Askar FMA180 Pro + 旧 ZWO EAF を ASIAIR Plus で動かす|必要機材と接続方法【完全ガイド】
Askar FMA180 Pro + 旧 ZWO EAF を ASIAIR Plus で動かす|必要機材と接続方法【完全ガイド】
Askar FMA180 Pro と「旧型」の ZWO EAF(標準版・赤いボディ・USB 2.0 Type-B 接続のいわゆる EAF-5V)を、ASIAIR Plus でオートフォーカス制御するために、あと何を揃えればよいのか。結論から先に言うと、追加で必要な「ハードウェア」は ① Askar 純正の「FMA180 PRO AF Kit」、② USB 2.0 Type-A → Type-B ケーブル(EAF 同梱品)、③ DC 5.5×2.1mm 12V センター正極ケーブルの 3 つです。本記事では、3 つそれぞれが何をするのか、なぜ「FMA180 PRO 用」の専用 AF Kit が必要なのか、ASIAIR Plus のどのポートに何を挿すのか、初心者の方でも迷わないよう、すべて ZWO 公式マニュアル・Sharpstar 公式・販売店各社の一次情報のみで丁寧に解説します。
① 結論|あと必要なのはこの 3 点(最短回答)
「Askar FMA180 Pro 本体」と「旧 ZWO EAF 本体」がすでに手元にあり、これを「ASIAIR Plus」と組み合わせて使いたい、というのが本記事の前提です。この場合に、追加で必要なハードウェアは次の 3 つです。
必須 ①|Askar 純正「FMA180 PRO AF Kit」(ブラケット+ベルト+プーリー)
症状:EAF と FMA180 Pro 純正フォーカサーがそのままでは物理的に接続できない。
原因:旧 ZWO EAF に標準同梱されているブラケットは SkyWatcher / TS Optics / Astro-Tech / Feather Touch 系などの汎用フォーカサー向けで、Askar FMA180 Pro 純正のフォーカサー形状には適合しない。
対処:Askar が公式に用意する「FMA180 PRO AF Kit」を別途用意する。中身は黒い角型ブラケット 1 個、同期ベルト 1 本、同期プーリー、ロックネジ、M6×8 ソケットヘッドキャップネジ 2 本、M4×8 ボタンヘッドネジ 4 本という小さなセット。FMA180 Pro 本体の黒いドーベイルプレートとファインダーベースをいったん外して、このブラケットを挟み込んで再固定する構造。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit("a black square bracket to support the EAF; a synchronous belt, a synchronous pulley, and locking screws, two M6×8 socket head cap screws, and four M4×8 button head screws")/ZWO EAF Manual §Installation(標準ブラケットの対応機種一覧)
必須 ②|USB 2.0 ケーブル(Type-A ↔ Type-B)
症状:EAF の動作・ステップ数を ASIAIR から制御するためのデータ通信線が必要。
原因:旧 ZWO EAF のデータインターフェイスは USB 2.0(Type-B)。本体側面に Type-B 端子が出ている。
対処:旧 EAF 本体購入時に同梱されている USB 2.0 ケーブル(片側 Type-A、もう片側 Type-B のプリンタケーブル状のもの)をそのまま使う。紛失した場合は市販の USB 2.0 Type-A → Type-B ケーブル(1〜2m 程度)で代用可能。
必須 ③|DC 12V 電源ケーブル(5.5×2.1mm センター正極)
症状:USB だけ繋いでも EAF のモータは回らない。
原因:旧 ZWO EAF は USB から電源が供給されない仕様。別配線で 12V DC を本体の電源ジャックに供給する必要がある。コネクタは 5.5×2.1mm センター正極。
対処:ASIAIR Plus の DC 5.5×2.1mm 出力ポート(12V/3A・4 口) の 1 つから、両端が 5.5×2.1mm のオス DC プラグになったケーブルで EAF 本体に給電する。ASIAIR Plus 本体には ZWO 製アクセサリ用の DC ケーブルが同梱されているので、まずはそれを確認する。足りなければ市販の「DC 5.5×2.1mm センター正極オス↔オス」ケーブルで代用可能。
出典: ZWO EAF Manual §EAF Specifications("Power Requirements: Voltage Range: 11~15V. DC 12V@0.5A Recommended. Connector - 5.5mm*2.1mm Centre Positive")/ASIAIR Plus User Manual §Interface Description("DC 5.5x2.1mm Power Output x4")
② FMA180 Pro 側の前提
