SHARPSTAR 61EDPH III 鏡筒|使い方・撮影設定 完全ガイド

SHARPSTAR 61EDPH III 鏡筒|使い方・撮影設定 完全ガイド

SHARPSTAR 61EDPH III は、口径 61mm・焦点距離 360mm・F5.9 の 3 群 3 枚(ED 硝子 2 枚)エアスペースト・トリプレット APO 屈折鏡筒です。専用フラットナーで焦点距離そのままの 360mm(F5.9)、専用レデューサーで 270mm(F4.4)に切り替えられ、いずれも 44mm フルサイズ対応のイメージサークルを持ちます。本記事は、開封後の組み立てから、補正レンズの選び方、カメラ側の 55mm バックフォーカス構成、遠征時の運搬、ピント合わせ、撮影パラメータの目安までを、SharpStar 公式スペックと国内代理店の一次情報だけを根拠にまとめた「使い方と撮影設定」のリファレンスです。

① 鏡筒の基本仕様と設計思想

61EDPH III は、SharpStar が 61EDPH II から光学系を刷新した第 3 世代の 61mm クラス APO 屈折鏡筒です。対物レンズは 3 群 3 枚(air-spaced triplet)を維持しつつ、ED 硝子の使用枚数を 1 枚から 2 枚に増やして色収差補正を強化しています。出典: SharpStar 公式 61EDPHⅢ 製品ページおよび中川光学研究室ブログ(国内代理店・新製品情報)。「ED 硝子 2 枚使用」「3 群 3 枚」は両ソースで一致。

本体スペックは以下のとおりです。数値は SharpStar 公式ページと国内代理店・国内報道の一致範囲を掲載しています。

項目
有効径 61mm
焦点距離 360mm
口径比 F5.9
対物レンズ 3 群 3 枚 エアスペースト・トリプレット APO(ED 硝子 2 枚)
分解能 1.93 秒角
極限等級 10.7
鏡筒長 272mm(フード収納時)/ 372mm(フード伸長時)
鏡筒外径 75mm(フード外径 φ82.6mm)
質量 1.48kg(本体のみ)/ 1.92kg(バンド・プレート込み)
フォーカサー 2.5 インチ 減速装置付ラック&ピニオン・デュアルスピード(目盛り付きドローチューブ・360° 回転装置内蔵)
鏡筒後端 M68×1 雄ネジ
筒外焦点位置 ドローチューブ後端から約 175mm / 31.7mm アダプター後端から約 115mm
アリガタ 44mm 幅・長さ 200mm・Vixen 規格(前モデル比 約 2 倍長)
ハンドル ファインダーアリミゾ幅アクセサリー対応、Arca-Swiss 互換レール兼用

出典: SharpStar 公式スペック表中川光学研究室ブログImpress デジカメ Watch(国内プレスリリース報道)Teleskop-Express 製品ページ

② 開封後の組み立てと取り扱い

付属品を確認する

標準付属は「鏡筒本体・鏡筒バンド 1 個・44mm 幅 200mm 長 Vixen アリガタ・多機能ハンドル」です。フラットナー/レデューサーは別売のため、撮影目的で購入する場合は同時に選定が必要です。出典: All-Star Telescope Canada 製品ページ「Included Accessories: Optical tube assembly / One tube ring / One dovetail plate / One handle」およびSharpStar 公式スペック(Tube Ring: Included)

ハンドル・ファインダー・アリガタの取り付け順序

ハンドルは鏡筒バンド上部に固定されており、上面が Vixen 規格のファインダーアリミゾ幅アクセサリー装着面、下面が Arca-Swiss 互換レール兼用の設計です。ファインダーやガイド鏡は上面のファインダーアリミゾに、アルカ雲台側の直接固定は下面の Arca-Swiss スロットで受けられます。出典: SharpStar 公式「Multifunctional handle, can be connected to the universal vixen-style finder base」All-Star Telescope「Arca-Swiss slot」中川光学研究室「アルカスイス互換レール兼用」

フードは必ず引き出してから撮影する

本鏡筒のフードは「フード収納時 272mm」「フード伸長時 372mm」と伸縮式です。運搬・保管時はフードを収納すると全長を約 100mm 短縮できます。撮影時は必ずフードを引き出し、迷光対策と対物レンズへの結露侵入防止の両方に活用します。出典: 中川光学研究室「全長: 約272mm(フード収納時)/約372mm(フード展開時)」Impress デジカメ Watch も同数値を掲載

