボタンUSB Type-C 端子TEMP/HBX(3.5mm オーディオ端子)ステッパモータ軸の 4 か所を目視で確認する。
ポイント:NEW EAF(EAFN 標準機)は 電源スイッチ・LED ステータスランプ・内蔵バッテリを持たない。これらは上位機の EAF Pro 専用機能。Type-C 給電で常時通電される前提の設計。
設定値の目安:Type-C は「通信」と「電源」を兼ねる。動作時 5V/500mA。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §5 / §6.1

3|通電確認

やること:付属の Type-C ケーブルで PC もしくは ASIAIR に接続 → 通電されると本体が電源 ON。
ポイント:初回はまず PC の USB ポート、モバイルバッテリ、ASIAIR 本体のいずれかに接続して起動確認。異常時(stalling = 停動)はブザーが「ピーピー」と警告音を出す仕様。
設定値の目安:入力電圧 5V/500mA。動作温度 −20〜40℃/動作湿度 20〜60%(結露なきこと)。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §5 / §6.1.1

4|NEW EAF と旧 EAF の違い(カプラー径)

やること:新旧混在で運用する人は要注意。NEW EAF(EAFN/EAF Pro)は内部モータが更新され、シャフトカプラの径が 5mm → 4mm に変更されている。
ポイント:旧 EAF 用に買い足していたブラケットや別売カプラーは、そのまま NEW EAF に流用できない場合がある。
設定値の目安:付属フレキシブルカプラーは 4/5/6/7mm の 4 種。焦点部の粗動軸径に合うものを 1 本選ぶ。

出典: Mile High Astro EAFN 商品ページ 仕様変更告知

5|ステップ分解能と積載仕様

やること:導入する鏡筒の焦点部トルクと重量に対して、EAF の仕様が十分か確認する。
ポイント:ステッパモータのステップ角 7.5°/減速比 1:128。ZWO 公式によるステップ分解能表記は「≈2.812μm/per step」(実際のフォーカサー移動量は連結部の減速比に依存)。
設定値の目安:公称積載 5kg(11.02 lbs)。冷却カメラ+オフアキ+フィルターホイールの合算で 5kg を大きく超える鏡筒ではフォーカサー側の対策も必要。

出典: ZWO 公式 EAFN/EAF Pro 製品ページZWO EAF Manual V1.0 §5

② 焦点部への物理取付|ブラケット・カプラー・向き

6|標準ブラケットが公式にカバーする鏡筒

やること:手持ちの鏡筒が標準ブラケット対応リストに載っているか公式マニュアルで確認する。
ポイント:公式マニュアルが標準ブラケットで対応をうたうのは「SkyWatcher アストロフォト用反射鏡/Black Diamond/Dobsonian/Maksutov-Newtonian/TS-Optics/Astro-Tech/Feather Touch/SharpStar/SkyRover/Explore Scientific」。Askar・Takahashi・Celestron SCT/FSQ 等は専用ブラケットが別に必要な鏡筒が多い。
設定値の目安:非対応鏡筒は「専用ブラケット+適合カプラー径」の 2 点を合わせないと固定できない。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.1 Supported Telescopes

7|取付手順(標準ブラケット)

やること:公式手順:①フォーカサー粗動ノブを外す → ②焦点部の粗動軸に付属カプラーを取り付け、2mm 六角で締結 → ③EAF 本体をカプラーに差し込み、モータ軸のフラット面と止めネジを一致させて 2mm 六角で締結 → ④EAF 本体をブラケットに固定 → ⑤ブラケットを付属 M4 ネジで焦点部の取付穴に固定。
ポイント:ブラケットが EAF 本体の取付面と隙間なく密着し、焦点部本体面と平行であることを目視確認。
設定値の目安:各ネジは無理な締め込みをせず、モータを手で数回回して滑らないかを取付直後に必ず確認。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3 EAF Setup

8|カプラー取付の落とし穴(滑り防止)

やること:カプラーは EAF モータ軸に対して「同じ側の 2 本の止めネジを、モータ軸のフラット面に必ず一致させて締結する」
ポイント:NEW EAF のモータ軸は片側フラットの異形状。ネジを丸面側に締めると必ずスリップが発生し、ステップ数と実位置がズレる(AF が収束しない)原因になる。
設定値の目安:取付直後に手でモータを数回回転、コツンとした感触があれば正解。滑る手応えがあれば締結ネジ位置を再確認。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3 Attention