FMA180 Pro の光学・機械仕様
症状:そもそも FMA180 Pro が「カメラレンズ寄り」の鏡筒なのか、普通の屈折鏡筒と同じ感覚で組めるのかが分からない。
原因:FMA180 Pro は 40mm f/4.5 の 6 枚玉アポクロマート設計で、後端は M48×0.75 のオスねじ、バックフォーカスは 55mm。鏡筒というよりも「望遠レンズ」寄りの構造で、ヘリコイド式の純正フォーカサーが鏡筒中央付近についている。
対処:AF Kit のブラケットはこの中央フォーカサー部分に被せて固定する。Vixen 規格 150mm ドーベイルプレートと 360 度回転装置(カメラアングル調整用)が本体に同梱されているため、ブラケット取り付け後は再びそのドーベイルを介して赤道儀に載せる構造になる。
出典: High Point Scientific: Askar FMA180 Pro Sextuplet Refractor 製品ページ("40mm apochromatic f/5.5 triplet with two ED elements... overall focal ratio of f/4.5 and a focal length of 180mm... M48x0.75 male thread... standard back focus of 55mm... 150 mm Vixen-style dovetail plate, and a 360-degree rotator")/Agena Astro: Askar FMA180Pro 仕様
純正フォーカサーは「ヘリコイド式」
症状:普通の屈折鏡筒のラックアンドピニオン式・クレイフォード式フォーカサーとはノブの位置・回転方式が違う。
原因:FMA180 Pro は鏡筒のミラーセル側ではなく、対物側寄りに「回転リング」状のフォーカサーがある。中央のリングをくるくる回して焦点を合わせる、いわゆるヘリコイド式(カメラレンズの距離リングと同じ機構)。
対処:このリング外周に AF Kit の同期プーリーを噛ませて、同期ベルトで EAF のモータ軸プーリーと接続する。EAF のフレキシブルカップリングは「ノブシャフトを掴むタイプ」のため、FMA180 Pro のように回転リング自体を回す機構ではそのままでは使えず、ベルト+プーリー方式に置き換えるのが AF Kit の本質。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit(インストール手順)("the synchronous belt is installed with one end over the FMA180 PRO and the other end over the synchronous pulley")
③ 旧 ZWO EAF 側の前提
「旧 EAF」とはどの世代か
症状:手元の EAF が「旧」なのか「現行(EAFN / EAF Pro)」なのか分からない。
原因:ZWO は EAF を世代更新しており、現行モデルは「EAFN」「EAF Pro」と呼ばれ、ボディも金属だがインターフェイスが Type-C に変わった。一方、旧モデル(製品名としては「EAF」または「EAF-5V」)は赤いアルマイト仕上げの金属ボディで、データは USB 2.0 Type-B、電源は DC 5.5×2.1mm の 2 系統分離型。
対処:本体側面に Type-B(プリンタケーブルと同じ正方形に近い台形端子)と丸い DC ジャックが並んでいれば旧 EAF。Type-C ポート 1 つだけなら現行モデル。本記事の「旧 EAF」は前者を指す。
出典: ZWO 公式 EAFN/EAF Pro 製品ページ("upgraded from Type-B to the more universal Type-C... Users can power the EAF directly via a Type-C connection to a camera, computer, or ASIAIR")/Astronomics: ZWO Standard EAF 5V 仕様
旧 EAF の電気仕様
| 項目 | 値 |
|---|---|
| モータ | 35mm ステッパーモータ |
| 分解能 | 5760 ステップ(1 回転あたり) |
| トルク | 1.5 N・m |
| フォーカサー耐荷重 | 5kg |
| 電源 | 11〜15V DC、推奨 12V@0.5A、コネクタ 5.5×2.1mm センター正極 |
| データインターフェイス | USB 2.0(Type-B) |
| センサー/ハンドコントローラ端子 | 3.5mm オーディオ(センター正極) |
| ASIAIR ネイティブ対応 | ASIAIR バージョン 1.1 以降 |
出典: ZWO EAF Manual §EAF Specifications, §Features (Standard Version)("Native support in ASIAIR Version 1.1 onwards. Integrated USB interface. Powered by 12V DC 0.5A.")
