トゥープテック ToupTek GPM662M |Sony IMX662 搭載モノクロ・ガイドカメラの選び方と比較

トゥープテック ToupTek GPM662M |Sony IMX662 搭載モノクロ・ガイドカメラの選び方と比較

ToupTek GPM662M(トゥープテック GPM662M)は、Sony 最新世代の裏面照射型モノクロ CMOS「IMX662」を搭載した USB 2.0 接続のガイドカメラです。読み出しノイズ最小 0.4e⁻・ピーク量子効率 91% 超・ダイナミックレンジ 75.2dB という数値は、モノクロ・ガイドカメラのなかでも高い部類に入ります。本記事では、GPM662M の公式スペックを Sony IMX662 のセンサーフライヤーおよび ToupTek 公式マニュアルから引き出しつつ、カラー版 GPM662C・ZWO ASI662MC/MM・Player One Mars 662M など同世代機との違い、そして「どのガイド鏡と組み合わせるか」までを整理します。すべての数値は公式一次情報にリンクしています。

目次

  • ① なぜモノクロ・ガイドカメラなのか
  • ② GPM662M の公式スペック
  • ③ Sony IMX662 とは何か(STARVIS 2 の位置づけ)
  • ④ GPM662M と GPM662C(モノ vs カラー)の違い
  • ⑤ 他社の IMX662 搭載機との比較
  • ⑥ ガイド鏡との組み合わせ|焦点距離の目安
  • ⑦ PHD2 とのつなぎ方(設定手順)
  • ⑧ ガイドカメラで使う場合/プラネタリー撮影で使う場合
  • ⑨ 関連商品
  • ⑩ 商品ページ・公式 LINE のご案内
  • ⑪ よくある質問(FAQ)
  • ⑫ 参考にした一次情報

① なぜモノクロ・ガイドカメラなのか

ガイドカメラの仕事は「1 個の恒星(ガイド星)を捉え続けて、そのわずかな位置ズレを検出しつづける」ことです。求められるのは色情報ではなく、暗い星まで拾える 感度低ノイズ、そしてサブピクセル単位で星像重心を計算できる 星像の SNR。この 3 点でモノクロ CMOS はカラーに対して有利です。カラー・センサーは各ピクセルの上にベイヤー配列(R/G/B カラーフィルタ)が乗るため、1 ピクセルが受け取る光は概ね原理上減ります。ガイドソフト側は最終的にモノクロ相当に落として処理するので、色情報は捨てられます。

この論理は、Sony 自身がフライヤーで公表しているモノ版(AAMR)とカラー版(AAQR)の 感度実測値の差 にも表れています。モノ版 IMX662-AAMR の Sensitivity は 29300 Digit/lx/s、カラー版 AAQR は 18383 Digit/lx/s(いずれも 12bit 換算・F5.6・同一測定条件)。ガイドや惑星の高速動画・近赤外用途で「色は要らない」なら、モノを選ぶ理由がここにあります。

出典: Sony IMX662-AAMR Flyer §Image Sensor Characteristics(Sensitivity 29300 Digit/lx/s)と Sony IMX662-AAQR/AAQR1 Flyer §Image Sensor Characteristics(Sensitivity 18383 Digit/lx/s)を対比。

② GPM662M の公式スペック

ToupTek 公式マニュアル(GPM662M User Manual v1.0 Aug 2025)§2.1 Table 1 に基づいて主要スペックを一枚表に整理します。

項目
センサー Sony IMX662 裏面照射型モノクロ CMOS
対角 / 光学フォーマット 6.45 mm(1/2.8 型)
解像度 1920 × 1080(2.1MP)
ピクセルサイズ 2.9μm × 2.9μm(正方画素)
イメージエリア 5.57mm × 3.13mm
最大 FPS(フル解像度) 12bit ADC 時 8.9 FPS / 8bit ADC 時 17.8 FPS(USB 2.0)
シャッター ローリング
露光時間 0.1ms 〜 1000s
ゲイン範囲 1× 〜 150×
SNR(最大) 45.3 dB
ダイナミックレンジ 75.2 dB
読み出しノイズ HCG 最小 0.4e⁻ / LCG 最大 5.86e⁻
ピーク量子効率(QE) >91%
フルウェル LCG 33.8ke⁻ / HCG 3.89ke⁻
ADC 12bit(フレームバッファ内蔵)
接続 USB 2.0 Type-C
オートガイド端子 ST4(RJ-12)内蔵
保護窓 AR 保護窓 / IR-cut 選択
分光応答 380 〜 1100nm(AR 保護窓時)
寸法 / 重量 直径 37mm × 全長 72.4mm / 65.3g
バックフォーカス 8.5mm(C アダプタ装着時 17.5mm / CS アダプタ装着時 12.5mm)
冷却 パッシブ冷却(ペルチェ非搭載)
対応 OS Windows XP〜10(32/64bit)/ macOS / Linux
対応ソフト(例) PHD Guiding / Nebulosity / MaxIm DL / SharpCap / MetaGuide / FireCapture / AstroArt(Native・ASCOM・WDM 3 系統)

