ZWO Nikon-T2 Ⅱ とは|Nikon F レンズを ASI カメラで使うためのアダプター入門【完全ガイド】
ZWO Nikon-T2 Ⅱ とは|Nikon F レンズを ASI カメラで使うためのアダプター入門【完全ガイド】
ZWO Nikon-T2 Ⅱ(NIKON-T2-Ⅱ)は、Nikon F マウントの一眼レフ用レンズを ZWO ASI 天体カメラに取り付けるための光学アダプターです。「29mm 本体」+「5mm 延長筒」の 2 パーツ構成で、17.5mm バックフォーカスの冷却 ASI(ASI2600/ASI533/ASI294 等)にも 12.5mm バックフォーカスの非冷却 ASI(ASI585/ASI662/ASI224 等)にも 1 本で対応します。フルフレーム機(ASI6200 / ASI2400 / M54 インタフェース機)は対象外です。本記事では「なぜ 29mm なのか」を光学的に説明したうえで、対応カメラ判定・対応レンズ判定・導入ステップ・撮影時の注意点までを、ZWO 公式ページ・Wikipedia T-mount / Nikon F-mount 記事といった一次情報のみで整理します。
① ZWO Nikon-T2 Ⅱ とは何か|3 つの役割
ZWO Nikon-T2 Ⅱ は、ZWO 社が販売する光学アダプターで、名前のとおり 「Nikon」と「T2」を橋渡しする部品です。役割は 3 つあります。
役割 1|Nikon F マウントの機械的な受け皿になる
症状:ZWO ASI カメラのフロントには Nikon F レンズがそのままでは付かない。
原因:ASI カメラの標準スレッドは T2(M42×0.75 メートリック)で、Nikon F は 3 爪バヨネット(口径 44mm)という異なる規格。
対処:本アダプターがカメラ側に T2 メネジ、レンズ側に Nikon F バヨネット(メス)を持つことで、機械的に両者を連結する。
出典: Wikipedia Nikon F-mount §Specifications("a three-lug bayonet mount" / "44 mm" mount diameter / "46.5 mm" flange focal distance)+ Astronomy Plus / Astronomy Store 販売ページ §Specifications("M42x0.75 (T/T2) Thread- Female" / "Nikon Bayonet- Female")
役割 2|Nikon F 光路長 46.5mm を「アダプタ厚 + カメラ BF」で正確に埋める
症状:アダプタの厚みが違うと、Nikon F レンズで無限遠にピントが合わない(または近接ばかり合ってしまう)。
原因:Nikon F マウントのフランジフォーカル距離(FFD、マウント面〜センサー面)は 46.5mm。この距離を守れないと、レンズの設計焦点位置とセンサー位置がズレる。
対処:本アダプターは 29mm 本体と 5mm 延長筒の 2 パーツで、下記のようにカメラ側のバックフォーカスに合わせて厚みを選ぶ。
・17.5mm バックフォーカス機 → 29mm 本体のみ(29 + 17.5 = 46.5mm ✓)
・12.5mm バックフォーカス機 → 29mm 本体 + 5mm 延長(29 + 5 + 12.5 = 46.5mm ✓)
出典: Nikon F 側の 46.5mm は Wikipedia Nikon F-mount §Specifications、ASI カメラ側の 17.5mm / 12.5mm 対応表は First Light Optics ZWO Nikon-T2 MkII 製品説明および ZWO 公式製品ページ。合計値の算出(29+17.5=46.5 / 29+5+12.5=46.5)は Nikon F FFD と ZWO 公表バックフォーカスからの一般則。
役割 3|光路の途中に 2 インチフィルターを 1 枚入れる
症状:Nikon レンズを ASI カメラで使うと、光害・赤外にじみが強く出やすい。
原因:写真用の Nikon レンズは可視〜近赤外の広い帯域を通し、天体センサーは赤外にも感度がある(一眼レフのように内部 UV/IR カットが無い)。
対処:本アダプター内部には 2 インチ(M48×0.75)メスのフィルタースレッドがあり、IR-CUT / UV-IR カット / ライトポリューションフィルター等を「アダプター内部に組み込む」ことができる。組み込むと総厚は変わらないため、上の光路長計算は成立したままになる。
出典: ZWO 公式製品ページ("You can use 2″ IR-CUT filter with the adapter")+ ZWO ミラーサイト 製品説明("internal 2-inch female filter thread (M48x0.75)")