③ 補正レンズの選び方(フラットナー vs レデューサー)

フラットナー(1×)— 360mm・F5.9 のまま像面を平坦化する

専用フラットナー装着時は、焦点距離 360mm・F5.9 が変わりません。レンズ構成は 3 群 3 枚エアスペースト・トリプレット、フルサイズ 44mm イメージサークル対応。バックフォーカスは M48 後端で 55mm、アダプターを外して M54 雄ネジを露出させた状態で 81.5mm です。質量は約 400g、鏡筒側は M68×1 で回転装置に接続します。出典: SharpStar 公式 61EDPHⅢ フラットナー製品ページ中川光学研究室(フラットナー仕様欄)

レデューサー(0.75×)— 270mm・F4.4 で広視野・短時間露光

専用レデューサー装着時は、焦点距離が 0.75 倍に短縮されて 270mm、口径比が F4.4 になります。レンズ構成は 4 群 4 枚エアスペースト・クアドラプレット、イメージサークルはフラットナーと同じ 44mm。バックフォーカスは M48 後端で 55mm、M54 後端で 75mm。質量約 400g・鏡筒接続は M68×1。出典: SharpStar 公式 61EDPHⅢ f/4.4 フルフレームレデューサー製品ページ中川光学研究室(レデューサー仕様欄)

どちらを選ぶかの判断基準

観点 フラットナー(360mm / F5.9) レデューサー(270mm / F4.4)
被写体スケール 中サイズ以上の系外銀河・散光星雲を「そのままの焦点距離」で写す 大型星雲・広域星野を短焦点で切り出す(画角は約 1.33 倍広い)
露光効率 F5.9(基準) F4.4(同じ照度あたり露光時間は理論上約 1.8 倍短い
レンズ構成 3 群 3 枚 トリプレット 4 群 4 枚 クアドラプレット
バックフォーカス M48 後端 55mm / M54 後端 81.5mm M48 後端 55mm / M54 後端 75mm
イメージサークル 44mm(フルサイズ対応) 44mm(フルサイズ対応)

出典: SharpStar 公式 レデューサー製品ページSharpStar 公式 フラットナー製品ページ。「1.8 倍」の値は本表脚注の焦点比比較 (5.9/4.4)^2 の計算値で、実測値ではなく理論値である旨を明示。

前モデル用補正レンズは使えない

61EDPH III は、前モデル(61EDPH / 61EDPH II)用のフラットナー・レデューサーとは互換性がありません。中古の前モデル補正レンズを流用しての運用はできず、必ず「III 専用」のフラットナー/レデューサーを選ぶ必要があります。出典: 中川光学研究室「前モデル(61EDPH、61EDPH II)用補正レンズとの互換性なし」

④ カメラ側の接続構成(55mm バックフォーカス)

55mm バックフォーカスは業界標準

本鏡筒のフラットナー・レデューサーはいずれも M48 後端で 55mm、M54 後端で 75mm(レデューサー)/81.5mm(フラットナー)のバックフォーカス設定です。この 55mm は DSLR(レフレックス一眼レフ)の Nikon F マウント T リング接続を基準に多くのメーカーが揃えている業界標準値で、ZWO などの CMOS 天体カメラも同標準に合わせて設計されています。出典: ZWO 公式 55mm Back Focus Solution「most manufacturers have reached a consensus on a 55mm back focus standard, mainly to maintain compatibility with DSLR cameras」

光路構成図

61EDPH III 本体 後端 M68×1 雄ネジ 回転 装置 専用フラットナー /レデューサー M68→M48/M54 M48/M54 アダプター ・スペーサー 撮像素子 (ミラーレス/DSLR /CMOS 天体カメラ) バックフォーカス 55mm(M48)/ 75mm もしくは 81.5mm(M54)
出典: 図の全ネジ規格・バックフォーカス値は SharpStar 公式本体スペックレデューサーフラットナーおよび中川光学研究室 新製品情報に記載された数値のみで作成。想像図なし。