比較①|ADC は 12bit・USB 2.0 で 8.9 FPS(フル解像度)

接続は USB 2.0 Type-C 一本で電源とデータ転送を兼ねます。フル解像度時のフレームレートは 12bit ADC 時 8.9 FPS、8bit ADC 時 17.8 FPS。ROI(ハードウェア切り抜き)に対応しているため、実運用でガイドに使う数百 px 四方の切り出しであれば、より高いフレームレートで運用できます。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1 Table 1, §2.3 Table 2(Max FPS at Resolution 1920×1080:12bit 8.9 FPS / 8bit 17.8 FPS、USB 2.0 Type C)

比較②|HCG / LCG デュアル・コンバージョンゲイン

GPM662M は HCG(High Conversion Gain:低ノイズ側)と LCG(Low Conversion Gain:大フルウェル側)を切り替えられます。マニュアル §2.8 の Table 3/4 では、LCG 時 Gain=100(0dB)でフルウェル 33.8ke⁻・読み出しノイズ 5.86e⁻、HCG 時 Gain=15000(+43.52dB)で読み出しノイズ 0.4e⁻・フルウェル 30e⁻ 相当が計測されています。低ノイズを取るか、飽和させない大容量を取るかで切り替える設計です。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.6, §2.8 Table 3・Table 4(LCG / HCG 各ゲイン値での Read Noise・Full Well 実測データ)

比較③|ST4 オートガイドポート内蔵

本体に ST4(RJ-12)オートガイドポートを内蔵しているため、赤道儀のガイド入力に直結できます。PC を介したパルスガイド(ASCOM / INDI 経由)ができない環境(ケーブル長を絞りたい、遠征でシンプルにしたい等)でも、ST4 直結で完結します。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §3.3 Table 7(A built-in ST4 auto guider port for the easy connection of the auto guider.)

比較④|近赤外 1100nm までフラット応答

公式仕様上の分光応答は 380〜1100nm(AR 保護窓時)。マニュアル §2.2 Figure 1 の分光感度カーブを見ると、可視域だけでなく 700nm 以降の近赤外もフラットに拾える設計になっています。プラネタリー撮影で使う 685nm / 807nm / 850nm 系の IR パス・フィルタと組み合わせても十分光を稼げます。ただし出荷モデル(AR / IR-cut)で扱いが変わるため、IR まで使いたい場合は AR 保護窓仕様を選ぶ点に注意してください。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1(Spectral Range 380-1100nm), §2.2 Figure 1(IMX662 Spectral Sensitivity Characteristic)

比較⑤|対応ソフトウェア(ネイティブ/ASCOM/WDM)

ToupTek のドライバは Native SDK・ASCOM ドライバ・DirectShow(WDM)の 3 系統を提供しており、PHD Guiding・Nebulosity・MaxIm DL・SharpCap・MetaGuide・FireCapture・AstroArt が公式に「対応」として掲載されています(マニュアル §4.3.1 Table)。オートガイド運用の主戦場である PHD Guiding は Native / ASCOM / WDM 3 系統いずれでも接続可能です。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §4.3.1 Table(PHD Guiding 2.3.0 / Nebulosity 3.2.2 / MaxIm DL 5.23 / SharpCap 2.1 / MetaGuide 5.2.0 / FireCapture 2.4.05 / Astroart 5.0 の各バージョン適合表)

③ Sony IMX662 とは何か(STARVIS 2 の位置づけ)

