ZWO DOVE AIR(ASIAIR Pro 用アリ溝アダプター)が付かない・緩む・USB を塞ぐ|取り付けと運用の困りごと完全ガイド

ZWO DOVE AIR(ASIAIR Pro 用アリ溝アダプター)が付かない・緩む・USB を塞ぐ|取り付けと運用の困りごと完全ガイド

DOVE AIR は ASIAIR Pro(および ASIAIR Plus)本体を、望遠鏡のアリ形プレート(Vixen 系ダブテール)へそのままドロップ・インさせるための「アリ溝クランプ」です。純正付属のアリ形プレートを外して同じネジで DOVE AIR を留めるだけ、という一見シンプルなアクセサリーですが、実際には「ネジを締めすぎて本体側のタップを潰した」「クランプボルトが USB や LED を塞ぐ向きに付いてしまった」「Losmandy 45mm 幅のサドルに入らない」といった問い合わせが多く発生します。本記事では ZWO 公式マニュアルと公式製品ページを一次情報として、取り付け・アリ溝・運用の 3 領域で計 20 の原因と対処をまとめました。

① DOVE AIR とは何か|ASIAIR Pro との組み合わせ

ZWO 公式製品ページによれば、DOVE AIR は「ASIAIR PLUS を Vixen アリ形プレートへ接続するために設計されたアリ溝(dovetail groove)」で、純正付属のアリ形プレートよりも「柔軟で使いやすい取り付け方法」を提供するアクセサリーです。実際には ASIAIR Pro でも同じ底面ネジ穴を使って取り付けができるため、正規流通ではしばしば「ASIAIR PRO/PLUS」あるいは「Pro/Plus/Mini」対応として販売されています。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR 製品ページ(「The dovetail groove is designed for ASIAIR PLUS to connect Vixen dovetail plate.」)/Ontario Telescope 商品ページ(ASIAIR PRO/PLUS 両対応記載)

DOVE AIR を装着する側の ASIAIR Pro は、CNC 加工のアビエーションアルミ・アノダイズ仕上げの筐体で、底面と側面に M4 タップおよび 1/4 インチ タップを備えており、付属のアリ形プレートで着脱できるように設計されています。出荷時には SD カードと「側面」のアリ形プレートが装着済みで、初回使用前に SD カードとプレートの緩みを必ず確認してくださいという注意書きが公式マニュアルに記載されています。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Product Overview / Features・Preparation(「M4 and 1/4-inch threads in the bottom and sides, combined with the supplied dovetail plate, make installation and removal easy.」/「Before first use please ensure the SD Card is [seated correctly] and the dovetail is tight as they may have moved in shipping.」)

② 取り付け前に必ず確認する 3 点

DOVE AIR を装着する前に、以下 3 点を必ずチェックしてください。ここを飛ばすと、後述の「原因 3・原因 4・原因 8」といった不可逆な破損に直結します。

確認項目 具体的な確認内容 出典・根拠
1. 純正プレートの装着位置 ASIAIR Pro は出荷時「側面」に純正プレートが付いており、DOVE AIR に置き換えるとネジ位置と保持方向が 90° 変わります。どのポート・どの LED を上/下/横に向けたいのかを先に決めてください。 SRC-4 Preparation・Device Component
2. サドル側の規格 DOVE AIR は Vixen 系(幅約 44mm)のアリ形プレートを受ける溝クランプです。マウント/ガイドスコープリング側のサドル(あるいは相手のプレート幅)が Vixen 系か、Losmandy 系(幅約 45mm 台形)かを事前に確認してください。 SRC-1(Vixen dovetail plate 記載)/SRC-11(Vixen 系幅の一般規格)
3. 使うネジは純正のみ DOVE AIR には専用ネジは同梱されません。ASIAIR から取り外した純正ネジをそのまま使う設計です。長さ・タイプの異なるネジを流用しないでください。 SRC-1・SRC-8・SRC-10(「Fix the dovetail groove to ASIAIR with the screws you just take off from the plate」)

③ 取り付け・固定系トラブル(8 原因)

