ASIAIR Mini / Plus 256G / Pro 完全比較ガイド|どれを選べば失敗しない?【2026 年最新版】
ASIAIR Mini / Plus 256G / Pro 完全比較ガイド|どれを選べば失敗しない?【2026 年最新版】
ASIAIR は ZWO が提供する Wi-Fi 対応の天体撮影コントローラーで、現行ラインナップは「ASIAIR Mini」「ASIAIR Plus(256G 版)」、そして旧モデルの「ASIAIR Pro」の 3 機種があります。結論を先に言うと、遠征中心・荷物を減らしたいなら Mini、自宅固定・大型カメラ運用なら Plus 256G、Pro は新規購入には推奨しません(後継の Plus に置き換えられた旧世代モデル)。本記事では ZWO 公式マニュアルの一次情報のみを根拠に、寸法・電源・I/O・対応機材・運用上の差を整理し、用途別の選び方を提示します。
この記事のまとめ
- Mini: 165 g・78 × 52 × 26 mm の最小モデル。Wi-Fi のみ(有線 LAN なし)。USB 2.0 × 4・DC 12V × 4。遠征・モバイル運用に最適。
- Plus 256G: 210 g・10.25 × 7 × 2.65 cm。Gigabit Ethernet 搭載・USB 3.0 × 2・DC 12V × 4(出力 5A)・Bluetooth で AM5N/AM3 対応・eMMC 256GB。固定設置・フルサイズカメラ・大量データ運用に最適。
- Pro: 第 2 世代の旧モデル。Plus に置き換えられており、ZWO のメインライン上では既に旧世代。新規購入は Plus 256G を推奨。
- ASIAIR App は 3 機種で共通。買い替えても操作感は変わらない。
- Mini は CPU/RAM の公式数値を ZWO が公表していないため、本記事では一次情報がある項目のみ比較しています。
① ASIAIR シリーズの現行ラインナップ
ZWO 公式の Guides and Manuals ページに 2026 年 4 月時点で掲載されている ASIAIR コントローラーは、ASIAIR(初代)・ASIAIR Pro・ASIAIR Plus の 3 系統です。Mini は Plus と同じ第 3 世代の派生機(小型版)として位置付けられています。
ASIAIR Plus User Manual の冒頭には「ASIAIR Plus is the third generation of the ASIAIR platform. It incorporates hardware and software improvements developed by ZWO since the first ASIAIR was released in July 2018.」と明記されており、Plus は 2018 年 7 月にリリースされた初代から数えて 3 世代目に当たることが分かります。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.1 Introduction / Preface("third generation" / "first ASIAIR was released in July 2018")
② 3 機種の概要早見表
まずは主要スペックを横並びで比較します。空欄になっている項目は、ZWO が公式仕様として公表していない項目です(公表されていない数値を推測で埋めることは本記事ではしていません)。
| 項目 | ASIAIR Mini | ASIAIR Plus 256G | ASIAIR Pro |
|---|---|---|---|
| 世代 | 第 3 世代(小型版) | 第 3 世代 | 第 2 世代(旧型) |
| 寸法 | 78 × 52 × 26 mm(販売店表記) | 102.5 × 70 × 26.5 mm(公式) | 92 × 67.6 × 35 mm(公式) |
| 重量 | 165 g(販売店表記) | 210 g(公式) | 243 g(公式) |
| CPU | — ※公式非掲載 | — ※公式非掲載 | Broadcom BCM2711B0 1.5GHz Quad Core (Cortex A-72) |
| RAM | — ※公式非掲載 | 4GB DDR4 | 4GB DDR4 |
| ストレージ | 32GB eMMC(空き 20GB) | 256GB eMMC(32GB 版もあり) | 32GB micro SD + 64GB USB(合計 84GB) |
| USB | USB 2.0 × 4 + USB Type-C × 1 | USB 3.0 × 2 + USB 2.0 × 2 + USB Type-C × 1 | USB 3.0 × 2 + USB 2.0 × 2 |
| 有線 LAN | なし | Gigabit Ethernet | Gigabit Ethernet |
| Wi-Fi | デュアルバンド 2.4GHz / 5GHz、約 20 m | 802.11 b/g/n/ac、2.4GHz / 5GHz、有効 20 m | Wi-Fi(station モード対応) |