旧 EAF に同梱されていたもの(紛失していないか確認)
ZWO 公式マニュアルの "Supplied Accessories" では、旧 EAF(標準版)には次のものが同梱されているとされています。
- EAF 本体(モーター&コントローラ一体)
- モータブラケット(FMA180 Pro 純正フォーカサーには適合しないため、別途 FMA180 PRO AF Kit を使用)
- フレキシブルカップリング(FMA180 Pro 純正フォーカサーには適合しないため、AF Kit のベルト+プーリーに置き換え)
- マウントハードウェア(スペーサ・ネジ類)
- M4・M5 レンチ
- USB 2.0 ケーブル(Type-A ↔ Type-B)
Advanced 版を購入した方であれば、上記に加えて 温度センサと ハンドコントローラも同梱されています。温度センサは結露・気温変化による焦点移動を ASIAIR / ASCOM ソフト側で補正するために有用です。
出典: ZWO EAF Manual §Supplied Accessories / §Features (Advanced Version)
④ ASIAIR Plus 側の前提(USB・電源ポート構成)
ASIAIR Plus のインターフェイス一覧
症状:EAF をどのポートに繋げばよいか分からない。
原因:ASIAIR Plus には複数の USB ポートと DC 出力ポートがあり、用途が決まっている。
対処:ASIAIR Plus 公式マニュアル §Interface Description によれば、本体に存在するポートは次の通り。
| ポート | 数 | 用途 |
|---|---|---|
| DSLR シャッターレリーズ(2.5mm) | 1 | DSLR の長秒露光 |
| DC 5.5×2.1mm 電源出力 | 4 | 冷却カメラ・EAF・EFW・ヒーターなどへの 12V/3A 給電 |
| Type-C | 1 | 本体ファーム関連 |
| RJ45(Gigabit Ethernet) | 1 | 有線 LAN(Bridge モード等) |
| USB 2.0 | 2 | ガイドカメラ・赤道儀 |
| USB 3.0 | 2 | メインカメラ・USB メモリ |
| DC 12V 入力 | 1 | 本体電源(最低 12V/2A・推奨 12V/5A) |
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.2 §Interface Description / §Power Cable Connections("DSLR Camera Shutter Release Port (2.5mm)... DC 5.5x2.1mm Power Output x4... Type-C Port... RJ45 Ethernet Port... USB 2.0 x2... USB 3.0 x2... DC 12V Input"/"ASIAIR Plus requires a minimum of 12V@2A for correct operation. With the 4 x 12V outlets in use it is recommended a minimum of 12V@5A is used.")
EAF はどこに繋ぐのが公式推奨か
ASIAIR Plus 公式マニュアルの §Power Cable Connections には、推奨される接続パターンが明記されています。
つまり ZWO の公式推奨は「EAF の USB ケーブルはメインカメラの USB ハブ経由」。ZWO 製の冷却カメラ(ASI2600MC Pro / ASI294MC Pro など)には背面に USB 2.0 ハブが内蔵されており、そこに EAF や EFW を繋ぐことでケーブル取り回しを最小化する設計です。もちろん ASIAIR Plus 本体の USB 2.0 ポートに直挿しでも動作しますが、空きポートが赤道儀・ガイドカメラで埋まりやすい点と、冷却カメラの USB ハブにまとめた方が配線がスッキリする点で、公式推奨に従うのが無難です。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.2 §Power Cable Connections
電源はどう供給するか
旧 EAF は前述の通り 12V DC 入力(5.5×2.1mm センター正極)が必要です。ASIAIR Plus には DC 5.5×2.1mm 電源出力が 4 ポート備わっており、ここから直接 1 本を EAF の電源ジャックに繋げば給電できます。ASIAIR Plus 本体への入力は、4 DC 出力ポートをすべて使う想定なら 12V/5A 以上の電源が推奨されます。冷却カメラを使う場合はさらに余裕を見て大容量電源を用意するのが安全です。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.2 §Power Cable Connections("With the 4 x 12V outlets in use it is recommended a minimum of 12V@5A is used.")