原因 1|純正プレートを外さずに DOVE AIR を当ててしまう

症状:DOVE AIR が ASIAIR 本体に密着せず、斜めに浮いて 1 本のネジだけで無理やり止まっている。
原因:ASIAIR Pro は出荷時に純正アリ形プレートが装着されているため、その厚みぶんネジ長が足りず、DOVE AIR 側面が本体に届いていない。
対処:DOVE AIR 装着前に必ず ASIAIR 側面/底面の純正プレートを取り外す。取り外したネジをそのまま再利用して DOVE AIR を留める。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ「1. Remove the original dovetail plate of ASIAIR. 2. Fix the dovetail groove to ASIAIR with the screws you just take off from the plate.」

原因 2|クランプボルトが USB/LED 側を向いている

症状:DOVE AIR のクランプ用ノブ(ボルト)が USB 3.0 ポートや WiFi ステータス LED 側に張り出し、USB ケーブルが刺さらない/LED が見えない。
原因:DOVE AIR は 180° どちら向きにも装着できるため、指示なく組み立てると意図しない向きで固定されてしまう。
対処:ZWO 公式が明示している通り「ボルトの向きは box side(筐体側)」に固定する。ケーブル・LED が見える側にボルトが来ないよう、仮組みしてから本締めする。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ「It's recommended to put the bolt towards the box side ... and not to block the USB ports and status indicators.」

原因 3|ネジを締めすぎて筐体タップが破損した

症状:締めたつもりが手応えが急に軽くなり、そのままネジが空回りする。ASIAIR 本体側の M4 タップが潰れている。
原因:ZWO 公式 ASIAIR Pro マニュアルが警告している通り、アリ形ボルトを過大なトルクで締めるとネジ側またはタップ側が破損する。ASIAIR の筐体はアルミ削り出しで、タップ深さもさほど無いため、電動ドライバや長い六角レンチでの本気締めは特に危険。
対処:手締め+六角レンチの短辺側で「動かなくなったら止める」程度で十分。トルクレンチがある場合も 1.0〜1.5N・m 前後を上限目安に。ネジ止め剤(中強度ロックタイト等)を使う場合は、ネジ側にごく少量塗ってから軽く締める。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Preparation「Do not use excessive force when tightening the dovetail bolts as these may become damaged.」(トルク数値の断り: 具体値の記載は無く、上記数値は M4 アルミタップ一般の目安として記載)

原因 4|違うネジを流用して本体タップを傷めた

症状:ホームセンターで買った M4 ボルトを使ったら、途中で急に硬くなり、無理に回したら中で切れた。
原因:DOVE AIR には専用ネジは同梱されていない。ASIAIR 純正付属の底面/側面プレートを止めていたキャップスクリューを外して再利用する設計。長さや先端形状の違うネジを入れると、途中で座面に届く前にタップ底に当たり、それ以上回すとネジ側かタップ側のどちらかが破損する。
対処:純正ネジを紛失した場合は流用せず、ZWO 代理店経由でリプレース ドヴテール/ネジを取り寄せる。M4 でもピッチや長さの違うネジは装着不可のため、径・長さともに純正と同一のもの以外は使わない。

出典: All-Star Telescope 商品ページおよびMile High Astro 商品ページ(installation instructions が「with the screws you just take off from the plate」で統一されており、追加ネジ同梱の記載なし)

原因 5|ASIAIR Mini でネジ穴配置が違い装着できない

症状:ASIAIR Mini に DOVE AIR を当てても、片方のネジ穴しか合致しない。
原因:DOVE AIR のネジ穴配置は「ASIAIR PLUS 用」として ZWO 公式ページに明記されており、ASIAIR Pro とも同じ配置を共有します。ASIAIR Mini は筐体寸法自体が小さく、DOVE AIR のネジ間隔と一致しない場合があります。ZWO 公式 DOVE AIR ページの対応記述は「ASIAIR PLUS」中心である点に注意してください(ASIAIR Mini 対応を明示している流通業者もあるため、購入前に自機の底面穴配置を確認するのが確実です)。
対処:ASIAIR Mini で DOVE AIR を使いたい場合、購入前に販売店の対応表記を確認する。装着不可なら Mini 用 のサードパーティ製 Vixen アリ形プレートを検討する。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ(ASIAIR PLUS 前提)/Mile High Astro 商品ページ(ASIAIR Plus / Mini 対応記載)/Ontario Telescope(ASIAIR PRO/PLUS 記載)

