アスカー Askar 71F 鏡筒|合焦しない・星像が流れる・電動フォーカサーが付かない…困りごと切り分け完全ガイド
アスカー Askar 71F 鏡筒|合焦しない・星像が流れる・電動フォーカサーが付かない…困りごと切り分け完全ガイド
Askar 71F はフラットナー内蔵のクアッドプレット APO で、口径 71mm・焦点距離 490mm・F6.9・イメージサークル 44mm というスペックを持ちます(Sharpstar 公式仕様および公式マニュアル PDF)。この記事では「合焦しない」「星像が周辺で流れる」「電動フォーカサーの取付穴が分からない」「0.75x レデューサーを付けたら合焦しない」など、実際にご相談の多い困りごとを、公式マニュアル・公式製品ページに書かれている一次情報だけを根拠として、症状 → 原因 → 対処の順で整理しました。伝聞・海外フォーラムの又聞き・弊社推測は一切含みません。
① 合焦しない・ピントが出ない(バックフォーカス系)
原因 1|撮像系総厚がバックフォーカス上限(M48 基準 82.5mm / M54 基準 100.5mm)を超えている
症状:フォーカサーを一杯まで縮めてもピントノブを回してもピントが出ない、星が全体的にボケる。
原因:Askar 71F は self-flattened 設計で「合焦位置」が光学的に固定されており、M48×0.75 男ねじ根元から 82.5mm、M54×0.75 男ねじ根元から 100.5mm という「最大アクセサリ接続距離」がマニュアルに明示されている。カメラ本体厚・T リング・フィルターホイール・OAG などの合計がこれを超えると、フォーカサーの繰り出し量では吸収できない。
対処:マニュアル §Specifications に従い、M48 系で組む場合は「センサー面 ↔ M48×0.75 男ねじ根元」の実測が 82.5mm 以内に収まるようスペーサーを外す。M54 系で組む場合は 100.5mm が上限。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications「82.5mm(from the base of M48×0.75 male thread)/100.5mm(from the base of M54×0.75 male thread)」
原因 2|フォーカサーを目一杯繰り出しているのに合焦しない(最小 32.5mm / 50.5mm を下回っている)
症状:フォーカサーを目一杯外側に伸ばしても星像がボケる。
原因:撮像時の最小アクセサリ接続距離は M48 基準 32.5mm、M54 基準 50.5mm。これより短いスペーシングになると、フォーカサーの伸長では届かない。ミラーレスや薄型カメラを直接ねじ込むと下限を割ることがある。
対処:M48 系なら 32.5mm、M54 系なら 50.5mm の下限を割らないようアダプタ/スペーサーを追加する。
出典: Sharpstar 71F Flat-Field 製品ページ 仕様表(Minimum accessory connection with focuser fully extended)
原因 3|self-flattened 設計を知らずに別途フラットナー/レデューサーを噛ませてしまった
症状:合焦しない、あるいは合焦してもフラット面がおかしい。
原因:Askar 71F は「self-flattened design」でフラットナー内蔵のため、他社フラットナー/ 1x フラットナーを追加すると光路長がずれる。
対処:純正の photographic adapter(M48×0.75 / M54×0.75)で直接カメラを接続する。焦点距離を短くしたい場合のみ、純正 0.75x Reducer(後述)を使う。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Instructions for use「self-flattened design that allows to avoid calculating the backfocus」
原因 4|0.75x レデューサーを装着したのにバックフォーカス 55mm を守っていない
症状:レデューサー装着後、合焦しない/周辺が流れる。
原因:71F 0.75x Reducer は「M48 男ねじ根元から 55mm」がバックフォーカス(固定)。カメラ本体厚+アダプタ厚がこの 55mm から外れると合焦・星像両方が破綻する。
対処:センサー面 ↔ Reducer の M48 男ねじ根元の実測を 55mm ぴったりに合わせる。フィルターを差し込む場合は、フィルターセルの物理厚さと屈折による見かけ延伸(一般に厚み×1/3 程度)を含めて 55mm 内側に収まるようスペーサー厚を再計算する。
出典: Sharpstar 71F 0.75x Reducer 仕様「Back Focus: 55mm(from the base of M48 male thread)」
原因 5|0.75x レデューサー後端の M59×1 ねじを見落として接続を間違えている
症状:レデューサーが 71F 側にどうしてもねじ込めない、あるいはアダプタが空回りする。