⑤ 必要機材リスト(マスト・推奨・既に手元にあるはず)
マスト(追加で必ず必要)
| 機材 | 役割 | 備考 |
|---|---|---|
| Askar FMA180 PRO AF Kit | FMA180 Pro と EAF を機械的に連結するブラケット+ベルト+プーリーセット | 旧 EAF-5V 用と新 EAFN/EAF Pro 用のプーリー両方が同梱と複数販売店が記載(後述) |
| USB 2.0 ケーブル(Type-A ↔ Type-B) | ASIAIR Plus(またはメインカメラ USB ハブ)と EAF の通信 | 旧 EAF 購入時の同梱品。紛失時のみ市販ケーブルで代用 |
| DC 5.5×2.1mm 12V 電源ケーブル | ASIAIR Plus の DC 出力 → 旧 EAF の電源ジャック | 両端 5.5×2.1mm センター正極オス。ASIAIR Plus 付属ケーブルで足りる場合が多い |
| 六角レンチ(2.5mm / 1.2mm / 1.5mm 程度) | AF Kit 取り付け・プーリーロックネジ締め | EAF 標準同梱の M4・M5 レンチに加え、プーリー固定用に細いアレンレンチも必要 |
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit(構成品リスト・取り付け工具)/ZWO EAF Manual §Supplied Accessories
推奨(あった方がより快適)
| 機材 | 理由 |
|---|---|
| 温度センサ(EAF Advanced 版同梱 / 別売) | 夜半の気温低下による焦点シフトを ASIAIR / ASCOM 側で自動補正できる。3.5mm 端子接続。 |
| USB 2.0 短尺ケーブル(30cm 程度) | EAF と冷却カメラ USB ハブの距離が近いため、長尺ケーブルだと取り回しが煩雑になる。 |
出典: ZWO EAF Manual §Features (Advanced Version)("Temperature sensor / Hand controller")
既に手元にあるはず(再確認)
- Askar FMA180 Pro 本体(鏡筒+純正フォーカサー+ドーベイル+回転装置)
- 旧 ZWO EAF 本体
- ASIAIR Plus 本体+ 12V DC 入力電源(最低 2A・推奨 5A 以上)
- 赤道儀・メインカメラ・ガイドカメラ(撮影系一式)
⑥ 接続手順|ハードウェア取り付け
手順 1|FMA180 Pro から既存パーツを外す
FMA180 Pro 本体下面の黒いドーベイルプレートとファインダーベースを、付属レンチで取り外します。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順
手順 2|AF Kit ブラケットを取り付ける
AF Kit の黒い角型ブラケットを FMA180 Pro 下面の取り付け穴に合わせ、M4×8 ボタンヘッドネジ 4 本(2.5mm アレン)で固定します。ブラケット側面には EAF 本体を取り付ける穴が並んでいます。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順("using a 2.5mm wrench, M4×8 button head screws to connect the EAF bracket")
手順 3|同期プーリーを EAF モータ軸に固定する
EAF のフレキシブルカップリングは取り外し、代わりに AF Kit 付属の同期プーリーを EAF のモータ軸に差し込み、1.2mm のアレンレンチで M3 ロックネジを締めて固定します。ここで重要なのが、AF Kit には旧 EAF-5V 用と新 EAFN / EAF Pro 用の 2 種類のプーリーが同梱されていると複数の販売店が説明している点です。Sharpstar 公式(メーカー)の説明文には現行モデル(EAF Pro・ToupTek)対応のみが明記され、旧 EAF-5V 対応プーリーの同梱について公式の明示記載がないため、購入前に販売店へ「旧 EAF-5V 用のプーリーが同梱されていますか」と問い合わせるのが確実です。
出典: High Point Scientific: Askar AF Bracket Kit for FMA180 Pro("The kit includes pulleys for the previous ZWO EAF-5V model and the current ZWO EAFN and EAF Pro models.")/Astromanie: Askar FMA180 PRO Autofocus Kit for ZWO EAF("The 5mm coupler is compatible with the previous-generation EAF-5V model")/Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit(現行モデル表記のみ)
手順 4|同期ベルトを掛ける
