ZWO Sony NEX アダプタ完全ガイド|対応 ASI カメラ・レンズ選び・接続手順・使いこなし

ZWO Sony NEX アダプタ完全ガイド|対応 ASI カメラ・レンズ選び・接続手順・使いこなし

ZWO の Sony Adapter for ASI Cameras(通称「ZWO Sony NEX」)は、Sony E マウント(NEX マウント)のマニュアルレンズを ASI カメラのフロント M42 ネジに直接取り付けるためのシンプルなマウント変換リングです。カメラ側は M42×0.75、レンズ側は Sony E マウント。オートフォーカスや電子絞り制御は一切通らず、絞りリング付きのマニュアル動作レンズ限定で機能します。本記事では ZWO 公式製品ページ・公式マニュアル・Sony E マウント規格資料をベースに、対応 ASI カメラの正しい範囲・使えないカメラ・接続手順・ピント合わせと絞り操作・用途別の使いどころ・レンズ選びの原則を、初めての方向けに一次情報だけで整理します。

① ZWO Sony NEX アダプタとは(概要・目的)

役割|Sony E マウントレンズを ASI カメラに装着するためのリング

できること:Sony NEX(Sony E マウント)規格のカメラレンズを、ZWO ASI 天体カメラの M42×0.75 フロントネジに機械的に接続する。
できないこと:オートフォーカス駆動、電子絞り制御、レンズ内手ブレ補正のオン/オフ切替、EXIF 記録(そもそも通信ピンが無い)。
用途:望遠鏡を使わず、カメラレンズ主体で広角〜中望遠の星野撮影を組みたい場合の入口機材。既に Sony E マウントの資産(マニュアルレンズや M42 → E-mount で運用中の旧レンズ群)を持っている人にとって、追加投資が最小で済むのが最大のメリット。

出典: ZWO 公式 Sony Adapter for ASI Cameras 製品ページ「Can be used to connect Sony NEX lens and ASI cameras with small sensor formats」「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」

物理仕様|M42×0.75(カメラ側)/ Sony E マウント(レンズ側)

症状:手元に届いたリングがどちらの面をどこに向けるべきか分からない。
原因:両側とも似た黒色メタルの環状構造で、初見だと向きが直感的に判別しづらい。
対処:細い雄ネジ側(M42×0.75)を ASI カメラのフロント M42 雌ネジに手回しで締める。反対側は Sony E マウントのバヨネット構造で、E マウントレンズを軽く回し込んでカチッとロックする側になる。

出典: Astroshop 掲載 ZWO DSLR-Lens Adapter Sony for ASI Cameras スペック表「Camera-End Connector: M42 / Lens-End Connector: Sony」

販売価格の目安(一次情報の現地価格)

ZWO 公式ストア(US 版)で US$32.00(元 $35.00)、First Light Optics(英国)で £35.10(元 £39.00)と、いずれも数千円クラス。天体撮影用アクセサリの中では最も導入コストの低いカテゴリに入る。

出典: ZWO 公式製品ページ「$32.00 (reduced from $35.00)」/First Light Optics 販売ページ「Now £35.10 (Save £3.90); Was £39.00」

② 対応する ZWO ASI カメラ一覧

ZWO 公式製品ページと販売各社の記述は、対応機種のリストが一致しています。「小型センサー系のクールドおよび非冷却の ASI カメラのみ」と明確に線引きされています。

対応カメラの正式リスト(公式一次情報)

機種 センサー センサー対角 出典
ASI1600(MM / MC) 4/3" CMOS SRC-1, SRC-6, SRC-7
ASI294(MM / MC・Pro 含む) SONY IMX294 / IMX492 23.2mm(4/3) SRC-1, SRC-4
ASI183(MM / MC・Pro 含む) SONY IMX183CLK / IMX183CQJ 15.9mm(1") SRC-1, SRC-5, SRC-9
ASI174(MM / MC) 1/1.2" CMOS SRC-1
ASI432(MM) 1.1" CMOS SRC-1
ASI585(MC / MM) SONY IMX585 系 SRC-1

出典: ZWO 公式 Sony Adapter 製品ページ「Can be used to connect Sony NEX lens and ASI cameras with small sensor formats, such as ASI1600, ASI294, ASI183, ASI174, ASI432 and ASI585」

ASI294 の主要スペック(4/3 系の代表)