原因:71F 0.75x Reducer の後端(71F 側)ねじは M59×1。71F 本体側の photographic extension tube は M54×0.75 と M48×0.75 のアダプタを持つ。純正組合せなら M59×1 ⇔ M54×0.75 変換部が Reducer 側に用意されており、71F の M54×0.75 に直接接続できる設計。
対処:Reducer と 71F の接続は「純正 71F アダプタ(M54×0.75 or M48×0.75)↔ Reducer の M59×1 前端」の設計に従う。M48 と M59 を直接ねじ込もうとしないこと。
出典: Sharpstar 71F 0.75x Reducer 仕様「Rear-end threads: M59×1」/71F 本体 rear-end thread type「M64×0.75-M54×0.75 / M54×0.75-M54×0.75 / M54×0.75-M48×0.75」
② 周辺星像が流れる・シャープでない(星像・光学品質)
原因 6|センサー tilt(撮像面の傾き)
症状:中央付近はシャープだが、四隅のうち特定の 1〜2 隅だけ星が伸びる。
原因:カメラ本体・アダプタ列のどこかに数分角レベルの傾きがあり、撮像面が光軸と垂直でない。71F のイメージサークル 44mm はフルサイズ対応と広いため、tilt が同心円状ではなく片流れとして出やすい。
対処:Askar 純正の Focal Plane Adjuster(FPA)は 71F のフィルタースレッドリング位置に直接置換でき、置換してもバックフォーカスを再計算しなくてよい設計(spherical adjustment 方式)。まずアダプタ列のねじ増し締めを試し、それでも消えなければ FPA での置換を検討する。
出典: Askar Focal Plane Adjuster 公式仕様(All-Star 掲載)「Sharpstar telescopes (e.g. APO series, ASKAR V, 71F, 50EDPH) can directly replace the filter thread ring with the Askar Focal Plane Adjuster without recalculating the back focus」「unique spherical adjustment ... adjusts the tilt angle without affecting the relative distance」/Front M54 female・Rear M48 male・厚さ 18mm
原因 7|バックフォーカス過不足による同心円状の像流れ
症状:周辺の四隅すべてが同じ向きに放射状に流れる。
原因:センサー面までの距離が本体 82.5mm / 100.5mm(レデューサー時 55mm)から外れると、フラットナー効果が最適化された焦点面と一致しなくなる。
対処:原因 1・4 の実測値を優先。合わせても流れが残る場合はカメラのセンサー厚さ実測値(一般にセンサーカバーガラス数枚分)まで含めて再検算する。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications の max/min 接続距離
原因 8|アダプタ接続部が緩んでいて空回りしている
症状:撮影中に星像が変わる、あるいは 360° ローテータを戻しても星像が微妙に違う。
原因:71F は撮像時に M64/M54/M48 の複数段ねじ接続が入るため、どこか一段でも締めが甘いとカメラが数十分角ずれる。
対処:「M64×0.75-M54×0.75」「M54×0.75-M54×0.75」「M54×0.75-M48×0.75」の 3 種のうち採用しているものを全段、手で緩まなくなるまで確実に締める。フィルターセル・T リング側の緩みも同時に確認する。
出典: Sharpstar 71F 仕様 rear-end thread type「M64×0.75-M54×0.75/M54×0.75-M54×0.75/M54×0.75-M48×0.75」
原因 9|色収差が目立つ(青ハロー・紫ハロー)
症状:明るい星の周りに青/紫のにじみが残る。
原因:71F は quadruplet air-spaced APO で ED ガラス 1 枚を使い色収差を大幅に低減する設計だが、光学的にゼロではない。特に恒星光度が飽和すると残色が目立つ。
対処:露出時間を短くして恒星飽和を減らす、あるいは処理段階でスターリダクション/色収差補正を適用する。フィルター(UV/IR カット)併用も有効。
出典: Sharpstar 71F User's Manual「Quadruplet air-spaced APO(including one ED glass)」
原因 10|dew shield の内側マット塗装が擦れて迷光が入っている
症状:コントラストが極端に落ちる/ゴーストのような像が乗る。
原因:Askar 71F の dew shield 内側は迷光低減のためマット塗装が施されている。塗装面が輸送・清掃で擦れて艶が出ると、迷光が対物側から入射しやすい。
対処:マット塗装は分解・再塗装せず、状態が悪ければ販売店経由でメーカー相談。清掃は乾いた柔らかい筆先で埃を落とすのみに留める。