9|カーブ型フォーカサーに取り付ける場合

やること:フォーカサーが湾曲している機種は、専用の 1 本止めで固定する(EAF ブラケット底面の溝で位置決めされる)。
ポイント:この場合、ゼロ点は「フォーカサー完全収納位置」ではなく「合焦点近傍」で取る(次章)。
設定値の目安:元のフォーカサー止めネジと 3 枚のワッシャで固定。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.2.3

10|ケーブル取り回しの推奨

やること:Type-C(電源+通信)は経路を短く、鏡筒回転/子午線越えでも引っ張られないよう余長を付ける。
ポイント:TEMP/HBX 端子(3.5mm ジャック)はケーブルが細いのでモータ回転側と干渉させない。
設定値の目安:付属ケーブルは 2m。ASIAIR 直挿し運用ならこの長さで通常足りる。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §3(付属ケーブル長)/§6.1

③ ハンドコントローラーと温度センサーの接続|端子共有の重要ポイント

11|「TEMP/HBX」端子は 3.5mm オーディオジャック(共有)

やること:NEW EAF 本体の TEMP/HBX 端子は 3.5mm オーディオジャックで、温度センサーとハンドコントローラーの両方が同じ端子を使用する
ポイント:公式マニュアルの説明どおり「温度センサ/HC どちらか一方のみを接続する」設計。物理的に同時接続はできない。
設定値の目安:用途別に差し替える運用が前提(下記トピック 13〜14 参照)。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §5 / §6.1(TEMP/HBX 記載)

12|ハンドコントローラー(EAF-HC)の接続

やること:HC の 3.5mm プラグを EAF 本体の TEMP/HBX 端子に差すだけ。PC・スマホ・別電源は一切不要。
ポイント:ドライバやアプリのインストールも不要のプラグアンドプレイ。IN/OUT ボタンで焦点部を手動移動できる。
設定値の目安:ハンドコントローラー動作中に AF ソフト側が温度センサー値を参照する運用は不可(同時接続不可のため)。

出典: ZWO EAF Hand Controller 製品説明ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.5

13|温度センサーの接続と貼り付け位置

やること:温度センサーの 3.5mm プラグを TEMP/HBX 端子に差し、センサーヘッドは鏡筒外周に貼るなど「外気温を拾える位置」に固定する。
ポイント:センサーは EAF 本体を経由してソフト(ASCOM/N.I.N.A./SGP/ASIAIR)に温度値を返し、温度補正フォーカスや AF トリガに利用される。
設定値の目安:センサーを電子回路・冷却カメラ本体・PC 本体の近くに貼らない(発熱源の熱を拾って外気温を過大評価する)。

出典: ZWO EAF Temperature Sensor 製品説明First Light Optics 温度センサー製品説明

14|運用シーン別の使い分け(差し替え運用)

やること:①PC 撮影+温度補正メイン → 温度センサーを常時挿す。②遠征で PC を持たない目視・惑星・極軸微調中 → HC に差し替える。③片方だけ買い足すのを迷った運用はセット構成なら不要になる。
ポイント:差し替えは EAF 通電中でも可能だが、AF セッション実行中に抜き差しするとその回の AF がリセットされる。
設定値の目安:撮影セッション開始時にどちらを挿すか決めておく。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1 / §6.3.5

④ ドライバとソフトのインストール

15|ASCOM ドライバ(Windows)

やること:ZWO 公式サイト「Software」から ZWO EAF 用 ASCOM ドライバをダウンロードし、インストーラで導入。
ポイント:ASCOM ドライバは EAF 単体で使うだけでなく、SharpCap/FireCapture/MaxIm DL/The SkyX/SGP/Nebulosity/FocusMax など、Windows で ASCOM 対応の撮影ソフトすべてで共通利用する。
設定値の目安:ドライバ設定画面から「Zero 設定」「目標位置 GOTO」「ステップサイズ」「Max Position」「Backlash 補正」「Reverse」の全項目を触れる。

出典: ZWO 公式 ソフトウェア案内ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1

16|ASIStudio(PC 用ネイティブ)/INDI(Linux/Mac)