GPM662M の心臓は Sony Semiconductor Solutions の IMX662-AAMR(モノクロ・IR パス・ノー AR コート)または IMX662-AAQR/AAQR1(カラー版)です。IMX662 は STARVIS 2 世代の 1/2.8 型・裏面照射(BSI)CMOS で、同ピクセルサイズ(2.9μm)で従来 STARVIS(IMX462 等)比 +8dB 以上 のダイナミックレンジを 12bit AD 単発露光で確保できると Sony 自身がフライヤー脚注で明記しています。

比較⑥|STARVIS 2 世代の裏面照射 CMOS

Sony フライヤーは、STARVIS 2 について「同ピクセルサイズで従来 STARVIS より 8dB 以上広いダイナミックレンジ(AD 12bit 時・単発露光)を実現し、可視光および近赤外領域で高画質を実現」と記載しています。すなわち、IMX662 は同じ 2.9μm でも「1 コマの単発露光で拾える暗部〜明部の幅」が広い、というのが Sony の公表点です。

出典: Sony IMX662-AAMR Flyer 脚注("a wide dynamic range (AD 12 bit) of more than 8 dB compared to STARVIS for the same pixel size in a single exposure, and achieves high picture quality in the visible-light and near infrared light regions.")

比較⑦|モノ版とカラー版の感度差(Sony 公表値)

同世代・同ピクセルの IMX662 でも、モノ版(AAMR)とカラー版(AAQR)で感度が違います。Sony フライヤー §Image Sensor Characteristics で公表されている Sensitivity は、モノ版 29300 Digit/lx/s、カラー版 18383 Digit/lx/s(いずれも 12bit 換算、Tj=60℃、同一測定条件)。ベイヤー分カラーは光を落とすため、ガイドや惑星の IR 撮影のように「色情報が不要」な用途ではモノ版が有利になります。

出典: Sony IMX662-AAMR Flyer §Image Sensor Characteristics(Sensitivity 29300 Digit/lx/s)、Sony IMX662-AAQR/AAQR1 Flyer §Image Sensor Characteristics(Sensitivity 18383 Digit/lx/s、AAQR1 で 19556 Digit/lx/s)

④ GPM662M と GPM662C(モノ vs カラー)の違い

ToupTek の GPM662 シリーズは同じ本体・同じ USB 2.0・同じ ST4 端子ですが、センサーがモノ版 IMX662-AAMR とカラー版 IMX662-AAQR に置き換わっています。ラインナップ上、意識すべき違いは 3 つに集約できます。

比較⑧|①センサー種別、②保護窓、③得意用途

①センサー種別:GPM662M はモノクロ(Bayer マトリクスなし)、GPM662C はカラー(RGGB Bayer)。②保護窓:ToupTek の公表では GPM662M は AR 保護窓、GPM662C は IR-cut 保護窓が標準です。IR まで拾いたいか、可視域だけでカラーを撮りたいかで既に方向性が違います。③得意用途:GPM662M は「ガイド/IR プラネタリー/モノクロ・ナローバンド + フィルタホイール」向き。GPM662C は「単体でカラー撮影がしたい、フィルタホイールを増やしたくない」向き。

出典: ToupTek GPM662M 公式製品ページ(M/C 各モデルの保護窓の記載)と ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1(Protect Windows:IR-cut filter / AR-window)

⑤ 他社の IMX662 搭載機との比較

ここでは、GPM662M と比較検討されやすい代表的な IMX662 搭載機を並べます。数値は各社が公開している公式スペックのみを掲載し、実測評価や第三者レビュー由来の数値は入れていません。

項目 ToupTek GPM662M ZWO ASI662MC(参考・カラー) Player One Mars 662M
センサー IMX662 モノクロ(AAMR) IMX662 カラー(AAQR 系) IMX662 モノクロ
解像度 1920×1080 1920×1080 1936×1100
ピクセル 2.9μm 2.9μm 2.9μm
最大フレームレート(公称) 17.8 FPS(8bit) 107.6 FPS(高速モード) 108 FPS(RAW8)
読み出しノイズ(最小) 0.4e⁻(HCG) 公式ページに具体値の記載なし 0.7e⁻
フルウェル(公称) 33.8ke⁻(LCG) "extreme large full well capacity"(数値記載なし) 54ke⁻
ADC 12bit "12-bit"(HCG モード時) 12bit
接続 USB 2.0 Type-C USB 3.0(256MB DDR3 バッファ) USB 3.0(256MB DDR3 バッファ)
ST4 端子 あり 公式ページに記載なし(別モデルに搭載) あり
重量 65.3g 公式ページに記載なし 150g
バックフォーカス 8.5mm(アダプタなし) 公式ページに記載なし 12.5mm