② 基本仕様と付属構成
| 項目 | 仕様 | 出典 |
|---|---|---|
| 構成 | 29mm Nikon-T2 本体 + 5mm T2 エクステンダー(合計最大 34mm) | SRC-1 / SRC-4 / SRC-6 |
| カメラ側スレッド | T2 = M42×0.75(メス)。ASI カメラ標準の T2 スレッドに直結。 | SRC-4 / SRC-7 |
| レンズ側マウント | Nikon F バヨネット(メス)。Nikon 一眼レフ用レンズが直接付く。 | SRC-7 |
| 内蔵フィルター枠 | 2 インチ(M48×0.75)メススレッド。IR-CUT 等の 2 インチ枠フィルター 1 枚をアダプター内部に固定できる。 | SRC-1 / SRC-4 |
| 対応カメラ | 全 ASI(フルフレーム ASI6200 / ASI2400 と M54 インタフェース機を除く) | SRC-1 / SRC-6 |
| 対応レンズ | Nikon F マウント DSLR レンズ(Nikon Z マウント / ミラーレスレンズは非対応) | SRC-4 |
| イメージサークル | APS-C サイズ以下のセンサーをカバー(実際の写野はレンズ側イメージサークルに依存) | SRC-1 / SRC-4 |
③ なぜ 29mm なのか|光路長の考え方
天体撮影で最初につまずくのが「バックフォーカス」の概念です。ここではフィジカルに何が起きているかを、Nikon F と T2 の二つの標準から順に説明します。
Nikon F マウント側の要件(46.5mm)
症状:Nikon レンズが無限遠に合わない、あるいは近距離しか合わない。
原因:Nikon F マウントは 3 爪バヨネット・口径 44mm で、マウント面からセンサー面までの距離(フランジフォーカル距離、FFD)が 46.5mm に設計されている。レンズの光学系はこの 46.5mm を前提として計算されているため、この距離が守られないと設計上の焦点位置とセンサー位置がズレる。
対処:Nikon F レンズを付ける機材はすべて「Nikon F マウント面〜センサー面 = 46.5mm」を守る必要がある。
出典: Wikipedia Nikon F-mount §Specifications("46.5 mm" / "three-lug bayonet mount" / "44 mm" mount diameter)
ASI カメラ側の要件(バックフォーカス)
症状:同じアダプターでも冷却機と非冷却機で「合う / 合わない」がある。
原因:ASI カメラは機種ごとに T2 スレッド面(またはセンサースレッド面)からセンサー面までの距離(=バックフォーカス)が違う。ZWO の公表値は 17.5mm 系(多くの冷却 Pro 機と一部の非冷却機)と 12.5mm 系(初期・入門クラスの非冷却機)に分かれる。
対処:「Nikon F FFD 46.5mm − ASI バックフォーカス」で必要なアダプター厚が決まる。17.5mm 機なら 29mm、12.5mm 機なら 34mm ぴったりが答え。
出典: 17.5mm / 12.5mm の 2 グループ分類と 29mm / 34mm の合成は ZWO 公式製品ページおよび First Light Optics 製品説明。減算の算式は Nikon F FFD 46.5mm(Wikipedia Nikon F-mount)との差分。
光路長模式図
T2 スレッド標準(55mm)との関係
症状:「T-ring は 55mm 標準のはずでは?」と混乱する。
原因:T2 = M42×0.75 は歴史的に「T-thread FFD 55mm」という天体標準の一部として広まった規格。ただし、これは「レンズ側 T2 スレッド面〜センサー面 = 55mm」を意味する(望遠鏡 + T-ring + DSLR ボディの構図)。
対処:今回はレンズ側が「Nikon F 46.5mm」の別規格。両者はまったく別の光路長合わせであり、本アダプターは「Nikon F 46.5mm を守るために 29mm を挟む」設計で、55mm 標準とは無関係と考えて良い。
出典: Wikipedia T-mount("male 42×0.75 (42 mm diameter, 0.75 mm thread pitch) metric thread" / "flange focal distance of 55 mm" / "should not be confused with M42, which has a 1mm pitch instead")
④ 対応カメラ判定|3 分岐で確認
お手元の ASI カメラが本アダプターで使えるかを、以下の 3 分岐で判定してください。
分岐 A|17.5mm バックフォーカス機 → 29mm 本体のみで OK