本アダプタと組み合わせる代表的な機種。センサー対角 23.2mm・有効画素 11.7 M・4144×2822 の解像度・ピクセルサイズ 4.63μm・イメージエリア 19.2×13.0mm・14bit ADC・DDR3 バッファ 256MB・USB3.0/2.0。カメラのアダプタ規格は M42×0.75。バックフォーカス距離(センサーから前面までの光学距離)は 11mm T2 Extender を外した状態で 6.5mm。

出典: ZWO ASI294 Manual Revision 2.2 §3 Camera technical specifications, §5.5 Back focus distance(Diagonal 23.2mm / Resolution 11.7 Mega Pixels 4144*2822 / Pixel Size 4.63μm / Image area 19.2mm*13mm / Adapters M42*0.75 / Back Focus Distance 6.5mm「When 11mm T2 Extender is removed from camera, back focus length is reduced to 6.5mm」)

ASI183 の主要スペック(1" 系の代表)

1 インチ CMOS(IMX183CLK-J モノクロ / IMX183CQJ-J カラー)、センサー対角 15.9mm、解像度 20.18 M(5496×3672)、ピクセルサイズ 2.4μm、イメージエリア 13.2×8.8mm。アダプタ規格は非冷却版が 2" / 1.25" / M42×0.75、冷却版が 2" / M42×0.75。バックフォーカス距離は 11mm T2 Extender を外して 6.5mm。

出典: ZWO ASI183MM/MC 製品ページおよび ZWO ASI183 Manual §4 Camera technical specifications, §6.4 Back focus distance「Diagonal 15.9mm / Resolution 20.18Mega Pixels 5496*3672 / Pixel Size 2.4μm / Image area 13.2mm*8.8mm」「When the attached 11mm T2 Extender is removed the optical distance from the sensor to the camera body is reduced to 6.5mm」

③ 使えないカメラ・使えないレンズ(重要な非対応リスト)

非対応 1|フルサイズクールドカメラ(ASI6200 / ASI2400 / ASI2600 Pro)

症状:物理的にはネジ径が合わないか、たとえ M42 変換で装着しても Sony E マウント APS-C レンズがフルサイズセンサーをカバーせず四隅がケラれる。
原因:ZWO の公式カメラカテゴリでは、ASI6200MC/MM Pro および ASI2400MC Pro は「Full Frame Cooled Cameras(Part 05)」に、ASI2600MC/MM Pro および ASI071MC Pro は「APS-C Frame Cooled Cameras(Part 02)」に分類されており、Sony NEX アダプタが公式対応を明示する「4/3", 1", and Small-Format Cooled Cameras(Part 01)」とはそもそも別カテゴリ。
対処:フルサイズ機で Sony フルサイズ FE レンズを使いたい場合は、本アダプタは選択肢に入らない。望遠鏡+補正光学系の 55mm バックフォーカス標準に沿って構成を組む。

出典: ZWO ASI Camera 55mm Back Focus Solution (2025 Updated Version) PDF, Part 01 / Part 02 / Part 05(Part 01「Currently, ZWO offers several cooled cameras in the 4/3", 1", and small-format categories, including: ASI585MC Pro, ASI533MC/MM Pro, ASI294MC/MM Pro, and ASI183MC/MM Pro」/Part 05「ZWO currently offers the following full-frame cooled cameras: ASI6200MC/MM Pro and ASI2400MC Pro」)

非対応 2|ワイヤレススマート機の ASI585MM/MC Air

症状:センサー自体は IMX585 で通常版と共通なのに、Air 版だけ本アダプタが装着できない/推奨されない。
原因:ASI585MC/MM Air は ZWO 公式分類上「Wireless Smart Cameras(Part 04)」に属し、通常の ASI585 とはフロント側の構成(内蔵ガイダーと本体機構)が異なる。First Light Optics も販売ページで「Not suitable for use with the ZWO ASI 585MM/MC AIR cameras.」と明記。
対処:ASI585 Air で Sony E マウントレンズを使いたい構成は、公式ドキュメントに具体的組み合わせが示されていない。無理をせず本アダプタは避け、望遠鏡側 55mm バックフォーカス標準に沿った構成に切り替える。

出典: First Light Optics ZWO Sony Adapter for ASI Cameras 販売ページ「Not suitable for use with the ZWO ASI 585MM/MC AIR cameras.」/ZWO 55mm Back Focus Solution PDF, Part 04 Wireless Smart Cameras「Currently available wireless smart cameras include ASI585MC Air and ASI2600MM/MC Air」

