ZWO ASI585MC Air 徹底比較|ASI585MC Pro / 非冷却版 / ASIAIR 別体構成との違いと選び方【2026 最新版】
ZWO ASI585MC Air 徹底比較|ASI585MC Pro / 非冷却版 / ASIAIR 別体構成との違いと選び方【2026 最新版】
ZWO ASI585MC Air は、DSO 撮影用センサー(Sony IMX585)とガイド専用センサー(SC2210)、そして ASIAIR 相当のスマートコントローラを 1 台に統合した「無線スマートカメラ」です。本記事は ZWO 公式マニュアル(V1.0・86 ページ)と公式製品ページ、Sony 半導体の IMX585 公式フライヤーを一次情報として、① ASI585MC Air と ② ASI585MC Pro(冷却版)/③ ASI585MC(非冷却版)/④ ASIAIR Plus + 別体カメラ構成 との違いを、センサー仕様・冷却性能・ケーブル本数・拡張性・電源運用の観点で 1 つずつ突き合わせます。同じ IMX585 でも運用の楽さ・拡張の自由度・熱ノイズ耐性で得意分野が分かれるので、購入前にお使いの機材と撮影スタイルに合っているかご確認ください。
① ASI585MC Air とは何か(3-in-1 統合の定義)
ASI585MC Air は ZWO が「Wireless Smart Camera(無線スマートカメラ)」と分類している新しい製品カテゴリの機種で、公式マニュアル冒頭の Product Overview では次のように定義されています。
The wireless smart camera is highly integrated with a deep-space camera, a guiding camera and a smart astrophotography controller into one camera body.(無線スマートカメラは、深宇宙撮影用カメラとガイドカメラ、そしてスマート天体撮影コントローラの 3 つを 1 つの筐体に統合しています)
出典: ZWO ASI585MC Air User Manual V1.0 §1 Product Overview
従来は「メインカメラ(例:ASI585MC Pro)」+「ガイドカメラ(例:ASI220MM Mini)」+「ASIAIR Plus / Mini」+「配電と USB ハブ」を独立して用意する必要がありました。Air はこの 3 台分の役割を 1 台にまとめ、マニュアルは「制御に必要な USB ケーブルは 1 本だけで、別体の OAG・ガイドカメラ・ASIAIR は不要」と説明しています(SRC-1 §1「Three-in-one design」)。
出典: ZWO ASI585MC Air User Manual V1.0 §1「Three-in-one design」
② コア仕様一覧(メインセンサー / ガイドセンサー / 本体)
ASI585MC Air のコア仕様を公式マニュアル §3.2 表からそのまま起こしたのが以下の表です。同表内で「メインカメラ」と「ガイドカメラ」の 2 系統が並記されており、この本体内 2 系統がガイド動作を実現しています。
| 項目 | メインカメラ(IMX585) | ガイドカメラ(SC2210) |
|---|---|---|
| センサー | SONY IMX585(1/1.2"、対角 13.2mm ※ZWO Air マニュアル表記。Sony 公称は 12.84mm) | SC2210_BW(1/1.8"、対角 8.81mm) |
| 色 / モノ | Color(OSC) | Mono |
| 解像度 | 3840×2160(8.29MP) | 1920×1080(2.07MP) |
| ピクセルサイズ | 2.9μm | 4μm |
| 読み出しノイズ | 0.7 – 6.67e(3.8e @ 19.8dB gain) | 0.6 – 3.2e(1e @ 10.6dB gain) |
| ピーク QE | 91%(マニュアル値。公式製品ページは MC Air 88% と記載) | 92%(500nm) |
| Full Well Capacity | 40Ke | 8.78Ke |
| ADC | 12bit(BinADC 10bit) | 12bit |
| 露光範囲 | 32μs – 2000s | 32μs – 10s |
| ユニティゲイン / HCG ゲイン | 198 / 252(公式製品ページは「gain 200 で HCG オン」と記載) | 68 / 106 |
| SNR(マニュアル表記) | 12 stops | 11.4 stops |
出典: ZWO ASI585MC Air User Manual V1.0 §3.2 Specifications 表/ZWO 公式製品ページ ASI585MM/MC Air(QE・HCG の記載)