出典: Sharpstar 71F User's Manual「All the inner of the Askar 71F's dew shield is covered with matting paint to effectively reduce stray light reflections」
③ フォーカサーと機械可動部のトラブル
原因 11|電動フォーカサーの取付ねじ穴が分からない
症状:ZWO EAF などの電動フォーカサーブラケットを付けたいがどの穴を使えばよいか判別できない。
原因:71F のフォーカサーには複数のねじ穴があり、マニュアル図「The Locking Screw Position Diagram」で ①〜⑤ の 5 か所が描かれている。うち ①③④⑤ が「電動フォーカシングブラケット取付」用、②は「Bottom Load Adjustment Screw(底面荷重調整)」、③は「Bottom Locking Screw(底面ロック)」の役割が付記されている。
対処:ブラケット取付は ①③④⑤ の穴を使う。②を電動化用に流用しないこと。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §The Locking Screw Position Diagram「①③④⑤ Can be used for electric focusing bracket installation/② Bottom Load Adjustment Screw/③ Bottom Locking Screw」
原因 12|1:10 微動側でピントを合わせようとするとノブが空回りする感触
症状:微動ノブを回してもピントが変わらない・スリップする感触。
原因:71F は dual-speed R&P(ラックアンドピニオン)フォーカサーで、微動 1:10 と粗動の 2 系統を持つ。フォーカサー底面のロード調整(Bottom Load Adjustment Screw ②)が緩いと、カメラ荷重によって微動側にスリップが出ることがある。
対処:マニュアル図②の Bottom Load Adjustment Screw を少しずつ増し締めして、微動が確実に動く範囲で調整する。締めすぎるとノブが極端に重くなるため、少しずつ回す。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §The Locking Screw Position Diagram「② Bottom Load Adjustment Screw」/71F 仕様「dual-speed R&P 2.4-inch rigid focuser, 1:10 fine adjustment」
原因 13|360° ローテータを回すとカメラ角度が撮影中にずれる
症状:フレーミングを決めても長時間撮影中にわずかに回転する。
原因:フォーカサー後端の 360° スケール付フィールドローテータには locking screw があり、これが緩いとカメラ荷重で回転してしまう。
対処:「360° rotator locking screw」を撮影開始前に確実に締める。マニュアル §Product Parts and the Size Diagram の右上に位置図あり。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Product Parts and the Size Diagram「360° rotator locking screw」/71F 仕様「360° scale field rotator at the rear end for precise angle adjustment」
原因 14|dew shield を伸ばすとハンドル側で固定できない
症状:dew shield を出したら勝手に戻る/輸送中に短くなる。
原因:71F の dew shield は retractable(伸縮式)で、対物側に dew shield locking screw を備える。締めないと伸縮側が固定されない。
対処:使用時は dew shield locking screw を締めて位置固定。輸送・保管時は必ず引き込んで locking screw を締める。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Product Parts and the Size Diagram「Dew shield locking screw」/同 §Instructions for use「The dew shield of the Askar 71F is a retractable design」
原因 15|フォーカサーの繰り出し/繰り込みの動きが渋い
症状:回転が固い/急にすっぽ抜ける。
原因:2.4" R&P フォーカサーは金属間接触が主で、輸送直後や低温下ではグリスが硬化して渋くなることがある。
対処:まずフォーカサーロックねじが締まっていないか確認する。分解注油は保証対象外になる場合があるため、症状が続くなら販売店経由で相談する。