| Bluetooth | — ※公式非掲載 | 256G 版のみ対応(AM7 / AM5N / AM3 連携) | — ※公式非掲載 |
| DC 12V 出力ポート | 4 ポート(合計電流公式非掲載) | 4 ポート、合計 12V@5A Max | 4 ポート(各 12V@3A Max) |
| 入力電源 | DC 12V(電流値は公式非掲載)/ USB-C 5V@0.5A 給電可 | DC 12V@2A〜10A | DC 12V@2A〜6A |
| DSLR シャッター解放ポート | あり | あり | あり(3.5mm) |
| 動作温度 | — ※公式非掲載 | -10〜40℃ | — ※公式非掲載 |
| 筐体 | CNC アルミ | 航空グレード CNC アルミ + 陽極酸化 | CNC アルミ + 陽極酸化(フェラーリレッド) |
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications(Plus の数値)/ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ(Pro の数値)/ZWO 公式 ASIAIR Mini 製品ページ(Mini のストレージ・I/O・USB-C 給電仕様)/David Astro 商品ページ(Mini の WiFi デュアルバンド・寸法・重量。ZWO 公式は Mini の正確な寸法と重量を製品ページ上で明示していないため、販売店表記として注釈付きで掲載)。
③ 大きさと重さの実感|ポケットに入る Mini、文庫本サイズの Plus
ASIAIR シリーズで一番分かりやすい差は物理サイズです。Mini は 78 × 52 × 26 mm(販売店表記)で、ZWO 自身も公式製品ページで「42% smaller and 21% lighter than ASIAIR Plus」と Plus を基準に小型・軽量化を訴求しています。Plus 256G の公式寸法が 102.5 × 70 × 26.5 mm なので、Mini はおおむね手のひら〜ポケットサイズ、Plus は文庫本程度のサイズ感です。
遠征に持ち出すかどうかでこの差は意外と効きます。Mini なら鏡筒に直接マウントしてもバランスを崩しにくく、ザックに突っ込んでも嵩張りません。一方で Plus は固定設置の観測小屋やベランダ運用で「机の上に置きっぱなし」が前提であれば、サイズはほぼ気になりません。
出典: ZWO 公式 ASIAIR Mini 製品ページ("42% smaller and 21% lighter than ASIAIR Plus")/ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications(10.25 × 7 × 2.65 cm / 210 g)
④ ストレージ|32GB(Mini) vs 256GB(Plus 256G)の壁
3 機種の中でユーザー体験に大きく影響するのが内蔵ストレージです。Plus 256G は 256GB の eMMC を内蔵しており、ZWO 公式マニュアルの仕様欄でも「32GB or 256GB eMMC」と明記されています。Mini は 32GB eMMC(公式製品ページに「32GB(20GB free space)」と記載)、Pro は 32GB の microSD カードに加え、64GB の SanDisk USB メモリが同梱されて合計 84GB を確保する構成です。
RAW 1 枚あたり数十 MB〜100 MB を超えるフルサイズカメラ(ASI6200 系・ASI2600 系・ASI071MC など)で長時間ディザリング撮影をすると、1 晩で 30〜80GB に達することは珍しくありません。Mini の 20GB 空き容量は、たとえば ASI2600MC Pro でフィルター 4 枚 × 各 60 枚程度を撮ると埋まる規模感です。Mini で大量データを扱う場合は USB-C 経由でこまめにエクスポートする運用、Plus 256G なら 1 晩分の撮影をすべて本体に蓄積できる運用、と分けて考えるのが現実的です。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications("32GB or 256 GB eMMC")/ZWO 公式 ASIAIR Mini 製品ページ("32GB (20GB free space)")/ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ("32GB micro SD card" + "64GB SanDisk USB memory stick")。1 晩あたりの撮影データ量はカメラ機種・フィルター枚数・露出時間に強く依存するため、本記事では幅で記載しています。
⑤ Wi-Fi と有線 LAN|「Plus にあって Mini にないもの」
Mini と Plus の最も実用的な差の 1 つは「有線 LAN(Gigabit Ethernet)の有無」です。Plus と Pro は Gigabit Ethernet を備え、自宅 LAN に直結することで安定した接続と高速なデータ転送が可能ですが、Mini は Wi-Fi のみで Ethernet ポートを持ちません。