本体側(コントローラ・電源・通信)の仕様も同マニュアルから抜粋します。
| 本体項目 | 仕様 |
|---|---|
| 寸法 | 本体 Ø78mm × 高さ 108mm / Wi-Fi アンテナ長 94mm |
| 重量 | 635g |
| RAM / ストレージ | 2GB DDR4 / eMMC 256GB |
| 無線 | 802.11 b/g/n/ac(2.4GHz / 5GHz デュアルバンド)、公称到達 20m(2.4GHz・開放環境) |
| USB / DC ポート | USB 2.0 ×4(EAF・EFW・赤道儀等)/ DC12V ×3(全ポート入出力両用・入力は 1 系統のみ)/ USB Type-C ×1(PC 転送用) |
| アダプタ / バックフォーカス | M42×0.75 / 本体側 12.5mm または 17.5mm(望遠鏡側で 55mm を求められる場合はアダプターで調整) |
| 冷却(2 段 TEC) | Delta-T 30〜35℃(30℃環境でのテスト値。外気温が下がると Delta-T も低下) |
| 最大消費電力 | 24.6W(冷却フル動作時)/防露ヒーター 2.4W |
| 電源 | DC12V @ 3A – 10A、D5.5×2.1mm(内側+ 外側−)、11–14V リチウム対応 |
| 動作環境 | 動作温度 -20℃〜50℃/動作湿度 20〜90% |
| 対応 OS | Windows / Linux(Alpaca 経由)、ASIAIR App は Android 8+ / iOS 12+ |
③ ASI585MC Air vs ASI585MC Pro vs ASI585MC 非冷却の詳細比較
本節は「同じ IMX585 で 3 モデル出ているが、どれを選ぶべきか」に答えるための一次情報ベースの突き合わせです。ZWO 公式の各機種マニュアル(SRC-1・SRC-2・SRC-3)から仕様を並べます。
| 項目 | ASI585MC Air | ASI585MC Pro(冷却) | ASI585MC(非冷却) |
|---|---|---|---|
| センサー | Sony IMX585 | Sony IMX585 | Sony IMX585 |
| 解像度 / 画素 | 3840×2160 / 2.9μm | 3840×2160 / 2.9μm | 3840×2160 / 2.9μm |
| 読み出しノイズ | 0.7 – 6.67e | 0.7 – 6.67e | 0.8 – 12e(2.4e @ 15dB gain) |
| Full Well | 40Ke | 40Ke | 47ke(マニュアル記載) |
| 冷却 | 2 段 TEC / Delta-T 30–35℃ | 2 段 TEC / Delta-T 30–35℃ | なし |
| 通信インターフェース | Wi-Fi(ASIAIR 内蔵)/USB Type-C(PC 転送)/USB 2.0 ×4(周辺機器) | USB 3.0 Type-B(+ USB 2.0 ハブ) | USB 3.0(ST4 ガイドポート付き・ハブなし) |
| 保護窓 | IR カットフィルター D48×2mm | AR コート D32×2mm | AR コート D32×2mm |
| DDR バッファ | 2GB DDR4 | 512MB DDR3 | 記載なし |
| 最大フレームレート(フル解像度・RAW8) | 1920×1080 で 10.8fps(§3.4 の表。3840×2160 の値は記載なし) | 46.9fps(3840×2160、10bit High Speed) | 46.9fps |
| 重量 | 635g | 470g | 126g |
| バックフォーカス | 12.5mm / 17.5mm | 17.5mm(11mm リング含)または 6.5mm | 6.5mm / 17.5mm |
| 電源 | DC12V @ 3–10A(本体からマウント・EAF・EFW への配電も可) | DC12V @ 3–5A(カメラのみ) | USB 給電(最大 2.86W) |
| 冷却時最大電力 | 24.6W | 22.6W(非冷却時 2.5W) | 2.86W |
| ASIAIR / コントローラ | 内蔵(追加購入不要) | 別途 ASIAIR Plus / Mini か PC が必要 | 別途 ASIAIR Plus / Mini か PC が必要 |
| ガイドカメラ | 内蔵(SC2210_BW) | 別途必要(ASI220MM Mini 等) | 別途必要 |