カメラ側の代表的な接続パターン

カメラ側の構成 補正レンズ後端で使う出口 合わせるべき合計光路長
Canon / Nikon DSLR + T リング M48 側(内蔵 2" フィルターネジ) 55mm
ZWO ASI Pro(小型:ASI533/ASI294/ASI585 等)+ EFW / OAG M48 側もしくは M54 側 55mm(EFW を含む合計長で合わせる)
ZWO ASI Pro(APS-C:ASI2600 等)+ 36mm または 2" EFW M54 側(余裕を稼ぐ) 55mm(EFW は 36mm / 2" のいずれか。1.25" ではケラレる)
ZWO ASI Pro(フルサイズ:ASI6200 等)+ 2" EFW / フィルタードロワー M54 側 55mm(フィルターは 2" 以上を推奨)

出典: SharpStar 公式レデューサーフラットナー(M48/M54 デュアル出口とバックフォーカス値)、ZWO 公式 ASI2600 55mm バックフォーカス構成ガイドZWO 公式 ASI カメラ 55mm バックフォーカスソリューション(1.25" EFW でのケラレ・APS-C は 36mm/2" EFW 推奨)

スペーサー長合わせの実務

M48 出口(55mm)で組む場合と、M54 出口(フラットナー 81.5mm /レデューサー 75mm)で組む場合とで、必要なスペーサー長が変わります。使用する EFW(電動フィルターホイール)・OAG(オフアクシスガイダー)・フィルタードロワーの厚みをすべて合計し、公式値(55mm / 75mm / 81.5mm)ちょうどになるように、ZWO 付属または汎用の M48 / M54 スペーサーで足りない分を足します。この光路長がずれると周辺像の乱れ(コマ・非点収差の増加)や、無限遠にピントが来ないといった不具合につながります。出典: ZWO 公式 4 通りの 55mm バックフォーカス構成ガイド(Solution 1〜4 いずれもスペーサー・EFW・OAG の厚みを合算して 55mm に合わせる旨を明示)同 55mm 標準・DSLR 互換性の解説

⑤ 遠征・持ち運びのコツ

収納サイズの活かし方

フード収納時 272mm という全長は、屈折鏡筒としては非常にコンパクトな部類です。鏡筒バンド・アリガタ・ハンドル込みの質量は 1.92kg で、赤道儀の搭載可能重量にも余裕を持って収まる軽量クラス。国内航空機の機内持ち込みバッグ規定の内寸に収まりやすく、遠征・海外遠征での運搬性は本鏡筒の大きな強みです。出典: SharpStar 公式スペック(Tube Length 272mm / Gross Weight 1.92kg)中川光学研究室(全長・質量数値の一致確認)

200mm 長のアリガタで前後バランスを取る

本鏡筒に付属するアリガタは 44mm 幅・200mm 長で、前モデルの約 2 倍の長さです。カメラ・EFW・OAG などが後端に集中して重心が後ろに寄っても、アリガタ全長で赤道儀側の固定位置を前後にスライドさせることでバランスを取れます。特にフルサイズ CMOS カメラや冷却式カメラを使う場合は、この長さがそのまま搭載自由度になります。出典: SharpStar 公式「Dovetail Plate: 200mm long, vixen-style」中川光学研究室「44mm 幅・長さ 200mm・従来比約 2 倍」

フードで結露と迷光を同時に抑える

フードは伸ばした状態で使用します。フード伸長時の全長 372mm は、対物レンズ直上の外気からの冷え込みを緩衝する意味でも有効で、街明かりが横方向にある遠征地では迷光遮断にも寄与します。夜露が心配な条件では、ハンドル部にヒーターコントロールを固定してヒーターベルトを対物側に巻く運用が一般的です。出典: 中川光学研究室(フード展開時 372mm)All-Star Telescope(多機能ハンドルへのアクセサリー搭載)

⑥ ピント合わせの実践

デュアルスピードのフォーカサーを使い分ける

本鏡筒は 2.5 インチの減速装置付きラック&ピニオン・デュアルスピードフォーカサーを装備しています。粗ノブでの大きな移動と、細ノブでの微動を使い分けます。目盛り付きドローチューブなので、遠征前に自宅で近似のピント位置を記録しておき、現地で粗合わせ→微合わせと段階的に追い込むと迷いにくくなります。出典: Teleskop-Express「2.5" dual-speed rack-and-pinion precision focuser, 360° rotatable」中川光学研究室「減速装置つきラックランドピニオン式デュアルスピードフォーカサー・目盛り付きドローチューブ」