比較⑨|「ガイド専用」ならフレームレートより軽さ・小ささ・ST4 直結

ASI662MC / Mars 662M は USB 3.0 + 256MB DDR3 バッファで 100 FPS 超えを狙う「プラネタリー主体」のスペック。対して GPM662M は USB 2.0 + 65.3g のミニマル設計で、ガイド用の露光時間(数百 ms〜数秒)では 8.9 FPS でも「露光が終わったら次の露光まで待たされる」ことはほぼありません。オートガイド用途では、USB 2.0 で消費電力・ケーブル取り回しを軽くしたほうが結果的にトラブルが減る、というのがミニマル設計の理屈です。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1(USB 2.0 Type-C・65.3g)ZWO ASI662MC 公式製品ページ(USB 3.0・256MB DDR3・107.6 FPS)、Player One Mars 662M 公式製品ページ(USB 3.0・256MB DDR3・150g・BFL 12.5mm)

⑥ ガイド鏡との組み合わせ|焦点距離の目安

ガイドカメラは、ガイド鏡の焦点距離(fg)とピクセルサイズ(p)から ピクセルスケール(arcsec/pixel) が決まります。PHD2 の公式マニュアルは、この 2 つの値をユーザーに入力させ、内部で以下の式に相当するスケールを算出しています。

ピクセルスケール(arcsec/pixel) = 206 × ピクセルサイズ (μm) ÷ ガイド鏡焦点距離 (mm) 例: GPM662M(2.9μm)× ZWO 30F4(120mm) = 206 × 2.9 ÷ 120 ≒ 4.98 arcsec / pixel 数式・数値は PHD2 公式マニュアル(SRC-7)記載の pixel scale = 206 × pixel_size / focal_length に基づく
図 1 ピクセルスケール概念図(数式は PHD2 v2.6.14 User Guide §Basic use の pixel scale 計算式を引用)。カメラの数値は ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1、ガイド鏡は ZWO 30F4 公式ページ

比較⑩|代表的なミニ・ガイド鏡との組み合わせ表

ミニ・ガイド鏡は焦点距離 120〜130mm 前後の f/4 系が主流です。GPM662M(2.9μm)と組み合わせたときのピクセルスケールを、公式スペックを元に表にします。

ガイド鏡 口径 / 焦点距離 GPM662M と組み合わせたときのピクセルスケール
ZWO 30F4 Mini Guide Scope 30mm / 120mm 206 × 2.9 / 120 ≒ 4.98 arcsec/px
SVBony SV165 30mm / 120mm 206 × 2.9 / 120 ≒ 4.98 arcsec/px
Askar 32mm F4 Guide Scope 32mm / 128mm 206 × 2.9 / 128 ≒ 4.67 arcsec/px

PHD2 マニュアルは「ガイド星像を 複数ピクセルにまたがって 捉えることでサブピクセル単位の重心計算が成立する」設計を前提にしています。ピクセルスケールを 4〜5 arcsec/pixel 程度に取っておくと、シーイングでにじんだ星像が数ピクセルに広がり、ソフト側で重心が計算しやすくなります。IMX662(2.9μm)+ 120mm 級ミニ・ガイド鏡は、この「ちょうどよいピクセルスケール」を無理なく作れる組み合わせです。

出典: PHD2 v2.6.14 User Guide §Basic use(unbinned pixel size とガイド鏡焦点距離を入力するとイメージスケールを計算する旨)、ZWO 30F4 公式製品ページ(口径30mm / 焦点距離120mm)、SVBony SV165 公式製品ページ(口径30mm / 焦点距離120mm / f/4)、Askar 32mm F4 Mini Guide Scope 公式製品ページ(口径32mm / 焦点距離128mm)

比較⑪|メイン鏡とガイド鏡の焦点距離比の目安

PHD2 マニュアル §Basic use には「50mm ファインダーの光学焦点距離は 150〜175mm、60〜80mm 屈折ガイド鏡は 240〜500mm 程度になる」と明記されています。ここで大事なのは「口径」ではなく「光学焦点距離」を PHD2 に入力すること。ミニ・ガイド鏡 120〜130mm 前後は、メイン鏡(撮影鏡筒)400〜800mm クラスに対して 1/3〜1/6 前後の比率になります。PHD2 のサブピクセル・センタロイド計算に頼れる範囲では、この程度の比率でも実用になります。

出典: PHD2 v2.6.14 User Guide §Basic use("Getting the focal length reasonably close to the correct value is important...")