やること:PC で ZWO 純正の統合環境を使うなら ASIStudio 内の「ASIImg」から EAF を制御。Linux/Mac 系は INDI ドライバ経由。
ポイント:ASIStudio は EAF の Zero/Max/Backlash 設定と AF 実行が 1 画面で完結。
設定値の目安:USB2.0 で接続 → デバイスリストから EAF を選択 → 接続スイッチ ON、の 3 手順。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §4 / §6.3.2

17|ASIAIR(モバイル)

やること:EAF の Type-C ケーブルを ASIAIR の USB ポートに差す → ASIAIR アプリの「EAF」タブから USB を選択 → 接続 ON。
ポイント:ASIAIR で扱える機能は「Zero/Max/Backlash/Reverse/手動 IN・OUT/オートフォーカス/温度補正/AF トリガ設定」まで。
設定値の目安:詳細は ZWO 公式のオンラインヘルプに沿う。ASIAIR は EAF Pro のみ Bluetooth 接続を追加で選べるが、標準機の EAFN は USB のみ。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.3

⑤ 初期設定:ゼロ点・最大ステップ・リバース方向

18|初回起動時に必ず設定する 3 項目

やること:公式マニュアルは初回運用時に「ゼロ点設定・最大ステップ設定・バックラッシュ設定」を必ず行うよう指示している。
ポイント:ステッパモータには一定のトルクがあり、突き当たり保護が入っていない。上限を設けずに GOTO を打つとフォーカサーの物理端に激突する可能性がある。
設定値の目安:ゼロ点=下端、Max Position=焦点部トラベル以内、Backlash=実測値。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1 / §6.3.1 EAF Parameter Settings

19|ゼロ位置の取り方

やること:①標準ブラケット装着なら「フォーカサーを完全に沈めた位置」でゼロ点を設定。②カーブ型フォーカサーは「合焦点近傍」でゼロ点を設定。
ポイント:ゼロ点は「絶対位置ゼロ」として保存される。ドライバやソフト側の「Set Position to 0」機能を使う。
設定値の目安:ゼロ点を下端で取れば、以降の位置は上向きへの正の整数として扱える。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1 Zero Position Setting

20|最大ステップ(Max Position)の設定

やること:ドライバの Advanced 設定で「最大ステップ数」を焦点部の物理トラベル以内に設定。
ポイント:Max Position を「焦点部のフルストローク以下」の値にしておくと、ソフト側 GOTO が上限を超えた瞬間に自動停止する。
設定値の目安:フォーカサーを一度手でフルストローク動かしてステップ数を控え、その 80〜90% 程度を Max Position とする運用が安全。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1 Upper Limit Setting

21|リバース(Reverse)方向の切り替え

やること:本体の IN と OUT を 1 秒未満で同時に押して離すと、ビープ音とともに焦点方向が反転する(ソフト側ドライバの Reverse ボタンでも切替可)。
ポイント:反転させた後はゼロ位置を再設定必須。マニュアルに明示されている。
設定値の目安:「IN で内側に沈む」「OUT で外側に伸びる」など、鏡筒側の直感と一致する方向に整えておく。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1 / §6.1.1 (7)

⑥ バックラッシュ測定と補正

22|公式のバックラッシュ測定手順(ASICAP 例)

やること:①EAF を接続して ASICAP を開き EAF 制御を有効化。②粗動ステップサイズを 1000、微動ステップサイズを 10 に設定。③粗動「Out」を 1 回押して外側に 1000 ステップ移動。④微動「In」を 10 ステップずつ内側に押し、対岸のフォーカサーノブがいつ回り始めるかを目視で数える。
ポイント:ノブが回り始めるまでのクリック数 × 10 が実測バックラッシュ値。例:4 回目で回り始めたなら 3 × 10 = 30 ステップ。
設定値の目安:より精度を上げたい場合は微動を 5 ステップに減らして再測定。

段取り 操作 目的
1 粗動 1000/微動 10 に設定 測定基準の粒度を決める
2 粗動 Out で 1000 ステップ移動 初期方向を確定させる
3 微動 In を 10 ステップずつ 反転時のガタを可視化
4 ノブが回り始めたクリック数×10 バックラッシュ値(ステップ)

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1 Backlash Measurement

23|補正値の入れどころ(ASCOM か、撮影ソフトか)

