アスカー Askar 71F 鏡筒|使い方・撮影設定完全ガイド(4 枚玉フラットフィールド 490mm F6.9)
アスカー Askar 71F 鏡筒|使い方・撮影設定完全ガイド(4 枚玉フラットフィールド 490mm F6.9)
Askar 71F は「口径 71mm / 焦点距離 490mm / F6.9 の 4 枚玉空気間隔アポクロマート鏡筒」で、内蔵フラットナー方式のため 外付けフラットナーを使わずに 44mm フルフレームまで隅々シャープに撮れる のが最大の特徴です。この記事では、公式マニュアルの数値に基づいてバックフォーカス・接続・ピント合わせ・ガイド鏡・0.75x レデューサー使用時の構成を、初めての方でも迷わず組めるように一つずつ解説します。
① Askar 71F とはどんな鏡筒か(設計思想と光学スペック)
Askar 71F は中国 Sharpstar Optics(嘉興夏普星光学儀器有限公司)が Askar ブランドで販売するフラットフィールド アポクロマート鏡筒です。名称の「F」は「Flat-Field(平坦視野)」を意味し、対物 3 枚玉に加えて後群にフィールドコレクションレンズを 1 枚組み込んだ 4 枚玉(quadruplet) 構成で、後付けフラットナーを使わず単体で平坦なイメージ面を得られる設計になっています。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 2(「The Askar 71F adopts a quadruplet air-spaced APO lens design, including one piece of ED glass. … self-flattened design that allows to avoid calculating the backfocus」)
基本仕様は以下の通りです。
| 項目 | 数値・仕様 |
|---|---|
| 対物有効口径 | 71 mm |
| 焦点距離 | 490 mm |
| 焦点比(F 値) | F6.9 |
| 対物レンズ構成 | 4 枚玉 空気間隔アポクロマート(ED ガラス 1 枚を含む) |
| イメージサークル | 44 mm(35mm フルフレーム対応) |
| 接眼部(フォーカサー) | 2.4 インチ デュアルスピード R&P(微動比 1:10)/後端に 360° 目盛付き回転装置 |
| アリガタ | 230 mm ビクセン規格(1/4 インチ & 3/8 インチ ネジ穴つき) |
| ファインダー基部 | 3 箇所(ハンドル上 ×1、接眼部両サイド ×2) |
| デューシールド(フード) | レトラクタブル(引き伸ばし式)/内側つや消し塗装で迷光低減 |
| 全長(撮影アダプタ装着時) | フード収納 415 mm / フード伸展 473.4 mm |
| 鏡筒重量 | 単体 2.5 kg / 総重量 3.0 kg(鏡筒バンド+アリガタ含む) |
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3 "71F Specifications" および Sharpstar 公式 71F 製品ページ
ポイントは、4 群構成が「Petzval 系」に近い挙動をすることです。すなわち、対物 3 枚玉で色収差を補正し、後群 1 枚で像面湾曲を打ち消す設計になっているため、SVBONY SV503 系や旧世代の 2 枚玉 ED 鏡筒のように「フラットナーの入手・組込み・55mm バックフォーカス計算」を行う必要がありません。付属の撮影アダプタを組み合わせて必要な奥行きを埋めるだけで、内蔵フィールドコレクションレンズが自動的にフラットフィールドを作ってくれます。
出典: Sharpstar 公式配布 Askar 71F In-depth Review PDF(AstroLens / Adrian Benedikt Matsch, 2026-02)Page 1-2(「integrated field correction mechanism … renders the telescope a Petzval-style astrograph」)
② 開梱から初回セットアップまで
2-1. 標準梱包物のチェック
公式マニュアル Page 6 の "Items in 71F Packaging" に記載されている標準梱包物は次の通りです。
| 同梱品 | 確認ポイント |
|---|---|
| 71F 鏡筒本体(OTA) | 対物側・接眼側の防塵キャップが装着されているか |
| 鏡筒バンド + ハンドル | 初期梱包時点で鏡筒に組み付け済み |
| Vixen 230mm アリガタ | 1/4 インチ・3/8 インチ両方のネジ穴付き |
| 撮影アダプタ 4 点セット | M48×0.75 / M54×0.75 を含む複数厚みのパーツ |
