ZWO ASI 678MC 徹底比較|非冷却モデルの選び方と ASI 585MC / 662MC / 533MC Pro【2026】

ZWO ASI 678MC 徹底比較|非冷却モデルの選び方と ASI 585MC / 662MC / 533MC Pro【2026】

ZWO ASI 678MC は、Sony の最新世代 STARVIS 2 センサー IMX678 を搭載した「非冷却モデル」の惑星・月・太陽撮影用カラー CMOS カメラです。8.29 MP(3840×2160)・2.0µm ピクセル・47.5 fps・ゼロアンプグローという構成で、価格を抑えながら高解像・高フレームレートを両立します。ただし、あなたの主目的が「星雲・銀河などの長時間露出(ディープスカイ)」なのか、それとも「惑星・月・太陽の高解像動画」なのかで、選ぶべきモデルは大きく変わります。この記事では、ZWO 公式マニュアルと Sony 公式センサー資料だけを根拠に、ASI 678MC と、同じ非冷却の兄弟機(ASI 585MC・ASI 662MC)、そして冷却モデルの代表 ASI 533MC Pro を、用途別に「どれを選ぶべきか」を切り分けます。

① そもそも「非冷却モデル」とは何を意味するのか

ZWO の ASI シリーズには、大きく分けて「非冷却モデル(無印)」と「冷却モデル(Pro / Cool)」があります。両者の差は単に温度を下げる機能の有無ではなく、想定する撮影スタイルそのものが異なります。

非冷却モデル(ASI 678MC・ASI 585MC・ASI 662MC など)は、1 フレームあたりの露出時間が短い用途、つまり月・惑星・太陽の動画撮影や、電視観望(EAA)のような数秒〜数十秒のライブスタック用途に最適化されています。センサーが自然対流で放熱されるため軽量・低消費電力で、USB バスパワーだけで動作します(ASI678MC は最大 1.875W/出典:ASI678 Manual §6.3)。

冷却モデル(例:ASI 533MC Pro)は、2 段 TEC(ペルチェ素子)を内蔵してセンサーを周囲温度より最大 35°C 低い温度まで下げ、暗電流ノイズを抑え込みます。1 コマ数分〜数十分クラスの長時間露出、つまり系外銀河・星雲・広域星野などのディープスカイ撮影を前提とした設計です(出典:ASI533 Manual §5.3)。

ZWO 公式マニュアルは冷却効果について、「非常に短い露出(100ms 未満など)では冷却効果はほとんどない」と明記しています(出典:ASI533 Manual §5.3)。つまり、月・惑星の動画(数 ms〜数十 ms 露出)が主用途なら、そもそも冷却は要らないので非冷却モデルを選んで問題ありません。

出典: ZWO ASI533 Manual Rev1.2 §5.3 Cooling system「if a short exposure is used (eg, less than 100ms, cooling has little effect on the image)」

② ASI 678MC の基本スペック(一次情報のみ)

まず ASI 678MC 単体の仕様を、ZWO 公式マニュアル(Rev 1.1 / 2022-09)と Sony Semiconductor 公式フライヤー(IMX678-AAQR1 Ver.2.0)から表にまとめます。

項目 ASI 678MC の値
センサー SONY IMX678AAQR1-C(STARVIS 2 / 裏面照射型 CMOS)
フォーマット / 対角 Type 1/1.8" / 8.86mm(センサー実寸 7.68mm × 4.32mm)
解像度 8.29 MP(3840 × 2160)
ピクセルサイズ 2.0µm × 2.0µm(正方画素)
Max fps(全画素) 47.5 fps(USB3.0 / 10bit)/12bit RAW16 では 23.7 fps
シャッター / 露出範囲 Rolling shutter / 32µs〜2000s
読出しノイズ 0.6〜2.7e(8dB ゲイン時 1e)。HCG モードは gain 182 で自動 ON、1.0e まで低減しつつダイナミックレンジは 11bit 相当を維持
QE peak / Full well 83% / 11.27ke
ADC 12bit / 10bit(高速モード時 10bit)
インターフェース USB 3.0 / USB 2.0 Type-B(ST4 ガイドポート内蔵)
アダプター 1.25" / 2" / M42×0.75
保護窓 AR コート D21 × 1mm
外径 / 重量 / バックフォーカス 62mm / 126g / 12.5mm
電力(USB バスパワー) 最大 1.875W
動作 / 保管温度 動作 -5°C〜50°C/保管 -20°C〜60°C
アンプグロー ゼロ(ハードウェアレベルで実装)
位置づけ ASI 178MC の後継として ZWO が明記

