ZWO フィルタードロワー完全ガイド|FD-M42-Ⅱ・FD-M54-Ⅱ の違い・選び方・接続例
ZWO フィルタードロワー完全ガイド|FD-M42-Ⅱ・FD-M54-Ⅱ の違い・選び方・接続例
天体ショップへのお問い合わせで意外と多いのが「フィルタードロワーって何のための部品ですか?」「FD-M42-Ⅱ と FD-M54-Ⅱ、自分のカメラだとどちらを選べば良いですか?」というご質問です。本記事では ZWO の最新世代(Gen 2)フィルタードロワー FD-M42-Ⅱ と FD-M54-Ⅱ について、ZWO 公式マニュアルおよび公式製品ページから確認できる事実だけを使って、用途・違い・選び方・接続例を整理します。誤情報を避けるため、確認できない仕様は記載していません。
① フィルタードロワーとは何か(用途と役割)
フィルタードロワー(filter drawer)は、望遠鏡とカメラの間の光路に組み込んだまま、横からフィルターを 1 枚抜き差しできるアクセサリです。電動フィルターホイール(EFW)のように複数枚を内蔵して自動で切り替える機構は持たないため、撮影中の自動切替はできません。代わりに、構造がシンプルで薄く軽く、コストも抑えられるという長所があります。
「狭帯域 1 枚(L-Ultimate / L-eXtreme など)+たまに UV/IR カット」の運用や、「ワンショットカラー(OSC)カメラなので 1 枚を入れ替えるだけで十分」という構成と相性が良く、特に小型〜APS-C 冷却カメラを使うリモート機材/自宅ベランダ運用などで採用されることが多い部品です。
ZWO の現行ラインナップでは、ネジ径違いで主に FD-M42-Ⅱ(M42 系)と FD-M54-Ⅱ(M54 系)の 2 機種が用意されており、ZWO 公式の「55mm バックフォーカス解決ガイド」でも、対応カメラごとに「M42 フィルタードロワーを使う場合の接続例」「M54 フィルタードロワーを使う場合の接続例」がそれぞれ図示されています。
出典: ZWO 公式 PDF "ASI Camera 55mm Back Focus Solution (2025 Updated Version)" p.4「If you are using an M42 filter drawer, the connection setup is as follows」、p.13「If you are using an M54 filter drawer, the connection setup is as follows」(PDF)/ZWO 公式記事 "ASI Camera 55mm Back Focus Solution-2025 Updated Version"(zwoastro.com)
② Gen 2(II)の改良点
FD-M42-Ⅱ / FD-M54-Ⅱ は ZWO のフィルタードロワーの第 2 世代(Generation 2)にあたり、旧型(Gen 1 / 末尾 II 無し)から以下の点が改良されています。
| 改良点 | 内容 |
|---|---|
| 二重強力マグネット | フィルターホルダーをドロワー本体に保持するマグネットを 2 個に強化。挿入・引き抜きが従来より確実かつスムーズになった。 |
| サイドのロックネジ | 側面にロックネジを追加。ホルダーのテンションを微調整して隙間をなくし、ドロワー保持の確実性を高める。 |
| 光漏れ対策シール | 長時間露光時に発生しがちな迷光・光漏れを抑える「anti-light-leaking design(光漏れ防止設計)」をうたう改良シール構造。 |
| 予備ホルダーは Gen 1 と非互換 | Gen 2 用の純正予備フィルターホルダー(ZWO Extra 2" Filter Holder Generation 2)は、旧 Gen 1 ドロワーには装着できない。買い増し時は世代を必ず合わせる必要がある。 |
出典: First Light Optics 製品ページ "ZWO 2" Filter Drawer (M42 / M48) v2"「Two strong magnets and a locking screw hold the filter drawer in place」(FLO、ZWO 公式説明文転載)/Camera Concepts FD-M54-Ⅱ 製品ページ「double strong magnets adopted for stronger adsorption」「lock screw on the side」「anti-light-leaking design」(Camera Concepts)/Astronomics "ZWO Extra 2" Filter Holder (Generation 2)"「not compatible with first-generation M42/M48 or M54 filter drawers」(Astronomics)
③ FD-M42-Ⅱ の詳細仕様
FD-M42-Ⅱ は、ASI カメラの標準的なネジ規格である M42×0.75 をカメラ側にもつ Gen 2 フィルタードロワーです。望遠鏡側は M48×0.75 メスネジで、付属の M48-M42 アダプターリングを使うことで M42 望遠鏡側にも対応できます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 型番 | FD-M42-Ⅱ(Generation 2) |
| 本体寸法 | 66mm(縦)× 66mm(横)× 厚み 21mm |
| カメラ側ネジ | M42×0.75 オス(external thread) |