原因 6|側面装着から底面装着に変えて重心がずれた

症状:DOVE AIR で ASIAIR Pro を鏡筒上のアリ形プレートに載せ替えたら、赤経・赤緯のバランスが従来と違う。
原因:ASIAIR Pro は出荷時「側面」に純正プレートが装着されており、鏡筒に沿わせて横向きにマウントするのが標準的な使い方です。DOVE AIR で「底面装着」に切り替えると、重心が鏡筒の光軸から離れ、赤緯バランスが変わります。
対処:DOVE AIR 装着後は必ずマウントの電源を切った状態で、鏡筒+撮像系+ガイド系+ ASIAIR+ケーブル込みでバランス取り直しを行う。特にドイツ式赤道儀では、赤緯クラッチをリリースし、ASIAIR を最終装着した状態で前後・左右の両方向で釣り合いを取る。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Device Component(Pro は「side dovetail plate」が preinstalled と明記)

原因 7|1/4 インチ タップに M4 を捻じ込んでしまった

症状:DOVE AIR の 4 隅にあるネジ穴を全部使おうとして、ASIAIR 底面の 1/4-20 インチ タップに無理に M4 ネジを入れたら食い込んでしまった。
原因:ASIAIR Pro の底面と側面には M4 タップと 1/4-20 インチ タップが混在しており、規格の異なるタップに間違ったネジを入れると噛み込む。M4 の外径は約 4.0mm、1/4-20 UNC の下穴は約 5.1mm と近いため、目視では見分けにくい。
対処:DOVE AIR は「純正プレートを止めていたのと同じネジ・同じ穴」を使う。それ以外のタップは触らない。もし食い込んでしまった場合は、無理に回さず、Askar/ZWO 代理店経由で修理見積を依頼する。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Features「M4 and 1/4-inch threads in the bottom and sides」

原因 8|アノダイズ皮膜の擦れでプレート内側が金属光沢に露出した

症状:何度も付け直しているうちに、DOVE AIR 内側のアノダイズ塗装が擦れて、地の銀色アルミが見えてきた。
原因:DOVE AIR は赤系のアノダイズ仕上げのアルミ製で、Vixen 系プレートを繰り返し出し入れするとアリ溝の内側が擦れて薄くなる。強度上の問題ではないが、長期的にはクランプ力の当たり方が変わる可能性がある。
対処:接触面に薄く乾性の潤滑(PTFE スプレーを綿棒で少量)を入れると滑りが安定する。オイルは埃を呼ぶため使わない。ネジ/サドル側とのガルバニック腐食(アルミ-ステンレスの電位差腐食)を避けるため、屋外運用後は乾いた布で軽く拭き上げる。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ(材質はアルミ・アノダイズ)/潤滑・拭き取りは天体機材のアルミアクセサリ運用における一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし)

④ アリ溝挿入・サドル系トラブル(6 原因)

原因 9|Losmandy 45mm 系サドルに入らない

症状:DOVE AIR に取り付けた ASIAIR を、既存の Losmandy 系サドル(45mm 幅)に入れようとしても入らない。
原因:DOVE AIR は「Vixen dovetail plate」を受けるアリ溝クランプで、幅約 44mm の Vixen 系プレートにのみ対応します。Losmandy 系は幅約 45mm(1.75〜3 インチ台形)の別規格で、物理的に挿入できません。
対処:使用中のサドル・プレートが Vixen 系(44mm 級)か Losmandy 系(45mm 台形)かを、まずマウント/リング側のマニュアルで確認する。Vixen 系プレートを別途調達してから DOVE AIR を運用する。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ「for ASIAIR PLUS to connect Vixen dovetail plate」/Vixen 系幅の一般規格情報は Astropix「Dovetail Sizes」参照(ZWO 公式マニュアルには他規格対応の記載なし)