やること:測ったバックラッシュ値をどこに入れるかを決める。ASCOM ドライバ側か、撮影ソフト(SGP/N.I.N.A. 等)側のいずれか一方だけに入れるのが原則。
ポイント:両方に入れると二重補正となり、AF が明後日の方向に打たれる。マニュアルは「SGP で補正するなら ASCOM 側の Backlash は 0 にしろ」と明示している。
設定値の目安:SGP のソフト側補正は「方向 OUT/補正量は実測値より少し大きめ/推奨 100 ステップ」。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1(16) / §6.3.1.2 SGP Focusing

24|N.I.N.A. のバックラッシュ補正方式

やること:N.I.N.A. のフォーカサー設定で「Backlash IN/Backlash OUT」欄に方向別のステップ数を入れる。補正方式は「Absolute(方向転換時に固定量を加える)」または「Overshoot(大きく行き過ぎてから目標位置に戻る)」から選ぶ。
ポイント:Overshoot 方式のほうがフォーカサーのガタを毎回同じ方向に押さえられるため、V-curve の再現性が高くなりやすい。
設定値の目安:N.I.N.A. 側で補正するなら、ASCOM ドライバ側 Backlash は 0 にする(二重補正回避)。

出典: N.I.N.A. 公式 Auto-Focus ドキュメント Backlash Compensation

⑦ オートフォーカスの原理|V-curve とステップサイズの決め方

25|V-curve とは何か

やること:オートフォーカスは、EAF を一定ステップずつ内外に振りながら星像の HFR/HFD/FWHM を測定し、位置 vs 星像サイズのグラフ(V 字形)を作る。V の底=最良合焦位置。
ポイント:ステップサイズが小さすぎると V の傾きが取れず、大きすぎると頂点が飛んで精度が出ない。「頂点を挟んで 4〜5 点ずつ、合計 9〜12 点」で V が読める粒度が目安。
設定値の目安:N.I.N.A. は「Auto Focus Initial Offset Steps」の既定が 4(Star HFR 使用時)/6(コントラスト使用時)。この値を出発点にして「片側 4 点 × 2+中心 1」の 9 点を最低ラインとする。

出典: N.I.N.A. 公式 Auto-Focus ドキュメント Initial Offset StepsASIAIR AF 運用ガイド

26|ステップサイズと Critical Focus Zone(CFZ)

やること:フォーカサーが「星が鋭く見える範囲」=CFZ を持っていて、ステップサイズを CFZ の外まで振らないと V の両端が上がらない。
ポイント:公式マニュアルは SGP でのオートフォーカス推奨として「データポイント 9 点/ステップサイズ 5〜20」と例示している。ただし、これはあくまで一例で、実際の適正値は焦点比・カメラ・鏡筒によって数十〜数百まで幅がある。
設定値の目安:初回は SGP マニュアルの下限(5〜20)でテスト → V が浅ければステップサイズを増やして再測定。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1.2 SGP Focusing

27|N.I.N.A. の AF フィッティング方式の選び方

やること:N.I.N.A. は AF のカーブフィッティングとして「Trend Lines(既定)/Parabolic/Hyperbolic/Contrast Detection(Gaussian)」の 4 方式を持つ。
ポイント:反射望遠鏡や中望遠 F 値の屈折で星像が回折で丸くなる系は Hyperbolic が V の頂点を読みやすい。星像が満点で取れないターゲット(銀河核・惑星)は Contrast Detection を試す。
設定値の目安:迷ったら既定の Trend Lines を出発点に、V が非対称・頂点が読めない場合に Hyperbolic に切り替え。

出典: N.I.N.A. 公式 Auto-Focus ドキュメント Fitting Methods

⑧ ソフト別 AF 設定ガイド

28|ASIAIR でのオートフォーカス

やること:①EAF タブから接続を確認 → ②AF 用の露出時間・ゲイン・ビニングを決める → ③「Coarse Step / Fine Step」を鏡筒に合わせて設定 → ④「Run」で AF 実行。
ポイント:フィルタ有り運用(特にナローバンド)では、AF 露出をルミナンス系より 3〜4 倍長く取ると HFD が安定する。
設定値の目安:ASIAIR の Step Size の既定は 30。C11 Edge + Feathertouch 級で 60、10:1 減速フォーカサー付きで数百単位まで大きくする例もある(鏡筒による)。