| 取扱説明書 / 保証カード / 検査票 / 認定証 | 個体シリアル記載の検査票の有無を確認 |
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 6 "Items in 71F Packaging"
眼視用の 8mm/20mm 接眼レンズや 1.25 インチ天頂プリズムは Sharpstar 標準梱包には含まれません。これらは代理店の「Visual Bundle」で追加された場合のみ同梱されます。撮影主体でお使いになる場合は特に必要ありません。
2-2. 鏡筒の向きとアリガタの取付方向
鏡筒バンドはハンドル側が上、アリガタ側が下になるように出荷されています。ハンドル上面のファインダー基部を利用してガイド鏡を載せる場合や、接眼部側面のファインダー基部を使う場合は、それぞれの用途に合わせて締め付けを確認してください。
アリガタは 230mm 長のフルサイズ Vixen 規格です。EQ5 / GEM28 / AM3 / AM5 系の Vixen 対応クランプへそのまま搭載できます。1/4 インチ・3/8 インチのネジ穴が長手方向にスリット化されているため、カメラ雲台・写真三脚への直付けも可能です(ただし重量バランス上、撮影運用では赤道儀での使用を推奨)。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3(「Askar 71F's dovetail plate is a 230mm standard Vixen dovetail plate, which slotted 1/4 screw holes as well as 3/8 screw holes for direct tripod attachment」)
2-3. フード(デューシールド)の伸縮操作
デューシールドはレトラクタブル方式で、収納時と伸展時で全長が大きく変わります。撮影アダプタ装着状態の実測(マニュアル記載値)は次の通りです。
| 状態 | 全長 | 運用シーン |
|---|---|---|
| フード収納(撮影アダプタ装着) | 415 mm | 運搬・収納・機内持込 |
| フード伸展(撮影アダプタ装着) | 473.4 mm | 夜露対策・迷光遮蔽が必要な撮影中 |
実運用では、撮影開始前に必ずフードを伸展してロックしてください。フードの摩擦は個体差があり、寒冷下では固く感じることがあるため、両手でゆっくり引き出して固定リング(Locking screw)で締め込むのが安全です。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3-4 "Total length" および "Product Parts and the Size Diagram"/フードの温度依存性についての注記は Sharpstar 公式配布 In-depth Review PDF Page 2(「retractable dew shield … considerable stiffness, particularly under cold outdoor conditions」)
③ バックフォーカスと接続の基本ルール
Askar 71F の接続は「バックフォーカスを計算しなくてよい」自己補正型設計ですが、それでも M48 基部から 82.5mm 以内に撮像面(センサー)を収める ルールだけは押さえておく必要があります。
3-1. 撮像モードの最大アクセサリー接続長
| スレッド基部 | 最大接続長(ドロチューブ全収納時) |
|---|---|
| M48×0.75 雄ねじ基部から | 82.5 mm |
| M54×0.75 雄ねじ基部から | 100.5 mm |
M48 基部からセンサー面までのフランジバックは、次の一般的な値になります。この合計値を 82.5mm 以内に収めれば、ドロチューブを引き出さずにピントが合う位置に落ちます。
| カメラ / パーツ | M48 基部からセンサーまでの一般的距離 |
|---|---|
| ZWO ASI (2600/2400/533/294) 系 CMOS + EFW + OAG(標準構成の一例) | 55 mm 前後(構成で変動) |
| キヤノン EOS R / RP(RF マウント一眼)+ M48-RF アダプタ | RF フランジ 20 mm + アダプタ厚 ≒ 44 mm 前後 |
| ニコン Z(Z マウント一眼)+ M48-Z アダプタ | Z フランジ 16 mm + アダプタ厚 ≒ 44 mm 前後 |
出典(カメラ側の値はメーカー公式仕様、鏡筒側の 82.5mm は SRC-3 Page 3): Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3。カメラ側フランジバック値は各社の仕様に基づく一般値であり、公式マニュアル本文には明記されていません(本項は撮影構成計算のための注記として掲載)。