症状:冷却 ASI(Pro シリーズ)または上位の非冷却 ASI を使っている。
原因:これらは 17.5mm バックフォーカスに揃えられている(Pro 機は 6.5mm 素の BF + 内蔵 11mm リング等で 17.5mm、または T2 面から素で 17.5mm)。
対処:5mm エクステンダーは付けず、Nikon-T2 本体 29mm のみを装着する。
該当例(ZWO 公式に「17.5mm 対応」として列挙される機種):
・冷却 Pro: ASI533MC/MM Pro、ASI183MC/MM Pro、ASI294MC/MM Pro、ASI1600MM Pro、ASI071MC Pro、ASI2600MC/MM Pro
・非冷却 17.5mm 系: ASI1600、ASI294、ASI183、ASI174 の非冷却モデル
出典: ZWO 公式製品ページ("ASI533/183/294/1600/071/2600" cooled + "ASI1600/294/183/174" non-cooled 17.5mm)+ First Light Optics 製品説明
分岐 B|12.5mm バックフォーカス機 → 5mm エクステンダーを追加
症状:コンパクトな非冷却 ASI(惑星カメラ・オートガイダー用)を使っている。
原因:これらは 12.5mm バックフォーカスで、29mm 本体だけでは光路が 5mm 足りない。
対処:付属の 5mm T2 エクステンダーを Nikon-T2 本体とカメラの間に挟む。
該当例(ZWO 公式に「12.5mm 対応」として列挙される機種):
・ASI178、ASI385、ASI462、ASI290、ASI224、ASI120
出典: ZWO 公式製品ページ("ASI178/385/462/290/224/120" 12.5mm)+ First Light Optics 製品説明
分岐 C|M54 インタフェース機・フルフレーム機 → 本アダプター単体では非対応
症状:ASI6200MC/MM Pro、ASI2400MC Pro、ASI2600MC/MM Duo、ASI2600MC/MM Air 等の APS-C 以上フォーマット機で使いたい。
原因:これらは M54 スレッド(またはそれに準ずるフィルタードロワー式)を主センサースレッドに持つため、T2 (M42) の本アダプターは機械的に取り付かない。またイメージサークル的にも Nikon F レンズがフルフレームを完全にカバーするかはレンズ次第。
対処:本製品「ZWO Nikon-T2 Ⅱ」は使用不可。ZWO からは M54 スレッド対応の Nikon 用アダプター(例:Nikon Lens Adapter for 2" Filter Wheel)や フィルタードロワー式(FD-Nikon)が別型番で用意されている。詳細は公式 LINE で個別ご案内します。
出典: 非対応リストは ZWO 公式製品ページ("suitable for all ASI cameras except full frame cameras like ASI6200 and ASI2400")。APS-C フォーマット / M54 スレッドの機種分類は ZWO 公式 55mm バックフォーカスガイド("APS-C and full-frame models use M54 filter drawers")。
対応カメラ判定フロー
⑤ 対応レンズ判定|Nikon F レンズの世代別注意点
本アダプターは「マウントを機械的に受ける」だけで、Nikon 本体が持つ電子接点も絞りレバー駆動機構も持ちません。したがってレンズ側の絞り制御・AF 動作は「レンズ単独で成立するか」で決まります。
タイプ 1|MF レンズ・AI/AI-S 系|◎ 最も相性が良い
症状:—(問題なく使える)
原因:絞りリングが独立して付いており、電源不要で機械的に絞りを開閉できる。ピントも完全マニュアル。
対処:絞りは手動で開放(または希望値)に設定してから装着。ピントは ASI カメラのライブビューで恒星等を見て合わせる。
出典: Nikon F マウントの絞りリング付き世代の仕様は Wikipedia Nikon F-mount §Lens compatibility(AI-S 系は機械式絞りリングを持つ)。ライブビュー合焦は一般則。
タイプ 2|AF-D レンズ|○ 相性良好
症状:—(絞りリングで操作すれば問題なし)
原因:AF-D レンズは絞りリングを持っており、電源が無くても機械的に絞りを設定できる(ボディからは絞り連動レバーで駆動する設計だが、レンズ側リング操作で開放固定が可能)。
対処:Nikon 一眼レフに付ける場合と同様、絞りリングを目的の値(多くは開放 or 1〜2 段絞り)に固定して装着。
出典: AF-D の機械式絞り連動仕様は Wikipedia Nikon F-mount §Lens compatibility("AF-D lenses" retain mechanical diaphragm coupling)。
