ZWO ファインダーシュー ZWO-FS-II × ASIAIR PRO|取付・ガイド・干渉トラブルの切り分けガイド
ZWO ファインダーシュー ZWO-FS-II × ASIAIR PRO|取付・ガイド・干渉トラブルの切り分けガイド
ZWO の ファインダーシュー FS-II は、ASIAIR PRO / PLUS の側面または背面に取り付けて、そこにファインダースコープや ZWO 30F4 ミニガイドスコープなどの Vixen/Synta 系ドブテール脚をもつ機材を載せるための小さなアルミ製アダプタです。単純そうに見えて、実際には「ネジがどこに入るか」「サイドと背面どちらに付けるか」「ケーブルポートを塞がないか」「ガイド精度に影響しないか」といったポイントで、多くのつまづきポイントがあります。本記事では、公式マニュアル・公式商品ページで裏取りできる範囲に絞り、FS-II 起点の困りごとを 30 パターンに分けて切り分けフローとしてまとめました。
図 1|FS-II 取付フロー(3 ステップ)
① 取付前に必ず確認すること
原因 1|同梱物が揃っていない
症状:M4 ネジが足りない、片方だけしかない、袋が空いていた気がする。
原因:FS-II の同梱物は 本体 1 個 + M4×8mm ネジ 2 本のみ(+サイドの長ネジ/つまみネジは本体一体または同梱済み)。輸送中に小袋が箱の隅に落ちていることがあります。
対処:箱の梱包材とインナートレイを裏返して確認。無ければ購入店に連絡。市販の M4×8mm ステンレスキャップスクリューで代替可能ですが、頭径がツバに干渉しないものを選んでください。
出典: ZWO 公式 FS-II 商品ページ §What's in the box「Finder shoe *1 / M4x8mm screws *2」/365astronomy 商品ページ Net Weight 0.25 kg。
原因 2|どちらの面(背面/側面)に付ければいいか分からない
症状:説明書らしいものが入っていない。どちらの面に付けても良いのか迷う。
原因:ZWO 公式は「背面でも側面でも、どちらでも良い(flexible)」と明記しています。ケーブル取り回し・ドブテールの向きで自分の運用に合う面を選ぶ設計です。
対処:まず ASIAIR PRO を鏡筒に載せる方向を決め、(a)DC 電源プラグと USB プラグが刺さっている側を避ける、(b)ドブテールクランプで固定される面を避ける、この 2 つの条件で残った面のうちファインダーの光軸が鏡筒と平行になる面を選ぶ、が基本です。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1「you can either attach the finder shoe to the back or the sides of ASIAIR PRO」。
原因 3|ネジの規格・長さの理解不足
症状:他のネジ(M3・M5・インチネジ)で締めようとしても入らない/緩い。
原因:FS-II を ASIAIR PRO / ホルダーリングに取り付けるネジは M4×8mm のミリネジです。ASIAIR PRO 本体には M4 と 1/4 インチ(1/4-20 UNC)が混在するため、間違えると入りません。
対処:FS-II 用の穴は必ず M4。1/4 インチはカメラ三脚アダプタ用と考えると混同しません。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1「two M4x8mm screws in the package」/ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「M4 and 1/4 inch openings on the bottom and the side」。
② ASIAIR PRO への取付でつまづく
原因 4|M4 ネジが最後まで入らない
症状:ネジ頭が少し浮いた状態で止まってしまう。
原因:典型は 3 つ。(a)8mm より長い M4 ネジを使っている(底に突き当たり)、(b)別の穴(1/4 インチ)に無理に M4 を通そうとしている、(c)ネジ穴に異物や塗料の粉が入っている。
対処:同梱の M4×8mm を使い、穴の位置が M4 側であることを再確認。それでも入らない場合は反対側の穴で試し、片方だけ渋いようならエアダスターで清掃してください。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1/ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「M4 and 1/4 inch openings」。
原因 5|ネジを斜め入れしてネジ山が渋くなる