| フィルター取付ネジ | M48×0.75 メス(2 インチ枠付フィルター用) |
| 望遠鏡側ネジ | M48×0.75 メス(internal thread) |
| 同梱品 | ドロワー本体 + フィルターホルダー(マグネット式)+ M48-M42 アダプターリング × 1 |
| 対応フィルター | 2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ)フィルター |
本体が 66mm 角と比較的コンパクトなため、ZWO 系の小型〜APS-C 冷却カメラだけでなく、HyperStar や Celestron RASA のように後部スペースに余裕のない光学系でも採用例があります。標準で M48 望遠鏡側ネジなので、ZWO 公式のフラットナー/レデューサーやサードパーティのリングと組み合わせやすいのも特長です。
出典: First Light Optics FD-M42-Ⅱ 製品ページ「66mm(height)*66mm(length)*21mm(thickness)」「M42 × 0.75 external thread (camera side)」「M48 × 0.75 internal thread (filter end)」「M48 × 0.75 internal thread (telescope side)」「The package comes with an M48 to M42 adapter ring」(FLO、ZWO 公式説明文転載)
④ FD-M54-Ⅱ の詳細仕様
FD-M54-Ⅱ は、APS-C〜フルフレーム冷却カメラで採用が増えている M54×0.75 ネジに合わせた Gen 2 フィルタードロワーです。両側 M54 ネジが基本で、付属の M54-M48 2mm アダプターを使えば M48 側にも変換できます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 型番 | FD-M54-Ⅱ(Generation 2) |
| 本体寸法 | 直径 70mm × 厚み 20mm |
| カメラ側ネジ | M54×0.75 オス(external thread) |
| フィルター取付ネジ | M48×0.75 メス(2 インチ枠付フィルター用) |
| 望遠鏡側ネジ | M54×0.75 メス(internal thread) |
| 同梱品 | ドロワー本体 + フィルターホルダー(マグネット式)+ M54-M48 2mm アダプター × 1 |
| 対応フィルター | 2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ)フィルター |
FD-M54-Ⅱ は厚みが 20mm と FD-M42-Ⅱ より 1mm 薄く、両側 M54 ネジで「M54 ベースの組立てラインを M54 のまま貫通させたい」ユースに合います。ZWO 公式の接続例でも、ASI2600MC/MM Duo(ガイド機能内蔵モデル)、ASI6200MC/MM Pro、ASI2400MC Pro などのフルフレーム系では FD-M54 フィルタードロワー使用パターンが標準的に提示されています。
出典: Camera Concepts FD-M54-Ⅱ 製品ページ「Diameter: 70mm」「Thickness: 20mm」「M54 × 0.75 male(external) thread」「M48 × 0.75 female(internal) thread」「M54 × 0.75 female(internal) thread」「one M54-M48F-2mm adapter」(Camera Concepts)/ZWO 公式 PDF p.13「If you are using an M54 filter drawer, the connection setup is as follows」、p.17「If you are using the M54 filter drawer, the connection setup is as follows」(PDF)
⑤ 2 機種の比較表
| 比較項目 | FD-M42-Ⅱ | FD-M54-Ⅱ |
|---|---|---|
| 本体形状 | 66mm × 66mm 角型 | 直径 70mm 円形 |
| 厚み(光学長への加算分) | 21mm | 20mm |
| カメラ側ネジ | M42×0.75 オス | M54×0.75 オス |
| 望遠鏡側ネジ | M48×0.75 メス | M54×0.75 メス |
| 付属アダプター | M48-M42 アダプターリング × 1 | M54-M48 2mm アダプター × 1 |
| 主な想定カメラ(公式接続例) | ASI585MC Pro、ASI533MC/MM Pro、ASI294MC/MM Pro、ASI183MC/MM Pro、APS-C カメラ(ASI2600MC/MM Pro 等) | ASI2600MC/MM Duo、ASI6200MC/MM Pro、ASI2400MC Pro |
| 対応フィルター | 2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ) | 2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ) |
| Gen 2 改良(共通) | 二重マグネット / サイドロックネジ / 光漏れ対策シール | 二重マグネット / サイドロックネジ / 光漏れ対策シール |
