ZWO T2-M43 アダプタの使い方・撮影設定完全ガイド|MFT レンズを ASI 冷却カメラに繋いで広角星野撮影
ZWO T2-M43 アダプタの使い方・撮影設定完全ガイド|MFT レンズを ASI 冷却カメラに繋いで広角星野撮影
ZWO 純正の T2-M43 アダプタは、ASI 冷却カメラの T2(M42×0.75)スレッド側と、Micro Four Thirds(MFT / M4/3)レンズマウントを機械的に接続するリング状のアダプタです。ZWO 公式が対応機種として明記しているのは ASI1600 / ASI294 / ASI183 / ASI174 シリーズおよび ASI533MC-P の 5 系統で、6.5mm のカメラ本体バックフォーカスを前提に設計されています。本記事では、ZWO 公式マニュアルと MFT 規格書の一次情報だけを根拠に、スペック・光学要件・組付け手順・撮影設定・よくある不具合までを 1 本にまとめました。
① ZWO T2-M43 アダプタとは|スペック・端子構成・対応カメラ
ZWO T2-M43 アダプタは、ZWO ASI シリーズ冷却カメラの T2 スレッド側に、Micro Four Thirds 規格のカメラレンズを取り付けるための変換リングです。ZWO 公式製品ページでは「カメラ側 M43/レンズ側 T2」ではなく「カメラ側 T2 スレッド、レンズ側 M4/3 マウント」の変換であることが明示されています。
基本スペック(ZWO 公式製品ページ記載事項)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| カメラ側スレッド | T2(M42×0.75) |
| レンズ側マウント | Micro Four Thirds(M4/3)バヨネット |
| 対応 ASI カメラ | ASI1600 / ASI294 / ASI183 / ASI174 シリーズ、ASI533MC-P |
| アダプタ厚み・直径・材質 | ZWO 公式製品ページには具体数値の記載なし |
出典: ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」§Description / Compatibility。対応カメラ一覧は同ページに「ASI1600 ASI294 ASI183 ASI174 series and ASI533MC-P」と明記。
各カメラのマニュアルにも、付属・オプション扱いのアダプタ一覧の 1 番目に「M43-T2 adapter」が明記されており、ZWO 公式の想定運用として MFT レンズ接続がラインナップされていることが確認できます。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §Adapters/ASI1600 Manual EN V1.5 §Adapters/ASI294 Manual EN V2.2 §Adapters。3 マニュアルとも Adapters リストに「1. M43-T2 adapter」と記載。
② 使う理由|MFT レンズを天体撮影に使いたい 3 つの場面
用途 1|広角〜標準の星野撮影(天の川・季節の星座)
ねらい:Sigma 16mm F1.4、Panasonic Leica 9mm F1.7、Olympus 25mm F1.2 など、開放 F 値の明るい MFT レンズを ZWO 冷却カメラに直付けし、DSLR より低ノイズで広い星野を捉える。
仕組み:MFT はフランジフォーカル距離 19.25mm と短く、他のミラーレスと比べても物理的にコンパクトなレンズが揃うため、ポータブル赤道儀+冷却カメラで機動性を重視する構成に向く。
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「flange focal distance of 19.25 mm」「17.3 mm × 13.0 mm」「21.63 mm diagonal」および「bayonet type lens mount」。
用途 2|彗星・流星群・低空広範囲天体の高感度撮影
ねらい:冷却センサーのダーク低減効果を、望遠鏡ではなく明るいカメラレンズと組み合わせて活かす。露光時間は短くても高感度でシャープに写す構成。
仕組み:ZWO の冷却カメラは 2 段 TEC で環境温度から一定温度下げてダーク電流を抑えられる(例:ASI533 は AR コート付き保護窓と冷却で低ノイズ設計)。この冷却センサーを「望遠鏡+補正レンズ」ではなく「MFT レンズ 1 本」で受けるのが T2-M43 アダプタの本領。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §Cooling System / Protect Window「The ASI533 2-stage TEC cooling system precisely controls the temperature of the sensor」。
用途 3|サブカメラ・ガイド用途としての流用