症状:最初は軽く回るが途中から急に固くなる/ネジがまっすぐ立っていない。
原因:M4 は口径が小さい割にピッチが 0.7mm と細かく、斜め入れの負荷でアルミ側のネジ山を痛めやすい規格です。ASIAIR PRO シャシは CNC アルミなので、鉄ネジを無理に立てるとネジ山側が負けます。
対処:ネジを一度緩め、指先で反時計回りに軽く回して「カチッ」とネジ山が合う位置を探してから、指締めで途中まで、最後だけ六角レンチで軽く増し締めしてください。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「shell is made out of aluminum and processed by CNC tech」(CNC アルミシャシ)。M4×0.7 の規格は ISO 一般規格の公知情報。
原因 6|2 本のネジで片締めしてしまう
症状:片側だけ強く締めて FS-II の反対側が浮く/ガタつく。
原因:2 点締結では対角締めが基本ですが、片側から一気に増し締めするとベースが傾いた状態で固定されてしまいます。
対処:2 本を交互に少しずつ均等に締め、最後に手応えが揃った段階で軽く増し締め。FS-II のベースが ASIAIR PRO の面にピタリと密着していれば OK。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1(2 本の M4×8mm で固定)。交互締めは機械組立の一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
原因 7|側面/背面どちら側でも FS-II の向きが逆になっている
症状:取り付けたが、ファインダーを差し込むドブテール溝が鏡筒と直角の向きになってしまう。
原因:FS-II のドブテール溝は長手方向が決まっているため、取付面と 180° 回転させると鏡筒と平行にも直角にもできます。設置面ごとに向きを最初にイメージしないと、装着後に「あれ?」となります。
対処:ファインダー鏡が鏡筒と光軸平行になるよう、FS-II の長手方向が鏡筒方向を向く姿勢で仮当てしてからネジ止めしてください。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1〜2(背面/側面いずれの面にも取り付け可能)。
③ ケーブル・ポートとの干渉
原因 8|側面取付で 12V DC 電源ポートが塞がる
症状:FS-II を側面に付けたら 12V DC ポート(PWR OUT 4 口のうち一部)にプラグが差せない。
原因:ASIAIR PRO は側面の一面に電源出力を集中させています(12V DC ×4)。その面に FS-II を付けると、FS-II のツバ・サイドネジ・ファインダー本体が DC プラグに干渉します。
対処:電源プラグを差す面と反対の側面、または背面に FS-II を付け替えてください。運用中は電源プラグの再配線が必要になることがあります。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事(4 系統の 12V DC 出力/DSLR シャッターポート/USB2.0×2・USB3.0×2・Ethernet の存在)。
原因 9|USB プラグとファインダー本体が接触する
症状:ガイドカメラや冷却カメラの USB プラグの根元と、ファインダー本体の後端が当たる。
原因:ASIAIR PRO は幅 67mm と非常にコンパクトで、USB プラグと FS-II が同じ面/その隣に集まると物理的スペースが取れません。
対処:L 型 USB プラグ/短めのフレキシブル USB ケーブルへ交換するか、FS-II を USB ポートから見て反対の面に移設してください。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「height x width x depth of 9.20cm x 6.76cm x 3.5cm」/USB2.0×2・USB3.0×2 の記述。
原因 10|Ethernet ケーブルが直角に曲がって断線しかける
症状:有線 LAN で使いたいが、Ethernet コネクタと FS-II のシューが同じ面にあり、LAN ケーブルが窮屈に折れ曲がる。
原因:ASIAIR PRO は Ethernet ポートも面のどこかに集中しています。FS-II を隣接面に付けると RJ-45 コネクタの取り回しが厳しくなります。
対処:L 型 RJ-45 変換アダプタを噛ませるか、FS-II を Ethernet ポートと別の面に付け替えてください。フィールドで無線運用のみの場合はこの制約は無視して構いません。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「1 Ethernet port」。