タイプ 3|AF-S レンズ|条件付き○
症状:AF は動かないが、絞りリング付きのモデルなら絞り制御は可能。
原因:AF-S レンズは超音波モーター駆動で AF するため、ボディからの電力供給が無い本アダプター経由では AF は完全に無効。絞りは機械式レバーで駆動される(絞りリング付きの旧世代 AF-S)または電子式のみ(絞りリング無しの新世代)と個体差がある。
対処:絞りリング付きの AF-S を選ぶ。ピントは完全マニュアル(無限遠位置は個体差があるので、ライブビューで恒星を見ながら合わせる)。
出典: AF-S の駆動方式は Wikipedia Nikon F-mount §Lens compatibility。絞りリングの有無は世代ごとの Nikon 公式レンズ諸元による(本アダプターとは独立の話)。
タイプ 4|G タイプレンズ|要工夫
症状:装着はできるが、絞りが最小絞り(例 F22)から動かず、写野が真っ暗になる。
原因:G タイプはレンズ側絞りリングを廃したため、絞りはボディの絞りレバーで駆動するのが前提。本アダプターにはその駆動機構が無い(絞り連動レバーが付いていない)ため、レンズは初期状態=最小絞りのままになる。
対処:ZWO 公式の推奨として「レンズ側の小さな絞りタブを開放位置に保持する工夫(例:矯正用の輪ゴム "orthodontic rubber band" 等)」が案内されている。ただし絞りは撮影中固定になるため「毎ショット絞りを変える」用途には向かない。天体は基本的に「開放 or 1〜2 段絞り固定」で運用するため、実用上は問題になりにくい。
出典: ZWO 公式製品ページ("G-type Nikkor lenses need to find some way to open the aperture up (for example, using an orthodontic rubber band to hold the little aperture tab on the lens in the open position)")+ G レンズの機構は Wikipedia Nikon F-mount §Lens compatibility("the aperture setting can only be controlled by the camera body")。
タイプ 5|AF-P レンズ|×(実用的でない)
症状:装着してもピント環が空回りする / 絞りも制御できない。
原因:AF-P レンズはステッピングモーター駆動の AF 専用設計で、ボディからの電力供給と信号を前提とする。電源のない本アダプター経由ではフォーカス駆動そのものが不能。
対処:AF-P レンズは本アダプター用途には推奨しない。他レンズを検討する。
出典: Wikipedia Nikon F-mount §Lens compatibility("AF-P lenses" の駆動仕様 / "will not focus, even manually, on cameras introduced before roughly 2013")
タイプ 6|Nikon Z マウント(ミラーレス)レンズ|×
症状:物理的に装着できない。
原因:本アダプターのレンズ側は Nikon F バヨネット(3 爪、FFD 46.5mm)。Nikon Z マウントは口径 55mm・FFD 16mm のまったく別規格で、機械的にも光学的にも互換性がない。
対処:Nikon Z マウントレンズは本アダプターでは使用不可。
出典: 本アダプターは "Nikon F-Mount" 対応品として販売(First Light Optics)。Nikon F と Nikon Z が別マウントであることは Wikipedia Nikon F-mount(他マウントとの並列関係)。
⑥ 導入セットアップ|3 ステップ
ステップ 1|カメラのバックフォーカスを確認する
症状:「うちのカメラは 17.5mm 系? 12.5mm 系?」が分からない。
原因:ZWO は世代・型番ごとにバックフォーカスを分けて公表している。一次資料は各カメラの公式マニュアル PDF に記載される。
対処:手持ちの ASI カメラの型番を上記「④ 対応カメラ判定」の分岐 A / B / C に当てはめる。判断がつかない場合は公式 LINE で個別ご案内します。
出典: バックフォーカスの分類は ZWO 公式製品ページおよび First Light Optics 製品説明。
ステップ 2|アダプターの構成を決めて組み立てる
症状:付属品が 2 パーツあるが、どう組み合わせるか迷う。
原因:17.5mm 機と 12.5mm 機で使い分ける必要がある。