出典: ASIAIR AF 運用ガイドZWO EAF Manual V1.0 §6.3.3

29|N.I.N.A. でのオートフォーカス

やること:「Equipment → Focuser」で ZWO Focuser(ASCOM)を接続 → 「Auto-Focus」タブで Initial Offset Steps、Step Size、Backlash IN/OUT、Fitting Method を設定。
ポイント:N.I.N.A. のドキュメントは「バーティノフマスクで一度合焦させておき、そこから内側/外側に少しずつ動かして HFR が測定できなくなるところまでの合計移動量を『最大初期オフセット』とする」測定手順を推奨している。
設定値の目安:その最大値の 80% を Initial Offset Steps(既定 4)で割った値を初期 Step Size にする、が公式の目安。

出典: N.I.N.A. 公式 Auto-Focus ドキュメント Step Size

30|SGP でのオートフォーカス

やること:「Focuser」で ZWO Focuser を選択 → Focus Control で ゼロ点/上限/バックラッシュを EAF Parameter Settings 章に沿って入れる → Auto Focus Setup で「データポイント 9/ステップサイズ 5〜20」を初期値にする。
ポイント:SGP の AF トリガは「一定枚数撮影後/温度変化/時間間隔/フィルタ変更/プラン開始時」から複数選べる。
設定値の目安:ソフト側バックラッシュ補正の方向は OUT、補正量は「実測より少し大きめ・推奨 100 ステップ」(前章)。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.1.2 SGP Focusing

31|ASIStudio(PC)/FocusMax

やること:ASIStudio では ASIImg 画面から EAF アイコン → 手動フォーカス/オートフォーカスを実行。FocusMax は System → EAF 選択 → Vcurve ダイアログでステップ数(既定 −10)を設定して AF を実行。
ポイント:ASIStudio 撮影終了後は「Marker 1 に 0 を入れて Goto」で焦点部をゼロ位置に戻すのが公式手順。輸送時のダメージ防止に有効。
設定値の目安:FocusMax の step per move は既定 −10(内方向)。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.3.2 / §6.3.1.6

⑨ 温度補正・遠征運用・保管・トラブル切り分け

32|温度補正フォーカスの考え方

やること:温度センサーを EAF に挿し、ASCOM/N.I.N.A./SGP/ASIAIR いずれかで「温度変化 ΔT を検知したら AF を実行」もしくは「温度に比例して焦点位置を自動シフト」する設定を有効にする。
ポイント:気温が下がると鏡筒が縮み、金属フォーカサーが後退方向にずれる。夜間で 5〜10℃ 下がる遠征夜では、無補正だと 30〜60 分ごとに星像が甘くなる。
設定値の目安:まずは「一定露出枚数ごとに AF 実行」+「温度変化 1〜2℃ ごとに AF 実行」の 2 トリガを ORで走らせる保守設定から始める。

出典: ZWO EAF Temperature Sensor 製品説明ASIAIR AF トリガ運用ガイド

33|遠征運用・保管の注意

やること:①屋外運用は防水対策を必ず入れる(本体は生活防塵レベル)。②強風・雨天時はすぐ屋内退避。③長期未使用時は乾燥・遮光した場所で保管。輸送時は必ず元箱+緩衝材で固定。
ポイント:公式は「動作温度 −20〜40℃/保管 −20〜60℃」と明示。夏場の車内放置(60℃超過)は仕様外。
設定値の目安:撮影終了時は前掲のとおり焦点部をゼロ位置に戻して電源を切る。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §2 Important Tips / §5

34|トラブル切り分けの入口(詳細は関連記事へ)

やること:①ブザーが鳴り続ける/モータが動かない → 「stalling(過負荷停動)」の可能性。積載重量と焦点部の抵抗を確認。②AF が V にならない → バックラッシュの二重補正か、ステップサイズが大きすぎ・小さすぎ。③方向が逆 → Reverse を切り替え、ゼロ位置を再設定。
ポイント:本記事は使い方ガイド。個別トラブルの詳細切り分けは別記事「ZWO EAF が動かない・認識しない・ピントが合わない 切り分けフロー完全版」を参照。
設定値の目安:不具合が出たら「まず電源を落とす → 焦点部を手回しで軽く動く位置に戻す → 再通電」の順で被害を止める。

出典: ZWO EAF Manual V1.0 §6.1.1 (5) Abnormal Alarm

⑩ 商品ページ・公式 LINE のご案内

ここまで読んで「まず一晩の使い方を通しで整えたい」「自分の鏡筒で標準ブラケットが使えるか判断が付かない」「バックラッシュ測定の値の解釈を確認したい」といった相談は、公式 LINE で個別にご案内できます。ご購入前でもお気軽にどうぞ。

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⑫ よくあるご質問(FAQ)

Q1. ハンドコントローラーと温度センサーは同時に接続できますか?