同期ベルトの一端を FMA180 Pro 純正フォーカサーのリング部に、もう一端を EAF モータ軸の同期プーリーに掛けます。ベルトに適度なテンションがかかるように EAF 本体の位置を調整します。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順("the synchronous belt is installed with one end over the FMA180 PRO and the other end over the synchronous pulley")
手順 5|EAF 本体をブラケットに固定する
EAF 本体をブラケットの取り付け穴に合わせ、付属のロックネジで固定します。ベルトのテンションを確認しながら締め込みます。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順("adjust and secure the EAF position")
手順 6|Vixen ドーベイルプレートを再装着する
手順 1 で外した Vixen 規格 150mm ドーベイルプレートを、M6×8 ソケットヘッドキャップネジ 2 本でブラケットの底面に再固定します。これで機械系の組付けは完了です。
出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順("M6×8 socket head cap screws to attach the Vixen-style dovetail plate")
手順 7|配線(USB と 12V 電源)
- USB: 旧 EAF の Type-B ポート →(メインカメラ背面の USB 2.0 ハブ経由が公式推奨)→ ASIAIR Plus の USB 3.0 ポート。メインカメラに USB ハブがない場合は ASIAIR Plus 本体の USB 2.0 ポートに直挿し。
- 12V 電源: ASIAIR Plus の DC 5.5×2.1mm 出力ポートの 1 つ → 旧 EAF 本体の DC 入力ジャック(5.5×2.1mm センター正極)。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.2 §Power Cable Connections("EFW/EAF connect via the main camera hub")/ZWO EAF Manual §Connecting your EAF("Connect 12V DC to the power socket... Connect your EAF to either a PC or ASIAIR using the USB port")
⑦ ASIAIR アプリ側のセットアップ
手順 1|EAF アイコンの確認
ASIAIR Plus 本体の電源を入れて Wi-Fi 接続を完了した後、スマホ/iPad の ASIAIR アプリを起動し、メイン画面で EAF アイコンを探します。USB と 12V 電源が正しく繋がっていれば、自動で認識されてアイコンが有効化されます。
出典: ZWO EAF Manual §Connecting EAF to your Astronomy Software / ASIAIR("On the ASIAIR main screen find the icon for the EAF")
手順 2|原点(ゼロ位置)と最大ステップ数を設定する
EAF のステッパーモータはトルクが大きいため、フォーカサーが物理的に止まる位置を超えてモータが回転すると、フォーカサー側を破損する恐れがあります。これを防ぐために、ZWO 公式は 「最初に 0 ポジションと最大ステップ数を設定すること」を強く推奨しています。FMA180 Pro のヘリコイドが最短側で止まる位置を 0、最大側で止まる位置を最大ステップとして登録するのが基本ですが、ベルト駆動の場合は中間で止めて余裕を持たせるのが安全です。
出典: ZWO EAF Manual §Additional Installation Information("There is significant torque from the EAF stepper motor. We recommended setting the 0 position and the maximum number of steps as a first step to prevent possible damage to the focuser.")
手順 3|昼間のうちに粗ピンを合わせておく
ZWO 公式は「初回セットアップでは、夜の暗闇の中ではなく昼間の遠景(建物など)で粗ピンを合わせ、そのときのステップ数を控えておく」ことを推奨しています。夜に天体で焦点を探すよりも遥かに楽で、毎回のセットアップ時間を大きく削減できます。
出典: ZWO EAF Manual §Manual Focus Control("We recommend you align your EAF in the daytime and use a distant target such as a building to focus on when setting up the focuser for the first time.")