ねらい:MFT のコンパクトな 25mm / 42.5mm 単焦点で ASI174 / ASI183 を軽量ガイドカメラ化し、望遠鏡側の重量バランス確保。
仕組み:ASI174 / ASI183 は ZWO T2-M43 の公式対応表に含まれており、T2 リングを外した 6.5mm 面に T2-M43 を取り付けて MFT レンズを装着できる。
出典: ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」§Compatibility「ASI1600 ASI294 ASI183 ASI174 series and ASI533MC-P」。
③ 対応カメラ 5 系統の仕様まとめ
ZWO 公式対応表の 5 系統について、それぞれの ZWO 公式マニュアル記載値をまとめます。センサーサイズと MFT イメージサークル(対角 21.63mm)の関係が、後述の「ケラレ判定」に直結します。
| 機種 | センサー | 対角 | 画素ピッチ | バックフォーカス | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASI1600 (Panasonic MN34230) | 4/3″ CMOS | 21.9mm | 3.8μm | 6.5mm(T2 リング外) | ASI1600 Manual §Specifications / §6.4 |
| ASI294MC / MM (Sony IMX294 / IMX492) | 4/3″ CMOS | 23.2mm | 4.63μm | 6.5mm(T2 リング外) | ASI294 Manual §Specifications / §5.5 |
| ASI533MC / MM Pro (Sony IMX533) | 正方形 CMOS | 15.968mm | 3.76μm | 6.5mm(T2 リング外) | ASI533 Manual §Specifications / §5.4 |
| ASI183 / ASI174 シリーズ | 対応表に記載 | 各機種マニュアル参照 | 各機種マニュアル参照 | T2 リング外で 6.5mm 想定 | ZWO 公式製品ページ Compatibility |
出典: ASI1600 Manual EN V1.5「Sensor 4/3″ CMOS / Diagonal 21.9mm / Pixel Size 3.8μm / Adapters 2″/1.25″/M42×0.75 / Back Focus Distance 6.5mm」および §6.4「When the attached 11mm T2 Extender is removed the optical distance from the sensor to the camera body is reduced to 6.5mm」。ASI294 Manual EN V2.2「Diagonal 23.2mm / Pixel Size 4.63μm / Adapters M42*0.75 / Back Focus Distance 6.5mm」。ASI533 Manual EN V1.2「SONY IMX533 CMOS / Diagonal 15.968mm / Pixel size 3.76μm / Adapters M42X0.75 / Back focus distance 6.5mm/17.5mm」。
④ 光学要件|バックフォーカス 6.5mm+MFT フランジ 19.25mm の合算
T2-M43 アダプタを正しく無限遠まで合焦させるには、次の 2 つの規格値の距離を、アダプタ 1 枚で吸収する必要があります。
- ZWO 冷却カメラの本体バックフォーカス:センサー面から筐体上面までが 6.5mm(11mm の T2 リングを外した状態)。標準の T2 リングを付けた状態では 17.5mm(ASI533 マニュアル §5.4 に明記)。
- MFT レンズのフランジフォーカル距離:レンズマウント面からセンサー面までが 19.25mm(MFT 規格)。
したがって、T2-M43 アダプタは「カメラ本体の T2 リング(11mm)を外してから」直接ねじ込むのが公式想定です。11mm リングを付けたままだとセンサー面〜レンズマウント面が 17.5mm+アダプタ厚みとなり、19.25mm を超えて無限遠が出せません。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §5.4「When 11mm T2 Extender is removed from camera, back focus length is reduced to 6.5mm」/Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「flange focal distance of 19.25 mm」。
組付け後の光路概念(一次情報の数値のみ使用)
| 区間 | 距離 | 出典 |