出典: ZWO ASI678 Manual Rev 1.1 §1・§3・§4・§5・§6・§7Sony Semiconductor IMX678-AAQR1 Flyer Ver.2.0 p.1〜p.2

③ IMX678 = STARVIS 2 は何が新しいのか

ASI 678MC が「新しい」と言われる理由の大半は、搭載センサーである Sony IMX678 が STARVIS 2 世代であることに由来します。STARVIS 2 は Sony が民生セキュリティカメラ向けに開発した裏面照射型(BSI)画素技術で、Sony 公式フライヤーには次の点が明記されています。

  • 1µm² あたり 2000mV 以上の感度(F5.6 / 706cd/m² / 1s 蓄積換算・カラー品)
  • ADC 12bit・単一露光で、同じ画素サイズの旧 STARVIS 比 8dB 以上のダイナミックレンジ拡大
  • 可視光〜近赤外域で高画質
  • 単位セル 2.0µm × 2.0µm、有効画素 3856 × 2180(推奨録画 3840 × 2160、約 8.29M)
  • CSI-2 出力での最大フレームレートはセンサー側で 12bit=60fps / 10bit=72fps

出典: Sony Semiconductor IMX678-AAQR1 Flyer Ver.2.0 Description(p.1)「STARVIS 2 は back-illuminated pixel technology...has a wide dynamic range (AD 12 bit) of more than 8 dB compared to STARVIS for the same pixel size in a single exposure」

この特性が「近赤外に強い」「暗い被写体でも粘れる」というカタログ表現の根拠になっています。ただし、Sony の資料はセキュリティカメラ用途を想定して書かれており、天体観測での性能は最終的にホスト(=ZWO の基板・冷却の有無・ドライバ)で決まる点に注意してください。ASI 678MC はセンサー本来の 72fps ではなく、USB 3.0・全画素で 47.5fps という値になっているのも、この「ホスト側の実装上の上限」の結果です。

④ 兄弟機と何が違うのか(非冷却モデル横並び比較)

ZWO の非冷却モデルには、ASI 678MC のほかにも「同じ 3840 × 2160 だがセンサーが 1/1.2" と大きい ASI 585MC」「1/2.8" と小さいが 107.6 fps 出せる ASI 662MC」があります。すべて公式マニュアルの仕様表からの引用のみで並べます。

項目 ASI 678MC ASI 585MC ASI 662MC
センサー SONY IMX678(STARVIS 2) SONY IMX585 CMOS SONY IMX662(STARVIS 2)
フォーマット / 対角 1/1.8" / 8.86mm 1/1.2" / 12.84mm 1/2.8" / 6.45mm
センサー実寸 7.68 × 4.32mm 11.2 × 6.3mm 5.568 × 3.132mm
解像度 3840 × 2160(8.29 MP) 3840 × 2160(8.29 MP) 1920 × 1080(2.07 MP)
ピクセルサイズ 2.0µm 2.9µm 2.9µm
Max fps(全画素) 47.5 46.9 107.6
Read noise(低) 0.6e(HCG 182 で 1.0e) 0.8e(HCG 252 で 1.5e) 0.8e(HCG 252 で 0.8e)
QE peak 83% 91% 91%
Full well 11.27ke 47ke 38.2ke
ADC 12bit / 10bit 12bit / 10bit 12bit / 10bit
保護窓 AR D21 × 1mm AR D32 × 2mm AR D21 × 1mm
アダプター 1.25" / 2" / M42×0.75 2" / M42×0.75 1.25" / 2" / M42×0.75
重量 / 電力 126g / max 1.875W 126g / max 2.86W 126g / max 1.36W
バックフォーカス 12.5mm 6.5mm / 17.5mm 12.5mm
位置づけ(公式) ASI 178MC 後継 ASI 485MC 後継 ASI 462MC 後継

出典: ASI678 Manual §3ASI585 Manual §3ASI662 Manual §3(全て「Camera technical specifications」表の記載値)