出典: ZWO ASI585MC Air Manual V1.0 §3.2, §3.4, §3.8 / ASI585MC/MM Pro Manual §3.1, §3.2, §3.4, §3.5 / ASI585 Manual Rev1.0 §3, §6.1, §6.4
3-1. センサーは共通、味付けが違う
症状:3 モデルとも Sony IMX585 で、マニュアル上は QE 91% / Full Well 40Ke(Pro/Air 共通)/読み出しノイズ下限 0.7e が同一値です(SRC-1 §3.2、SRC-2 §3.2。ただし Air の公式製品ページは MC Air のピーク QE を 88% と記載)。
原因:IMX585-AAQJ1 の物理仕様は Sony 側で 8.40M 有効画素・2.9μm セル・12bit ADC・STARVIS 2 世代(AD 12bit で従来 STARVIS 比 +8dB 以上のダイナミックレンジ)と規定されており、ZWO 各機種の差は主に「冷却・保護窓・転送速度・ガイド一体化・コントローラ内蔵」の部分にあります(SRC-4 Sony IMX585 Flyer)。なお Air は IR カットフィルターを保護窓に内蔵しますが、Pro と非冷却版の保護窓は AR コートのみです(SRC-1 §3.8、SRC-2 §3.4、SRC-3 §6.4)。
対処:「画像品質そのものを IMX585 で選びたい」なら 3 モデルの差は小さく、選定軸は「冷却の要否」「セットアップの簡便性」「後の機材入替の自由度」の 3 点になります。
出典: Sony Semiconductor IMX585-AAQJ1 Product Flyer Ver.1.0
3-2. 冷却の有無で「露光を伸ばした時の熱ノイズ」が変わる
症状:DSO を 5 分・10 分と長時間露光すると、非冷却の ASI585MC では画像下地にダーク電流由来のノイズが乗って淡い星雲部が埋もれやすくなります。
原因:非冷却の ASI585MC は冷却機構自体を持たず(SRC-3 §3, §6.3)、動作温度は -5℃〜50℃(SRC-3 §3)。一方 Air / Pro は 2 段 TEC で環境温度より 30〜35℃ 低くできる冷却性能を持ち、Air / Pro とも Delta-T の値は同一と公式マニュアル §3.5 / §3.6 に明記されています(SRC-1 §3.5、SRC-2 §3.6)。
対処:惑星・月・電子ファインダー用途なら露光が数十ms〜数秒なので非冷却で十分です。淡い星雲を数分〜数十分積算する DSO 用途は Air / Pro を推奨。動作温度自体も Air は -20℃〜50℃ と Pro(-5℃〜50℃)より広く、冷え込む冬夜や高地遠征では Air の方が動作範囲に余裕があります(SRC-1 §2, SRC-2 §2)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §2, §3.5 / ASI585MC Pro Manual §2, §3.6 / ASI585 Manual §3, §6.3
3-3. 通信・フレームレート・PC 転送
症状:「同じ IMX585 なのに Air だと Pro より FPS が出ない」ように感じる場面がある。
原因:公式マニュアル §3.4 のフレームレート表では、Air は 12bit ADC・RAW8 で 1920×1080=10.8fps、640×480 以下は 30fps が上限です(SRC-1 §3.4)。一方の ASI585MC Pro は USB 3.0 Type-B(5Gb 帯域)で全画素 3840×2160・RAW8 の 46.9fps を実現できます(SRC-2 §3.5)。
対処:DSO の露光は数分〜数十分単位なのでフレームレートの差はほとんど問題になりません。惑星・月・太陽の高速動画スタック(Lucky Imaging)を主目的に据えるなら、非冷却の ASI585MC または冷却の ASI585MC Pro を選ぶほうが Air より有利です。PC 転送は Air の USB Type-C ポートで eMMC ストレージに直接アクセスでき、USB 2.0 ポートは最大 1TB の外部ストレージに対応します(SRC-1 §6.1、公式製品ページ)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.4 Frame Rate 表, §6.1 Data Cable / ZWO 公式製品ページ ASI585MM/MC Air(「the USB 2.0 ports support up to 1TB external storage」)/ ASI585MC Pro Manual §3.5 Frame Rate 表
3-4. ケーブル本数とセットアップ時間
