アスカー Askar 80ED 用 0.85x Reducer レデューサー|使い方・撮影設定 完全ガイド
アスカー Askar 80ED 用 0.85x Reducer レデューサー|使い方・撮影設定 完全ガイド
アスカー Askar 80ED(80mm / 焦点距離 560mm / f/7)に 0.85x Reducer を組み合わせると、合成焦点距離は 476mm、F値は f/5.9 になります出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §0.85x Reducer 仕様表。本記事では、Sharpstar 公式仕様・ZWO 公式バックフォーカス資料・業界一次情報のみを根拠に、装着手順/バックフォーカス 55mm の合わせ方/フィルタを入れたときの 1/3 補正/APS-C を超えるセンサーでの制約/よくある失敗の切り分け方を一本にまとめます。「とりあえず付けたが星が伸びる」を防ぐための実用ガイドです。
① 0.85x Reducer は何をするレンズか
Askar 80ED 用 0.85x Reducer は、メーカーである Sharpstar が「focal length reducing(焦点距離短縮)」と「field-flattening(像面平坦化)」の 2 つを 1 ユニットで担うアクセサリと位置付けている補正レンズです出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §0.85x Reducer 機能説明。光学設計はトリプレット(3 群)で、そのうち 1 枚に低分散ガラス(ED)を使用しており、Askar 80ED 本体の二枚玉と組み合わせて色収差・像面湾曲・コマを同時に抑える役目を持ちます出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §0.85x Reducer Lens 構成欄。
Askar 80ED 用にはこの 0.85x Reducer のほかに、焦点距離を変えない 1.0x Flattener(560mm / f/7 維持)と、より大胆に短縮する 0.7x Reducer(392mm / f/4.9)の 2 種類が併売されており、対象天体や視野で使い分ける設計です出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §3 アクセサリ一覧。
② 公式スペック早見表(3 アクセサリ比較)
| 項目 | 1.0x Flattener | 0.85x Reducer(本記事の主役) | 0.7x Reducer |
|---|---|---|---|
| 装着後の焦点距離 | 560mm | 476mm | 392mm |
| 装着後の F 値 | f/7 | f/5.9 | f/4.9 |
| バックフォーカス | 55mm(M48 オス基部) | 55mm(M48 オス基部) | 55mm(M48 オス基部) |
| リアネジ規格 | M54×0.75 / M48×0.75 | M54×0.75 / M48×0.75(内側 M48×0.75 フィルター対応) | M54×0.75 / M48×0.75 |
| レンズ構成 | トリプレット(1 ED ガラス) | トリプレット(1 ED ガラス) | トリプレット(1 ED ガラス) |
| イメージサークル | APS-C | APS-C | APS-C |
| 重量 | 0.42kg | 0.44kg | 公式値は公開仕様表に未掲載 |
出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories(3 アクセサリの公式仕様表)、Astronomy Plus 0.85x Reducer ページ(M48 内側フィルタースレッド表記)、Astronomy Plus 1.0x Flattener ページ(重量 0.42kg)。0.7x Reducer の重量は公式 80ED Imaging Accessories ページの公開仕様表には掲載されていません。
③ 図1:焦点距離と F 値の変化
④ 物理装着の手順
Askar 80ED の出荷状態では、リアエンドに 2 インチアダプタ(内側銅メッキ)が装着されています出典: Sharpstar 公式 80ED 本体仕様 §Rear-end thread type。0.85x Reducer を使うときは、この 2 インチアダプタを外して、Reducer 自体を鏡筒リアの M68 ネジに直接ネジ込みます(鏡筒側ネジ規格は公式公開仕様の前提を参照)。
装着前に確認すること:
- Reducer 前面の金属製ダストキャップを外す(Sharpstar 公式商品ページの実機写真にダストキャップが写っています)。
- 鏡筒側 2 インチアダプタが完全に外れていることを目視確認する。
- Reducer をネジ込んだら、傾きが出ないように手で水平を保ったまま、止まる位置まで時計回りに均等トルクで締める。
出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories 製品写真および装着部のネジ表記。ダストキャップ・装着方向は一般的な天体望遠鏡用補正レンズの常識的な扱いとして記載しています。
⑤ バックフォーカス 55mm の合わせ方