Wi-Fi はいずれも 2.4GHz / 5GHz のデュアルバンドで、ZWO 公式は「effective transmission distance 20 m」を明記しています(Plus)。Mini も販売店資料で「Dual band antenna 2.4G/5G」「20m WiFi coverage」と記載されています。Wi-Fi Bridge Mode(ホーム LAN にブリッジして「Play Anywhere」を実現する機能)は Plus 公式マニュアルで「2.4GHz 帯のみ動作」と明記されているため、5GHz でブリッジしたい場合は本体の AP モードのまま運用するか、有線 LAN を併用することになります。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications / §3.2.2 ASIAIR Settings("Wi-Fi bridge mode will only work in the 2.4Ghz frequency band")/ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ("Gigabit Ethernet")/David Astro Mini 商品ページ("Dual band antenna 2.4G/5G" / "20m WiFi coverage")
⑥ 電源と DC 出力|大型カメラを動かすなら Plus が安心
ASIAIR は冷却カメラ・赤道儀・EAF・EFW・露止めヒーターなどを 1 台でまかなう「電源ハブ」の役割も担います。ここで重要なのが入力電流の上限と DC 出力の合計電流です。
Plus は ZWO 公式マニュアル §1.6 で「Input Power: 12V@2A-10A input」「Output Power: 12V@5A Max output, 4 output ports」と記載されており、合計 5A まで出力できます。さらに §4.4 Safety Summary に「the input power voltage is within 12V, the current exceeds 2A, and that the total system power consumption does not exceed 10A」と明示されており、12V × 10A = 120W まで給電できる前提で設計されています。
Pro は ZWO 公式製品ページに「12V@2A-6A input」「four 12V@3A Max outputs」と記載されており、入力上限は 6A(72W)です。Mini については ZWO 公式が「DC 12V Input Voltage & Current 監視機能」と「4 DC 12V Outputs」のみ明記しており、入力電流の上限値や 1 ポートあたりの上限電流の数値は ZWO 公式製品ページ・ユーザー用ドキュメント上で確認できる範囲には掲載されていません。冷却カメラ + 赤道儀 + 露止めヒーター + EAF を全部背負わせる構成では、Mini ではなく Plus を選ぶほうが「電流不足で再起動」のリスクを下げられます。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications / §4.4 Safety Summary("12V@2A-10A input" / "12V@5A Max output" / "total system power consumption does not exceed 10A")/ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ("12V@2A-6A input" / "four 2V@3A Max outputs" ※公式表記の typo を含む)/ZWO 公式 ASIAIR Mini 製品ページ(DC 12V 出力 4 ポート / 入力電流値の数値は本ページ上では未掲載)
⑦ Bluetooth と AM5N / AM3 連携|Plus 256G の独自機能
Plus 256GB 版にだけ存在する機能として、Bluetooth による ZWO Harmonic Drive 赤道儀との接続があります。Plus User Manual §1.6 の脚注に「The ASIAIR Plus 256G version supports Bluetooth connection with Harmonic Drive Equatorial Mounts AM7, AM5N and AM3」と明記されています。
従来の赤道儀接続(USB ケーブル経由・Wi-Fi 経由)に比べ、Bluetooth 接続はケーブルを 1 本減らせるメリットがあります。AM5N や AM3 を使うことを前提にしているなら、32GB 版ではなく 256GB 版を選ぶ理由がもう 1 つ加わることになります(ZWO は 32GB 版と 256GB 版の Plus を区別しており、Bluetooth は後者のみの機能と明記しています)。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.6 Specifications 脚注("The ASIAIR Plus 256G version supports Bluetooth connection with Harmonic Drive Equatorial Mounts AM7, AM5N and AM3")