出典: Sharpstar 71F 仕様「dual-speed R&P 2.4-inch rigid focuser」(構造記述として)
④ ハンドル・搭載・鏡筒バンド周り
原因 16|ASIAIR やガイド鏡をハンドル上に付ける穴が分からない
症状:ハンドル上面のスロットがどのアクセサリ用か判別できない。
原因:71F のハンドルバー上には finder base slot(ファインダー用ダブテール受け)が設けられている。さらにフォーカサー両側にも finder base が 2 個ある。
対処:ハンドル上スロットは finder base 互換の物(ガイドスコープ用ブラケット、ASIAIR 用ファインダー互換マウント等)を装着できる位置として使う。フォーカサー両側の finder base はファインダー位置を差し替えずに、別のファインダー/小型アクセサリを同時搭載できる。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Instructions for use「On the handle bar of Askar 71F, it designs a finder base slot. Besides, there are two finder bases on both sides of the focuser」
原因 17|赤道儀への搭載重量目安が分からない
症状:手持ちの赤道儀に載せてよいか判別できない。
原因:71F 本体は 2.5kg、鏡筒バンド+dovetail plate 込みで 3.0kg。ここにカメラ・ガイダー・電動フォーカサーの重量が加算される。
対処:撮像運用の場合は「鏡筒+撮像系合計」で赤道儀の撮像積載目安の 60〜70% 以内が目安。71F は 3.0kg + カメラ 1kg 前後 + ガイダー 0.5kg 前後で 4.5〜5kg 程度になることが多い。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications「Net weight:2.5kg/Gross weight(Including tube ring&dovetail plate):3.0kg」
原因 18|Vixen dovetail 上で前後バランスが取れない
症状:赤緯クランプフリー時に前傾/後傾する。
原因:71F 付属の dovetail plate は Vixen 規格 230mm。カメラ+ガイダー+電動フォーカサーで重心が後方に移りやすい。
対処:230mm Vixen 上で鏡筒バンドを前後にスライドしてバランス点を出す。スロット式のため 1/4 と 3/8 のねじ穴を使って三脚直付けもできるが、撮像時は必ず赤道儀の Vixen クランプで再バランスを取る。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Instructions for use「230mm standard Vixen dovetail plate, which slotted 1/4 screw holes as well as 3/8 screw holes for direct tripod attachment」
原因 19|dovetail から鏡筒バンドが外れる/スライドしない
症状:スライド途中で引っかかる/勝手に動く。
原因:鏡筒バンドは Vixen 230mm dovetail plate に固定されて出荷されるが、輸送振動で締結ねじが緩むことがある。
対処:鏡筒バンド底面と dovetail plate 側の固定ねじを増し締めしてから、赤道儀 Vixen クランプで再固定。
出典: Sharpstar 71F ユーザーマニュアル 部品一覧(tube rings ペア + Vixen 230mm dovetail plate)
⑤ 温度・結露・環境
原因 20|屋外に出した直後は星像が甘い
症状:撮影初期の星像がわずかに甘い/ピント再調整が必要。
原因:クアッドプレット構成は空気間隔で 4 枚のガラスが並ぶため、屋内外気温差が大きいと空気層と鏡筒金属の膨張差でピント面が移動する(一般の APO 屈折と同様の温度順応現象)。
対処:撮影開始前に外気温へ 15〜30 分ほど順応させ、その後にピント微調整を行う。長時間撮影中も気温変化に合わせてオートフォーカスまたは手動リフォーカスを実施する。
出典: Sharpstar 71F 仕様「Quadruplet air-spaced APO」(構造記述として。順応時間の具体値は公式マニュアルに明記なく、本記事は一般 APO 屈折の順応必要性として記載)
原因 21|対物レンズが撮影中に結露する
症状:星像がぼやける/露が付く。
原因:dew shield は放射冷却を減らすため対物側に伸縮式で装備されているが、湿度が高いとそれだけでは足りない。
対処:dew shield を完全に伸ばして locking screw で固定し、それでも結露する環境ではデュー(結露防止)ヒーターストラップを対物セル外周に巻いて併用する。ヒーターは低ワット定常暖房で、対物側だけを外気温より数度上げる用途。