④-1 ピクセルサイズ 2.0µm vs 2.9µm の意味

望遠鏡の焦点距離 F [mm] と口径 D [mm]、そしてピクセルサイズ p [µm] から、1 ピクセルが張る角度(画像スケール)は次のように決まります。
画像スケール [arcsec/px] ≒ 206.265 × p [µm] / F [mm]

したがって同じ焦点距離の望遠鏡に載せたとき、2.0µm の ASI 678MC は 2.9µm の 585MC / 662MC よりも約 1.45 倍細かく像をサンプリングできます。惑星のように「小さくて明るい対象を拡大して解像したい」用途では、この 2.0µm がストレートに解像感の余裕として効きます。逆に「同じセンサー実寸で広い視野が欲しい」場合は、1/1.2" と一回り大きい ASI 585MC の方が有利です。ここは撮影スタイルの根本的な選択になります。

④-2 フレームレート優先なら 662MC、解像度優先なら 678MC

ASI 662MC は 1920×1080 の解像度と引き換えに、全画素で 107.6 fps という高いフレームレートを実現しています(ASI662 Manual §3・§6.4)。惑星動画は「大気の揺らぎが止まった一瞬」をどれだけ多くコマ数として押さえられるかがスタック後の解像感に直結するので、動きの速いターゲット(ISS 通過・シーイングが良い夜の木星縞など)を狙うなら 662MC のフレームレート優位性が武器になります。逆に、フル 4K で残しつつ後処理で切り出したい・月面モザイクを組みたいなら 678MC の 3840×2160 が便利です。

④-3 「近赤外に強い」の中身

ZWO は公式ブログの惑星カメラ選択ガイド(2023 年 8 月)で、ASI 678MC を「Sony IMX678 センサーは近赤外応答が優秀。大きなフルウェル容量、高ダイナミックレンジ、低読出しノイズを持ち、惑星・太陽・月に適する」と位置づけています(出典:ZWO Blog 2023-08-21)。この「近赤外に強い」は前述の Sony 公式フライヤーの STARVIS 2 の特性(「近赤外領域でも高画質」)と整合しています。IR パスフィルターを併用した木星の帯構造撮影や、太陽 Hα プロミネンス(IR 側で見える対象ではないが、シーイング的に長波長側が有利)では活かしやすい特性です。

出典: ZWO 公式ブログ「Selecting the ideal planetary camera」2023-08-21Sony IMX678-AAQR1 Flyer Ver.2.0 p.1

⑤ 冷却モデル ASI 533MC Pro と何が違うのか

「非冷却モデル ASI 678MC」と「冷却モデル ASI 533MC Pro」は、そもそもターゲットが違うので単純にどちらが上とは言えません。用途がずれると片方は使い物になりません。両者を仕様表で並べます。

項目 ASI 678MC(非冷却) ASI 533MC Pro(冷却)
センサー SONY IMX678(1/1.8") SONY IMX533(対角 15.968mm、11.31 × 11.31mm 正方)
解像度 / ピクセル 3840×2160 / 2.0µm 3008×3008(正方 9MP) / 3.76µm
ADC 12bit 14bit
Read noise / QE / Full well 0.6〜2.7e / 83% / 11.27ke 1.0〜3.8e / 約 80% / 50,000e
Max fps(全画素) 47.5 fps 20 fps
冷却 なし(USB バスパワーのみ) 2 段 TEC、Delta T 35°C(周囲 30°C 基準)→ -35°C 到達
DDR3 バッファ 記載なし 256MB 内蔵(Pro モデル固有)
電源 USB のみ、max 1.875W USB(未冷却時 2.5W)+ DC 12V / 3A(冷却時 max 22W)
重量 / 外径 126g / φ62mm 470g / φ78mm
主用途 月・惑星・太陽・EAA・ガイド 星雲・銀河などディープスカイの長時間露出

出典: ASI678 Manual §3・§6.3ASI533 Manual §3・§5.2・§5.3・§5.8(Pro と Cool の違いは 256MB DDR3 バッファの有無と §5.8 に明記)

⑤-1 「Delta T 35°C」の読み解き方

ASI 533MC Pro は「周囲温度 30°C の環境下で、センサーを周囲より 35°C 下げられる(→ -5°C まで到達)」ではなく、「周囲 30°C 基準の測定で最低 -35°C まで到達できる」と ZWO マニュアルは書いています。ただし同じマニュアルには「冷却系が長時間動くと Delta T は下がることがある」「周囲温度が下がると Delta T も下がる」旨も明記されており、冷却スペックは「常にフル 35°C 出せる保証値」ではありません(出典:ASI533 Manual §5.3)。運用時は、目標温度を「その夜の外気温 -20°C 前後で安定するライン」に設定するのが実務的な取り扱いです。