⑧ ASIAIR App は 3 機種共通|「乗り換えても操作は変わらない」
ハードウェアは異なっても、操作する ASIAIR App は全機種共通です。Plus User Manual §3 で、Polar Alignment / GoTo / Plate Solving / Live Stacking / Scheduled Imaging / Multi-Target Imaging / Meridian Flip / 14,000+ 天体の Celestial Object Library といった主要機能はすべて App 側に実装されており、本体機種には依存しません。
App の動作要件は ZWO Plus User Manual §Reading Instructions に「Android 8 and above, iOS 12 and above」(推奨は Android 12+ / iOS 15+)と明記されています。MacOS(Apple Silicon)と HarmonyOS(2.0 以降)にも対応しています。すでに Mini を使っているユーザーが Plus 256G に乗り換えても、覚え直す操作はありません。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §3 ASIAIR App / §Reading Instructions Minimum and Recommended Specifications(App 動作要件・主要機能リスト)
⑨ Pro が候補から外れる理由|「旧世代」と書かれた本当の意味
ASIAIR Pro は 2019 年頃に登場した第 2 世代モデルで、デザイン・電源管理・ストレージ構成いずれも Plus に置き換えられた前世代のハードウェアです。Plus User Manual §1.1 に「ASIAIR Plus is the third generation of the ASIAIR platform」と明記されている通り、ZWO 自身が Plus を Pro の後継としてポジショニングしています。
Pro が Plus に対して劣っている主な点は次の通りです。
- ストレージ構成: Plus は 256GB eMMC(または 32GB eMMC)を内蔵。Pro は 32GB micro SD + 64GB USB メモリの組み合わせで合計 84GB(公式 ZWO Pro 製品ページ)。eMMC は SD カードよりも書き込み耐久性と速度で有利。
- 入力電源の上限: Plus は 12V@10A、Pro は 12V@6A。フルサイズ冷却カメラ + 大型赤道儀 + ヒーター + EAF + EFW を同時に動かすときの余力に差。
- Bluetooth 連携: Plus 256G のみが ZWO AM7 / AM5N / AM3 とのワイヤレス接続をサポート。Pro 公式マニュアル・公式製品ページに該当機能の記載なし。
- Wi-Fi 強化: Plus は dual-band(2.4GHz / 5GHz)+ 強化アンテナで 20m を公称。Pro はシングルバンド表記。
- 電力モニタリング: Plus は §3.2.2 ASIAIR Settings で input voltage / input current / CPU temperature / total power をリアルタイム表示。Pro 製品ページに同等のリアルタイム電力モニタリングの明記なし。
Pro はすでにメインライン上での販売を Plus に譲っており、ZWO 公式 Guides and Manuals ページでも「ASIAIR Plus User Manual」「ASIAIR Plus Quick Guide」が前面に出ていて、ASIAIR PRO User Manual はレガシー扱いの位置にあります。新規購入であれば、サポート期間と将来のファームウェアアップデートを考えても Plus 256G を選ぶのが妥当です。
出典: ASIAIR Plus User Manual V1.3 §1.1 Introduction("third generation of the ASIAIR platform")/ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ/ZWO 公式 Guides and Manuals(マニュアル一覧の構成)
⑩ 用途別「あなたに合うのはどれ?」マトリクス
ここまでの仕様差を踏まえて、運用シーン別の推奨をまとめます。
| あなたのシーン | Mini | Plus 256G | Pro |
|---|---|---|---|
| 遠征中心、荷物を最小化したい | ◎ | ○ | △ |
| 自宅固定、観測小屋・ベランダ常設 | ○ | ◎ | △ |
| ASI2600 / ASI6200 などフルサイズカメラ運用 | △(電源管理に注意) | ◎ | ○ |