|---|---|---|
| センサー面〜カメラ筐体上面(T2 リング無) | 6.5mm | ASI533/1600/294 Manual §Back focus distance |
| MFT フランジフォーカル距離(センサー面〜マウント面) | 19.25mm | MFT 規格(Wikipedia) |
| T2-M43 アダプタが吸収する差分 | 19.25 − 6.5 = 12.75mm 相当(アダプタ厚み・内部空間・オス/メスねじ込み代の合計) | 上 2 段の一次情報から算術導出 |
ZWO 公式製品ページにはアダプタの具体的な厚みや直径の記載がないため、本記事では実測寸法値は掲載しません。正確な寸法が必要な場合は開梱後にご自身のノギスで測定するか、ZWO へ直接お問い合わせください。
⑤ センサー×MFT イメージサークル対応表|ケラレの有無
MFT の設計イメージサークルは対角 21.63mm(撮像域 17.3×13.0mm)です。ZWO の対応カメラ 3 機種で「センサー対角」と比較すると次のようになります。
| 機種 | センサー対角 | MFT 21.63mm との差 | 四隅ケラレの目安 |
|---|---|---|---|
| ASI533MC/MM Pro | 15.968mm | −5.66mm(余裕あり) | レンズ設計イメージサークル内に完全に収まる |
| ASI1600 系 | 21.9mm | +0.27mm | ほぼ同等。四隅の周辺光量落ちが強めに出やすい |
| ASI294MC/MM Pro | 23.2mm | +1.57mm | 四隅がイメージサークル外に出るため、レンズ設計次第で光量落ち・ケラレが顕在化しやすい |
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「17.3 mm × 13.0 mm」「21.63 mm diagonal」。センサー対角値は各 ZWO 公式マニュアル §Specifications より。
ASI533 は正方形センサーで対角も小さいため、ほとんどの MFT レンズで問題なく使えます。ASI294 や ASI1600 は撮影後にフラットフレームで周辺光量落ちを補正するか、撮って出しで隅を若干トリミングする運用が現実的です。実際にどこまでケラレるかはレンズ側のイメージサークル設計次第なので、必ずダーク/フラットの合成で確認してください。
⑥ 組付け手順|取付順序・T2 リング脱着・ネジ締め注意
手順 1|T2 リング(11mm 延長筒)をカメラ本体から外す
症状/根拠:ZWO 冷却カメラの標準構成では、カメラ本体(センサー面〜筐体上面 6.5mm)に「T2 延長リング 11mm」がねじ込まれた状態(合計 17.5mm)で出荷されます。
手順:この延長リングを反時計回りに外し、6.5mm 面を露出させます。ASI533 マニュアル §Accessories に「2″ M42 thread, thickness 11mm, removable」と明記されています。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §Accessories / §5.4「T2 extender ring: 11mm thickness, removable」。ASI1600 Manual EN V1.5 §6.4。
手順 2|T2-M43 アダプタをカメラ側の M42×0.75 スレッドにねじ込む
ポイント:ZWO T2-M43 のカメラ側は M42×0.75(=T2)の内ネジ(メス)。カメラ本体側は外ネジ(オス)なので、そのままねじ込みます。斜めネジ切りを起こさないよう、最初の 2〜3 周は必ず指で軽く回してから最後だけしっかり締める。
出典: ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」のカメラ側スレッド仕様。M42×0.75 の呼称は ASI533 Manual §Specifications「Adapters M42X0.75」と一致。
手順 3|MFT レンズを T2-M43 アダプタのバヨネットに取り付ける
ポイント:MFT はバヨネット式のマウント。位置決めの赤マーク(レンズ側)とアダプタ側のマークを合わせてから、通常のカメラ装着方向(時計回り)に回してロックします。無理に強く回すとレンズマウント側のロック機構を痛める可能性があります。
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「bayonet type lens mount」。
手順 4|カメラ本体に電源・USB を接続し、動作確認
ポイント:冷却カメラの場合は 12V の外部電源が必要。ASI294 は「12V@5A DC adapter (5.5×2.1mm, center pole positive)」、ASI533 は「D5.5×2.1mm, center positive」で 11V〜対応。極性・電圧を必ず合わせてください。