3-2. 後端スレッド構成
接眼部から後方に向かって順に、以下 3 段のスレッドで径が絞られていきます。この構造を理解しておくと、社外のパーツをどこに割り込ませればよいかがすぐに判断できます。
- 接眼部本体側: M64×0.75 → M54×0.75 の変換段(付属アダプタで完結)
- 次段: M54×0.75 → M54×0.75 の延長段(付属アダプタで完結)
- 末端: M54×0.75 → M48×0.75 の変換段(末端に M48×0.75 の 2 インチフィルタスレッドあり)
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3 "Rear-end thread type"(「M64×0.75-M54×0.75 → M54×0.75-M54×0.75 → M54×0.75-M48×0.75 (with M48×0.75 filter thread)」)
付属の 4 点撮影アダプタセットで、フルフレーム CMOS カメラ・APS-C カメラ・ミラーレス一眼を接続する組み合わせがひと通り作れます。追加でカメラ側マウント(RF/Z/E など)ごとに M48 変換リングまたは M54 変換リングを 1 枚用意すれば構成完了です。
④ カメラ別接続構成
4-1. ZWO ASI 冷却 CMOS カメラ + EFW + OAG 構成
Askar 71F をディープスカイ撮影のメインで使う場合、もっとも普及している構成は次のようになります。
[Askar 71F 接眼部]
└─ M64→M54 アダプタ(付属)
└─ M54→M54 アダプタ(付属・厚み調整用)
└─ M54→M48 アダプタ(付属・末端に M48 フィルタ穴あり)
└─ [OAG](M48)
└─ [EFW(電動フィルタホイール)]
└─ [ASI 冷却 CMOS カメラ]
M48 基部からセンサー面までの合計を 55mm 前後 に収めるのが定番ルートです(ZWO 側から見た標準バックフォーカス)。付属アダプタの厚み調整だけで OAG+EFW+カメラの厚みを差し引いた残りに合わせられます。
出典(鏡筒側 M48 82.5mm 上限): Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3。ZWO 側の 55mm 標準バックフォーカスは ZWO 各カメラ公式仕様に基づく一般値であり、Askar 公式マニュアルには明記されていません(本項は組み合わせ計算のための注記)。
4-2. キヤノン RF / ニコン Z / ソニー E ミラーレス一眼構成
フルサイズミラーレス一眼で撮る場合、末端 M48×0.75 スレッドから直接カメラ側マウントに変換します。
[Askar 71F 接眼部]
└─ M64→M54 アダプタ(付属)
└─ M54→M54 アダプタ(付属)
└─ M54→M48 アダプタ(付属)
└─ M48-RF / M48-Z / M48-E 変換リング(別売)
└─ [フルサイズミラーレス一眼]
Askar 純正では M54/M48 Camera Adapter for Canon R / Nikon Z / Sony NEX という汎用アダプタも用意されており、これを 1 個持っておくと M54 側でも M48 側でも接続できて便利です。
出典: Sharpstar 公式 71F 製品ページ(「photographic extension tube, which includes M48×0.75 & M54×0.75 adapters」)
4-3. 眼視・スポッティング用途
Askar 71F は撮影特化設計ですが、末端に付属の 1.25 インチ/2 インチアイピースホルダーを取り付ければ眼視でも使えます。接眼部末端からの最大接続長は 1.25 インチ末端で 111mm、2 インチ末端で 121mm です。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3 "Maximum accessory connection – Observing mode"
マニュアルの安全注意事項として、望遠鏡で絶対に太陽を直視しないでください。不可逆的な眼球損傷の危険があります。太陽撮影を行う場合は、必ず対物側に減光フィルター(Baader Solar Film 等の ND5 相当減光材)を装着してください。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 1(「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE. IT WILL CAUSE IRREVERSIBLE DAMAGE TO YOUR EYES.」)
⑤ フィルターの入れ方