④ ZWO ホルダーリングへの取付
原因 11|ホルダーリングの直径選定を間違えた
症状:FS-II ではなく、その下の ZWO ホルダーリングがカメラに合わない/緩い。
原因:ZWO のカメラ用ホルダーリングは 78mm / 86mm / 90mm と複数径があり、対応カメラが異なります。
対処:下表を参照してカメラの外径に合ったリングを選んでください。
| リング径 | 主な対応カメラ |
|---|---|
| 78mm | ASI1600 Pro / ASI183 Pro / ASI294 Pro / ASI533 Pro / ASI178 Cooled / ASI174 Cooled / ASI385MC Cooled |
| 86mm | ASI094 Pro / ASI128 Pro / ASI071 Pro |
| 90mm | ASI2600MM/MC Pro / ASI6200MM/MC Pro |
出典: ZWO 公式 78mm/86mm Holder Ring 商品ページ(対応カメラ一覧)。
原因 12|FS-II をホルダーリングに付けたら回転が制限された
症状:カメラの構図回転をするとき、FS-II が鏡筒側と干渉して回せない。
原因:ホルダーリングの M6 サイドスクリューを緩めればリング内でカメラは回りますが、FS-II が飛び出しているため物理的にストロークが減ります。
対処:FS-II の突き出し方向を鏡筒側ではなく反対側に向けて取り付ける、または撮影の回転範囲だけリングを緩めて回すと決めておく運用が現実的です。
出典: ZWO 公式 Holder Ring 商品ページ「To easily mount the camera onto the tripod, simply loosen the M6 screw on the side of the holder ring.」(回転はサイド M6 で解放)。
⑤ ファインダー・ガイドスコープを FS-II に載せる
原因 13|Vixen/Synta 系ではないファインダー脚を差し込んでいる
症状:ドブテール溝に脚が入らない、または入っても大幅にガタつく。
原因:FS-II のドブテール溝は Vixen/Synta 系ファインダーシュー規格互換で、他社(Losmandy 系の大型ドブテール、Meade/Celestron 一部の独自形状、レール形状のみの脚)とは互換性がありません。
対処:ZWO 30F4 ミニガイドスコープや、汎用 Vixen/Synta ファインダー脚を持つ機材のみ FS-II に載せてください。それ以外は変換アダプタが必要です。ZWO 公式も「サードパーティ製の脚を載せる場合は事前に採寸・機械図の照合を推奨」と明記しています。
出典: High Point Scientific 商品ページ FAQ「optimized for ZWO equipment; however, it is compatible with a wide range of accessories… We highly recommend measuring your equipment and reviewing the mechanical diagram to confirm compatibility with any third party equipment.」
原因 14|差し込んだファインダー脚がガタつく
症状:脚は入るが、締めても左右方向にわずかに動く/回る。
原因:Vixen/Synta 系の中でも各社で公差が微妙に違い、緩めの脚は溝の中で遊びが出ます。また溝の面と脚の面の平行度が悪いと、線接触になって滑ります。
対処:まずサイドの長ネジ(テクスチャ付きサムスクリュー)を対角方向で均等に締めて偏心を防いでください。それでも滑る場合は薄い金属テープや薄手のシムを脚の背面に貼って公差を詰める方法があります。
出典: High Point Scientific 商品ページ「two textured thumb screws that make it easy to firmly secure equipment.」/シム調整は一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
原因 15|サイドの長ネジを片側だけ強く締めて光軸がズレる
症状:締めるたびにファインダーの照準位置が動く。
原因:片側だけ強くすると脚が対辺に押しつけられ、緩めるたびに反対側に戻ります。ファインダーの視差キャリブレーションが安定しません。