出典: ASI294 Manual EN V2.2 §Power supply for cooling/ASI533 Manual EN V1.2 §Power。
⑦ ピント合わせ|MF リング必須・∞ の落とし方
手順 A|MF リング付きの MFT レンズを用意する
症状/根拠:ZWO T2-M43 アダプタは純粋な機械的変換アダプタで、電子接点を持ちません。MFT レンズは AF・絞りを電子制御する設計のため、MF リングを備えたレンズしか無限遠に合焦できません。
対処:MF リング付きレンズ(例:Olympus 12mm F2、Panasonic Leica 12mm F1.4、SLR Magic 25mm F1.4、Kowa PROMINAR 8.5mm F2.8、Voigtlander Nokton MFT シリーズ、Rokinon 12mm F2 MFT 等)や、絞りリング付きの旧 OM/M42 レンズを MFT アダプタ経由で装着した状態のものを選定してください。ZWO 公式製品ページの説明にも MFT レンズ側の光学操作要件は記載されていないため、レンズ選定は使う側の責任となります。
出典: ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」(電子接点に関する記載はなし=純機械的変換)。Wikipedia「Micro Four Thirds system」「11-contact connector」(MFT は電子接点通信規格であることを確認)。
手順 B|ライブビューで明るい星を導入する
ポイント:ASI Studio / ASIAIR のライブビューで、10 秒程度の連続露出を回しながら、レンズの MF リングをゆっくり回して星像が最小になる位置を探す。冷却カメラの場合は事前に冷却 ON(例:−10℃)にしておくとダーク電流が減ってピントを追い込みやすい。
出典: ASI294 Manual EN V2.2 §Cooling(TEC 冷却でダーク低減が可能)。
手順 C|ピント位置を保持する
ポイント:MFT レンズの MF リングは細く回転が軽いため、装着後にケーブルが引っかかると微小に動く可能性があります。ピントを合わせたらフォーカスリングにマーキングテープ等で目印を付けておき、途中で位置が動いていないか確認する運用が安全。
⑧ 撮影設定|露出・Gain・HCG・保存フォーマット
Gain と HCG モード(ASI294 の場合)
推奨設定:ASI294 Pro シリーズは「Gain を 120 に設定すると HCG(High Conversion Gain)モードが有効になり、リードノイズが 2e⁻ 未満まで下がる」と ZWO 公式が明記しています。都市部で明るい対象を短時間で撮る場合は Gain 120 を起点に露出時間を調整してください。
フルウェル:ASI294MM Pro が 66,387e⁻、ASI294MC Pro が 63,700e⁻(ZWO 公式製品ページより)。
出典: ZWO 公式製品ページ「ASI294 Pro Series」「When the gain value is set to 120, the HCG high gain mode is turned on」「66,387e⁻ / 63,700e⁻」。
読み出しノイズと露光時間
ASI294 Pro は読み出しノイズ 1.2e⁻(ZWO 公式)とバックライト照射型 CMOS で、短時間露光でも十分な S/N が得やすい構成です。都市部の光害下では 30 秒×多数コンポジット、暗い空では 3〜5 分の長露光を選ぶといった調整が現実的。
出典: ZWO 公式製品ページ「ASI294 Pro Series」「Ultra-low readout noise: 1.2e⁻」。
保存フォーマット
天体撮影では 16bit の FITS 保存を推奨。ASI Studio / ASIAIR いずれも標準で FITS 出力が可能。JPG では 8bit に圧縮されて後処理耐性が大きく落ちるため避けてください(一般則)。
冷却温度
ASI294 Pro / ASI533 Pro とも「環境温度から 35℃ 下」までの冷却が可能とされています。ダーク電流を安定させるため、外気温より 20〜30℃ 低い一定温度を選び、常に同じ温度でダークを取り直す運用が基本。
出典: ZWO 公式製品ページ「ASI294 Pro Series」「Two-stage TEC cooling can lower sensor temperature 35°C below ambient」。
⑨ よくある不具合と対処
原因 1|無限遠が出ない
症状:星がどうやってもピンボケ、遠景も甘い。
原因:①T2 リング(11mm 延長筒)を外し忘れて総距離が 17.5mm + アダプタ厚みになり MFT 規格 19.25mm を超えている。②MFT レンズが AF 専用(MF リングなし)で電子制御なしでは無限遠固定に落とせない。