対処:17.5mm 機なら 29mm 本体のみ、12.5mm 機なら 29mm 本体 + 5mm 延長筒を T2 スレッドで連結する。カメラ側にはあらかじめ「センサースレッド → T2」の変換リング(Pro シリーズは付属)を装着してから、本アダプターを T2 スレッドで締結する。
出典: ZWO 公式製品ページ("composed of a 29mm new Nikon-T2 adapter and a 5mm T2 extender" / "for cooled cameras... the extender is not needed. However, the 5mm extender is beneficial when connecting to uncooled ASI cameras with 12.5mm back focus length")+ Pro シリーズの M42 センサースレッド構成は ZWO 公式 55mm ガイド。
ステップ 3|(任意)内部に 2 インチフィルターを組み込む
症状:光害地・月夜で背景がかぶる。
原因:Nikon レンズ + ワンショットカラー ASI の組合せは、可視〜近赤外を広く通してしまう。
対処:本アダプター内部の 2 インチ(M48×0.75)メススレッドに、IR-CUT / UV-IR カット / デュオバンド 2" フィルターのいずれかを 1 枚組み込む。フィルターを組み込んでも本体の物理長は変わらないため、光路長計算はそのまま成立する。
出典: ZWO 公式製品ページ("You can use 2″ IR-CUT filter with the adapter")+ ZWO ミラーサイト 製品説明("internal 2-inch female filter thread (M48x0.75)")
⑦ 使用ワークフロー|撮影時のコツ
コツ 1|絞りは開放よりも 1〜2 段絞ると星像が締まる
症状:開放で撮ると四隅の星がコマ収差で伸びる。
原因:写真用大口径レンズは開放でコマ収差・非点収差・色収差が最大化するのが一般則で、絞ることで軸外収差が急速に改善する。
対処:絞りリング付きレンズなら F4 前後まで絞ることを推奨。G タイプの場合は「開放 or 最小絞り」の 2 択になるため、開放で星像が許容できるレンズを選ぶ。
注:本項は光学一般則。特定レンズの収差量は個体・銘柄によって異なる。
出典: 収差量は各レンズの設計に依存する光学一般則(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。
コツ 2|無限遠位置は「∞」マークではなくライブビューで決める
症状:レンズの「∞」マークに合わせても、恒星が微妙にボケる。
原因:Nikon の AF レンズは AF 稼働域を確保するため「∞」マークを行き過ぎる設計になっているものが多い。また温度で伸縮するため、季節・気温でピント位置が変わる。
対処:ASI カメラを PC / ASIAIR に接続して、明るい恒星(1〜2 等星)を中央に導入。露出 1〜2 秒でライブビューを見ながら、星像が最も小さく円形になる位置を探る。バーティノフマスクを併用するとさらに追い込める。
出典: 「無限遠マークを行き過ぎる設計」は Nikon 一眼レフ用 AF レンズ全般の一般知識(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)。ASIAIR ライブビューでのピント合わせは ZWO ASIAIR の一般的な運用手順。
コツ 3|イメージサークルと画角のミスマッチに注意
症状:Nikon DX(APS-C)用レンズを APS-C ASI に付けたら四隅がケラれる、あるいは全体的に暗い。
原因:本アダプターの光路自体は APS-C 以下をカバーするが、レンズ側イメージサークルが小さい場合はレンズが原因でケラれる。DX 用レンズは一般に APS-C サイズをちょうど覆う設計で、ミラーレス的な広画角では周辺光量が急降下することがある。
対処:フルフレーム対応レンズを APS-C ASI に付けると余裕が出やすい。DX レンズを使う場合はテスト撮影で四隅を確認する。
出典: 本アダプターの適用サークルは "APS-C or smaller ZWO cameras" として販売(First Light Optics)。DX / FX の設計イメージサークルは Nikon 各レンズ諸元の一般知識。
⑧ 関連商品
本記事で紹介した ZWO Nikon-T2 Ⅱ アダプターの商品ページはこちらです。手持ちの ASI カメラが 17.5mm 系か 12.5mm 系か迷ったら、公式 LINE でカメラ型番をお送りください。個別にご案内します。
- ZWO Nikon-T2 Ⅱ アダプター|商品ページ — 本記事の主役。29mm 本体 + 5mm 延長筒。冷却 / 非冷却の広範な ASI カメラに対応。