⑦ PHD2 とのつなぎ方(設定手順)

初回起動時の「新規プロファイル」ダイアログで、以下を GPM662M の公式値に合わせて入力します。

  • Camera(カメラ): 「ToupTek Camera」(Native)または「ASCOM Camera」→「ToupTek AstroCam」を選択。ToupTek は Native・ASCOM・WDM 3 系統ドライバをサポートしています。
  • Pixel size: 2.9μm(マニュアル §2.1)
  • Guide scope focal length: 実際のガイド鏡の光学焦点距離(120mm 級 miniguider なら 120mm)
  • Mount / Aux mount: ST4 直結にするなら「On-camera(ST4)」、パルスガイドなら赤道儀 ASCOM ドライバを指定

PHD2 は SNR < 3.0 のフレームを自動的に棄却し、"Target SNR" を目標に露光時間を自動調整します。マニュアルは Target SNR を「double-digit values(2 桁)」で設定することを推奨しています。GPM662M は HCG モードで読み出しノイズが極めて低く、暗いガイド星でも SNR を稼ぎやすいため、露光時間を短めに設定してもガイド星ロストが起きにくい設計です。

出典: PHD2 v2.6.14 User Guide §Basic use(Camera setup で pixel size とガイド鏡焦点距離を入力)、PHD2 v2.6.14 User Guide §Advanced settings(SNR < 3.0 でフレーム棄却、Target SNR は 2 桁推奨)、ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §4.3.1(PHD Guiding 対応 Native/ASCOM/WDM 3 系統)

⑧ ガイドカメラで使う場合/プラネタリー撮影で使う場合

GPM662M は名称通り「ガイド」を主用途に据えたモデルですが、Sony IMX662 と ST4 端子・ROI 対応・CS マウント経由での産業レンズ接続まで揃うので、実際には以下 3 通りの使い方が考えられます。

比較⑫|ガイド専用として(推奨用途)

ガイド鏡(30〜32mm 級ミニ)+ GPM662M +(オプション:ST4 直結 or ASCOM パルスガイド)で完結。IMX662 の 91% 超 QE と 0.4e⁻ HCG モードのおかげで、暗いガイド星でも 短めの露光(1〜2 秒)でロックしやすく、シーイング追いの副作用が出にくい構成が組めます。USB 2.0 で消費電力・帯域を絞れるため、ミニ PC やスティック PC 環境でも運用しやすい設計です。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1(Peak QE >91%, HCG 最小 0.4e⁻)PHD2 v2.6.14 §Advanced settings(Min exposure を低くしすぎるとシーイングを追ってしまう旨)

比較⑬|オフアクシスガイダー(OAG)と組み合わせる

OAG は撮影鏡筒本体の光路から直接プリズムでガイド光を取り出す方式です。撮影鏡筒とガイド鏡の間の「たわみ(フレックス)」を根本的に排除できるため、長焦点(1000mm 超級 SCT / RC / ニュートン系)の撮影で強い方式です。GPM662M は 1/2.8 型・65.3g・薄いボディで、多くの OAG のガイド側スリーブに 1.25" ノーズピースで挿入できます。ただし OAG は「メイン鏡が集める光の外周部を切り出す」構造上、暗いガイド星しか使えないケースが増えます。0.4e⁻ HCG モードは、この状況で威力を発揮します。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1, §3.1 Table 5(付属 1.25" ノーズピース・重量 65.3g)と §2.6(HCG/LCG モード切替による低ノイズ運用)

比較⑭|プラネタリー撮影サブカメラとしても使えるか

USB 2.0 でフル解像度時のフレームレートが 12bit 8.9 FPS / 8bit 17.8 FPS(マニュアル §2.3 Table 2)に留まる点は、惑星の高速動画(100 FPS 超をラッキーイメージングで積む用途)にはやや不足です。ROI を絞れば FPS は上がりますが、根本の帯域は USB 2.0。本格プラネタリー用は G3M シリーズなど USB 3.0 機を推奨し、GPM662M は「IR パス・フィルタでの月面/太陽面のディテール抽出」「シーイングが悪い日の月惑星軽撮影」といった、フレームレートより感度・低ノイズ・軽さが利く場面での運用が現実的です。