出典: First Light Optics FD-M42-Ⅱ 製品仕様(FLO)/Camera Concepts FD-M54-Ⅱ 製品仕様(Camera Concepts)/ZWO 公式 PDF p.2〜18 各機種接続例(PDF)
⑥ どちらを選ぶか — カメラ別の選び方
FD-M42-Ⅱ と FD-M54-Ⅱ のどちらを選ぶかは、基本的に「カメラ側のネジ径」と「ZWO 公式の接続例でどちらが想定されているか」で決まります。ZWO 公式 PDF「ASI Camera 55mm Back Focus Solution (2025 Updated Version)」では、機種ごとに使用するフィルタードロワーが明示されています。
| カメラ区分(機種例) | 推奨フィルタードロワー | 公式出典の章 |
|---|---|---|
| 4/3"・1"・小型 冷却カメラ:ASI585MC Pro / ASI533MC/MM Pro / ASI294MC/MM Pro / ASI183MC/MM Pro | FD-M42-Ⅱ | SRC-1 p.4「If you are using an M42 filter drawer」 |
| APS-C 冷却カメラ:ASI2600MC/MM Pro / ASI071MC Pro | FD-M42-Ⅱ(M42 系チェーンで組む場合) | SRC-1 p.11「If you are using an M42 filter drawer」 |
| APS-C ガイド内蔵:ASI2600MC/MM Duo | FD-M54-Ⅱ | SRC-1 p.13「If you are using an M54 filter drawer」 |
| フルフレーム冷却カメラ:ASI6200MC/MM Pro / ASI2400MC Pro | FD-M54-Ⅱ | SRC-1 p.17「If you are using the M54 filter drawer」 |
とくに APS-C カメラの場合、ZWO は「2 インチまたは 36mm のフィルターホイール/ドロワーを推奨する。これより小さいフィルターは口径食やフレームの蹴られの原因となる」と明記しています。1.25 インチ系のフィルタードロワーを APS-C に組み合わせるのは公式に非推奨という点は覚えておきたいポイントです。
フルフレーム機(ASI6200 / ASI2400)に至っては、ZWO は「2 インチ EFW またはフィルタードロワーのみを推奨する」と更に強く限定しているため、これらの機種で本格的にナローバンドや光害カットを運用するなら FD-M54-Ⅱ + 2 インチフィルターという選択がいちばん筋の通った構成になります。
出典: ZWO 公式 PDF p.7「For APS-C frame cooled cameras, ZWO recommend using 2" or 36mm filter wheels or filter drawers. Smaller filters may cause vignetting or frame obstruction.」、p.16「For full frame cooled cameras, only 2" EFW or filter drawers are recommended.」(PDF)
⑦ 55mm バックフォーカス標準への組み込み
外付フラットナー/レデューサー方式の天体望遠鏡は、ZWO 公式によれば「55mm バックフォーカス標準で設計されているものが多い」とされています。これは「DSLR と純正アダプターリングで接続すると、ちょうど 55mm の距離が出る」という DSLR 互換規格に由来します。
フィルタードロワーは、この 55mm バックフォーカス・チェーンの中で「20mm(FD-M54-Ⅱ)または 21mm(FD-M42-Ⅱ)の光学長を持つ厚みの一部品」として扱われます。たとえばカメラ・EFW・フィルタードロワー・各種延長リングを足し合わせて、最終的に合計が 55mm(公式チェーンによっては 56mm)に揃うように組み立てるのが基本です。
ZWO 公式 PDF にはカメラ機種ごと・EFW 有無ごと・OAG-L 有無ごとに細かい接続例が記載されていますが、典型的な「APS-C + 2" EFW + フィルタードロワー」構成のチェーンの組み立てのコツとして、公式は次のように補足しています。
つまり、フィルタードロワーを自前で組み込もうとして「あれ、何 mm 足りない / 何 mm 余る…」と悩むよりも、まず ZWO 公式 PDF の「自分のカメラに対応するページ」を開いて、その通りの組み立てに必要な部品を揃えるのが最短ルートです。本記事末尾に PDF の URL を載せていますので、購入前にぜひご確認ください。
出典: ZWO 公式 PDF p.1「the good news is that most manufacturers have reached a consensus on a 55mm back focus standard」、p.3-4「The back focus: 56mm. The combination T2-M48 (16.5mm) + M48-M42 can be replaced with an M48-M48 (16.5mm) adapter.」、p.10-11「This setup requires removing the M42 sensor tilt adapter that comes with the camera.」(PDF)
⑧ 使えるフィルター・組み合わせの注意点