⑤-2 「Pro」と「Cool」の違い= 256MB DDR3 バッファ

ZWO の冷却ラインには過去に「Cool」と「Pro」の二系統があり、公式マニュアルは「Pro モデルは 256MB DDR3 バッファを内蔵し、データ伝送を安定させ、読出し速度に起因するアンプグローも軽減する」と明記しています(出典:ASI533 Manual §5.8)。ディープスカイの長時間露出+長時間動作では、この「取りこぼしにくさ」も選定理由になります。ASI 678MC には現時点で Pro モデルの設定がありませんので、冷却+DDR バッファが欲しい用途は別モデルを選ぶ必要があります。

⑥ 用途別のおすすめ判断

ここまでの一次情報だけで、以下のように整理できます(あくまで仕様上の判断であり、光学系との相性やご予算で最終判断してください)。

用途 第一候補 代替候補 理由(仕様上の根拠)
月面のパンチ・オービタルフォトグラフィ、モザイク ASI 678MC ASI 585MC 4K 解像 + 2.0µm 小画素で拡大耐性が高い。視野をもっと広く取りたいなら 585MC(対角 12.84mm)
木星・土星の高解像動画(拡大撮影) ASI 678MC ASI 662MC 2.0µm による細かなサンプリング+ HCG での低ノイズ。ROI を切って 100fps 超が欲しいなら 662MC
ISS 通過など動きの速い高フレームレート撮影 ASI 662MC ASI 678MC(ROI 縮小時) 全画素 107.6fps の 662MC が圧倒的。678MC も ROI を絞れば数百 fps 可(マニュアル §6.4)
電視観望(EAA・ライブスタック) ASI 585MC ASI 678MC 585MC の 1/1.2" 大センサー・91% QE・47ke Full well が、短秒スタックでの階調に有利
太陽 Hα / 白色光の高解像撮影 ASI 678MC ASI 662MC 2.0µm × 4K で、大気の揺らぎが止まった瞬間を高解像で拾える。IR 感度も STARVIS 2 で有利
星雲・銀河の長時間露出(ディープスカイ) ASI 533MC Pro(冷却) — (678MC は非推奨) 14bit ADC・50ke Full well・2 段 TEC 冷却、256MB DDR バッファで長時間露出に最適化
オートガイド用サブカメラ ASI 662MC(軽量・小画素・ST4) ASI 678MC 126g・USB のみで動作。ただし ZWO 公式は「ASIAIR ガイド用途としての 678MC 常時利用は避けた方が良い」旨を明言している場面もあり、ガイド専用機は別途検討推奨

出典: ASI678 Manual §6.4(ROI 別フレームレート)、ASI662 Manual §3・§6.4ASI585 Manual §3ZWO 公式ブログ 2023-08-21

⑦ 買った後に必要な周辺機器(購入前に確認)

ASI 678MC を購入する際、光学系や運用方法によっては以下の別売り品が必要になります。マニュアル記載事項に基づく最小限のチェックリストです。

  • USB 3.0 対応ケーブル・PC:USB 2.0 では全画素で 5.2fps 程度まで大幅に下がる(ASI678 Manual §6.4)ため、フレームレートを活かすなら USB 3.0 環境が必須。
  • DC アダプタ / モバイルバッテリー:本体は USB バスパワーで動くため必須ではないが、遠征時はハブ経由の給電安定性を確保するために推奨。
  • IR カットフィルター(月・惑星の可視光撮影時):IMX678 は近赤外に敏感なため、可視光の色再現を厳密にしたい場合は 1.25" IR カットフィルターを併用。
  • Barlow / パワーメイト:惑星の像を臨界サンプリングまで拡大するために事実上必須。2.0µm 画素で F/D=10〜15 程度が現実的な目安。
  • 1.25" / 2" ホルダー:本体には 1.25"、2"、M42×0.75 アダプターが同梱される(ASI678 Manual §3・§7)が、光学系の接続径に応じて延長筒などを別途用意。