出典: Sharpstar 71F User's Manual「The dew shield of the Askar 71F is a retractable design」(dew shield 装備の明記)。ヒーターストラップは 71F 純正付属品ではなく別体の一般アクセサリとしての記載
原因 22|保管中に鏡筒内部が結露していた
症状:次回使用時にレンズ内側が曇っている。
原因:湿度の高い環境や、温度差のある部屋間移動で内部空気層が結露する。
対処:使用後は完全に外気温に戻してから収納する。乾燥剤入りケースに保管し、鏡筒を長時間立て置きにしない。内部の曇りは分解せず、販売店経由で相談する。
出典: Sharpstar 71F User's Manual 表紙 & §Instructions for use(クアッドプレット空気間隔設計・分解禁止の運用として)
原因 23|dew shield を伸ばしたら重心が変わってバランスがずれた
症状:伸ばした瞬間に赤緯側が動く。
原因:dew shield 伸縮による全長変化は 372.5mm ↔ 473.4mm 相当と大きく(付属アダプタ有無で 4 パターン)、鏡筒重心が前方に移動する。
対処:撮影構成が決まった段階で dew shield を撮影時の位置に固定し、その状態でバランスを取り直す。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications「372.5mm/430.9mm/415mm/473.4mm」(全長の 4 パターン)
原因 24|対物レンズ表面に埃・指紋が付いた
症状:透過像に汚れが写り込む/コントラスト低下。
原因:清掃不適切または保管時ダストキャップ未装着。
対処:使用後は必ず前後キャップを装着する。清掃は柔らかいブロアーと専用クリーニング液を最小限で使用し、円を描くように優しく拭く。ED ガラス表面のコーティングを傷めないよう強く擦らない。
出典: Sharpstar 71F User's Manual 部品図(Lens cap)(前面ダストキャップ標準装備の記載)
⑥ フィルター・アダプター接続
原因 25|M48 の 2 インチフィルタースレッドがどこにあるか分からない
症状:2 インチフィルターを撮像系のどこに入れればよいか判別できない。
原因:71F の rear-end thread 3 種のうち「M54×0.75-M48×0.75」アダプタに M48×0.75 のフィルタースレッド(2 インチ相当)が内蔵されている。
対処:M54-M48 アダプタを選び、その M48 側スレッドに 2 インチフィルターをねじ込む。フィルターセル厚さぶんセンサー距離が伸びるため、原因 1 のバックフォーカス上限に注意。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications「Rear-end thread type:M54×0.75-M48×0.75 (with M48×0.75 filter thread)」
原因 26|0.75x レデューサーの M48 側 2 インチフィルタースレッドが使いたい
症状:レデューサー側でフィルターを使ってよいか判別できない。
原因:Askar 71F 0.75x Reducer は「built-in M48×0.75 2-inch filter thread」を持ち、撮像系末端側の M48 スレッドに 2 インチフィルターを内蔵で装着できる。
対処:Reducer 側 M48 のフィルタースレッドに 2 インチフィルターを装着可能。ただしバックフォーカス 55mm 内でフィルターセル厚を吸収する必要がある。
出典: Sharpstar 71F 0.75x Reducer 仕様「built-in M48×0.75 2-inch filter thread」/「Back Focus: 55mm」
原因 27|M64 男ねじの受け側アダプタが入手できず接続を諦めている
症状:rear-end 側の M64×0.75 男ねじに対応する受けアダプタが見つからない。
原因:71F 側 rear-end 変換は「M64×0.75-M54×0.75」を経由する設計。M64 を直接カメラに繋ぐ設計ではない。
対処:71F 付属アダプタセット内の M64-M54 変換を必ず先段に入れ、その後段に M54-M54 または M54-M48 のアダプタを追加してカメラ側 T2 / M42 / M48 に繋ぐ。
出典: Sharpstar 71F 仕様 rear-end thread type「M64×0.75-M54×0.75/M54×0.75-M54×0.75/M54×0.75-M48×0.75」
原因 28|Askar Focal Plane Adjuster(FPA)を入れると合焦位置が動くのでは?と不安
症状:tilt 補正のため FPA を入れたいが back focus 再計算が必要か分からない。
原因:Askar FPA は spherical adjustment 方式で「傾きを変えても相対距離を変えない」構造。71F 対応モデル群では、既存のフィルタースレッドリングを外して FPA をそのまま置換することで、バックフォーカスの再計算なしで tilt 補正が可能。
対処:71F 側の M54 メスと FPA 前端 M54 メス/M48 男ねじ後端の仕様を確認し、既存フィルタースレッドリングと同厚さ 18mm 部品として置換する。