非対応 3|オートフォーカス/電子絞りレンズ

症状:Sony 純正 FE レンズを装着したが、絞りが最小絞りに固定される/フォーカスリングを回してもピントが動かない/絞りが変更できない。
原因:本アダプタには電子接点(通信ピン)が一切無く、レンズに電気信号が届かないため、モーター駆動のフォーカスも電子制御絞りも動作しない。ZWO は「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」と製品ページに明記。
対処:絞りリングを物理的に備えたマニュアルレンズ(例: 旧 M42 マウントレンズを M42→Sony E 変換で使うようなものや、絞りリング付きの Sony/その他マニュアルレンズ)を用意する。E マウント純正の絞りリング付きレンズも一部存在するが、電子式に絞りを制御するタイプは本アダプタ経由では絞りが動かないことに留意する。

出典: ZWO 公式製品ページ「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」/Astroshop 製品ページ「Only manual lenses are supported; they are not compatible with autofocus lenses」

④ Sony E マウント / NEX マウント規格の基本

「E マウント」と「NEX マウント」は同じもの

Sony E マウントは 2010 年 5 月、APS-C センサー搭載のミラーレス機 NEX-3 / NEX-5 と同時に発表された規格。「NEX マウント」という呼び名は、この初期の NEX シリーズ由来の通称で、規格名としては「E マウント」が正しい。「E-mount」と「NEX mount」は同一の物理仕様を指すため、レンズ・アダプタ選定時に呼び分けを気にする必要はない。

出典: Wikipedia Sony E-mount「The E-mount is a lens mount designed by Sony for their NEX ('New E-mount eXperience') and ILCE series of camcorders and mirrorless cameras」

フランジバック(FFD)= 18mm

Sony E マウントはミラーレス機用の設計で、レンズ取付面(フランジ)から撮像面までの距離(フランジバック、FFD)が 18mm と極端に短い。参考までに Sony 従来 A マウントは 44.5mm、Nikon F は 46.5mm、Canon EF は 44.0mm。この 18mm という短さは、他マウントのオールドレンズを厚みのあるアダプタで挟んで無限遠を出しやすくする一方、望遠鏡アダプタや天体カメラアダプタも「レンズ側 = E マウント/カメラ側 = M42」の厚み設計を成立させやすい根拠になっている。

出典: Wikipedia Sony E-mount 冒頭 Specifications「flange focal distance: 18 mm」「Shortening the flange focal distance to 18 mm compared with earlier offerings from Sony which used 44.5 mm」

内径 46.1mm と対応イメージサークル

マウント内径は 46.1mm。Sony 純正には「E」(APS-C 用・イメージサークル APS-C 対応)と「FE」(フルサイズ用・イメージサークル 36×24mm 対応)の 2 系統があり、両方とも同じ E マウント口径に収まる。FE レンズは APS-C ボディで使えば中央の一番おいしい部分だけを切り出す形になるため、周辺の減光や像流れが目立ちにくい傾向がある。本アダプタで使う ASI カメラは APS-C より小さい(4/3 以下)ため、FE / E どちらのイメージサークルでも余裕を持ってカバーできる。

出典: Wikipedia Sony E-mount「inner diameter of 46.1 mm」

⑤ 物理接続の手順(M42×0.75 とバックフォーカス)

手順 A|アダプタをカメラのフロント M42 に締める

症状:ネジ切りの向きが分からずレンズを先に付けたくなる。
原因:ASI カメラのフロント側は M42×0.75 の雌ネジ規格。アダプタ側は同じ M42×0.75 の雄ネジで、直接手回しで組む構造。
対処:先にアダプタをカメラ本体側にしっかり手締めする(工具は不要、力を掛けすぎない)。11mm T2 Extender が装着済みの状態でも、そのまま前に足す形で装着可能。Extender を外すか付けるかで、レンズ側の無限遠位置が変わるため、後述のピント確認を必ず実施する。

出典: ZWO ASI294 Manual §3 Adapters「M42*0.75」/§5.5 Back focus distance「When 11mm T2 Extender is removed from camera, back focus length is reduced to 6.5mm」

手順 B|Sony E マウントレンズをバヨネットで嵌める

症状:レンズが浅くしか入らない/ロックが掛からない。
原因:Sony E マウントはバヨネット(爪嵌合+回転ロック)で、ネジではないため回し切ろうとして無理に押し込むと爪が変形するリスクがある。
対処:レンズ側のマウント指標(白い点)とアダプタ側の指標を合わせ、時計回りにカチッと音がするまで軽く回す。取り外し時はアダプタ側のロックリリース機構が無い簡易品もあり、その場合はレンズを軽く逆回転させると外れる。