原因 10|クランプボルトが片締めで斜めに装着された

症状:DOVE AIR を Vixen プレートに載せてクランプボルトを締めても、ASIAIR が微妙に傾いている。振動でズレる。
原因:DOVE AIR 側のクランプボルト(多くは 1 本)を強く締めすぎると、プレート側面を片側から押し切って ASIAIR 本体が斜めに立つ。
対処:クランプボルトは指締めから始め、両側面の接触感が均等になった時点で 1/4 回転程度追加する。プレート裏面をサドル底に接地させるのではなく、両側の斜面をクランプで挟む構造だと意識する。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ(Vixen dovetail 前提のクランプ設計)/過大トルク回避の原則はASIAIR Pro User Manual V1.2 §Preparation の「Do not use excessive force ...」に準ずる

原因 11|ASIAIR が下向きに垂れ下がって LED が視認できない

症状:Vixen プレートに DOVE AIR で ASIAIR を吊り下げたら、TF/PWR/WiFi の LED がすべて下方向を向いて見えなくなった。
原因:DOVE AIR の装着方向を「筐体上面 LED 側」を下にしてしまうと、鏡筒の下側にぶら下げた際に LED が地面側を向く。
対処:取り付け前に「観測時に自分が LED を見上げる/覗き込む方向」をシミュレーションし、DOVE AIR の装着位置(側面 or 底面 or 反対側面)を決める。ASIAIR Pro は底面と両側面すべてに M4/1/4-20 タップを持つため、方向替えの自由度は高い。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Features・Device Component(PWR/CARD/WIFI の 3 LED は筐体上面配置)

原因 12|赤道儀の回転でケーブルがクランプを緩めた

症状:撮影中に ASIAIR がわずかにズレ、朝になったら DOVE AIR のクランプボルトが緩んでいた。
原因:ASIAIR Pro マニュアルは「赤道儀が回転する際にケーブルが絡まないようケーブルマネジメントに注意」と明記しています。ケーブル束が引っ張られる方向と DOVE AIR のクランプボルトを緩める方向が一致していると、追尾中の微小な回転で少しずつ緩みます。
対処:USB/12V/レリーズ/RJ45 ケーブルを ASIAIR 本体側にサービスループを作り、鏡筒に沿わせて 2 か所以上でベルクロ結束する。ケーブル引き回しは赤道儀の南中通過(子午線反転)まで含めてシミュレーションする。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Power Cable Connections「Please ensure cables cannot become snagged in operation」

原因 13|サドル側のストップネジで DOVE AIR がズレる

症状:Vixen プレートをサドルに挿し、DOVE AIR のクランプを締めたが、サドル側の安全ストップネジ(stop screw)が DOVE AIR の側面を叩いて位置がずれる。
原因:一部のサドルは、プレートが脱落しないように内部にストップねじが付いており、DOVE AIR で吊り下げた ASIAIR 側とその安全ネジ位置が干渉する場合があります。
対処:サドル側のストップネジが緩められる構造なら一時的に外し、DOVE AIR の位置合わせ後に再度取り付ける。あるいは Vixen プレートの長さを見直し、ストップネジと当たらない範囲で DOVE AIR を載せる。

出典: サドル側のストップネジ機構は Vixen 系サドル全般の一般的な安全機構(DOVE AIR 側の設計とは独立。ZWO 公式マニュアルには記載なし)

原因 14|クランプボルト先端が DOVE AIR にキズをつける

症状:DOVE AIR を何度か取り外すたびに、側面に打痕状のクランプ跡が付く。
原因:サドル側のクランプボルトが先端フラットではなく、金属地の尖った先端をしていると、DOVE AIR のアノダイズ表面を凹ませます。
対処:サドル側のクランプボルト先端にブラス(真鍮)チップやナイロンチップを装着した「ノンマーリング」タイプに交換すると、DOVE AIR 表面の傷が抑えられる。既存傷は運用に影響しないが、気になる場合は上から薄い保護テープを貼る運用も有効。

出典: ノンマーリング(非傷付け)クランプの一般的設計慣行(Vixen 系サドル全般。ZWO 公式マニュアルには記載なし)

⑤ 運用中トラブル(USB・電源・ケーブル系 6 原因)