5-1. 内蔵 2 インチフィルタスレッドを使う場合
Askar 71F の撮影アダプタ末端には M48×0.75(= 2 インチフィルタ規格) の内蔵フィルタスレッドがあります。ここに 48mm 径の光害カットフィルター・ナローバンドフィルター(L-eNhance、L-eXtreme、Optolong 系)をねじ込むと、フィルターホイールを持たない構成でも簡易的にフィルタ撮影ができます。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 3 "Rear-end thread type"(「M54×0.75-M48×0.75 (with M48×0.75 filter thread)」)
ただしフィルターがセンサーから離れる(=コリメート系に近づく)ほど、明るい星でハロー・フィルターゴーストが発生しやすくなります。ワンショットカラーで淡い星雲を撮る場合はこれで十分ですが、ハローに厳しいナローバンド撮影ではセンサー直前の EFW(フィルタホイール)を推奨します。
5-2. カラーカメラ/モノカメラの推奨構成
| カメラ種別 | 推奨フィルタ位置 | 推奨フィルタ径 |
|---|---|---|
| ワンショットカラー CMOS(ASI2600MC 系) | 末端 M48 スレッド or 引出しフィルタ / EFW | 48mm ネジ or 2 インチ差込 |
| モノクロ冷却 CMOS(ASI2600MM 系) | EFW(センサー直前) | 36mm / 50mm 角 |
| フルサイズミラーレス一眼 | クリップフィルタ or 末端 M48 スレッド | クリップ / 48mm ネジ |
⑥ 0.75x 純正レデューサー使用時の構成
6-1. 0.75x レデューサーの基本仕様
純正の Askar 71F 用 0.75x レデューサーを使うと、焦点距離と F 値が短縮され、より広視野・より短時間で撮影できるようになります。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 縮小率 | 0.75x |
| 合成焦点距離 | 369 mm |
| 合成 F 値 | F5.2 |
| レンズ構成 | 3 群構成 トリプレット |
| 対応イメージサークル | 44 mm(フルフレーム) |
| バックフォーカス | M48 雄ねじ基部から 55 mm 固定 |
| スレッド | 後端 M59×1/前面 M54×0.75 / M48×0.75/内蔵 2" フィルタスレッド |
| 重量 | 0.23 kg(230 g) |
出典: Sharpstar 公式 71F 0.75x Reducer 製品ページ
6-2. レデューサー装着時の接続順
0.75x レデューサーは、71F 付属の撮影エクステンションチューブに直接ねじ込む設計になっています。
[Askar 71F 接眼部]
└─ M64→M54 アダプタ(付属)
└─ M54→M54 アダプタ(付属)
└─ [0.75x Reducer](M54 or M48 接続)
└─ センサーまでのバックフォーカス 55mm を厳守
└─ [OAG + EFW + カメラ](合計 55mm ジャスト)
0.75x レデューサーを装着すると バックフォーカスは 55mm 固定になります。撮像面までの合計が 55mm からズレると周辺星像が伸びたり流れたりするため、この値だけは厳密に守ってください。
出典: Sharpstar 公式 71F 0.75x Reducer 製品ページ(「back focus … 55mm (from the base of M48 male thread)」)
6-3. どちらを選ぶ?──ネイティブ 490mm と 0.75x 縮小 369mm の使い分け
| 構成 | 向いている対象 |
|---|---|
| ネイティブ 490mm / F6.9 | アンドロメダ銀河 M31、三角形座銀河 M33、二重星団 h&χ、ばら星雲、ハート星雲などフルフレームで丁度収まる中規模対象 |
| 0.75x 使用 369mm / F5.2 | 北アメリカ星雲+ペリカン星雲、いて座~はくちょう座の広範囲天の川、カリフォルニア星雲など超広視野対象。F 値が明るくなるため露光時間を短縮できる |
⑦ ピント合わせと 360° 回転装置の使い方
7-1. デュアルスピード R&P フォーカサー
Askar 71F の接眼部は 2.4 インチ(外径 60mm 相当)のラック&ピニオン(R&P)方式で、粗動と 1:10 微動の 2 段変速です。ドロチューブのトラベル量は 50mm(マニュアル記載)です。撮影時は次のワークフローで追い込みます。
- 粗動ノブで明るい星をぼんやり見えるところまで動かす
- 星像が最小になる位置を 1:10 微動ノブで追い込む