手順 4|バックラッシュを測定する
ベルト駆動の場合、ベルトのたるみによって「方向が逆になった瞬間に EAF だけが先に動いて、フォーカサーが追従するまでにステップのロスが出る」現象(バックラッシュ)が必ず発生します。ASIAIR / ASCOM ソフト側でこの値を入力しておくと、自動補正されます。マニュアル §Measuring the Focuser Backlash には ASICAP での測定手順が掲載されており、同じ要領で ASIAIR の Coarse / Fine ステップを使って測定できます。
出典: ZWO EAF Manual §Measuring the Focuser Backlash
⑧ つまづきやすいポイント(旧 EAF ならではの注意点)
注意点 1|USB だけ繋いでも動かない
症状:USB は認識されているのにモータが回らない。
原因:旧 EAF は USB から電源を取らない仕様。12V DC を別配線で供給しないとモータは無動作。
対処:ASIAIR Plus の DC 出力ポートから 12V を EAF 本体の DC ジャックに繋ぐ。新 EAFN / EAF Pro と最も大きく違う点で、新世代に慣れた方ほど見落としやすい。
出典: ZWO EAF Manual §EAF Specifications("Powered by 12V DC 0.5A"・"Power Requirements: Voltage Range: 11~15V.")
注意点 2|AF Kit のプーリー違い
症状:AF Kit を買ったが、プーリーが EAF モータ軸に合わない/ベルトが噛まない。
原因:新 EAFN / EAF Pro と旧 EAF-5V ではモータ軸径・プーリーの寸法が異なる。複数販売店は「両方対応のプーリーが同梱されている」と説明しているが、メーカー公式(Sharpstar)には現行モデル対応のみ記載されている。
対処:購入前に販売店へ「旧 EAF-5V 用プーリーが同梱されているか」を必ず確認する。すでに購入してプーリーが合わない場合は、販売店経由で旧 EAF-5V 用プーリーを取り寄せ可能か相談する。
出典: High Point Scientific("The kit includes pulleys for the previous ZWO EAF-5V model and the current ZWO EAFN and EAF Pro models.")/Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit(現行モデル表記のみ)
注意点 3|ベルトのテンション
症状:EAF が動いてもフォーカサーがついてこない/ステップずれが発生する。
原因:同期ベルトのテンションが緩いとスリップ、強すぎるとモータに過負荷がかかる。
対処:EAF 本体の固定位置でテンションを微調整する。指で軽く押して 2〜3mm 程度たわむのが目安。ベルトを掛けたまま手動でフォーカスリングを回し、EAF プーリーが追従するかを確認する。
出典: 同期ベルト駆動機構の一般的な調整法(Sharpstar / ZWO 公式マニュアルにテンション値の明記なし。本記事はベルト&プーリー駆動の経験則として記載)
注意点 4|原点設定をしないまま AutoFocus を走らせない
症状:AutoFocus 中にフォーカサーが端まで突き当たって異音がする/ベルトが外れる。
原因:ZWO 公式が警告する通り「EAF のトルクは大きく、フォーカサーの可動範囲を超えるとフォーカサー側を破損しうる」状態のまま AutoFocus を走らせている。
対処:手順 2(⑦)で必ず 0 位置と最大ステップ数を登録する。FMA180 Pro はヘリコイドの可動範囲が短く、想定以上に早く端に到達するため特に重要。
出典: ZWO EAF Manual §Additional Installation Information
注意点 5|ASIAIR ファームウェアバージョンの確認
症状:古い ASIAIR ファームのままだと EAF アイコンが出ない/コントロールが不安定。
原因:EAF のネイティブ対応は ASIAIR バージョン 1.1 以降。それ以前は ASCOM 経由が必要だった。
対処:ASIAIR Plus の設定画面からファームウェア更新を実行し、最新版にしてから接続する。
出典: ZWO EAF Manual §Features (Standard Version)("Native support in ASIAIR Version 1.1 onwards")
⑨ 関連商品・公式 LINE のご案内
本記事で扱った FMA180 Pro 本体や ASIAIR Plus、現行の EAFN / EAF Pro(旧 EAF からの買い替え検討用)は天体ショップで取り扱っております。Askar 純正の FMA180 PRO AF Kit の在庫・適合確認も承りますので、お気軽に公式 LINE よりご相談ください。
本記事で扱った商品ページはこちら
どこよりも安く買うなら公式 LINE
最安値をご案内します。ご購入前に公式 LINE で最新価格と在庫状況をご確認ください。「FMA180 Pro EAF」とメッセージをお送りいただくだけで、すぐに個別でご案内します。
- Askar FMA180 PRO AF Kit の在庫・旧 EAF-5V 用プーリー同梱有無の事前確認
- 旧 EAF から新 EAFN / EAF Pro への買い替え相談(ASIAIR Plus 本体への給電容量・配線含む)
- LINE 登録で特別クーポン配布中
初めてのお客様へ
LINE 登録が難しい方向けに、メールで対応いたします。support@tenbundo.com までお気軽にご連絡ください。
最終更新: 2026-05-15/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・Sharpstar 公式・ASIAIR Plus 公式マニュアル(FCC 公開版)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑩ よくある質問(FAQ)
Q1. 旧 EAF(EAF-5V)はもう生産されていないと聞きました。今後も ASIAIR Plus で使い続けて大丈夫ですか?