対処:2 本のサムスクリューを均等に、指先だけの力で交互に締めてください。工具は不要で、指締めで十分な保持力が出るのが正しい状態です。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 2「adjust the tightness via the long screws on the side」。均等締めは一般的機械組立の知見(本記事は経験則として記載)。
原因 16|ZWO 30F4 を載せてバランスが偏る
症状:ZWO 30F4(120mm/f4、ガイダーリング+ドブテール込み 250g)を載せると片持ちで撓む感じがする。
原因:FS-II は小型・軽量な Vixen/Synta ファインダー用のシューで、公式にも定格荷重の数値は明記されていません。ガイダー付き 30F4(実測 250g)は許容範囲内ですが、片持ち構造のため撓みは 0 ではありません。
対処:ガイド鏡は「本体の重心 = ドブテール脚の中心」に近づける位置で差し込み、FS-II 側の長ネジを均等に締めてください。より大型のガイド鏡は鏡筒のリング上にリングマウントで固定する方が精度が出ます。
出典: ZWO 公式 30F4 商品ページ「Weight (include guider ring and dovetail): 250 g」/「Focal Length: 120 mm」。FS-II の耐荷重は公式表記なし(本記事は「限界値の断言はできない」と明示)。
原因 17|重量級のガイド鏡・カメラを載せて FS-II が反る
症状:500g 以上のガイド鏡やカメラを FS-II 一点で支持したら、露出中に星像が伸びる。
原因:FS-II 自体は薄いアルミプレート構造で、想定荷重は「小型ファインダー・ミニガイド鏡」レベル。重量物の片持ち支持は差動撓みの原因になります。
対処:重量物はリングマウント(Losmandy 系ドブテール/リング締結)に移し、FS-II には軽量なファインダー等のみを載せる運用に切り替えてください。
出典: ZWO 公式 FS-II §Description「Finder shoe from ZWO for your finder scope and guide scope」(対象は「ファインダー鏡・ガイド鏡」の記述)。定量的な耐荷重規定は無し。
⑥ ガイド精度・機械共振
原因 18|ガイド RMS が急に悪化した
症状:以前より PHD2 の Total RMS が明らかに悪化。特にディザ後の落ち着きが遅い。
原因:FS-II 上でガイドスコープが「動いていない」と感じても、(a)ドブテール溝の中で微小に滑っている、(b)サイド長ネジが緩んでいる、(c)ASIAIR PRO 本体のドブテールクランプが緩んでいる、のいずれかで機械的な自由度が生まれています。
対処:ガイド開始前に必ず「(a)FS-II を ASIAIR PRO に留める M4 ネジ 2 本」「(b)FS-II サイド長ネジ 2 本」「(c)鏡筒側ドブテールクランプ」の 3 段を順に指締めで確認する運用を作ってください。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1〜3(3 段のネジ結合が構造上存在)。
原因 19|ディザ後にガイドが落ち着かない
症状:ディザ直後の数十秒、ガイドグラフが跳ねる時間が長い。
原因:片持ち構造の FS-II 上に載ったガイド鏡は、赤経・赤緯の急な入力に対して振動しやすい要素の一つです。ネジが 1 段でも緩んでいると振動が抜けきりません。
対処:ディザ量(アークセック単位)を控えめにする、ディザ後の settling 時間を長めに設定する、および前項のネジ 3 段締結確認を必ず実施してください。
出典: ZWO 公式 FS-II 構造(片持ちシュー構造)。ディザ後 settling の考え方は PHD2 一般ドキュメントに準拠。
原因 20|風が強い日にガイドグラフが暴れる
症状:晴天でも風が出るとガイドが大きくブレる。
原因:FS-II 上のファインダー・ガイド鏡は突起物として風を受けやすく、風下側にたわむと星が横に流れます。
対処:風向きに対してファインダーを鏡筒後方寄りに寄せる、風が強い夜は撮影を短時間にする、または風対策として鏡筒側リング上にガイド鏡を移す、が有効です。
出典: ZWO 公式 FS-II §Description(小型シュー構造)。風対策の考え方は野外運用の一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
原因 21|長時間露光で星像が線状に伸びる(差動撓み)
症状:ガイドは合っているのに、10 分露光すると星が短い線になる。
原因:ガイド鏡が主鏡筒に対して独立支持だと、温度・重力方向で相対的にズレる差動撓みが起きます。FS-II 上のミニガイド鏡は主鏡筒と機械的につながっていないため、この現象の候補です。