- 撮像ソフト(NINA、ASIStudio、SharpCap、ASIAIR など)の Bahtinov マスク or Star HFR オートフォーカスで最終追込み
- フォーカスノブ側面の ドロチューブ固定ネジを軽く締め、撮影中の微ズレを防ぐ
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 2(「dual-speed R&P 2.4-inch rigid focuser, which has a 1:10 fine adjustment」)
7-2. 電動フォーカスモーターの取付
接眼部側面には電動フォーカスブラケット取付用のネジ穴が複数用意されています。マニュアル Page 5 の "Locking Screw Position Diagram" によれば、①③④⑤ の位置が電動フォーカサーの装着に使えます。ZWO EAF や Pegasus Astro FocusCube 系のブラケットを、この位置のネジ穴を使って固定してください。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 5(「①③④⑤ Can be used for electric focusing bracket installation」)
7-3. 360° 回転装置(フィールドローテータ)
接眼部後端には 360° 目盛付き回転装置が組み込まれています。ドロチューブ末端でカメラを回転させることでフレーミング角度を微調整でき、目盛が刻まれているため 過去に決めた角度を数値で再現できます。モザイク撮影のパネル間で角度を揃えたい時、また複数夜にまたがるスタッキングで同じ構図に戻したい時に極めて実用的です。
回転時はロックネジを緩め、目的角度まで回してから再度ロックネジを締める、という手順を守ってください。ロックが緩んだままだと撮影中に自重で角度が変わる恐れがあります。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 2-3(「360° scale field rotator at the rear end for precise angle adjustment」)
⑧ ガイド鏡・オートガイダーの載せ方
8-1. 71F のファインダー基部は 3 箇所
Askar 71F にはガイド鏡・ファインダー・光学ポインタなどを載せられるファインダー基部が 合計 3 箇所用意されています。
- ハンドル上面: 1 箇所
- 接眼部の両サイド: 各 1 箇所(合計 2 箇所)
この 3 箇所を組み合わせて、ガイド鏡+赤いドット光学ファインダー+電動フォーカサーを共存させることが可能です。
出典: Sharpstar 公式 71F User's Manual (English) Page 2(「On the handle bar of Askar 71F, it designs a finder base slot. Besides, there are two finder bases on both sides of the focuser」)
8-2. 純正 Askar 32mm F4 ガイド鏡との組み合わせ
Askar 純正の 32mm F4 ガイド鏡は、Askar 71F との組み合わせを想定した設計です。基本仕様は次の通り。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 口径 / 焦点距離 / F 値 | 32mm / 128mm / f/4 |
| 対物レンズ構成 | 2 枚玉ダブレット |
| 全長 / 重量 | 137mm / 303g |
| フォーカサー | ヘリカル式(ドロー 20mm) |
| X-Y 微調整 | 両軸精密微調整機構つき |
| 付属アダプタ | M42×0.75 / 1.25" アイピース |
出典: Sharpstar 公式 32mm F4 Guide Scope 製品ページ
ガイドカメラ側は ZWO ASI120MM Mini や ASI220MM Mini、ASI715MC のようなガイド対応 CMOS を M42 側にねじ込みます。1.25 インチ側はガイドカメラのノーズピースをそのまま差し込む方式で運用できます。
8-3. OAG(オフアクシスガイダー)とガイド鏡の使い分け
| 構成 | 向いているシーン |
|---|---|
| ガイド鏡(32mm F4 + ガイド CMOS) | 機材構成を軽く保ちたい遠征運用、フルフレーム/APS-C 一眼直付け構成、AM3/AM5 級の軽量赤道儀運用 |
| OAG(オフアクシスガイダー) | モノクロ冷却 CMOS + EFW + ナローバンドで長時間撮影する常設運用。ガイド鏡たわみ(differential flexure)を根本的に回避したい場合 |
⑨ 撮影対象別のフレーミング指針