FD-M42-Ⅱ / FD-M54-Ⅱ ともに、フィルター取付側は M48×0.75 メスネジです。したがって対応するのは「2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ)」の天体用フィルター全般となります。主要メーカーの一例は次の通りです(小売店の互換表記から引用)。
- Baader Planetarium 製 2 インチ枠付フィルター
- Astronomik 製 2 インチ枠付フィルター
- Chroma 製 2 インチ枠付フィルター
- Optolong 製 2 インチ枠付フィルター(L-eXtreme / L-Pro / L-Ultimate / L-eNhance 等)
特に Optolong L-Ultimate は 1.85mm 厚の B270 光学ガラス + 多層 AR コーティングと公式に明記された、薄型かつ反射防止性能の高い 2 インチフィルターで、ZWO フィルタードロワーとの組み合わせ実績も多い製品です(L-Ultimate の物理仕様は Optolong 公式・販売店仕様による)。
出典: Astronomics FD-M54-Ⅱ 製品ページ「Works with major filter brands: Baader, Astronomik, Chroma, and Optolong」(Astronomics)/Astronomics "ZWO Extra 2" Filter Holder (Generation 2)" 仕様「M48x0.75 threads to secure mounted 2-inch filters」「Holds 2-inch round filters (50.8 mm diameter, 7.5 mm thickness)」「not compatible with first-generation M42/M48 or M54 filter drawers」(Astronomics)/Optolong L-Ultimate 2" 仕様「1.85 mm thickness」「B270 glass」「multi-layer anti-reflection coating」(High Point Scientific)
⑨ OAG-L 併用時の注意(重要)
ZWO は大型センサー向けのオフアキシスガイダーとして OAG-L をラインナップしていますが、OAG-L とフィルタードロワー(FD-M42-Ⅱ / FD-M54-Ⅱ)は直接ネジで接続して併用することができません。これは ZWO 公式の小売店説明でも明示されているポイントです。
OAG-L を使ったうえでフィルター挿入機能も確保したい場合、ZWO は別売の「70mm 径 M54 アダプター for OAG-L(2 インチフィルターを内蔵できる構造を持つ)」を提供しており、こちらを OAG-L に直接ネジ込んで使用するのが公式の解決策となっています。OAG-L + フィルタードロワー前提で機材計画を立てている方は、購入前に「OAG-L 用の専用アダプターが別途必要」という点を必ずご確認ください。
出典: ZWO 公式製品ページ "M54 adapter for OAG-L and ASI DSO Cameras"(zwoastro.com)/ZWO 公式 PDF p.4・p.8・p.17「If you are using the OAG-L and require a 15mm extender, the connection setup is as follows」(OAG-L のチェーンではフィルタードロワーではなく専用アダプターが組み込まれている)(PDF)
⑩ 関連商品
本記事で扱った 2 機種は、いずれも天体ショップ(telescopeshop.net)で取り扱っております。Gen 2 の改良が反映された現行モデルです。
- ZWO FD-M42-Ⅱ フィルタードロワー(2 インチ用・M42 系・Gen 2) — 小型〜APS-C 冷却カメラ(ASI585MC Pro / ASI533 / ASI294 / ASI183 / ASI2600MC Pro 等)の M42 ベース構成向け
- ZWO FD-M54-Ⅱ フィルタードロワー(2 インチ用・M54 系・Gen 2) — APS-C ガイド内蔵(ASI2600 Duo)・フルフレーム冷却カメラ(ASI6200 / ASI2400)向け
製品保証については、海外メーカー製品である ZWO 製造元の保証に加えて、天体ショップ(株式会社天文堂)独自の初期不良 60 日対応 + 3 年保証をお付けしています。日本国内での購入後サポートを重視される方は、購入元として弊社をご検討ください。
⑪ 商品ページ・公式 LINE のご案内
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最安値はご相談ください。ご購入前に公式 LINE で最新価格・在庫状況・対応カメラとの組み合わせを個別ご案内します。「FD-M42-Ⅱ 相談」または「FD-M54-Ⅱ 相談」とメッセージをお送りいただければ、すぐにお返事いたします。
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LINE 登録が難しい方向けに、メールでも対応いたします。support@tenbundo.com までお気軽にご連絡ください。
最終更新: 2026-05-18/執筆: 天体ショップ スタッフ/本記事の技術情報はすべて ZWO 公式マニュアル PDF・公式製品ページ・主要小売店の公式説明文転載に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑫ よくあるご質問
Q1. FD-M42-Ⅱ と FD-M54-Ⅱ、どちらを選べばよいですか?