対処:露光時間を短くしてスタックする、あるいは OAG(オフアクシスガイダー)に切り替えるのが根本対策です。FS-II はどうしても差動撓みが 0 にならない構造であることを踏まえて運用してください。
出典: ZWO 公式 FS-II §Description(別体支持のシュー構造)。差動撓みの概念は一般的な天体写真の知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
⑦ ASIAIR PRO 側のドブテール溝/鏡筒側クランプ
原因 22|ASIAIR PRO のドブテール溝で鏡筒に固定できていない
症状:FS-II ではなく、ASIAIR PRO 本体を鏡筒に留めるドブテール側でグラつく。
原因:ASIAIR PRO はドブテール溝(Groove)を本体に持ちますが、鏡筒側の Vixen/Losmandy クランプの規格が合っていないと、面接触でなく点接触になり緩みます。
対処:ZWO 純正の Dovetail Groove for ASIAIR や、鏡筒側 Vixen クランプの互換性を確認してください。ASIAIR PRO 本体は 92×67×35mm、243g と小型軽量ですが、ここの締結が緩いと FS-II 上のガイド精度にも直結します。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事「size of the whole machine is 92 x 67 x 35 mm」「weighs 243g」/同記事「M4 and 1/4 inch openings on the bottom and the side」。
原因 23|鏡筒側 Vixen クランプの締めネジがドブテール中央に当たらない
症状:鏡筒側クランプを締めても、ASIAIR PRO のドブテールが片側だけ持ち上がる。
原因:Vixen 幅の Losmandy クランプに ASIAIR PRO 側の小さめのドブテールを差すと、締めネジの位置がずれて片当たりします。
対処:鏡筒側クランプが「Vixen 幅専用」であることを確認し、ネジが本体ドブテールの中央線に当たる位置で締めてください。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事(本体側ドブテールの存在)。クランプ規格の考え方は一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
⑧ 経年劣化・再組立て時の締結
原因 24|使用中にネジが緩む
症状:撮影の途中でファインダーが下を向く/ドブテール溝が緩んでいることに気付く。
原因:屋外での温度変化・機材の熱膨張・持ち運びの振動でネジは徐々に緩みます。特に指締めのみの M4 は緩みやすい部類です。
対処:持ち出し前に「FS-II 側 M4×2」「サイド長ネジ×2」「ASIAIR PRO 本体側ドブテール」の 3 か所を触って確認する運用をルーチン化してください。緩みが早いと感じたら六角レンチで軽く増し締めしますが、締め過ぎはネジ山を痛めるため厳禁です。
出典: ZWO 公式 FS-II §Connecting Methods 1〜2(3 段のネジ結合)。緩み点検の頻度は一般的な野外運用の知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
原因 25|ネジ山が渋くなった/潰れた気がする
症状:以前は指で回ったのに、今は工具を使わないと入らない。
原因:アルミ側のネジ穴に鉄ネジで斜め入れを繰り返すと、少しずつネジ山の稜線が丸くなり保持力が落ちます。
対処:ステンレスの新品 M4×8mm キャップスクリューへ交換し、必ず垂直に立ててから回してください。潰れが深い場合は M4 のヘリサート挿入か、購入店に相談を。
出典: ZWO 公式 ASIAIR PRO 記事(CNC アルミシャシ)。ヘリサートは一般的なアルミネジ穴の補修方法(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
原因 26|赤アルマイトに擦り傷が付く
症状:FS-II の赤い塗装(アノダイズ仕上げ)にサイドネジやドブテール脚の跡が残る。
原因:FS-II はアルミの CNC 加工品に赤アノダイズを施した仕上げで、金属同士の摩擦で表面色に傷や跡が残るのは構造上避けられません。
対処:機能上の問題はありません。見た目の傷を最小にしたい場合は、ドブテール脚の裏面に薄い樹脂テープを貼るなどで面接触にすると軽減できます。