出典: Wikipedia Sony E-mount(バヨネット式・E マウントの物理仕様概要)/Astroshop 掲載スペック「Lens-End Connector: Sony」

手順 C|無限遠が出るかを事前確認する

症状:いざ夜空にカメラを向けても、星がどうしてもピントに収まらない。
原因:Sony E マウントレンズは本来 FFD 18mm を前提に設計されている。ZWO 公式ページは「E-mount lenses with 18.5mm back focus length are supported (Only manual lenses)」と、対応レンズの適正バックフォーカスを 18.5mm と表現している。この 0.5mm の差はマニュアルレンズの温度補正で吸収できる範囲だが、装着状態や 11mm T2 Extender の有無で若干のずれが出るため、必ず日中に遠景(数百 m 先の建物・電柱)で無限遠のピント位置を出しておくと本番の失敗を防げる。
対処:日中に太陽以外の遠景で ASI カメラ側を USB でノート PC につなぎ、ライブビュー画面で最遠景の輪郭が最もシャープに立つ位置までフォーカスリングを動かしてマーキングしておく。星は日中の遠景よりわずかに手前寄りにピークが来る場合が多いため、本番では夜空の 1 等星をライブで確認して微調整する。

出典: ZWO 公式製品ページ「E-mount lenses with 18.5mm back focus length are supported (Only manual lenses)」/Sony E マウントの FFD 18mm は Wikipedia Sony E-mount「flange focal distance: 18 mm」

⑥ ピント合わせと絞りリング操作

ピント|ライブビュー拡大で星がいちばん小さくなる位置を探す

症状:フォーカスリングを最遠にしても星が丸くならない/逆に少し戻さないとシャープにならない。
原因:Sony E マウントのマニュアルレンズは温度変化で若干伸縮するため、無限遠マーク(∞)位置に合わせても実際のジャストピント位置は微妙にズレる。特にオールドレンズ(M42 → Sony E 経由)はこの傾向が強い。
対処:ASI カメラを PC ライブビュー(ASIStudio 等の ZWO 純正キャプチャソフト、または撮影用サードパーティ SW)に繋ぎ、明るい 1 等星を画面中央に導入。拡大表示にしてフォーカスリングをゆっくり動かし、星の直径が最小になる位置で止める。バーティノフマスクを使えばさらに厳密に合わせられる。

出典: ZWO ASI294 Manual §6 How to use your camera(PC 側キャプチャソフトでライブビュー・拡大操作が可能である旨、ASI 系カメラの標準ワークフロー)

絞り|1〜2 段絞ると星像とコマ収差が改善する

症状:開放(F1.4 や F1.8)で撮ると、四隅の星が翼を広げた鳥や涙のような形に変形する。
原因:コマ収差は大口径の写真レンズで開放時に必ず現れる収差で、光軸中心から離れるほど強く出る。Sony E マウントのマニュアルレンズ、特にオールドレンズ流用は開放性能が甘い個体が多い。
対処:物理絞りリングを 1〜2 段絞る(F2.8 → F4、F1.8 → F2.8 など)。多くの単焦点レンズは 2 段絞ると点像が引き締まり、周辺の星像も安定する。本アダプタでは絞り操作は電子制御を通らないため、レンズの絞りリングを手で回して調整する。ズームレンズは絞ってもコマが残る個体が多いため、星像重視なら単焦点を選ぶのが定石。

出典: ZWO 公式製品ページ「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」(電子絞りは通らない=レンズ側絞りリングでの操作前提)

⑦ 撮影用途別の使いどころ

用途 1|広角〜標準の星野・天の川撮影(本命)

状況:望遠鏡を使わず、24mm・35mm・50mm クラスのマニュアル単焦点で天の川や星座アステリズムを写したい。
適合度:◎(本アダプタの本来の想定用途)。
ポイント:ASI294(4/3 系)や ASI585(1/1.2" 系)に 24〜50mm を組み合わせると、画角的にはフルサイズ換算で 48〜100mm 相当(クロップ ×2〜2)に近い切り出しになる。天の川中心部・北天の主要星座単位を狙うのにちょうど良い。露光は数十秒〜数分の短時間を多数枚コンポジットするワークフローで、追尾赤道儀(またはポータブル赤道儀)と組み合わせるのが定番。