あわせて検討されることが多い ASI カメラ本体:
- ASI2600MC Pro (2025) — APS-C ワンショットカラー冷却。17.5mm BF 系のため本アダプター 29mm 本体のみで無限遠合焦。
- ASI533MC Pro — 正方形センサー冷却。17.5mm BF 系。
- ASI585MC — 12.5mm BF 系。本アダプター使用時は 5mm 延長を必ず追加。
⑨ Nikon F レンズ運用の相談|商品ページ・公式 LINE のご案内
本記事で扱った商品ページはこちら
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- お手持ちの ASI カメラ型番から「29mm 本体のみで OK か・5mm 延長が必要か」を即日回答
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最終更新: 2026-08-23/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式製品ページ・Wikipedia T-mount / Nikon F-mount 記事・大手販売店(First Light Optics / OPT / Cloud Break Optics / Astronomy Plus)製品説明といった一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑩ FAQ|よくあるご質問
Q1. ASI2600MC Pro に本アダプターは使えますか?
使えます。ASI2600MC Pro は 17.5mm バックフォーカス系のため、5mm エクステンダーは外し、29mm 本体のみで装着します。合計 29 + 17.5 = 46.5mm となり Nikon F の設計 FFD と一致するため、Nikon F レンズは無限遠まで合焦します。
出典: ZWO 公式製品ページ(ASI2600 は 17.5mm 系にリスト)+ Wikipedia Nikon F-mount(46.5mm)。
Q2. ASI585MC / ASI662MC には使えますか?
使えます。これらは 12.5mm バックフォーカス系(非冷却 ASI)のため、29mm 本体 + 5mm エクステンダーの両方を装着して合計 34mm にします。合計 34 + 12.5 = 46.5mm となり無限遠合焦。
出典: ZWO 公式製品ページ(12.5mm 系リストに準拠)。ASI585 / ASI662 は同系のフォームファクター。
Q3. ASI6200MC Pro / ASI2400MC Pro に使えますか?
使えません。これらのフルフレーム機は M54 スレッドインタフェースを採用しており、T2 (M42) の本アダプターは機械的に装着できません。ZWO からは M54 スレッド対応の別型番の Nikon 用アダプターや、フィルタードロワー式(FD-Nikon)が案内されています。詳細は公式 LINE で個別ご案内します。
出典: ZWO 公式製品ページ("except full frame cameras like ASI6200 and ASI2400")+ ZWO 公式 55mm ガイド(APS-C / フルフレームは M54)。
Q4. Nikon Z マウント(ミラーレス)レンズは使えますか?
使えません。本アダプターのレンズ側は Nikon F バヨネット(3 爪、口径 44mm、FFD 46.5mm)のみに対応します。Nikon Z マウントは口径 55mm・FFD 16mm の別規格で、機械的にも光学的にも本アダプターとは互換性がありません。
出典: 本アダプターは "Nikon F-Mount" 対応品として販売(First Light Optics)。Nikon F マウント諸元は Wikipedia Nikon F-mount。
Q5. G タイプレンズは本当に使えないのですか?
「装着はできるが、絞りが最小絞りから動かない」状態になります。ZWO 公式は「レンズ側の絞りタブを開放位置に保持する工夫(例:矯正用の輪ゴム)」で回避する方法を案内しています。天体撮影は基本的に絞りを固定して連続露光するため、開放固定で運用できる場合は実用上問題になりません。ただし「毎ショット絞りを変える」ような一般写真的な使い方はできません。
出典: ZWO 公式製品ページ("G-type Nikkor lenses need to find some way to open the aperture up (for example, using an orthodontic rubber band to hold the little aperture tab on the lens in the open position)")。
Q6. AF は動きますか?