いいえ。NEW EAF 本体の TEMP/HBX 端子は 3.5mm オーディオジャックで、温度センサーとハンドコントローラーの両方が同じ端子を使う設計です(公式マニュアル §6.1 記載)。物理的に片方のみ接続できます。撮影セッションごとに用途を決めて差し替える運用が前提です。

Q2. NEW EAF に電源スイッチは付いていますか?

いいえ。NEW EAF(EAFN 標準機)は電源スイッチ・LED ステータス表示・内蔵バッテリを持ちません。これらは上位機の EAF Pro 専用機能です。EAFN は Type-C 給電で常時通電される前提の設計です。

Q3. 積載重量はどのくらいまで耐えられますか?

公称積載は 5kg(11.02 lbs)です(ZWO 公式製品ページおよびマニュアル §5)。冷却カメラ・オフアキ・フィルターホイールの合算がこの上限を大きく超える場合は、フォーカサー側の対策(減速比の高いフォーカサーへの換装・カプラーの補強)が必要になることがあります。

Q4. 旧型 EAF 用に買ってあったブラケットとカプラーは NEW EAF に使えますか?

ブラケットは同じマウント配置なら流用可能な場合がありますが、カプラーは要注意です。NEW EAF(EAFN/EAF Pro)は内部モータの更新に伴い、シャフトカプラの径が 5mm から 4mm に変更されています。旧 5mm カプラーはそのまま使えないため、付属の 4mm カプラーもしくは新規購入品を使ってください。

Q5. バックラッシュの補正値はどこに入れれば良いですか?

ASCOM ドライバ側と撮影ソフト側のどちらか一方だけに入れてください。両方に入れると二重補正となり、AF が正しく収束しません。マニュアルは「SGP で補正するなら ASCOM 側の Backlash 補正値は 0 に設定」と明示しています。N.I.N.A. 側で Backlash IN/OUT を設定する運用でも同様です。

Q6. AF のステップサイズが決まりません。どこから始めれば良いですか?

まず公式マニュアル §6.3.1.2 の SGP 例示値「データポイント 9 点/ステップサイズ 5〜20」でテストするのが最短経路です。V-curve が浅くて頂点が読めない場合はステップサイズを増やす、両端の測定点が上がりきらない場合はさらに大きくする、というように調整します。焦点比・鏡筒・カメラ機種で適正値は大きく異なります。

Q7. 温度補正は具体的に何をしてくれますか?

温度センサーの読み値を EAF 経由でソフト(ASCOM/N.I.N.A./SGP/ASIAIR)に渡すことで、①温度変化 ΔT を検知したときに自動で AF を再実行、または②温度と焦点位置の対応係数をあらかじめ学習させて温度変化に比例してフォーカサー位置を自動シフトする、といった運用ができます。長時間撮影中に鏡筒が縮んで焦点がずれる現象を先回りで補正できます。

Q8. ハンドコントローラーは PC なしで使えますか?

はい、使えます。ハンドコントローラーはプラグアンドプレイ設計で、PC・スマホ・別電源のいずれも不要です。ただし EAF 本体には Type-C 給電が別途必要です(モバイルバッテリ・ASIAIR・PC のいずれか)。

Q9. 標準ブラケットが対応する鏡筒はどれですか?

公式マニュアル §6.2.1 では SkyWatcher アストロフォト用反射鏡/Black Diamond/Dobsonian/Maksutov-Newtonian/TS-Optics/Astro-Tech/Feather Touch/SharpStar/SkyRover/Explore Scientific が列挙されています。Askar・Takahashi・Celestron SCT/FSQ 等は専用ブラケット別売の鏡筒が多いため、事前に適合を確認してください。適合可否のご相談は公式 LINE でお受けしています。

Q10. 保証はどうなっていますか?

本セットは弊社独自の初期不良60日+3年保証でお届けします。ZWO 社の製品保証もあわせて適用されます(ZWO 社の保証は本体 2 年、内蔵バッテリを持つ EAF Pro のバッテリ部は 1 年)。詳細は商品ページ内保証欄をご確認ください。

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