出典: ZWO ASI294 Manual §1 Instruction「ASI294 Camera is specifically designed for astronomical photography. It is not only suitable for DSO imaging but also for Planetary imaging」(DSO 撮影の一般的用途)

用途 2|中望遠での星団・大型散光星雲の切り出し

状況:85mm や 135mm クラスのマニュアル中望遠で、プレアデス星団・北アメリカ星雲・アンドロメダ銀河などを狙いたい。
適合度:○(ただし追尾精度がシビアになる)。
ポイント:焦点距離が長くなるほど日周運動による星の流れが早くなるため、赤道儀の極軸合わせ精度が結果を左右する。オートガイド無しなら 30 秒〜60 秒露光を大量枚数で稼ぐ運用が現実的。ASI183(1"・15.9mm 対角)と 135mm レンズ、ASI294(4/3・23.2mm 対角)と 85mm レンズなど、センサーサイズと焦点距離のバランスで画角を選ぶ。

出典: ZWO ASI183 Manual §4 Camera technical specifications「Diagonal 15.9mm / Image area 13.2mm*8.8mm」/ZWO ASI294 Manual §3「Diagonal 23.2mm / Image area 19.2mm*13mm」

用途 3|非適合|補正光学系必須の DSO 高解像撮影

状況:タカハシ FSQ-106・シャープスターの短焦点アポクロマート+レデューサ/フラットナーで、細部を追い込んだディープスカイ撮影を狙いたい。
適合度:×(このアダプタは無関係)。
ポイント:望遠鏡+補正光学系の運用は 55mm バックフォーカス標準で組むのが原則で、本アダプタの出番はない。この場合は望遠鏡側 → 補正光学系 → フィルターホイール/ドロワー → 各種 M48 / M42 スペーサー → 冷却カメラ、という完全に別系統の光路で組む。

出典: ZWO ASI Camera 55mm Back Focus Solution (2025 Updated Version) PDF, p.1「the good news is that most manufacturers have reached a consensus on a 55mm back focus standard, mainly to maintain compatibility with DSLR cameras」(望遠鏡+補正光学系は 55mm 標準・本アダプタは対象外)

⑧ 相性の良いレンズ選びの一般原則

原則 1|「絞りリング付きマニュアルレンズ」を選ぶ

本アダプタは電子接点を持たないため、絞りが電子制御のみのレンズは絞りが動かない(多くの場合最小絞りに固定される)。物理絞りリングを備えたレンズを必ず選ぶ。オールドレンズを M42→Sony E で流用している場合は、多くが絞りリング付きで問題なし。純正 Sony E / FE レンズでも絞りリング付きモデル(例: G / G Master 系の一部)が存在するが、モデルごとに仕様が違うため要個別確認。

出典: ZWO 公式製品ページ「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」

原則 2|イメージサークルはセンサーカバーで OK・小型センサーが強み

本アダプタが対応する ASI カメラは 4/3(対角 23.2mm)以下の小型センサー系。Sony E マウントの APS-C レンズ(設計イメージサークル 約 28mm 前後)・FE レンズ(フルサイズ対応・36×24mm)のどちらでも余裕を持ってセンサーをカバーできる。むしろセンサー中央のいちばん光学性能が良いエリアだけを使うので、周辺の像流れや減光の影響が最小化される。

出典: Wikipedia Sony E-mount(E マウント内径 46.1mm・APS-C とフルフレーム両対応)/ZWO ASI294 Manual §3「Image area 19.2mm*13mm」(センサー 19.2×13mm は APS-C イメージサークル内に完全に収まる)

原則 3|迷ったら開放 F1.8〜F2.8 の単焦点から

ズームレンズは価格レンジによらず、絞ってもコマ収差が残りやすい傾向がある。星像重視なら 24mm・35mm・50mm・85mm クラスの単焦点マニュアルレンズを選び、開放から 1〜2 段絞って使うのが基本。オールドの M42 マウント時代の名レンズ(Helios、Takumar 系など)を M42→Sony E 変換で流用する運用も広く行われているが、絞り開放時の星像評価は個体差・年式差が大きいため、必ず日中〜薄暮のテストで確認してから本番に投入する。

出典: Wikipedia Sony E-mount(オールドレンズ流用の一般解説として「short flange focal distance ... facilitates the adaptation of numerous legacy lens mounts by providing sufficient clearance for mechanical spacers」)/本項は具体的レンズ銘柄の絶対評価は一次情報化しづらいため、一般原則のみ記載する

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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式製品ページ・ZWO 公式マニュアル PDF・Sony E マウント規格資料 に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑪ よくある質問(FAQ)

Q1. Sony NEX アダプタと Sony E マウントアダプタは違うものですか?