出典: Askar Focal Plane Adjuster 公式仕様「adjusts the tilt angle without affecting the relative distance」/「replace the filter thread ring with the Askar Focal Plane Adjuster without recalculating the back focus」(71F 対応明記)
⑦ 眼視で使う時のトラブル
原因 29|正立像プリズムを付けたが天体が正立で見えて期待と違う
症状:天体観測用に付けたプリズムで像が反転しない。
原因:71F の視覚時の付属品は 1.25″ 45° erecting prism(正立プリズム)。これは地上風景観察や昼間の観測(スポッティングスコープ用途)向けで、正立像を作る設計。天体眼視で一般に使う天頂ミラー(プリズム)と光学的動作が異なる。
対処:天体眼視で使う場合は 2 インチ天頂プリズム/ミラーを別途用意し、視覚時の 2" 眼視ホルダに挿入する。付属正立プリズムは風景観察・スポッティング用途に残す。
出典: Sharpstar 71F User's Manual 付属品構成(1.25″ 45° erecting prism 標準付属)/71F 製品ページ Observing mode「111mm(from the end of 1.25" eyepiece holder)/121mm(from the end of 2" eyepiece holder)」
原因 30|眼視で 2" 天頂プリズム+接眼レンズが合焦しない
症状:2 インチアクセサリを眼視ホルダに入れるとピントが出ない/出過ぎる。
原因:眼視モードの最大アクセサリ接続距離は 2" 眼視ホルダ端から 121mm、1.25" ホルダ端から 111mm と規定されている。2" 天頂プリズム+バローや変換スリーブを重ねると、この上限を超えることがある。
対処:2" 天頂プリズムの光路長(一般に 90〜100mm 程度が多い)+接眼レンズが 121mm 上限に収まっているか実測し、変換スリーブ厚などで調整する。
出典: Sharpstar 71F 仕様 Observing mode「111mm(from the end of 1.25" eyepiece holder)/121mm(from the end of 2" eyepiece holder)」
⑧ 太陽と安全
原因 31|太陽を直接眼視/撮影しようとしている
症状:太陽を直接見た瞬間に強烈な眩しさと痛みを感じる/眼にダメージ。
原因:Askar 71F のマニュアル表紙には「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE. IT WILL CAUSE IRREVERSIBLE DAMAGE TO YOUR EYES」と大書きされている。口径 71mm で集光すると素通しでも強烈な光と熱が焦点面に集中し、不可逆的な網膜損傷を招く。
対処:太陽観測は必ず対物側前面に取り付ける専用の太陽観測フィルター(ソーラーフィルム/ND ソーラーフィルター)を使用する。接眼側のサンフィルターは焦点で熱破損する可能性があるため使わない。
出典: Sharpstar 71F User's Manual 表紙警告「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE. IT WILL CAUSE IRREVERSIBLE DAMAGE TO YOUR EYES」
原因 32|昼間の風景観察中に鏡筒を太陽方向に向けたまま放置
症状:フォーカサー内部やダストキャップに焦げ跡/変色が発生。
原因:71 mm 口径・焦点距離 490mm での集光は焦点面で強い熱を発生させる。太陽方向に向けたまま接眼側にダストキャップを付けた状態でも、内部に熱が滞留する。
対処:使用しない時は前面ダストキャップを装着し、鏡筒を太陽方向に向けたまま放置しない。三脚に据え置く場合は影の位置か覆いを掛ける。
出典: Sharpstar 71F User's Manual 表紙警告「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE. IT WILL CAUSE IRREVERSIBLE DAMAGE TO YOUR EYES」(安全運用として)
⑨ 保管・輸送・保証
原因 33|輸送で dew shield が伸びていた/衝撃跡がある
症状:受け取り時に dew shield が半分伸びている、あるいは locking screw が緩んでいる。
原因:dew shield は伸縮式で、輸送振動で locking screw が微妙に緩むと自重で位置がずれる。
対処:受領時に dew shield を完全に引き込んで locking screw を締める。実装位置がずれるだけであれば光学部品への影響は少ないが、外観に凹み等がある場合は販売店に連絡する。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Product Parts and the Size Diagram「Dew shield locking screw」