A. 旧 EAF は ASIAIR バージョン 1.1 以降でネイティブ対応されており、現行 ASIAIR Plus のアプリでも引き続き認識・制御できます。ZWO 公式マニュアルにも互換性に関する制限は明記されていないため、ハードウェアが正常である限り使用可能です。出典: ZWO EAF Manual §Features (Standard Version)「Native support in ASIAIR Version 1.1 onwards」
Q2. 新型 EAF(EAFN / EAF Pro)の方が良いですか?
A. 新型は Type-C 1 本で電源と通信をまとめられる点が最大の利点で、配線がシンプルになります。一方で ZWO 公式は「新型はトルク増加に伴う電力要求のため、初代 ASIAIR と第 2 世代 ASIAIR Pro の USB 出力能力を超えるため非互換」と明記しています。ASIAIR Plus は新世代側に分類され、新型 EAF も使えます。すでに旧 EAF が手元にあるなら、まずは AF Kit を追加して動かすのが最もコストを抑えた選択肢です。出典: ZWO 公式 EAFN/EAF Pro 製品ページ
Q3. ASIAIR Plus の DC 出力 12V/3A で旧 EAF を動かせますか?
A. 旧 EAF の電源要件は 11〜15V DC、推奨 12V@0.5A です。ASIAIR Plus の DC 出力(12V/3A)の余裕には十分収まる仕様です。出典: ZWO EAF Manual §EAF Specifications「DC 12V@0.5A Recommended」/ASIAIR Plus User Manual §Power Cable Connections
Q4. 旧 EAF を ASIAIR Plus 本体の USB 2.0 ポートに直接挿しても問題ありませんか?
A. 公式マニュアルでは「EFW / EAF はメインカメラのハブ経由で接続」が推奨ですが、ASIAIR Plus 本体の USB 2.0 ポート(×2)に直挿ししても動作します。ガイドカメラと赤道儀で USB 2.0 ポートが両方埋まる場合は、メインカメラ背面の USB 2.0 ハブを経由してください。出典: ASIAIR Plus User Manual §Power Cable Connections
Q5. AF Kit のブラケットだけ買って、自前のベルトとプーリーで組めますか?
A. 理論的には可能ですが、同期ベルトと同期プーリーには互換するピッチ・歯数・幅の規格があり、市販品から正しく選定するのは難易度が高くなります。Sharpstar 公式 AF Kit は「ブラケット+ベルト+プーリーがセット」で 1 製品として供給されており、各パーツのバラ売りは公式には記載されていません。素直にセットで購入するのが最も確実です。出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit
Q6. 温度センサがなくても AutoFocus は動きますか?
A. 動きます。温度センサは「温度補正」用で、夜半の気温低下による焦点シフトを自動でステップ補正するためのオプション機能です。撮影セッション中に定期的に AutoFocus を再実行する運用なら、温度センサがなくても問題ありません。出典: ZWO EAF Manual §Features (Advanced Version)
Q7. ASIAIR Plus 本体には何 W の電源を用意すべきですか?
A. 公式は「最低 12V/2A で動作、4 つの DC 出力を使うなら最低 12V/5A 推奨」と記載しています。冷却カメラを使う場合や、ヒーター・赤道儀も給電する場合はさらに余裕を見て 10A 級の電源にしておくと安心です。出典: ASIAIR Plus User Manual §Power Cable Connections
Q8. ASIAIR アプリで EAF が認識されません。最初に何を確認すべき?