同じものです。「NEX マウント」は 2010 年に発表された Sony 初のミラーレス機 NEX シリーズに由来する通称で、規格名としては「E マウント」が正しい表記です。ZWO の公式製品名も「Sony Adapter for ASI Cameras」で、通称として「Sony NEX Adapter」と呼ばれています。物理仕様(フランジバック 18mm・内径 46.1mm・バヨネット)は完全に同一です。

Q2. Sony 純正のオートフォーカスレンズは使えますか?

使えません。本アダプタには電子接点がなく、カメラ→レンズ間の通信ができないため、モーター駆動のオートフォーカスも電子制御絞りも動作しません。ZWO 公式ページに「Only support manual lenses supported, not compatible with automatic lenses」と明記されています。絞りリングを物理的に備えたマニュアルレンズを選んでください。

Q3. ASI2600MC Pro や ASI6200MC Pro でも使えますか?

公式には対応外です。ZWO 公式製品ページの対応カメラ列挙は「ASI1600, ASI294, ASI183, ASI174, ASI432 and ASI585」の小型センサー系のみで、APS-C の ASI2600 系やフルサイズの ASI6200 系は含まれません。フルサイズ機で Sony FE レンズを使いたい場合は、本アダプタは選択肢に入らず、望遠鏡側の 55mm バックフォーカス標準に沿った構成を組むことになります。

Q4. ASI585MC Pro には使えるけど ASI585MC Air には使えない、というのは本当ですか?

はい。ZWO 公式製品ページは対応カメラに「ASI585」と表記していますが、これは通常版(Pro を含む)を指します。ワイヤレススマート機の ASI585MC/MM Air は ZWO 公式分類で「Wireless Smart Cameras」という別カテゴリに属し、First Light Optics の販売ページも「Not suitable for use with the ZWO ASI 585MM/MC AIR cameras.」と明記しています。

Q5. E マウントのフランジバック 18mm と、ASI カメラのバックフォーカス 6.5mm がズレていますが大丈夫ですか?

本アダプタはそのズレを埋める厚み(機構)を持って設計されています。ZWO 公式ページは「E-mount lenses with 18.5mm back focus length are supported (Only manual lenses)」と、対応バックフォーカスを 18.5mm と表現しています。マニュアルレンズは温度補正のためフォーカスリングに ∞ より少し先まで回せる余裕があるのが通例で、この 0.5mm の差は吸収できる範囲です。運用時は必ず日中の遠景でピント位置を出しておくと安心です。

Q6. M42 → Sony E マウント変換で流用しているオールドレンズも使えますか?

物理的には可能です。ただし本アダプタ経由での運用は「Sony E マウントとして装着する」形になるため、二重の変換(オールドレンズ→M42→Sony E→本アダプタ→ASI カメラ)を経ることになり、フランジバックの積算誤差が出やすくなります。最初から M42→ASI 直結の変換リング(別製品)で組んだ方がシンプルです。既に Sony E マウント側で運用しているならそのまま本アダプタでも使えますが、無限遠が出るかは事前確認が必須です。

Q7. 星像を良くするにはどのくらい絞ればいいですか?

一般に開放 F1.4〜F1.8 のマニュアル単焦点レンズは、1〜2 段絞る(F1.8 → F2.8 / F1.4 → F2.8 など)と四隅のコマ収差が抑えられ、点像が引き締まります。ズームレンズは絞ってもコマが残る個体が多いため、星像重視なら単焦点を選ぶのが定石。物理絞りリングを手で回して調整します。

Q8. どのソフトで撮影・確認しますか?

ZWO 純正のキャプチャソフト(ASIStudio 系)を PC にインストールし、USB で ASI カメラと接続して使うのが標準的です。ライブビューで星を拡大表示し、フォーカスリングを回してピーク位置を探す──というワークフローになります。ASI カメラは ZWO 公式マニュアル §6 の「How to use your camera」に基本操作が記載されています。

⑫ 参考にした一次情報

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最終更新: 2026-07-19/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式製品ページ・ZWO 公式マニュアル PDF・Sony E マウント規格資料 に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。