対処:まず T2 リングを外して 6.5mm 面にアダプタを直付けし直す。それでも合焦しないなら、そもそも MFT レンズ側が MF 対応かをスペック表で再確認する。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §5.4「6.5mm/17.5mm」/Wikipedia「Micro Four Thirds system」「flange focal distance of 19.25 mm」。
原因 2|四隅がケラレる(暗い扇形が写り込む)
症状:画像四隅が黒く落ち込む。
原因:ASI294(対角 23.2mm)・ASI1600(対角 21.9mm)が MFT 設計イメージサークル(対角 21.63mm)を超えている。
対処:①フラットフレームで補正する。②レンズを絞る(開放より 1〜2 段絞ると周辺光量落ちが減る)。③どうしても解決しない場合は ASI533MC-P(対角 15.968mm)等のセンサー小さめの機種に変更する。
出典: ASI294 Manual §Specifications「Diagonal 23.2mm」/ASI1600 Manual §Specifications「Diagonal 21.9mm」/ASI533 Manual §Specifications「Diagonal 15.968mm」/MFT「21.63 mm diagonal」。
原因 3|MFT レンズの絞りが動かせない
症状:絞り優先で開放しか使えない/逆に絞ったまま開けない。
原因:MFT 規格は「11-contact connector」の電子接点で絞り制御する設計。ZWO T2-M43 は純機械的アダプタで接点を持たない。
対処:①絞りリング付きの旧 OM/M42/Cマウントレンズを別のアダプタで MFT 変換して装着する構成に切替える。②Panasonic の一部レンズは電源 OFF 時の絞り位置で固定される個体があるため、事前にカメラ本体で絞りを設定し、その状態で ZWO 側へ移設する裏技を試す。③そもそも「開放固定」で運用することを前提に F1.4〜F2 の明るい MF 単焦点を選ぶ。
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」「11-contact connector」(フォーサーズの 9 接点から MFT で 11 接点に増加)。
原因 4|レンズを付けた瞬間にセンサーが結露する
症状:装着後しばらくすると保護窓や光路にくもりが出る。
原因:冷却動作中のセンサー保護窓が外気湿気と温度差で結露する(ZWO 公式マニュアル記載の一般注意)。
対処:冷却は装着・接続完了後に開始する。夏場の湿気が多い日は乾燥剤(デシカント)を CMOS チャンバー内に入れる運用が推奨されています。
参考:ASI533 マニュアルは「protective window glass」で結露対策を案内しています。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §Protect Window/ASI294 Manual EN V2.2 §Protect Window「there is a protective window in front of the ASI294 camera sensor, with 32mm diameter and 2mm」。
原因 5|MFT レンズが物理的に締まらない・緩い
症状:バヨネットの噛み合わせが浅く、レンズがガタつく。
原因:①T2-M43 アダプタ側のバヨネット金具の位置合わせが正しくない。②サードパーティ製の廉価アダプタでは公差が大きく、純正 MFT ボディよりロック位置が緩い個体もある。
対処:①レンズの赤マーク/位置ドットをアダプタ側の目印にしっかり合わせてから回す。②異常な緩さがあれば ZWO 純正か否か(型番 T2-M43 / M43-T2 と製品ページの外観)を再確認する。
関連商品
本記事で扱った ZWO T2-M43 アダプタと、公式に対応する冷却カメラの一部を紹介します。バックフォーカスや電源仕様は各商品ページで再確認してください。
- ZWO T2-M43 アダプタ(本記事の主役・Pillar 商品)
- ZWO ASI533MC Pro(対応表記載。正方形センサー・MFT イメージサークルに余裕)
- ZWO ASI294MC Pro(対応表記載。4/3″ CMOS・HCG 高感度モード搭載)
⑩ ZWO T2-M43 の商品ページ・公式 LINE のご案内
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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・ZWO 公式製品ページおよび Micro Four Thirds システム規格(Wikipedia)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
FAQ
Q1|ZWO T2-M43 は ASI2600 / ASI6200 / ASI071 に使えますか?