症状:ASIAIR + 冷却カメラ + ガイドカメラ + EAF + EFW + 赤道儀 の従来構成では、複数の USB ケーブルと DC12V ケーブルを筒に沿わせて配線する必要があります。
原因:ASI585MC Air は 3 系統(メイン・ガイド・コントローラ)を筐体内で完結させており、マニュアルは「制御に必要な USB ケーブルは 1 本だけ」で別体の OAG・ガイドカメラ・ASIAIR が不要と説明しています(SRC-1 §1「Three-in-one design」)。DC12V 3 ポートは全て入出力両用で、Air 本体を電源ハブとして赤道儀・防露ヒーターなどに配電できます(SRC-1 §3.1 表 8, §6.2 Power Supply Connection)。
対処:「筒に沿ってからむケーブルを減らしたい」「セットアップ〜撤収の時間を短縮したい」ことを最優先するなら Air を選ぶメリットが最大化します。従来の 3 台構成でも撮影自体はもちろん可能ですが、そのぶん機材構成に自由度と拡張性が残ります(次節)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §1, §3.1 表, §6.2
④ ASIAIR Plus / Mini + 別体冷却カメラ構成との違い
4-1. 「Air 内蔵の ASIAIR」でできること・できないこと
症状:「Air があれば ASIAIR Plus は不要か」に迷う。
原因:Air 内部の Wi-Fi コントローラは同じ ASIAIR App から操作でき、公式マニュアル §7 に赤道儀・EAF・EFW・オートガイド・ライブスタック・Autorun・Plan Mode・GoTo・Polar Align などの主要機能が並んでいます(SRC-1 §7)。
対処:複数の別体カメラ(例:ASI2600MC Pro と ASI533MC Pro)を日によって差し替えて使いたい場合、Air のメインセンサーは差し替えられません。差し替え・入替の可能性があるなら、ASIAIR Plus 256G + 別体カメラの構成の方が将来の拡張余地を残せます。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §7 Astrophotography with ASIAIR App
4-2. 拡張性(フィルターホイール・EAF・赤道儀)
症状:「EFW(電動フィルターホイール)や EAF(電動フォーカサー)を後から追加できるか」が判断できない。
原因:Air 本体には USB 2.0 ×4 ポートが用意されており、公式マニュアル §3.1 表 10 は「EAF と EFW の接続に使用可能」と明記しています(SRC-1 §3.1)。DC12V ×3(10A)で赤道儀・防露ヒーターにも配電できます(SRC-1 §3.1 表 8)。
対処:EAF / EFW を後から追加する運用は Air でも問題なく可能。ただし「メインカメラを ASI2600 などに替えたい」といった要望は Air では実現できないので、その場合は ASIAIR Plus + 別体カメラを検討してください。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.1 外観 表 8, 10
4-3. 携帯性・重量・省スペース
症状:遠征に持ち出す機材の重量が増えていく。
原因:「ASI585MC Pro(470g)+ ASI220MM Mini ガイドカメラ + ASIAIR Plus + OAG 一式 + 配線 + 電源ハブ」の構成を Air(635g・単体)に置き換えると、ガイドカメラ・ASIAIR・OAG と、その間をつなぐケーブルを持ち出す必要がなくなります。Air 単体は 635g で、Pro(470g)単体より重い点は押さえておいてください(SRC-1 §1, §3.2、SRC-2 §3.2)。
対処:荷物を減らしたい遠征派・観測所据置派ともに Air は選択肢に上がります。カメラ単体の軽さだけなら、非冷却の ASI585MC は 126g です(冷却なしを許容できる場合のみ)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.2 / ASI585MC Pro Manual §3.2 / ASI585 Manual §3
⑤ ガイドセンサー SC2210(ASI220MM Mini 相当)の意味
症状:「Air の内蔵ガイドセンサーは OAG と何が違うのか、性能はどの程度か」が仕様書だけでは分かりにくい。