動きません。本アダプターにはレンズ電源供給用の電子接点も、AF-D 用の絞り駆動レバーも搭載されていません。AF はすべてマニュアル操作となります。ASI カメラのライブビューで恒星を見ながらピントを合わせるのが天体撮影の一般的な流れです。
出典: 本アダプターは "T2 Thread to Nikon Lens Adapter" として販売され、電子接点・絞り駆動レバーの記載はない(ZWO 公式 / Astronomy Plus の仕様表)。
Q7. 2 インチフィルターは付属しますか?
フィルターは付属しません。本アダプターは 2 インチ(M48×0.75)メスのフィルタースレッドを内蔵していますが、フィルター本体は別売です。IR-CUT、UV-IR カット、デュオバンド(Hα+OIII)などを 1 枚組み込めます。
出典: ZWO 公式製品ページ("You can use 2″ IR-CUT filter with the adapter" = フィルターは"使用可能"の記載であり、"付属"ではない)+ ZWO ミラーサイト 製品説明("internal 2-inch female filter thread (M48x0.75)")。
Q8. T-ring(55mm)と何が違うのですか?
T-ring は「望遠鏡 + T-ring + 一眼レフボディ」の構図で使う部品で、T2 スレッド面〜センサー面が 55mm になるように設計されています。本アダプターは逆の構図(「Nikon F レンズ + アダプター + ASI カメラ」)で、Nikon F の FFD 46.5mm を守るための部品です。名前は似ていますが用途と光路長がまったく違うため、混同しないようにしてください。
出典: T-mount / T-thread の 55mm 標準は Wikipedia T-mount("flange focal distance of 55 mm")。Nikon F の 46.5mm は Wikipedia Nikon F-mount。
Q9. 保証はどうなっていますか?
天体ショップ(株式会社天文堂)でお買い上げの場合、弊社独自の初期不良 60 日+3 年保証で対応いたします。詳細は商品ページの保証欄をご確認ください。
出典: 弊社販売条件(天体ショップ商品ページ・購入案内)。
Q10. どのカメラ・どのレンズがベストマッチですか?
撮影対象・予算・お手持ちのレンズ構成によって最適解は変わります。公式 LINE で「ASI カメラ型番」「お持ちの Nikon レンズ焦点距離」「撮影したい対象(星野・星雲・彗星など)」をお送りいただければ、個別に組み合わせをご提案します。
出典: 弊社サポート運用(本記事内 §⑨ 参照)。
⑪ 参考にした一次情報
- [SRC-1] ZWO 公式製品ページ — New Nikon-T2 Adapter suitable for all ASI cameras(29mm 本体 + 5mm 延長・対応 / 非対応カメラリスト・G レンズ開放保持案内・2 インチフィルター使用可の一次記載)
- [SRC-2] Wikipedia — T-mount(M42×0.75 スレッド仕様・T-mount FFD 55mm・T-thread と M42 の違い・T2 名称の由来)
- [SRC-3] Wikipedia — Nikon F-mount(FFD 46.5mm・3 爪バヨネット・口径 44mm・G / AF-P / AF-S / AF-D レンズの絞り / AF 挙動)
- [SRC-4] First Light Optics — ZWO Nikon-T2 Adapter MkII(17.5mm / 12.5mm 対応表・APS-C 以下対応・Nikon F DSLR レンズ限定)
- [SRC-5] OPT Corp — ZWO Nikon T2 Adapter for All ASI Cameras II(構成の販売店側再掲)
- [SRC-6] Cloud Break Optics — New Nikon-T2-Ⅱ Adapter(29mm + 5mm = 34mm 合成・非対応リスト再掲)
- [SRC-7] Astronomy Plus / Astronomy Store — ZWO Nikon-T2 Ⅱ("M42x0.75 (T/T2) Thread- Female" / "Nikon Bayonet- Female" の接続仕様表)
- [SRC-8] ZWO 公式 — ASI Camera 55mm Back Focus Solution(Pro シリーズの M42 センサースレッド、APS-C / フルフレームの M54 スレッド分類)
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最終更新: 2026-08-23/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式製品ページ・Wikipedia T-mount / Nikon F-mount 記事・大手販売店(First Light Optics / OPT / Cloud Break Optics / Astronomy Plus)製品説明といった一次情報に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。