| AM5N / AM3 など Harmonic Drive 赤道儀 | ○(USB / Wi-Fi 接続) | ◎(Bluetooth 対応) | ○(USB 接続) |
| 有線 LAN を使いたい | ×(Wi-Fi のみ) | ◎ | ○ |
| USB 3.0 高速転送が必要 | ×(USB 2.0 のみ) | ◎ | ○ |
| CMOS ガイドカメラ + 鏡筒のシンプル構成 | ◎ | ○ | ○ |
| 予算を抑えたい・初めての ASIAIR | ◎ | ○ | — 新規購入推奨せず |
| 将来のファームウェア更新・サポート | ◎ | ◎ | △(旧世代) |
注: ◎ = 最適 / ○ = 使える / △ = 推奨外 / × = 機能なし。判定基準は本記事内で挙げた ZWO 公式マニュアル §1.6 仕様・§4.4 Safety Summary・公式製品ページの記載値に基づきます。
⑪ 関連商品|本記事で扱った ASIAIR シリーズ
天体ショップ(株式会社天文堂)が現在取り扱っている ASIAIR コントローラーは次の 2 機種です。Pro は ZWO 公式の世代交代に合わせて新規取扱を行っていません。
- ZWO ASIAIR Mini エアーミニ — 遠征・モバイル運用に最適な小型モデル。Wi-Fi のみ・USB 2.0 × 4・DC 12V × 4。
- ZWO ASIAIR Plus 256G — 第 3 世代のフラッグシップ。Gigabit Ethernet・USB 3.0 × 2・eMMC 256GB・Bluetooth 対応(AM7 / AM5N / AM3 連携)。
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最終更新: 2026-04-29/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル(ASIAIR Plus User Manual V1.3 / ASIAIR Pro User Manual / ASIAIR Quick Guide)と ZWO 公式製品ページに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目(Mini の CPU・RAM・入力電流値など)は本記事内で「公式非掲載」と明記しています。
⑬ よくあるご質問(FAQ)
Q1. ASIAIR Mini と ASIAIR Plus 256G、初心者にはどちらがおすすめですか?
遠征メインで荷物を増やしたくない、まず ASIAIR の操作感を体験してみたいという方には Mini をおすすめしています。一方で「最初から一台で長く使いたい」「将来 ASI2600 などのフルサイズ系を検討している」「ZWO の AM5N / AM3 と組み合わせる予定がある」という方には Plus 256G が向いています。両機種とも ASIAIR App は共通なので、ステップアップ時の学習コストはかかりません。
Q2. ASIAIR Pro は今でも買う価値がありますか?
新規購入であれば Plus 256G を強くおすすめします。ZWO 公式マニュアルで Plus は「third generation of the ASIAIR platform」と明記されており、Pro は前世代に位置づけられています。Pro は eMMC ではなく micro SD カード運用、入力電源上限が 6A、Bluetooth 非対応など、Plus 系統に対して見劣りする項目が複数あります。中古品を安く譲り受けるなど特殊な事情がない限りは、現行世代の Plus または Mini を選ぶ判断が無難です。
Q3. ASIAIR Mini に有線 LAN を後付けできますか?
Mini は Ethernet ポートを物理的に持たないため、有線 LAN による接続はできません。USB-Ethernet アダプタの接続に関しても、ZWO 公式は Mini 製品ページ・FAQ 上でサポートを明記していません。Wi-Fi が遠くて接続不安定な場合は、ASIAIR App の Wi-Fi Bridge Mode(Plus User Manual §3.2.2 記載、2.4GHz 帯のみ動作)を使ってホーム LAN にブリッジする方法を検討してください。
Q4. Plus 32GB 版と Plus 256GB 版、どちらを買うべき?
2 つの差は (1) ストレージ容量と (2) Bluetooth 対応有無の 2 点です。256GB 版だけが ZWO Harmonic Drive 赤道儀(AM7 / AM5N / AM3)との Bluetooth 接続をサポートします(Plus User Manual §1.6 脚注)。AM5N や AM3 を将来使う予定があるなら、256GB 版一択です。AM5N / AM3 を使わず、撮影データもこまめに PC へ吸い出す運用なら、32GB 版でも十分機能します。とはいえ価格差を踏まえると、後悔しないために 256GB 版を選ぶ方が多いです。
Q5. ASIAIR Mini で ASI6200MM Pro / ASI2600MC Pro を運用できますか?