原因:公式マニュアル §1「Guide Sensor」節は、「The SC2210 sensor taken from the ASI220MM Mini camera」(SC2210 センサーは ASI220MM Mini 由来)と明記し、QE ピーク 92%(500nm)、読み出しノイズ 0.6e、Full Well 8.78Ke と数値も示しています(SRC-1 §1, §3.2)。ガイドセンサーはメインセンサーと同じ鏡筒を通して星を写すため、マニュアルは「ガイドカメラの焦点距離にはメインカメラ(鏡筒)の焦点距離を入力する」と案内しています。ガイドセンサーのピントは本体の Focusing knob(ガイドセンサー用ピント調整ノブ)で合わせます(SRC-1 §3.1 表 2, 4、§7.2.4)。
対処:別体の OAG やガイド鏡は不要です。ガイド設定の焦点距離は「Fill in Main Scope FL」でメイン鏡筒の値を入れ、夜の撮影前に昼間の遠景でガイドセンサーのピントを無限遠付近に合わせておきます(SRC-1 §7.2.4)。センサー自体は ASI220MM Mini と同じ SC2210(QE 92% @500nm)です。
⑥ 12V 電源運用のポイント
症状:「Air 本体・赤道儀・EAF・EFW・防露ヒーター」の電源をどう供給するかで悩む。
原因:Air は DC12V ポートを 3 系統持ち、全てが入出力両用と明記されています(SRC-1 §3.1 表 8)。ただし「入力として使えるのは 1 系統のみ」で、残りは出力(他機器への配電)に回します。使用する電源は 12V @ 3A – 10A、D5.5×2.1mm、内側+ 外側− のセンタープラスタイプで、11–14V のリチウムバッテリでも動作可能です(SRC-1 §2, §3.7)。本体の最大消費電力は 24.6W で、マニュアル §6.2 は 12V@5A の電源アダプターでの接続を案内しています。赤道儀・防露ヒーターまで Air から供給する場合は、その消費電力も足した容量の電源を用意します。
対処:12V/5A 以上の AC/DC 電源、または 12V 出力のポータブル電源を Air の DC ポートのどれか 1 つに入力し、残りのポートから赤道儀や防露ヒーターベルトへ配電します(EAF・EFW は USB 2.0 ポートに接続)。範囲外の電源はカメラに回復不能な損傷を与える可能性があるため、12V ケーブルを購入するときは必ず「D5.5×2.1mm・センタープラス」表記を確認してください(SRC-1 §2 Notice 1)。
⑦ バックフォーカスとアダプター
症状:「望遠鏡側のバックフォーカスをどう合わせればいいか」で悩む。
原因:Air 本体側のアダプタリングは M42×0.75、バックフォーカスは 12.5mm または 17.5mm の 2 通り選択可能(SRC-1 §3.2)。マニュアル §6.6 は、望遠鏡との接続では 55mm のバックフォーカスに合わせる必要がある場合がある、と案内しています(SRC-1 §6.6)。
対処:望遠鏡側のフラットナー/レデューサー等に応じて、Air 本体のバックフォーカス(12.5mm または 17.5mm)と延長リング・T2/M48 アダプタを組み合わせて 55mm を作ります。EOS/Nikon レンズと組み合わせる場合は EOS-T2 または Nikon-T2 アダプタと 2 インチフィルターを追加する構成が公式マニュアル §6.7 に図解されています(SRC-1 §6.7)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.2, §6.6 Telescope Connection, §6.7 Lens Connection
⑧ 用途別の選び方
| こんなあなたは | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| DSO を始めたい・ケーブルを最少化したい | ASI585MC Air | IMX585 + SC2210 ガイド + ASIAIR 統合、電源ハブ機能付き(SRC-1 §1, §3.1) |
| 既に ASIAIR Plus と別体カメラを運用しており、拡張性を残したい | ASI585MC Pro + ASIAIR Plus 256G | USB 3.0(47fps)と 512MB DDR3、後日メインを他機種に差し替え可能(SRC-2 §3.2, §3.5) |
| 惑星・月・電子ファインダー主体 | ASI585MC(非冷却) | 126g と最軽量、46.9fps 高速動画、USB 給電で電源不要(SRC-3 §3, §6.3) |
| 遠征荷物を減らしつつ DSO も撮りたい | ASI585MC Air 単体 | 635g で 3 台分の機能を統合、-20℃〜50℃ の広い動作温度(SRC-1 §2, §3.2) |
| 既に ASI533 / ASI2600 などを運用中で、コントローラのみ強化したい | ASIAIR Plus 256G または ASIAIR Mini | 既存メインセンサーを維持したまま ASIAIR エコシステムに合流可能 |