A. 使用するカメラと光学チェーンのネジ径に合わせて選びます。小型〜APS-C 冷却カメラ(ASI585 / ASI533 / ASI294 / ASI183 / ASI2600MC・MM Pro 等)で M42 ベースのチェーンを組む場合は FD-M42-Ⅱ、APS-C ガイド内蔵モデル(ASI2600MC/MM Duo)やフルフレーム冷却カメラ(ASI6200 / ASI2400)で M54 ベースのチェーンを組む場合は FD-M54-Ⅱ が公式接続例で標準的に使われています。
Q2. Gen 1(旧型・末尾 II なし)と Gen 2(II)は何が違いますか?
A. Gen 2 では「二重強力マグネット」「サイドのロックネジ」「光漏れ対策の改良シール」が追加されており、フィルター保持の確実性と長時間露光時の迷光対策が改善されています。注意点として、Gen 2 用の予備フィルターホルダーは Gen 1 のドロワーには装着できないため、買い増し時は世代を必ず合わせてください。
Q3. フィルター 1 枚しか入らないのが不便。電動フィルターホイール(EFW)の方が良いのでは?
A. 撮影中に自動で複数のフィルターを切り替えたい場合(モノクロカメラでの LRGB + ナローバンド撮影など)は EFW のほうが運用が楽です。一方、ワンショットカラー(OSC)カメラで「光害カット 1 枚」「ナローバンド(L-eXtreme / L-Ultimate 等)1 枚」「UV/IR カット 1 枚」を撮影夜ごとに使い分ける程度であれば、フィルタードロワーのほうが構造がシンプル・薄型・低コストで扱いやすい選択肢となります。
Q4. 対応するフィルターは具体的にどのサイズですか?
A. 「2 インチ枠付(M48×0.75 オスネジ)」の天体用フィルターに対応します。Baader / Astronomik / Chroma / Optolong など主要メーカーの 2 インチ枠付フィルターは基本的に装着可能です。枠なし(裸ガラス)フィルターは別途 M48 枠への組み込みが必要となります。
Q5. OAG-L と一緒に使えますか?
A. OAG-L とフィルタードロワー(FD-M42-Ⅱ / FD-M54-Ⅱ)は直接ネジで接続して併用することはできません。OAG-L を使いつつフィルター挿入機能を確保したい場合は、ZWO 公式の「70mm 径 M54 アダプター for OAG-L」(2 インチフィルター内蔵対応)を別途用意するのが公式の解決策です。
Q6. APS-C 機(ASI2600MC Pro など)で 1.25 インチのフィルタードロワーは使えますか?
A. 公式には推奨されません。ZWO は APS-C 冷却カメラについて「2 インチまたは 36mm のフィルターホイール/フィルタードロワーを推奨。これより小さいフィルターは口径食やフレームの蹴られの原因となる」と明記しています。APS-C 以上は FD-M42-Ⅱ または FD-M54-Ⅱ(いずれも 2 インチ枠付対応)の選択がおすすめです。
Q7. フィルタードロワーは光路にどれくらいの厚みを足しますか?
A. FD-M42-Ⅱ は厚み 21mm、FD-M54-Ⅱ は厚み 20mm です。バックフォーカス計算時には、この値を「カメラ ⇄ 望遠鏡フランジ」間の合計光学長に組み込む必要があります。ZWO 公式 PDF「ASI Camera 55mm Back Focus Solution」にカメラ機種ごとの推奨チェーンが図示されているので、購入前にご確認ください。
⑬ 参考にした一次情報
- ZWO 公式 PDF「ASI Camera 55mm Back Focus Solution (2025 Updated Version)」 — カメラ機種別の接続チェーン(フィルタードロワー / EFW / OAG-L 込みの全パターン)
- ZWO 公式記事「ASI Camera 55mm Back Focus Solution-2025 Updated Version」 — 上記 PDF の解説記事
- ZWO 公式製品ページ「New 2″ Filter Drawer」
- ZWO 公式製品ページ「M54 adapter for filter drawer」
- ZWO 公式製品ページ「70mm M54 adapter for OAG-L and ASI DSO Cameras」
- First Light Optics「ZWO 2" Filter Drawer (M42 / M48) v2」(ZWO 公式説明文転載)
- Astronomics「ZWO Filter Drawer M54」
- Camera Concepts「ZWO M54 Filter Drawer - FD-M54-II」
- Astronomics「ZWO Extra 2" Filter Holder (Generation 2)」
- High Point Scientific「Optolong L-Ultimate 2"」(Optolong 公式仕様転載)
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最終更新: 2026-05-18/執筆: 天体ショップ スタッフ/本記事の技術情報はすべて ZWO 公式マニュアル PDF・公式製品ページ・主要小売店の公式説明文転載に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。