A. ① 12V DC が EAF 本体に給電されているか(EAF の LED 点灯確認)、② USB ケーブルが Type-A ↔ Type-B で確実に挿さっているか、③ ASIAIR Plus のファームウェアが最新か、の順で確認してください。原因の切り分けが終わらない場合は、関連記事「ZWO EAF が動かない・認識しない・ピントが合わない」の切り分けフローもご参照ください。出典: ZWO EAF Manual §Connecting your EAF(12V 電源と USB の両方が必須である根拠)
Q9. FMA180 Pro 純正フォーカサーは EAF をつけても手回しできますか?
A. ベルト駆動方式のため、EAF を取り付けた状態でも純正フォーカサーのリングは手で回せます。ただし手回しした分のステップは EAF 側のカウンタに反映されないため、手動操作後は AutoFocus を再実行するか、ステップ位置を再設定する必要があります。出典: ベルト駆動フォーカサーの一般的な機械特性(Sharpstar / ZWO 公式マニュアルに「手回し時のステップカウンタ反映」記載なし。本記事はベルト駆動方式の経験則として記載)
Q10. AF Kit を取り付けると Vixen ドーベイルの位置がずれませんか?
A. Sharpstar 公式の取り付け手順では、既存のドーベイルプレートを一度外して AF Kit ブラケットの底面に再固定する設計です。AF Kit の厚み分だけ光軸高さが上がりますが、ドーベイルプレートの長手方向の位置は維持されるため、赤道儀側のクランプ位置調整で吸収できます。出典: Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit インストール手順
⑪ 参考にした一次情報
- ZWO EAF Manual V2.3 / V2.4(公式マニュアル PDF) — 旧 EAF の仕様・同梱品・接続・原点設定・バックラッシュ測定など本記事の中核ソース。
- ZWO 公式 EAFN / EAF Pro 製品ページ — 新型 EAF の Type-C 化・電力要求・ASIAIR 互換性の根拠。
- ASIAIR Plus User Manual V1.2 2022.05(FCC 公開版 PDF) — ASIAIR Plus のポート構成・接続推奨・電源要件の根拠。
- Sharpstar 公式 FMA180 PRO AF Kit 製品ページ — AF Kit の構成品・取り付け手順の根拠(メーカー一次情報)。
- High Point Scientific: Askar AF Bracket Kit for FMA180 Pro — 旧 EAF-5V 用と新 EAFN/EAF Pro 用プーリー同梱の根拠(販売店表記)。
- Astromanie: Askar FMA180 PRO Autofocus Kit for ZWO EAF — 5mm カプラ=旧 EAF-5V 対応の根拠(販売店表記)。
- Agena Astro: Askar ZWO EAF Autofocusing Kit for FMA180-Pro — AF Kit 構成品の補強ソース。
- First Light Optics: Askar FMA180 Pro Auto Focus Kit for ZWO EAF — AF Kit の補強ソース。
- Astrophotographylens: Askar ZWO EAF Autofocusing Kit For FMA180 Pro — AF Kit 構成品の補強ソース。
- Astronomics: ZWO Standard Electronic Automatic Focuser (EAF) 5V — 旧 EAF(EAF-5V)の販売店記載仕様。
本記事で扱った商品ページはこちら
どこよりも安く買うなら公式 LINE
最安値をご案内します。ご購入前に公式 LINE で最新価格と在庫状況をご確認ください。「FMA180 Pro EAF」とメッセージをお送りいただくだけで、すぐに個別でご案内します。
- Askar FMA180 PRO AF Kit の在庫・旧 EAF-5V 用プーリー同梱有無の事前確認
- 旧 EAF から新 EAFN / EAF Pro への買い替え相談(ASIAIR Plus 本体への給電容量・配線含む)
- LINE 登録で特別クーポン配布中
初めてのお客様へ
LINE 登録が難しい方向けに、メールで対応いたします。support@tenbundo.com までお気軽にご連絡ください。
最終更新: 2026-05-15/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・Sharpstar 公式・ASIAIR Plus 公式マニュアル(FCC 公開版)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。