0.85x Reducer の公式バックフォーカスは M48 オスネジの基部からセンサー面まで 55mmと明記されています出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Back Focus("55mm from the base of M48 male thread")。これは天体撮影用補正レンズ全般で広く使われる業界標準の値で、ZWO ASI クール CMOS カメラの多くも「フランジ+付属スペーサーで 55mm に合わせる」設計になっています出典: ZWO 公式「ASI Camera 55mm Back Focus Solution(2025 Updated)」 §Industry Standard。
バックフォーカスがズレると、リデューサーが本来補正すべき像面湾曲・コマ・非点収差の補正残差が画面四隅で増え、星像が放射状に伸びたり、片伸び(楕円化)したりします出典: Agena Astro「A Primer on Back Focus in Astronomy」 §Reducer/Flattener Backfocus Sensitivity。短焦点・低 F のリデューサーほど誤差が結果に直結するため、0.85x の場合でも ±1mm 以内を目標にスペーサーを積みます(業界標準のガイドライン)。
⑥ 図2:バックフォーカス 55mm の基準点
⑦ フィルタを入れたら「ガラス厚の 1/3」を足す
光路にフィルタやセンサーカバーガラスが入ると、光は空気よりも屈折率の高いガラス内(屈折率 ≒ 1.5)を進むため、光学的経路長が物理厚みの約 2/3 で済む一方、結像位置は ガラス厚の約 1/3 だけ後ろにシフトします。この「1/3 ルール」は天体撮影機材で広く採用されている近似で、たとえば 3mm 厚のフィルタを 1 枚追加した場合、物理スペーサーを 約 1mm 短縮するのではなく、約 1mm 追加(または 1mm 厚いアダプタに置換)して 55mm を維持します出典: Agena Astro「A Primer on Back Focus in Astronomy」 §Filter Thickness and the 1/3 Rule(屈折率 1.5 / glass optical path ≒ 2/3 thickness の説明)。
フィルタを差し替えるたびに 55mm が動くため、ナローバンド(2mm 厚など)と Duo Band(3mm 厚など)を運用で切り替える場合は、同じ厚みのフィルタで統一するか、Backfocus Adjuster で微調整するのが現実的です。Sharpstar 公式の M54/M48 Backfocus Adjuster は厚み 18mm・調整範囲 ±2mm・精度 0.05mm で、フィルタ厚みの違いを吸収できるよう設計されています出典: Sharpstar 公式 M54/M48 Backfocus Adjuster §仕様欄、First Light Optics Askar Backfocus Adjuster §Specifications。
⑧ 図3:フィルタ 1/3 ルール
⑨ ZWO ASI カメラとのバックフォーカス組み合わせ例
ZWO は ASI クール CMOS カメラ系の 55mm バックフォーカス組合せを 公式に表として公開しています出典: ZWO 公式「ASI Camera 55mm Back Focus Solution(2025 Updated)」(カメラ別スペーサー組合せ一覧)。本記事で取り上げる代表構成を抜粋します(厚みは ZWO 公式表記)。
| カメラ | フォーマット | 代表的なスペーサー構成(55mm 達成) |
|---|---|---|
| ASI585MC Pro / ASI533MC・MM Pro / ASI294MC・MM Pro / ASI183MC・MM Pro | 4/3" 〜 1" 級(小フォーマット) | カラー機は T2 直結。モノクロ機+1.25"/36mm EFW 構成では T2-M48(16.5mm)+M48-M42 アダプタを併用。 |
| ASI2600MC / MM Pro、ASI071MC Pro | APS-C | 2" EFW 構成: T2-M48(16.5mm)+M48-M42 アダプタの組合せで実効 56mm 帯。36mm EFW 構成: 同梱の T2-T2(2mm)を使い 55mm に合わせる。 |
| ASI2600MC / MM Duo | APS-C(ガイド一体) | M54 フィルタードロワー対応。ZWO 公式の Duo シリーズ用標準構成に準拠。 |
| ASI6200MC / MM Pro、ASI2400MC Pro | フルフレーム | M54 フィルタードロワーまたは M42 ティルトアダプタを取り外す構成。0.85x Reducer 公式イメージサークルは APS-C のため、フルフレームでは隅でドロップオフを許容する前提の運用となる。 |
出典: ZWO 公式「ASI Camera 55mm Back Focus Solution(2025 Updated)」(カメラ別構成表)。0.85x Reducer のイメージサークル仕様は Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories。
⑩ APS-C を超えるセンサーでの制約