出典: High Point Scientific 商品ページ「CNC machined finder shoe is cut from lightweight and durable aluminum. The sleek red finish」。
原因 27|屋外湿気・結露でネジが固着した
症状:朝、撤収時に FS-II の M4 ネジが固くて外れない。
原因:夜間結露と朝の乾燥で、鉄ネジ/アルミ雌ネジの境界に微小な腐食が発生することがあります。
対処:撤収前に本体表面を軽く拭いて水分を落とすのが基本。それでも固い場合は室内でしばらく置いて温度が上がってから外し、次回組立時にステンレスネジへ交換してください。
出典: 屋外機材の結露対策は天体写真運用の一般的知見(ZWO 公式 FS-II ページには明記なし。本記事は経験則として記載)。
⑨ 誤認・機種違いによる詰まり
原因 28|旧 ZWO Finder Shoe(黒)と FS-II(赤)を混同
症状:過去に買った黒い ZWO ファインダーシューと比較して寸法が違う気がする。
原因:ZWO のファインダーシューには「旧 ZW-FS(黒)」と「FS-II(赤)」の 2 世代があり、想定用途と穴位置が若干異なります。
対処:本記事は「FS-II(赤)」を対象としています。ASIAIR PRO/PLUS + ZWO ホルダーリング前提の M4×8mm ネジ結合という同梱内容が一致すれば FS-II で間違いありません。
出典: High Point Scientific 商品ページ(FS-II の赤アノダイズ・M4×8 同梱表記)。
原因 29|サードパーティ製 Vixen 幅の「大型」ドブテール脚を無理やり差した
症状:Vixen 系のはずなのに FS-II のドブテール溝に入らない/脚だけ入っても FS-II 側が変形しそう。
原因:「Vixen」と呼ばれるドブテール規格には、(小型の)ファインダーシュー用と、(大型の)鏡筒マウント用の 2 系統があり、名称は同じでも幅が別物です。FS-II の溝はファインダーシュー系(小型)です。
対処:鏡筒マウント用サイズのドブテールを無理に押し込まないでください。FS-II のドブテール溝は「Vixen/Synta ファインダーシュー規格」互換のみを想定しています。
出典: High Point Scientific 商品ページ「accessories with vixen style dovetails」/同 FAQ「recommend measuring your equipment」。具体的な mm 幅は公式表記なし(本記事は数値の断言をしていません)。
原因 30|ASIAIR Mini でも同じ FS-II が使えると思っていた
症状:ASIAIR Mini に FS-II を付けようとしたが穴位置が違う。
原因:FS-II の公式説明は「ASIAIR PRO/PLUS」と「ZWO ホルダーリング」を明示的な対応先として挙げています。ASIAIR Mini はシャーシ形状・ネジ穴配置が異なる別モデルです。
対処:ASIAIR Mini 用には別の取り付けブラケット群(純正/サードパーティ)を検討してください。FS-II はあくまで ASIAIR PRO/PLUS または ZWO ホルダーリング向けです。
出典: ZWO 公式 FS-II §Description「that can match your ASIAIR PRO/PLUS and ZWO holder ring」(ASIAIR PRO と PLUS のみ明示)。
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⑩ 商品ページ・公式 LINE のご案内
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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式 FS-II 商品ページ・ZWO 公式 ASIAIR PRO 解説記事・ZWO 公式 30F4 商品ページ・ZWO 公式 Holder Ring 商品ページ・ZWO ユーザーフォーラム公開スレッド等の一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は「本記事は経験則として記載」と明示しています。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. FS-II の同梱ネジは何本ですか?
本体 1 個と M4×8mm ネジ 2 本が同梱されています(ZWO 公式)。サイドの長ネジ(つまみネジ)は FS-II 本体に組み込まれた保持ネジで、こちらでファインダー脚を締めます。
Q2. ASIAIR PRO の背面と側面、どちらに付けるのが正解ですか?