原因 15|USB ケーブルの取り回しが変わって抜けやすくなった

症状:純正プレート(側面装着)から DOVE AIR(底面装着)に変えたら、USB ケーブルの角度が変わり、撮影中にメインカメラの USB が抜けて撮像停止した。
原因:ASIAIR Pro は USB 3.0 × 2 と USB 2.0 × 2 のポートを筐体の同一面に集約しており、装着方向が 90° 変わるとケーブルが引き伸ばされる方向も変わります。
対処:DOVE AIR 装着後の初回稼働前に、①メインカメラ(USB 3.0)、②ガイドカメラ(USB 2.0)、③マウント制御(USB 2.0 または RS232)、④DSLR レリーズ(2.5mm)を全部差し込んだ状態で、赤経・赤緯を +90°/−90° 動かして、ケーブルにテンションがかからないことを目視確認する。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Device Component(USB 3.0×2/USB 2.0×2 の配置)・§Power Cable Connections(ケーブルマネジメント注意喚起)

原因 16|DC 12V 入力プラグが DOVE AIR 側面と干渉する

症状:DC 5.5×2.1mm の電源プラグが DOVE AIR のクランプボルト部と当たり、しっかり奥まで刺さらない。
原因:DOVE AIR のボルト向きが「筐体側」ではなく「DC 入力側」に付いていると、L 字プラグや外径の大きい電源ジャックが物理干渉する。
対処:ZWO 公式が明示する通り「ボルトを筐体側に向ける」向きで装着し直す(原因 2 と同根)。既に L 字プラグ使用中の場合、直線プラグ側を挿すか、L 字の向きを反対に付け替える。

出典: ZWO 公式 DOVE AIR ページ「the bolt towards the box side ... and not to block the USB ports and status indicators」

原因 17|RJ45 ケーブルが下向きに垂れて負荷がかかる

症状:ネットワーク接続を Ethernet に切り替えたら、RJ45 コネクタが下向きに引っ張られて根本にストレスがかかる。
原因:DOVE AIR で ASIAIR を鏡筒下側に吊り下げると、コネクタが下向きになりケーブル自重が抜け方向に働く。
対処:ASIAIR 本体近くに 1 箇所目のベルクロ結束を作り、コネクタ根本にケーブル自重が乗らないようにする。RJ45 は WiFi 接続と冗長化する目的なら、無理に常用せず WiFi モードでの運用を優先する。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Device Component(RJ45 Ethernet 記載)・§Network Connection(Vixen StarBook 等の有線接続例あり)

原因 18|マウント給電を ASIAIR の 12V 出力から取ると起動不安定

症状:DOVE AIR で鏡筒側に ASIAIR を寄せた後、マウントを ASIAIR の 4 つの 12V 出力ポート経由で給電するようにしたら、マウントが動かなくなった/再起動した。
原因:ZWO 公式 ASIAIR Pro マニュアルは「マウント電源を ASIAIR の 12V 出力から供給するのは推奨しない。マウントによっては供給可能電流を超えて動作が不安定になる」と明記しています。
対処:マウントには別の 12V 電源(マウント純正 AC アダプタ)を独立供給する。ASIAIR の 4 出力はメインカメラ冷却・EAF・EFW・デューヒーター等の低消費電力デバイス向けに使う。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Power Cable Connections「we do not recommend the mount power supply be connect to the ASIAIR 12V outlet port as some mounts may exceed the available current and become unreliable in operation」

原因 19|12V@2A 電源では 4 出力を使うと起動しない

症状:ASIAIR Pro 単体では起動するが、冷却カメラや EAF、デューヒーターを 12V 出力に繋いだ瞬間に電源 LED が点滅・落ちる。
原因:ASIAIR Pro は最低 12V@2A で動作するが、4 つの 12V 出力を併用する場合は 12V@5A 以上の電源が推奨されています。ASI2600/ASI294/ASI1600 系の冷却カメラは、そもそもカメラ自体に独立した 12V 電源が推奨されています。
対処:DOVE AIR 装着で構成が固定される前に、必要電流を積算する。目安として ASIAIR 本体 2A + 冷却カメラ 2〜4A + EAF/EFW 0.5A + デューヒーター 1〜2A で 12V@5〜8A の電源が現実的。冷却カメラは可能な限り ASIAIR 経由ではなく独立給電する。