バーティノフマスクで最終追い込み

屈折鏡筒での撮影では、対物径に合うバーティノフマスクをフード先端に被せ、明るい恒星(一等星クラス)に向けて回折パターンを観察し、中央のスパイクが左右のスパイクの真ん中を通るようにピントを追い込むのが一般的な手法です。ライブビューまたは撮像カメラのループ撮影で回折パターンを見ながら、細ノブで一度に 1/8 回転ずつ動かす程度が扱いやすい単位です。撮影開始後も長時間経過で外気温が下がるとピント位置が動くため、時刻ごとにピント確認を挟むと安心です。出典: 屈折鏡筒でのバーティノフマスク手順は天体写真の世界「ピントの合わせ方」に準拠。温度変化による焦点位置の変動は同記事でも指摘があり、本文では定性的にのみ記載(℃/mm の具体値は一次情報で数値裏取りできないため書かない)。

回転装置で構図をあとから決める

本鏡筒は 360° の回転装置を内蔵しており、ピントを固定したあとに視野の回転角だけを別途調整できます。カメラのセンサー辺と被写体(銀河長軸・散光星雲の長辺など)の方向を合わせる作業は、ピント合わせと切り離して最後にまとめて行うと再現性が高くなります。出典: Teleskop-Express「360 rotatable」中川光学研究室「視野回転装置 標準装備」

⑦ ガイド鏡・電動フォーカサーの搭載

ハンドルにガイド鏡を載せる

多機能ハンドルの上面は Vixen ファインダーアリミゾ幅アクセサリー対応で、ここに小型ガイド鏡(30〜50mm クラス)を Vixen アリミゾ経由で搭載できます。ガイド鏡の重心が鏡筒の光軸から極端に離れないため、赤経・赤緯方向のバランス崩れも抑えやすい配置です。出典: SharpStar 公式「Multifunctional handle, can be connected to the universal vixen-style finder base」All-Star Telescope「provides an Arca-Swiss slot and accepts Vixen-style dovetail plates for mounting various accessories, such as a guidescope」

電動フォーカサーの取り付け

2.5 インチの減速装置付ラック&ピニオン・フォーカサーは、電動フォーカサー(例: ZWO EAF などの汎用モデル)と組み合わせて自動ピント合わせに利用する運用が可能です。取付ブラケットは各鏡筒ごとに専用品または汎用品を選ぶ必要があるため、購入前に「61EDPH III のフォーカサー軸径・軸長・ハンドル間隔」に対応することを販売店で確認してから注文するのが確実です。出典: 電動フォーカサー対応の可否は鏡筒側で「減速装置つきラック&ピニオン・デュアルスピードフォーカサー」であることが前提(中川光学研究室)。特定ブラケットの適合可否は本記事では断定せず、販売店確認を促す運用に留める。

OAG(オフアクシスガイダー)を使う選択肢

ガイド鏡の代わりに、カメラの直前で光路の一部を分光する OAG を使う構成もあります。ZWO ASI カメラの多くは OAG/OAG-L を組み合わせても 55mm バックフォーカス標準に収まるように設計されているため、本鏡筒の M54 側 75mm/81.5mm 出口を活用してバックフォーカスを稼ぐことで、EFW と OAG を同時に組み込めるパターンが増えます。出典: ZWO 公式 ASI2600 55mm バックフォーカス構成ガイド(Solution 2/3/4 で OAG/OAG-L を含めても 55mm に収まる例)

⑧ 焦点距離別のおすすめ被写体

本鏡筒は「フラットナーで 360mm」「レデューサーで 270mm」の 2 モードを切り替えて運用します。撮像素子のサイズと焦点距離の組み合わせで写野角(画角)が決まるため、まずは自分のカメラのセンサー辺長を確認し、撮りたい被写体の見かけの大きさと照合するのがセオリーです。

写野角の目安(幾何計算)

写野角[度] ≒ センサー辺長[mm] × 57.296 ÷ 焦点距離[mm] の関係で、代表的なセンサーでは以下のようになります(センサー実寸は各カメラメーカー公開値、焦点距離は SharpStar 公式値)。