⑨ 関連商品|商品ページ・公式 LINE のご案内
本記事で扱った ASI585MC Air の商品ページ、および比較で登場した機材の商品ページはこちらです。仕様の詳細確認や在庫状況、望遠鏡との組み合わせ相談は下部のリンクからどうぞ。
- ZWO ASI585MC Air 商品ページ(本記事の主役)
- ZWO ASI585MC(非冷却版・惑星/電子ファインダー向け)商品ページ
- NEW ASIAIR Plus 256G 商品ページ(Air ではなく別体カメラで組む場合の候補)
- ASIAIR Mini 商品ページ(軽量遠征用途)
本記事で扱った商品ページはこちら
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最終更新: 2026-10-26/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル(ASI585MC Air User Manual V1.0、ASI585MC/MM Pro Product Manual、ASI585 Manual Rev1.0)および Sony 半導体公式 IMX585-AAQJ1 Product Flyer に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑩ よくあるご質問(FAQ)
Q1. ASI585MC Air の内蔵ガイドセンサーは OAG ですか?
いいえ、OAG(オフアクシスガイダー)ではなく、ガイドセンサー(SC2210_BW、ASI220MM Mini と同じセンサー)がカメラ本体に内蔵されています。メイン鏡筒を通して星を写すため、ガイド焦点距離にはメイン鏡筒の焦点距離を入力し、ピントは本体のガイドセンサー用ノブで合わせます。詳細は本記事の ⑤ ガイドセンサー SC2210 の意味 をご覧ください。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §1 Guide Sensor / §3.1 外観 表 2, 4 / §7.2.4 Guiding
Q2. ASI585MC Air と ASI585MC Pro のセンサー画質は違いますか?
同じ Sony IMX585 を採用しており、QE ピーク 91%・Full Well 40Ke・読み出しノイズ下限 0.7e・ADC 12bit は公式マニュアル上で同一値です(Air の公式製品ページは MC Air のピーク QE を 88% と記載)。差があるのは、保護窓(Air:IR カット/Pro:AR コート)・転送速度(Air:1920×1080 で 10.8fps/Pro:USB 3.0 でフル解像度 47fps)・DDR バッファ容量(Air:2GB DDR4/Pro:512MB DDR3)・コントローラ内蔵の有無です。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.2 / ASI585MC Pro Manual §3.2
Q3. ASI585MC Air は Wi-Fi なしで PC 直結でも使えますか?
Air 本体の Type-C ポートは PC への画像データ転送に対応しており、eMMC 256GB に保存された画像を USB Type-C 経由で PC から直接読み出せます(SRC-1 §6.1)。撮影の操作は Wi-Fi 経由で、ASIAIR App(iOS 12+ / Android 8+)か、PC を本機の Wi-Fi ホットスポットにつないで ASIStudio・ASCOM(Alpaca)対応ソフトから行います(SRC-1 §8)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §6.1 Data Cable Connection, §8, §Tips for Reading(App 動作要件)
Q4. 12V 電源はどれくらいの容量が必要ですか?
冷却フル稼働時の最大消費電力は 24.6W です(SRC-1 §3.2, §3.7)。マニュアル §6.2 は 12V@5A の電源アダプターでの接続を案内しています。Air の DC12V ポートから赤道儀・防露ヒーターに配電する場合は、その消費電力も足した容量の電源を用意してください。極性は「D5.5×2.1mm・内側+ 外側−」を必ずご確認ください。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §2 Notice for Use / §3.2 Specifications / §3.7 Power Consumption / §6.2
Q5. 惑星撮影メインで買っても後悔しないですか?