ネイティブ 490mm(F6.9)と 0.75x 使用時の 369mm(F5.2)で、フルフレーム換算のフレーミング目安は次のようになります。
| 対象 | 推奨構成 | フレーミング |
|---|---|---|
| アンドロメダ銀河 M31 | ネイティブ 490mm + フルフレーム | 画面ほぼいっぱいに主構造 + 伴銀河 M32/M110 も収まる |
| 三角形座銀河 M33 | ネイティブ 490mm + APS-C / フルフレーム | 中心に配置してヴイパーツも収まる |
| ばら星雲 NGC 2237 | ネイティブ 490mm + フルフレーム | 星雲全体を余裕をもって収める |
| 北アメリカ星雲 + ペリカン星雲 | 0.75x 使用 369mm + フルフレーム | 両星雲+周辺の暗黒帯まで 1 コマで収める |
| オリオン大星雲 M42 + 馬頭星雲 IC 434 | 0.75x 使用 369mm + フルフレーム | オリオン座の帯を含む雄大な広視野構図 |
| カリフォルニア星雲 NGC 1499 | 0.75x 使用 369mm + フルフレーム | 長軸方向にちょうど収まる |
| プレアデス星団 M45 | ネイティブ 490mm + APS-C | 星団と周辺の反射星雲がバランスよく入る |
惑星や月・太陽の高倍率撮影には向きません。Askar 71F はディープスカイ広視野特化の鏡筒と割り切り、惑星は口径のある反射系(Celestron C8 / C11 系や Askar 103APO 系など)に譲るのが最適です。
出典: Sharpstar 公式配布 In-depth Review PDF Page 3(「the telescope is less suitable for imaging planets, or other very bright targets … better suited to deep-sky imaging rather than solar system observation」)
⑩ Askar 71F|商品ページ・公式 LINE のご案内
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最終更新: 2026-07-06/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar Optics 公式 71F User's Manual (English)・Sharpstar 公式 71F 製品ページ・Sharpstar 公式 71F 0.75x Reducer 製品ページ・Sharpstar 公式配布 In-depth Review PDF に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。なお当店では ZWO 社純正の製品保証に加えて、弊社独自の初期不良 60 日+3 年保証をお付けしています。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. Askar 71F にフラットナーは追加購入する必要がありますか?
いいえ、必要ありません。Askar 71F は 4 枚玉のうち後群 1 枚が内蔵フィールドコレクションレンズになっており、外付けフラットナーなしで 44mm フルフレームまで平坦な像を得られる自己補正型(self-flattened)設計です。バックフォーカスの計算も不要で、付属の 4 点撮影アダプタを組み合わせて M48 基部から 82.5mm 以内に撮像面を収めれば、そのまま撮影できます。
Q2. ネイティブ 490mm と 0.75x レデューサー使用時の 369mm、どちらを買うべきですか?
撮影対象で選んでください。アンドロメダ銀河・M33・ばら星雲などフルフレームでちょうど収まるサイズの対象を撮るならネイティブ 490mm で十分です。北アメリカ星雲+ペリカン星雲、オリオン大星雲+馬頭星雲、はくちょう座の広範囲天の川など超広視野が必要な対象を狙うなら、0.75x レデューサーを追加すると 369mm / F5.2 になり、露光時間も約半分に短縮できます。両方持っておくと使い分けの幅が大きく広がります。
Q3. フルサイズミラーレス一眼で使えますか?
使えます。Askar 71F は 44mm イメージサークルで 35mm フルフレームまで隅々シャープです。キヤノン RF、ニコン Z、ソニー E マウントのミラーレス一眼を、末端 M48 スレッドから各社マウント用の変換リング 1 枚で接続できます。Askar 純正の「M54/M48 Camera Adapter for Canon R / Nikon Z / Sony NEX」も 1 個持っておくと M54 側でも M48 側でも柔軟に対応できて便利です。
Q4. どんな赤道儀に載りますか?