カメラとの USB 通信は Mini の USB 2.0 ポートでも動作しますが、ASI6200 / ASI2600 / ASI533 / ASI071MC 系の冷却カメラは、ZWO 公式 Pro 製品ページにも「require an external 12V power supply」と明記されている通り、本体の DC 出力ポートでは電力が不足する場合があります。Mini で同クラスのカメラを動かすときは、カメラ用には別系統の 12V 電源を用意するのが安全です。Plus は 12V@10A 入力に対応するため、合計電流の余裕が大きく、こうしたフルサイズ運用との相性が良くなっています。
Q6. 動作中に高温になりますか?
Plus User Manual §4.4 Safety Summary に「If the ASIAIR Plus operates for an extended period under extreme high temperatures, its internal temperature may reach 70°C. Do not touch immediately after powering off.」と明記されています。アルミ筐体は放熱を兼ねているため、長時間の連続運用では筐体自体が温まるのは正常です。直射日光を避け、周囲の通気を確保することが推奨されます。
Q7. iPhone と Android、どちらでも操作できますか?
ASIAIR App は iOS 12 以降と Android 8 以降に対応しており(推奨は iOS 15+ / Android 12+ かつ RAM 6GB 以上)、MacOS(Apple Silicon)と HarmonyOS(2.0 以降)にも公式対応しています。同じアカウントで複数デバイスから接続することも可能ですが、同時操作は推奨されません。
Q8. ASIAIR は ZWO 以外のカメラでも動きますか?
ASIAIR は ZWO の ASI シリーズ(USB 2.0 / USB 3.0)に最適化されています。Plus User Manual §2.6 では DSLR / ミラーレスカメラのリストが示されており、Canon・Nikon の主要モデルは Primary Camera として接続可能です。ただし他社製の冷却 CMOS(QHY 等)はサポート対象外です。
Q9. 既に Pro を使っています。買い替えると困ることはありますか?
App は完全に共通なので、操作の覚え直しは不要です。撮影データのフォーマット(FITS / RAW)も変わりません。注意点としては、Pro で使っていた DC 電源ケーブルや 12V アダプタが、Plus の入力端子と互換であることを確認しておくと、買い替え後の移行がスムーズです。Plus は Pro より高い 10A までの入力に対応するため、既存の電源(5A 程度)では Plus の本来性能を引き出せない場合があります。
Q10. ファームウェアの更新はどうやってやりますか?
Plus User Manual §4.2 に従い、ASIAIR App のバージョンを更新してから本体に接続すると、ファームウェア更新を促すダイアログが自動表示されます。「確認」をタップして数分待つだけで完了します。アップデートが失敗した場合は、App を一度終了して本体を再起動してから再試行してください。SD / eMMC が破損して通常起動できなくなった場合の復旧手順は、ZWO 公式 PDF「How to Restore the ASIAIR OS」に記載されています。
⑭ 関連記事
- ZWO ASIAIR Plus 256G トラブルシュート完全版 — Plus 256G が起動しない・接続できないときの切り分けフロー
- ZWO EAF が動かない・認識しない・ピントが合わない|切り分けフロー完全版 — ASIAIR と組み合わせる EAF の代表的な不具合切り分け
- ZWO 惑星カメラ 選び方完全版|ASI715MC vs ASI662MC vs ASI585MC — ASIAIR と組み合わせる惑星カメラの選び方
⑮ 参考にした一次情報
- ASIAIR Plus User Manual V1.3 (PDF, ZWO 公式)
- ASIAIR Plus Quick Guide (PDF, ZWO 公式)
- ASIAIR Quick Guide (PDF, ZWO 公式)
- ASIAIR PRO User Manual (PDF, ZWO 公式)
- ZWO 公式 ASIAIR Mini 製品ページ
- ZWO 公式 ASIAIR Plus 製品ページ
- ZWO 公式 ASIAIR Pro 製品ページ
- ZWO 公式 Guides and Manuals 一覧
- How to Restore ASIAIR SD card (PDF, ZWO 公式)
- How to Restore the ASIAIR OS (PDF, ZWO 公式)
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最終更新: 2026-04-29/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル(ASIAIR Plus User Manual V1.3 / ASIAIR Pro User Manual / ASIAIR Quick Guide)と ZWO 公式製品ページに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目(Mini の CPU・RAM・入力電流値など)は本記事内で「公式非掲載」と明記しています。