出典: ASIAIR Pro User Manual V1.2 §Power Cable Connections「ASIAIR PRO requires a minimum of 12V@2A for correct operation. With the 4×12V outlets in use it is recommended a minimum of 12V@5A is used.」/「ASI1600, ASI294, ASI2600 need individual 12V power supply to work」

原因 20|寒冷地や結露で DOVE AIR とプレートが固着した

症状:冬場の遠征後、DOVE AIR を Vixen プレートから外そうとしたら、クランプを緩めても抜けない。
原因:結露→凍結、あるいは長時間の締結による摩擦焼き付き(アルミ vs. アルミの軽度な微溶着)が起きている可能性がある。
対処:絶対に金属工具で叩き出さない。①室内に持ち込み常温まで戻す、②クランプボルトを完全に外す(緩めるだけでなく抜く)、③プレートの長手方向にゆっくり水平にスライドさせる。それでも外れない場合は、接触面にごく少量の乾性 PTFE 潤滑剤を差し、待つ。運用後は乾拭きを習慣化することで固着を予防できる。

出典: 結露・凍結・アルミ同士の摩擦焼き付き対策は天体機材メンテナンスの一般的知見(ZWO 公式マニュアルには明記なし。本記事は経験則として記載)

⑥ 関連商品

本記事で扱った DOVE AIR 本体、および同時に見直しが必要になる周辺アクセサリーは以下の商品ページから参照できます。DOVE AIR は「純正付属のアリ形プレートを外して装着する」設計のため、既存 ASIAIR の状態と合わせて確認してください。

⑦ 困ったら公式 LINE でご相談ください|商品ページ・ご相談窓口

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最終更新: 2026-07-17/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式製品ページおよび ZWO 公式ユーザーマニュアル(ASIAIR Pro / ASIAIR Plus)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は「本記事は経験則として記載」と明示しています。

⑧ よくあるご質問(FAQ)

Q1|DOVE AIR は ASIAIR Pro でも本当に使えますか?

使えます。ASIAIR Pro の底面/側面には ASIAIR Plus と同等の M4 タップと 1/4 インチ タップが並んでいるため、純正プレートを外して DOVE AIR をそのまま留められます。ZWO 公式製品ページの表記は「ASIAIR PLUS」が中心ですが、正規流通業者の多くは「ASIAIR PRO/PLUS」対応と明記して販売しています。

Q2|専用ネジは付属しますか?

付属しません。ASIAIR に元々ついていた純正アリ形プレートを外し、そのネジをそのまま再利用する設計です。長さ・種類の違うネジを流用すると ASIAIR 本体のタップを傷める危険があります(原因 4 参照)。

Q3|Losmandy(45mm)系サドルに入りますか?

入りません。DOVE AIR は Vixen 系(幅約 44mm)専用のアリ溝クランプです。使用中サドルの規格を先に確認してください。

Q4|締めすぎるとどうなりますか?

ZWO 公式マニュアルが明記している通り、アリ形ボルトを過大なトルクで締めると本体タップまたはネジそのものが破損します。手締め+六角レンチ短辺で「動きが止まったら止める」程度を目安にしてください。

Q5|ASIAIR の LED や USB が下を向くと故障しますか?

故障はしませんが、視認性と保守性が大きく低下します。特に TF カード/PWR/WiFi LED は運用中に必ずチェックする指標なので、装着方向を決める際に「LED が見える向き」「USB が抜き差しできる向き」を優先してください。

Q6|DOVE AIR にした後、マウントは何 A の電源が必要ですか?

ASIAIR Pro 本体は最低 12V@2A、4 出力併用時は 12V@5A 以上が公式推奨です。冷却カメラや EAF、デューヒーターを ASIAIR 出力から取る場合は、12V@5〜8A の電源が現実的な目安になります。マウント本体は ASIAIR の 12V 出力ではなく、別電源で独立給電することが公式推奨です(原因 18・19 参照)。

⑨ 参考にした一次情報

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