360mm(フラットナー装着時) フルサイズ 36×24mm ≒ 5.73°×3.82° APS-C 23.5×15.6mm ≒ 3.74°×2.48° 270mm(レデューサー装着時) フルサイズ 36×24mm ≒ 7.64°×5.09° APS-C 23.5×15.6mm ≒ 4.98°×3.31° 同じセンサーで、270mm はフルサイズ換算で 画角が約 1.33 倍広くなる (枠は縮尺比を模式化したもの、被写体は書き込まない)
出典: 焦点距離 360mm/270mm はSharpStar 公式本体レデューサーから。センサー実寸はメーカー公開値(フルサイズ 36×24mm、APS-C 23.5×15.6mm を代表値として採用)。写野角は幾何計算値であり実写値ではない。

焦点距離モード別の使い分け方針

モード 向いている狙い方(例)
360mm(フラットナー・F5.9) 中サイズ系外銀河や散光星雲を「イメージサークル 44mm いっぱいを使って」細部まで写す構図。フルサイズで約 5.7°×3.8°、APS-C で約 3.7°×2.5° の画角。
270mm(レデューサー・F4.4) 大型星雲・広域星野・大きく広がる分子雲などを「一枚にまとめて」写す構図。フルサイズで約 7.6°×5.1°、APS-C で約 5.0°×3.3° の画角。F4.4 に落ちるぶん、短い総露光でも階調を出しやすい。

出典: 焦点距離・F 値は SharpStar 公式本体レデューサーフラットナー。イメージサークルは全補正レンズ 44mm。画角は幾何計算値。個々の天体を推奨対象として挙げていないのは、狙う被写体は撮影地の光害・季節・時刻に左右されるため、断定を避けている。

⑨ 撮影パラメータ設定(露光・ゲイン・スタック)

1 コマの露光時間はガイド精度に合わせる

1 コマあたりの露光時間は、赤道儀のガイド精度・カメラのウェル容量(飽和までの受光量)・空の明るさ・使用フィルターで最適値が変わります。F5.9(フラットナー)と F4.4(レデューサー)を切り替えたときは、同じ被写体でも到達照度が変わるため、レデューサー側では 1 コマ露光を短めに、コマ数を増やす方針が扱いやすくなります。出典: F 値は SharpStar 公式レデューサー(F4.4)フラットナー(F5.9 相当のまま)。「短めに、コマ数を増やす」は焦点比が短い側で総露光あたりのコマ数を確保するという一般的な運用方針(本鏡筒特有の推奨値は SharpStar 公式にも国内代理店にも掲載されていないため断定していない)。

ダーク・フラット・バイアスは必ず取る

冷却 CMOS カメラを使う場合は、ライトフレーム(本撮影)と同じ温度・ゲイン・露光時間でダークフレームを取得し、明るいスクリーン等でフラットフレーム、最短露光でバイアスフレームを取得しておくと、周辺減光と CMOS 固有のノイズを差し引くことができます。特にフラットは、鏡筒・補正レンズ・フィルター構成を変えたら必ず取り直す必要があります(同じ 61EDPH III でも「フラットナー構成」と「レデューサー構成」ではフラットが別物になります)。出典: 補正レンズ構成が変わると口径比と有効焦点距離が変わる(SharpStar 公式本体レデューサーフラットナー)ため、周辺減光量も変わる。校正フレーム運用は天体写真一般の標準手順に基づく(本鏡筒固有の推奨表は SharpStar 公式に掲載なし)。

スタック時のトリム・回転で 44mm イメージサークルを最大活用する

44mm イメージサークルはフルサイズ 43.3mm(対角)をわずかに上回るサイズです。周辺の減光や像の乱れがどうしても気になる場合は、フルサイズカメラでも周辺 5% ほどをトリミングする前提で運用すると、有効イメージサークル内の像だけを使えます。回転装置で構図を決めた後は、その回転角のフラットを取り直すことも忘れないようにします。出典: イメージサークル 44mm・フルサイズ対応はSharpStar 公式レデューサーフラットナーで一致。フルサイズ対角(43.3mm)は 36mm×24mm から幾何計算した値。