出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.3 Table 2(USB2.0 全画素読み出し時 8.9/17.8 FPS)§2.1(Spectral Range 380-1100nm)

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本記事で扱った GPM662M および、同世代の関連機は下記のとおりです。

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⑩ 商品ページ・公式 LINE のご案内

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最終更新: 2026-07-03/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ToupTek 公式マニュアル・Sony セミコンダクター公式フライヤー・ZWO / Player One / SVBony / Askar / PHD2 の各公式ページに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑪ よくある質問(FAQ)

Q1. GPM662M は USB 2.0 ですが、USB 3.0 でないと遅くて使い物にならないのでしょうか?

いいえ。ガイドカメラの実運用では、1 フレームあたりの露光時間が数百 ms〜数秒なので、フル解像度時 8.9 FPS(12bit)は「露光時間より速いフレームレート」になり、ボトルネックにはなりません。ROI で切り出せば FPS はさらに上がります。プラネタリー用途で秒間 100 コマ以上の高速録画をしたい場合のみ USB 3.0 のモデル(例:ToupTek G3M シリーズ)を選択します。出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.3 Table 2

Q2. モノクロなのにカラー撮影に使えますか?

フィルタホイールと LRGB フィルタセットを組み合わせれば、モノクロ機でカラー画像を合成できます(各色プレートを撮って合成する方式)。ただし GPM662M は 1/2.8 型・1920×1080 の小型センサーなので、この使い方は「小さな月惑星対象」に向いています。ディープスカイのフルフレーム撮影用途には別モデル(大型センサーの冷却モノ機)が向きます。

Q3. 赤道儀の ST4 端子に直接繋げますか?

はい。GPM662M 本体に ST4(RJ-12)オートガイドポートが内蔵されており、付属の ST4 ケーブルで赤道儀のオートガイド入力へ直結できます。PC 側で ASCOM パルスガイドを構成できない環境でも運用可能です。出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §3.3 Table 7, §3.1 Table 5

Q4. 保護窓は AR と IR-cut のどちらを選べばよいでしょうか?

ガイド専用または近赤外の月惑星撮影・IR パス・フィルタ運用を想定するなら AR 保護窓(分光応答 380〜1100nm)。可視域でモノクロ画像を撮る用途なら IR-cut 版でも問題ありません。両者はセンサーは同じで前面窓の違いです。出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §2.1 Protect Windows / Spectral Range

Q5. ミニ・ガイド鏡は 120mm 前後で本当に大丈夫ですか?

PHD2 のサブピクセル・センタロイド計算は「ガイド星像を複数ピクセルにまたがって捉える」ことを前提にしています。GPM662M(2.9μm)+ 120mm 級ミニ・ガイド鏡なら、ピクセルスケールは 4.98 arcsec/pixel 程度(本記事図 1 参照)。この設計なら通常のシーイング環境下でガイド星がしっかり複数ピクセルに乗ります。長焦点撮影(1000mm 超)の場合は、フレックス排除の観点から OAG(オフアクシスガイダー)への切り替えも検討してください。出典: PHD2 v2.6.14 User Guide §Basic use

Q6. GPM662M の付属品は?

マニュアル §3.1 Table 5 に基づき、標準構成は「GPM662M カメラ本体(CS マウント・アダプタ内蔵)」「Type-A to Type-C USB ケーブル 2m」「ST4 ガイドケーブル 2m」「1.25 インチ・ノーズピース」「5mm アダプタリング」です。出典: ToupTek GPM662M User Manual v1.0 §3.1 Table 5

Q7. 保証やサポートについて教えてください

ToupTek は当店(株式会社天文堂)が国内正規代理店です。ToupTek メーカー保証に加え、弊社独自の初期不良60日+3年保証の対応も行います。日本語マニュアル・国内メール/LINE サポートも提供しています。詳しくは公式 LINE または support@tenbundo.com までご相談ください。出典: 天文堂 ToupTek 正規代理店告知(telescopeshop.net)

⑫ 参考にした一次情報

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最終更新: 2026-07-03/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ToupTek 公式マニュアル・Sony セミコンダクター公式フライヤー・ZWO / Player One / SVBony / Askar / PHD2 の各公式ページに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。