0.85x Reducer の公式イメージサークルは APS-Cです出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Image circle。フルフレーム(36×24mm 相当)のセンサーを組み合わせると、APS-C 外の領域(隅)では補正レンズの設計範囲を超えるため、相対照度の低下(ビネット)や像の流れが避けにくくなります。
第三者の実写レビューでも、80ED 系を APS-C 機(ZWO ASI2600MC)や小フォーマット機(ZWO ASI585MC)で運用する場合は隅まで良像が出やすい一方、より大きなセンサーでは隅でドロップオフ・像の崩れを許容する前提になる、という観測が示されています出典: Scope Trader「Askar 80ED tested with ASI2600MC and ASI585MC」 §Sensor size considerations。
このため、0.85x Reducer の運用上の推奨組合せは「APS-C 以下のセンサー」で、特に IMX571 系(ASI2600MC / MM)、IMX533 系(ASI533MC / MM)、IMX585 系(ASI585MC)あたりが イメージサークル内に収まりつつ画素の細かさと感度のバランスが取りやすい選択肢になります出典: Scope Trader 同上(実機検証カメラの記述)、ZWO 公式 55mm Back Focus Solution(APS-C / 小フォーマット機の分類)。
⑪ 構図合わせと回転位置の保持
0.85x Reducer のリア側ネジは M54×0.75 と M48×0.75 の 2 系統に対応しており、内側には M48×0.75 のフィルタースレッドが切られています出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Rear-end thread type、Astronomy Plus 0.85x Reducer ページ(M48 内側フィルタースレッド記述)。実運用ではカメラ筐体の回転で構図を合わせるか、Sharpstar の M54/M48 Backfocus Adjuster を介して回転位置と長さを微調整する構成が取れます出典: Sharpstar 公式 M54/M48 Backfocus Adjuster §仕様欄。
⑫ 関連商品
本記事で扱った 0.85x Reducer の商品ページは下記からご覧いただけます。Askar 80ED 本体と同時に使う場合は、ZWO ASI 系カメラ向けのスペーサー類も含めて、構成全体の合計を 55mm に合わせるよう設計してください。
⑬ Askar 80ED 0.85x Reducer の購入相談|商品ページ・公式 LINE のご案内
本記事で扱った商品ページはこちら
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- 0.85x / 0.7x / 1.0x の使い分け相談(撮りたい対象から逆算した補正レンズ選定)を営業時間内に回答
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最終更新: 2026-06-30/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories ページ・Sharpstar 公式 80ED 本体仕様・ZWO 公式 55mm Back Focus Solution・Agena Astro バックフォーカス解説など一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑭ FAQ(よくある質問)
Q1. Askar 80ED に 0.85x Reducer を付けると焦点距離はいくつになりますか?
装着後の合成焦点距離は 476mm、F 値は f/5.9 です(Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories ページの仕様表に明記)。 出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §0.85x Reducer 仕様表
Q2. バックフォーカス 55mm はどこからどこまでですか?
0.85x Reducer の M48 オスネジ基部から、カメラのセンサー面までの距離が 55mm です。スペーサー・OAG・フィルターホイール・カメラ筐体の厚みの合計がこの範囲に収まるよう構成します。 出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Back Focus、ZWO 公式 55mm Back Focus Solution
Q3. フィルタを入れたとき、バックフォーカスはどう補正すればいいですか?
フィルタガラスの厚みの 約 1/3 をスペーサー長に 加算してください。これは光がガラス内を通るときに光学的経路が物理厚の約 2/3 で済む(屈折率 ≒ 1.5)ためのシフト分です。3mm 厚フィルタなら約 1mm の追加スペーサーが目安です。 出典: Agena Astro「A Primer on Back Focus in Astronomy」 §Filter Thickness and the 1/3 Rule
Q4. フルフレームのカメラ(ASI6200 / ASI2400)でも使えますか?