ZWO 公式は「どちらでも良い(flexible)」と明記しています。DC 電源ポート・USB ポート・Ethernet ポートを塞がず、鏡筒側のドブテールクランプにも干渉しない面を選んでください。
Q3. ASIAIR Mini にも FS-II は使えますか?
ZWO 公式は「ASIAIR PRO/PLUS」と「ZWO ホルダーリング」を対応先として挙げており、ASIAIR Mini は明示的な対応先として記載されていません。ASIAIR Mini はシャーシ形状が異なる別モデルのため、別途 Mini 用のブラケットをご検討ください。
Q4. Vixen クランプ規格なら何でも載りますか?
いいえ。Vixen という名前で流通しているドブテールには「ファインダーシュー用(小型)」と「鏡筒マウント用(大型)」の 2 系統があり、幅が異なります。FS-II の溝はファインダーシュー用(小型)で、鏡筒マウント用サイズは入りません。サードパーティ製の脚を載せる場合は、事前に実機で採寸することを ZWO 公式も推奨しています。
Q5. ガイド精度が悪化しました。FS-II が原因でしょうか?
可能性は 3 段のネジ結合のうちどれか、が典型です。「(a)FS-II を ASIAIR PRO に留める M4 ネジ 2 本」「(b)FS-II サイド長ネジ 2 本」「(c)ASIAIR PRO 本体側のドブテール/鏡筒クランプ」を順に確認してください。ネジが 1 段でも緩んでいると振動を吸収できず、ガイド RMS が悪化します。
Q6. 何 g までのガイド鏡なら載せて大丈夫ですか?
ZWO 公式は具体的な耐荷重を明記していません。純正想定は「小型ファインダー・ミニガイド鏡」レベルです。参考として ZWO 30F4(120mm/f4、ガイダー+ドブテール込み 250g)が公式想定内。それより明らかに重いガイド鏡(目安として 500g 以上)は鏡筒側リングマウントでの支持を推奨します。
Q7. サードパーティ製の脚が入りません。買い直せば直りますか?
まず ZWO 公式が「サードパーティ機材の場合は事前に採寸・機械図の照合を推奨」と明記していることをご確認ください。溝に入っても大幅にガタつく場合は Vixen 系ではあるが公差の緩い個体、または鏡筒マウント用の大型ドブテール(別規格)である可能性があります。
Q8. 屋外運用でネジが緩まないか心配です。
持ち出し前に「FS-II 側 M4×2」「サイド長ネジ×2」「ASIAIR PRO 本体側ドブテール」の 3 か所を触って確認するのが基本です。締めすぎるとアルミネジ山を痛めるため、指締め+工具で軽く増し締めする程度に留めてください。
参考にした一次情報
- ZWO 公式 — FS-II Product Page(Description / Connecting Methods 1〜3 / What's in the box)
- ZWO 公式 — ASIAIR PRO: What Changes And Improvement Have Been Made?(本体寸法・重量・素材・M4/1/4 インチ穴・電源出力・USB/Ethernet)
- High Point Scientific — ZWO Finder Shoe for Mini Guide Scope and ASIAIR(CNC アルミ/赤アノダイズ・M4×8 同梱・テクスチャ付きサムスクリュー・FAQ)
- 365astronomy — ZWO Finderscope Shoe(Net Weight 0.25 kg・同梱物)
- ZWO 公式 — 30F4 Mini Guide Scope(30mm/120mm/250g・1/4 インチ穴付きドブテール)
- ZWO 公式 — 78mm/86mm Holder Ring(対応カメラ一覧・M6 サイドスクリュー)
- ZWO User Forum — ASIAIR Plus Mounting Shoe (thread 16657)
- ZWO User Forum — ASIAIR Plus mounting holes? (thread 16105)
本記事で扱った商品ページはこちら
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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式 FS-II 商品ページ・ZWO 公式 ASIAIR PRO 解説記事・ZWO 公式 30F4 商品ページ・ZWO 公式 Holder Ring 商品ページ・ZWO ユーザーフォーラム公開スレッド等の一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は「本記事は経験則として記載」と明示しています。