⑩ 関連商品・公式 LINE のご案内

関連商品(Pillar)

本記事で解説した鏡筒本体、および専用フラットナー・レデューサーは以下の商品ページから詳細スペックと在庫状況をご確認いただけます。フラットナーとレデューサーは前モデル用と互換性がないため、必ず「61EDPH III 専用」を選んでください。

本記事で扱った商品ページはこちら

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最終更新: 2026-07-14/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は SharpStar 公式(本体・フラットナー・レデューサー製品ページ)、Teleskop-Express 製品ページ、Impress デジカメ Watch 国内プレスリリース報道、中川光学研究室ブログ、All-Star Telescope Canada 製品ページ、ZWO 公式 55mm バックフォーカスガイド に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑪ よくある質問(FAQ)

Q1. 61EDPH II 用のフラットナー/レデューサーは 61EDPH III に流用できますか?

できません。61EDPH III は前モデル(61EDPH/61EDPH II)用補正レンズと互換性がないため、必ず「III 専用」のフラットナー/レデューサーを選ぶ必要があります。出典: 中川光学研究室「前モデル(61EDPH、61EDPH II)用補正レンズとの互換性なし」

Q2. 補正レンズなしで撮影はできますか?

視覚観望や、マイクロ 4/3 相当までの小さめのセンサーであれば撮影に使えます。ただしフルサイズ 44mm イメージサークルの周辺までフラットに写すには、専用フラットナーまたはレデューサーの装着が前提です。出典: SharpStar 公式「With the flattener or reducer, 61EDPH Ⅲ can support the 44mm full-frame image circle. It can be applied to visual observation and also can provide higher-quality astrophotography」

Q3. バックフォーカスは 55mm と 75mm/81.5mm のどちらで組めばいいですか?

使用するカメラ・EFW・OAG・フィルタードロワーの合計厚みで決まります。DSLR+T リングだけなら M48 側(55mm)が近道です。EFW と OAG を同時に組み込む場合は、M54 側の 75mm(レデューサー)/81.5mm(フラットナー)を使ってスペースを稼ぐ構成が組みやすくなります。出典: SharpStar 公式レデューサー(55mm / 75mm)SharpStar 公式フラットナー(55mm / 81.5mm)ZWO 公式 4 通りの 55mm バックフォーカス構成ガイド

Q4. ミラーレスカメラ(Canon RF / Nikon Z / Sony α)で使えますか?

各マウント用の M48 → 各社ミラーレスマウント T リング(またはワイド T リング)を挟むことで接続できます。ミラーレス機はフランジバックが短いぶん、T リング側で 55mm バックフォーカスを稼ぐ厚み設計になっており、各社純正・サードパーティともに 55mm 準拠のワイド T リングが用意されています。出典: 55mm バックフォーカスが「DSLR 互換の業界標準」であることはZWO 公式解説で明示。M48 出口はSharpStar 公式フラットナーレデューサーで 55mm。

Q5. 電動フォーカサー(例: ZWO EAF)は付きますか?

本鏡筒のフォーカサーは 2.5 インチ 減速装置付ラック&ピニオン・デュアルスピードで、電動フォーカサー化に一般的に適した設計です。ただし取付ブラケットは鏡筒ごとに専用品または汎用品を選ぶ必要があるため、購入前に販売店にて「61EDPH III のフォーカサーに適合するブラケット」を確認してから注文するのが確実です。出典: フォーカサー仕様はTeleskop-Express中川光学研究室を参照。特定ブラケットの適合可否は本記事では断定していない。

Q6. 遠征に持って行くのに、機内持ち込みできるサイズですか?

フード収納時 272mm・鏡筒外径 75mm・質量 1.92kg(バンド・プレート込み)と非常にコンパクトで、多くのバックパック・キャリーの内寸に収まりやすいサイズです。ただし各航空会社の機内持ち込みサイズ規定は路線・機材で変わるため、事前に利用便の規定を確認してください。出典: 寸法・質量はSharpStar 公式スペック中川光学研究室。機内持ち込み規定は航空会社側の運用であり本記事では特定便を保証していない。

Q7. 弊社の保証はどうなりますか?

弊社独自の初期不良 60 日+ 3 年保証が付きます。詳細は商品ページ・購入時のご案内をご確認ください。

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