0.85x Reducer の公式イメージサークルは APS-C です。フルフレームでも機械的には接続できますが、APS-C 外の領域では周辺減光や像の崩れが避けにくくなります。フルフレームのまま全画素を使いたい場合は、別途フルフレーム対応のレデューサーを持つ鏡筒設計を検討するのが順当です。 出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Image circle、Scope Trader Askar 80ED 実機テスト
Q5. リア側ネジは M54 と M48 のどちらを使えばよいですか?
0.85x Reducer のリアは M54×0.75 と M48×0.75 の両対応で、内側に M48×0.75 のフィルタースレッドも切られています。M54 接続のフィルターホイール/OAG/ティルトプレートを使う場合は M54 で、M48 系のアダプタや 2" フィルターを直接ねじ込む場合は M48 で接続できます。 出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §Rear-end thread type、Astronomy Plus 0.85x Reducer ページ
Q6. 0.85x と 0.7x はどちらを買えばいいですか?
視野と F 値が違います。0.85x は 476mm / f/5.9、0.7x は 392mm / f/4.9。0.85x は中型のメシエ対象や銀河を中心に、F 値短縮効果と像質のバランスを取りたい方向け、0.7x はより広い視野と短い露出時間が欲しい広域天体向けです。どちらも公式イメージサークルは APS-C、バックフォーカスは 55mm です。 出典: Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories §3 アクセサリ仕様欄
Q7. 0.85x Reducer の保証はどうなりますか?
弊社(株式会社天文堂)でご購入いただいた製品には、弊社独自の初期不良 60 日 + 3 年保証をお付けしています。初期不良対応・修理対応の窓口は弊社にてお受けいたしますので、購入後に動作不良や物理的な異常が出た場合は公式 LINE またはメールでご連絡ください。
⑮ 参考にした一次情報
- Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories — 0.85x Reducer / 0.7x Reducer / 1.0x Flattener の公式仕様表(焦点距離・F 値・バックフォーカス・ネジ規格・イメージサークル・レンズ構成・重量)。
- Sharpstar 公式 80ED 本体仕様 — 口径 80mm / 焦点距離 560mm / f/7、レンズ構成、全長、重量、2" アダプタの記述。
- Sharpstar 公式 M54/M48 Backfocus Adjuster — 厚み 18mm、±2mm 調整、0.05mm 精度、M54 / M48 バリエーション。
- First Light Optics Askar Backfocus Adjuster — Backfocus Adjuster の M54 版・M48 版の差分と寸法(16〜20mm 可変)。
- First Light Optics Askar 0.85x Reducer for 80ED — 0.85x Reducer の APS-C 最適化・M48 表記の補足。
- ZWO 公式「ASI Camera 55mm Back Focus Solution(2025 Updated)」 — ASI カメラ系カメラ別 55mm スペーサー組み合わせ表。
- Astromaniac Magazine「Askar 80ED Review」 — 80ED + 0.85x で「476mm / f/5.9」の実機表記。
- Scope Trader「Askar 80ED tested with ASI2600MC and ASI585MC」 — APS-C / 小フォーマット機での実機運用結果と隅の像質に関する観測。
- 365astronomy Askar 80ED 0.85x Reducer 商品ページ — 0.85x Reducer 公式光学線図(スポット線図/縦色収差/相対照度)の参照。
- Astronomy Plus Askar 0.85x Reducer for 80ED — M54×0.75 / 内側 M48×0.75 フィルタースレッド、トリプレット ED、重量 0.44kg。
- Astronomy Plus Askar 1.0x Flattener for 80ED — 1.0x Flattener(560mm / f/7)と 3 アクセサリの並列構成。
- Agena Astro「A Primer on Back Focus in Astronomy」 — バックフォーカスの定義、リデューサー使用時の像質感度、フィルタの 1/3 ルール(屈折率 1.5)。
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最終更新: 2026-06-30/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar 公式 80ED Imaging Accessories ページ・Sharpstar 公式 80ED 本体仕様・ZWO 公式 55mm Back Focus Solution・Agena Astro バックフォーカス解説など一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。