鏡筒バンド+アリガタ込みの総重量は 3.0kg で、ハーモニックドライブ小型赤道儀(ZWO AM3、AM5、iOptron HAE29 系)や、Sky-Watcher GEM28、Vixen SXP、EQ5 Pro 級以上の一般的な赤道儀に余裕を持って載ります。アリガタは 230mm 長のフルサイズ Vixen 規格なので、Vixen 対応クランプにそのまま搭載できます。1/4 インチ・3/8 インチのネジ穴つきなので、経緯台や写真三脚への直付けも物理的には可能ですが、長時間撮影には赤道儀運用を推奨します。
Q5. ピントの追い込みが難しくないですか?
2.4 インチ デュアルスピード R&P フォーカサー(微動比 1:10)を採用しているため、ピントの追い込みは比較的容易です。粗動で概位置に合わせ、1:10 微動で数µm 単位まで詰められます。より確実に追い込みたい場合は、ZWO EAF・Pegasus Astro FocusCube 系の電動フォーカサーを接眼部側面の①③④⑤位置のネジ穴で装着してオートフォーカスを使うと、温度変化に追従した再ピント合わせも自動化できます。
Q6. フィルターはどこに入れるのが良いですか?
ワンショットカラーカメラで淡い星雲を撮る場合は、末端 M48×0.75 スレッド(= 2 インチフィルタ規格)に光害カットフィルターを直接ねじ込むのが最もシンプルです。モノクロ冷却 CMOS でナローバンド撮影をする場合は、明るい星のハローを最小化するため、センサーの直前 EFW(電動フィルタホイール)に 36mm または 50mm 角のフィルターをセットする構成を推奨します。
Q7. 太陽撮影に使えますか?
対物側にきちんとした減光フィルター(Baader Solar Film ND5 相当)を装着すれば、白色光での太陽撮影は可能です。ただし、絶対に減光フィルターなしで太陽を望遠鏡に向けないでください。マニュアル冒頭にも「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE. IT WILL CAUSE IRREVERSIBLE DAMAGE TO YOUR EYES.」と明記されているとおり、不可逆的な眼球損傷とセンサー損傷の危険があります。
Q8. 惑星撮影には向きますか?
向きません。Askar 71F は 490mm・F6.9 の広視野設計で、明るい対象では若干の色滲みが出ることがあり、また 71mm 口径では惑星の細部を解像するには不足します。惑星撮影を主目的にされる場合は、口径の大きな反射系(Celestron C8/C11 系のシュミット・カセグレン、または長焦点アポクロマート)と併用するのがおすすめです。71F はディープスカイ広視野に特化した鏡筒として使い分けてください。
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参考にした一次情報
- Sharpstar 公式 71F 製品ページ ── https://www.sharpstar-optics.com/Products_1/101.html
- Sharpstar 公式 71F 0.75x Reducer 製品ページ ── https://www.sharpstar-optics.com/Products_1/71F_Reducer.html
- Sharpstar 公式 71F Flat-Field User's Manual(English, 全 7 ページ PDF) ── https://www.sharpstar-optics.com/download_Detail_1/44.html
- Sharpstar 公式 32mm F4 Guide Scope 製品ページ ── https://www.sharpstar-optics.com/Products_1/71.html
- Sharpstar 公式ダウンロード配下 Askar 71F In-depth Review PDF(Adrian Benedikt Matsch / AstroLens, 2026-02) ── https://www.sharpstar-optics.com/download_list_1.html
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最終更新: 2026-07-06/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar Optics 公式 71F User's Manual (English)・Sharpstar 公式 71F 製品ページ・Sharpstar 公式 71F 0.75x Reducer 製品ページ・Sharpstar 公式配布 In-depth Review PDF に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。なお当店では ZWO 社純正の製品保証に加えて、弊社独自の初期不良 60 日+3 年保証をお付けしています。