Air のフレームレートは公式マニュアル §3.4 の表で 1920×1080 時 10.8fps、640×480 以下で 30fps が上限です。惑星の Lucky Imaging(高速動画を撮ってスタック)を主目的に据えるなら、USB 3.0 で 46.9fps @ 全画素の非冷却 ASI585MC、または USB 3.0 で 47fps の冷却 ASI585MC Pro を選ぶ方が本来の IMX585 のポテンシャルを引き出せます。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.4 Frame Rate 表 / ASI585MC Pro Manual §3.5 Frame Rate 表 / ASI585 Manual §3, §4
Q6. Air の望遠鏡側バックフォーカスは何 mm ですか?
本体のバックフォーカスは 12.5mm または 17.5mm(M42×0.75)です(SRC-1 §3.2)。マニュアル §6.6 は、望遠鏡との接続では 55mm のバックフォーカスに合わせる必要がある場合があると案内しています。フラットナー/レデューサーの指定バックフォーカスに合わせて、アダプターで距離を調整してください。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.2 Specifications, §6.6 Telescope Connection
Q7. 動作温度は Pro よりも広いのですか?
はい、Air の動作温度範囲は -20℃〜50℃、Pro は -5℃〜50℃ で、Air の方が下限に余裕があります(SRC-1 §2、SRC-2 §2)。-20℃ 未満は動作温度範囲外です。また公式マニュアル §3.5 は「環境温度が下がるにつれて Delta-T も低下する」と明記しています(SRC-1 §2, §3.5)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §2, §3.5 / ASI585MC Pro Manual §2
Q8. ASI585MC Air は Windows PC からも使えますか?
公式マニュアル §3.2 には対応 OS として Windows / Linux(Alpaca 経由)が明記されています(SRC-1 §3.2)。日常運用は ASIAIR App(iOS/Android)で行い、PC からは、PC を本機の Wi-Fi ホットスポットにつないで ASIStudio で撮影するか、ASCOM Platform(6.6 以上推奨)を入れて MaxIm DL・NINA・PHD2 などから Alpaca 経由で制御できます(SRC-1 §8)。
出典: ZWO ASI585MC Air Manual §3.2 Specifications, §8 Astrophotography with ASIStudio
Q9. 保証はありますか?
天体ショップでご購入の場合は初期不良60日対応+3年保証です。落下・誤用による破損は対象外です。不具合のご相談は公式 LINE または保証ポリシーページから当店へご連絡ください。
出典: ZWO ASI585MC/MM Pro Product Manual §7 Warranty
Q10. Sony IMX585 センサーそのものの仕様はどこで確認できますか?
Sony Semiconductor Solutions が公開している IMX585-AAQJ1 Product Flyer が一次情報です。対角 12.84mm(Type 1/1.2)、有効画素 8.40M、推奨記録画素 3840×2160、画素セル 2.9μm×2.9μm、STARVIS 2 世代(AD 12bit で従来 STARVIS 比 +8dB 以上のダイナミックレンジ)と明記されています(SRC-4)。
出典: Sony Semiconductor IMX585-AAQJ1 Product Flyer Ver.1.0
⑪ 参考にした一次情報
- ZWO Wireless Smart Camera ASI585MC Air User Manual V1.0(86 ページ)
- ZWO DSO Camera ASI585MC/MM Pro Product Manual(22 ページ)
- ZWO ASI585 Manual Rev1.0(非冷却・16 ページ、2022 年 8 月)
- Sony Semiconductor Solutions IMX585-AAQJ1 Product Flyer Ver.1.0
- ZWO 公式製品ページ ASI585MM/MC Air
- ZWO 公式製品ページ ASI585MC/MM Pro
- ZWO US 公式製品ページ ASI585MM/MC Air
- ZWO 公式サイト掲載 ユーザーレビュー(Bill Brown 氏)「ASI585MC Air Full Review — The Ultimate All-in-One Smart Astrophotography Camera」(2025-11-05)
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最終更新: 2026-10-26/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル(ASI585MC Air User Manual V1.0、ASI585MC/MM Pro Product Manual、ASI585 Manual Rev1.0)および Sony 半導体公式 IMX585-AAQJ1 Product Flyer に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。