原因 34|Vixen dovetail に打痕・凹み
症状:受け取り時に 230mm Vixen プレートに凹みがある。
原因:アルミ材の Vixen プレートは輸送中の衝撃で凹みが付くことがある。多少の擦れなら赤道儀への固定強度に影響しないが、深い凹みだとクランプ側が均等に締まらない。
対処:凹みが 0.5mm を超えるか、クランプで固定した際に鏡筒が斜めに動く場合は販売店に連絡する。
出典: Sharpstar 71F User's Manual §Specifications「230mm standard Vixen dovetail plate」(部材規格)
原因 35|初期不良かどうかの判別が付かない
症状:合焦しない/星像が流れる/機械可動部が渋いなど、複合的なトラブル。
原因:純光学起因か機械起因かユーザー起因かの切り分けが必要。
対処:本記事の原因 1〜10(合焦・星像)→ 原因 11〜15(機械)→ 原因 16〜19(搭載)の順で切り分ける。切り分けが困難な場合は、天体ショップの弊社独自の初期不良60日+3年保証の対象範囲でお預かり検証が可能。ご購入日・症状写真・撮影データを添えて公式 LINE またはメールでご相談ください。
出典: Sharpstar 71F User's Manual(保証内容は販売者ごとに設定され、天体ショップは弊社独自の初期不良60日+3年保証を付帯)
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本記事で扱った Askar 71F 本体・純正 0.75x レデューサー・純正 Focal Plane Adjuster(tilt 調整用)はいずれもフルサイズ 44mm イメージサークル対応の同シリーズ純正アクセサリで、バックフォーカス・スレッド仕様がマニュアル準拠で組み合わせられる設計です。合焦や周辺星像で悩んだ場合は、まず純正組合せで検証することを推奨します。
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最終更新: 2026-07-06/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar Optics 公式マニュアル・公式製品ページ・Askar 公式 Focal Plane Adjuster 仕様に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. Askar 71F は初心者でも扱えますか?
self-flattened 設計で別途フラットナー計算が不要、44mm フルサイズ対応、Vixen 230mm dovetail 標準装備と、撮像運用に必要な要素が本体側に揃っています。合焦させれば周辺星像もそのまま撮像に使えるため、屈折 APO 初挑戦の方でも組みやすい機種です。(SRC-1)
Q2. 0.75x レデューサーを付けたら何が変わりますか?
焦点距離が 490mm → 369mm、F 値が F6.9 → F5.2 に短縮され、視野が広くなり露出時間も短縮できます。バックフォーカスは M48 男ねじ根元から 55mm 固定で、44mm フルサイズをカバーします。(SRC-2)
Q3. ZWO EAF のような電動フォーカサーは付けられますか?
マニュアル図の Locking Screw Position Diagram に「①③④⑤ Can be used for electric focusing bracket installation」と明記されており、①③④⑤ のねじ穴が電動フォーカサーブラケット取付用として設計されています。(SRC-3)
Q4. tilt(センサー傾き)が疑わしい時はどうすればよいですか?
Askar 純正 Focal Plane Adjuster(FPA)は spherical adjustment 方式で「傾きを変えても back focus を変えない」構造。71F は既存フィルタースレッドリングを FPA に直接置換でき、バックフォーカスの再計算なしで使えます。(SRC-4)
Q5. 全長はどれくらい変わりますか?
dew shield と付属アダプタの組合せで 4 パターン:dew shield 収納+1.25" アダプタで 372.5mm、伸長+1.25" アダプタで 430.9mm、収納+撮像アダプタで 415mm、伸長+撮像アダプタで 473.4mm。(SRC-1)
Q6. ASIAIR は 71F のどこに取り付けられますか?
ハンドルバー上に finder base スロットが 1 か所、フォーカサー両側に finder base が 2 か所あります。ASIAIR は Synta 互換のファインダー用マウントアダプタを介してこれらの base に固定できます。(SRC-3)
Q7. 眼視で天頂プリズムを使いたい
付属は 1.25" 45° 正立プリズム(地上/スポッティング用)ですので、天体眼視には別途 2" 天頂ミラー/プリズムをご用意ください。2" ホルダ端から 121mm が最大アクセサリ接続距離です。(SRC-1)
Q8. 太陽を撮ってもいいですか?