ZWO 公式の対応表は「ASI1600 / ASI294 / ASI183 / ASI174 シリーズおよび ASI533MC-P」の 5 系統に限定されており、フルフレーム機(ASI2400 / ASI6200)や APS-C 機(ASI2600 / ASI071)は対応表に含まれていません。センサーが MFT イメージサークル(対角 21.63mm)を大きく上回るため、ケラレが強く出て実用にならないと考えられます。
出典: ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」§Compatibility。Wikipedia MFT §Specifications「21.63 mm diagonal」。
Q2|アダプタ側で絞りを制御できますか?
できません。ZWO T2-M43 は純機械的なマウント変換リングで、電子接点や絞り連動リングは搭載していません。MFT レンズは電子接点(11 ピン)で絞りを制御する規格のため、絞りを変えたい場合は絞りリング付きの旧 OM/M42 レンズを別のアダプタで MFT 変換して装着する、あるいは開放固定運用を前提にレンズを選定してください。
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「11-contact connector」。
Q3|T2 リングを付けたまま使うとどうなりますか?
センサー面〜レンズマウント面が 17.5mm+アダプタ厚みとなり、MFT 規格の 19.25mm を超えるため、無限遠にピントが届かなくなる可能性が高いです。ASI533 マニュアル §5.4 は「11mm T2 Extender を外すとバックフォーカスが 6.5mm に縮む」と明記しており、T2-M43 装着時はリングを外すのが公式想定です。
出典: ASI533 Manual EN V1.2 §5.4「When 11mm T2 Extender is removed from camera, back focus length is reduced to 6.5mm」。
Q4|ASI533MC-P と ASI294MC Pro、MFT レンズと組むならどちらが良い?
MFT の設計イメージサークル(対角 21.63mm)に対して、ASI533 は対角 15.968mm で完全に収まり四隅の光量落ちが少ないため、初めて MFT レンズを試す場合は ASI533 系が扱いやすい選択です。ASI294 は対角 23.2mm でイメージサークル外に少し出るため、フラット補正前提の運用となります。画角と広さを取るなら ASI294、周辺光量落ちの少なさを取るなら ASI533、というトレードオフです。
出典: ASI533 Manual §Specifications「Diagonal 15.968mm」/ASI294 Manual §Specifications「Diagonal 23.2mm」/MFT「21.63 mm diagonal」。
Q5|MFT レンズと ASI カメラで、フィルターはどう入れますか?
本記事の「T2-M43」1 枚構成ではフィルターホルダーが挟めません。フィルターを使いたい場合は、①センサー保護窓の直前に薄型 M42 フィルターを入れる構成にする、②フィルタードロワーやフィルターホイールを別途組み込む構成に切り替える、のどちらかとなります。ただし②はバックフォーカス配分が変わるため、レンズ側で無限遠が出せなくなる可能性が高い点に注意。
Q6|MFT レンズの焦点距離換算は?
MFT のセンサー実効サイズは 17.3×13.0mm で、35mm フルフレーム比の対角クロップ係数は約 2.0 倍(一般則)。ただし ZWO の ASI294(対角 23.2mm)で使う場合は実効撮像面がわずかに広くなるため、換算倍率もその分だけ緩みます。ASI533(対角 15.968mm)で使う場合は撮像面が小さいため、換算倍率は 2.0 倍より大きくなります。
出典: Wikipedia「Micro Four Thirds system」§Specifications「17.3 mm × 13.0 mm」。センサー対角値は各 ZWO マニュアル §Specifications。
参考にした一次情報
- ZWO 公式製品ページ「T2 to M43 adapter」
- ZWO ASI533 Manual EN V1.2(PDF)
- ZWO ASI1600 Manual EN V1.5(PDF)
- ZWO ASI294 Manual EN V2.2(PDF)
- ZWO 公式「ASI Camera 55mm Back Focus Solution」
- ZWO 公式製品ページ「T2-T2 Extender 11mm」
- ZWO 公式製品ページ「ASI294 Pro Series」
- Wikipedia「Micro Four Thirds system」(MFT 規格の一般定義)
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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・ZWO 公式製品ページおよび Micro Four Thirds システム規格(Wikipedia)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。