専用の対物側太陽観測フィルター(ソーラーフィルム/ND ソーラー)を装着した場合のみ可能です。素通しでの太陽の眼視・撮影はマニュアル表紙に「DO NOT LOOK AT SUN THROUGH TELESCOPE」と明記された不可逆的な眼障害の危険があるため厳禁です。(SRC-3)
Q9. 保証はどうなっていますか?
天体ショップでご購入いただいた 71F には、弊社独自の初期不良60日+3年保証が付帯します。合焦不良・機械可動部の異常・光学系の異常など、切り分けが難しいご相談も含め、公式 LINE または support@tenbundo.com までお気軽にご連絡ください。
Q10. 星像流れの切り分けは何から始めればよいですか?
まずアダプタ列(M64/M54/M48 各段)の緩みを増し締めで潰し、次にバックフォーカス(原因 1・4)を実測、それでも消えない片流れは tilt 起因の可能性が高く、Focal Plane Adjuster での置換を検討する順が公式仕様に沿った順序です。
参考にした一次情報
- [SRC-1] Sharpstar Optics 公式製品ページ「71F Flat-Field」 https://www.sharpstar-optics.com/Products_1/101.html
- [SRC-2] Sharpstar Optics 公式製品ページ「71F 0.75x Reducer」 https://www.sharpstar-optics.com/Products_1/71F_Reducer.html
- [SRC-3] Sharpstar Optics 公式マニュアル PDF「71F User's Manual」(2024-04-09 発行) https://www.sharpstar-optics.com/download_Detail_1/44.html
- [SRC-4] Askar Focal Plane Adjuster 公式仕様(All-Star Telescope 経由) https://usa.all-startelescope.com/products/askar-focal-plane-adjuster-askar-fpa
- [SRC-5] Sharpstar Askar 71F User Manual プレビュー(ManualsLib 掲載) https://www.manualslib.com/manual/3441887/Sharpstar-Askar-71f-Flat-Fiels.html
- [SRC-6] Starizona 公式ストア Askar 71F 商品ページ https://starizona.com/products/askar-71f-70mm-f-6-9-quadruplet-flat-field-astrograph-telescope
- [SRC-7] First Light Optics 公式ストア Askar 71F 商品ページ https://www.firstlightoptics.com/askar-telescopes/askar-71f-flat-field-apo-refractor.html
付録:Askar 71F 主要仕様(公式マニュアル準拠)
| 項目 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 口径 | 71mm | SRC-1 / SRC-3 |
| 焦点距離 | 490mm | SRC-1 / SRC-3 |
| F 値 | F6.9 | SRC-1 / SRC-3 |
| 光学系 | Quadruplet air-spaced APO(ED ガラス 1 枚含む) | SRC-1 / SRC-3 |
| イメージサークル | 44mm(フルサイズ対応) | SRC-1 / SRC-3 |
| 最大アクセサリ接続(撮像) | M48×0.75 根元から 82.5mm / M54×0.75 根元から 100.5mm | SRC-3 |
| 最大アクセサリ接続(眼視) | 1.25″ ホルダ端から 111mm / 2″ ホルダ端から 121mm | SRC-1 / SRC-3 |
| rear-end thread | M64×0.75-M54×0.75 / M54×0.75-M54×0.75 / M54×0.75-M48×0.75(M48 フィルタースレッド付) | SRC-3 |
| 全長 | 372.5mm 〜 473.4mm(dew shield 収納/伸長 × 1.25"/撮像アダプタ) | SRC-3 |
| 重量 | 本体 2.5kg/鏡筒バンド+dovetail 込 3.0kg | SRC-1 / SRC-3 |
| フォーカサー | 2.4″ dual-speed R&P・1:10 微動・360° 目盛付ローテータ | SRC-1 / SRC-3 |
| dovetail | Vixen 230mm(1/4・3/8 ねじ穴付) | SRC-3 |
| 0.75x Reducer 装着時 F 値/焦点距離 | F5.2 / 369mm | SRC-2 |
| 0.75x Reducer バックフォーカス | M48 男ねじ根元から 55mm | SRC-2 |
| 0.75x Reducer 後端ねじ/重量 | M59×1 / 0.23kg | SRC-2 |
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最終更新: 2026-07-06/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sharpstar Optics 公式マニュアル・公式製品ページ・Askar 公式 Focal Plane Adjuster 仕様に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。