⑧ 保証・購入時の注意

ZWO 社は全 ASI 製品に対して「受領翌日から 2 年間のワランティ(Warranty Period)」を規定しています(出典:ASI678 Manual §9)。ZWO のワランティは「輸送破損 3 日以内」「品質不良 30 日以内」で製品交換の対応窓口が明示されていますが、ワランティの直接窓口は購入国のディストリビュータになるケースがあります。

天体ショップ(telescopeshop.net)でご購入いただいた場合は、上記の ZWO 社 2 年間ワランティに加え、弊社独自の「初期不良 60 日 + 3 年保証」を付帯しています(この保証は弊社独自の保証であり、ZWO 社の保証条件とは別枠です。他店で購入された ZWO 製品には適用されません)。

⑨ 関連商品

今回比較した 3 モデルは、いずれも天体ショップで即納在庫を持っています(在庫状況は変動するため、購入前に商品ページをご確認ください)。

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最終更新: 2026-08-11/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・ZWO 公式製品ページ・Sony Semiconductor 公式センサーフライヤーに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑪ よくある質問(FAQ)

Q1. ASI 678MC で星雲・銀河は撮れますか?

A. 短時間露出のスタック(EAA・電視観望)ならある程度可能ですが、1 コマ数分以上の長時間露出を伴う本格的なディープスカイ撮影には向きません。ZWO の公式マニュアルも「短い露出(100ms 未満など)では冷却の効果はほとんどない」と裏を返せば「長い露出になるほど冷却が必要」と示唆しています。星雲撮影主軸なら冷却モデル(ASI 533MC Pro など)を選ぶのが素直です。
出典: ZWO ASI533 Manual §5.3

Q2. ASI 178MC からの買い替えは体感できますか?

A. ZWO 自身が ASI 678MC を「ASI 178MC の後継」と位置づけています(出典:ASI678 Manual §1)。同じ 1/1.8" クラスながら、STARVIS 2 世代のダイナミックレンジ拡大とゼロアンプグロー、HCG モードの低ノイズ化が主な進化点です。178MC を惑星・月で使い切っている方の乗り換え先として自然な選択肢です。
出典: ZWO ASI678 Manual §1

Q3. USB 2.0 でも使えますか?

A. ハード的には USB 2.0 で動作しますが、全画素で 2.61fps(12bit RAW16)〜 5.2fps(10bit RAW8)まで大きく下がります。惑星・月のフレームレート優位性を活かすには USB 3.0 環境が事実上必須です。
出典: ZWO ASI678 Manual §6.4 ADC 別最大速度表

Q4. 「ゼロアンプグロー」は本当ですか?後処理でダーク補正が不要になりますか?

A. ZWO は公式マニュアルで「露出時間・ゲイン値にかかわらずアンプグローは発生しない。ハードウェア実装のためソフト制御は不要」と明記しています(出典:ASI678 Manual §5)。ただし「ダーク補正が不要」とまでは書かれておらず、ホット/クールピクセル対応やバイアス補正は通常通り行うのが安全です。

Q5. 保護窓(AR D21 × 1mm)を IR カットフィルターに載せ換えられますか?

A. 保護窓自体は AR コート(反射防止)のみで IR カット機能はありません。IR カットが欲しい場合は、光路上に別途 1.25" IR カットフィルターを入れる運用が一般的です。保護窓の分解・交換は保証対象外操作になる可能性があるため、フィルターは光路側で足すことを推奨します。
出典: ZWO ASI678 Manual §3・§9

Q6. ASI 662MC と ASI 678MC で迷っています。どちらが「初めての 1 台」ですか?

A. 用途で決めるのが確実です。「フレームレート最優先、動きの速い対象、ROI をガンガン絞りたい」なら 662MC「4K 解像で残したい、月面モザイクや高解像スチルにも使いたい、太陽・惑星の細部を粘りたい」なら 678MC。ZWO 公式ブログでも 662MC は「エントリー〜中級(ASI 462MC 後継)」、678MC は「アドバンス」に位置づけられています。
出典: ZWO 公式ブログ「Selecting the ideal planetary camera」2023-08-21

Q7. 冷却モデルの ASI 678MC Pro はありますか?

A. 執筆時点(2026 年 8 月)で ZWO 公式サイトの ASI 678MC/MM 製品ページには非冷却モデルのみが掲載されており、678MC Pro は用意されていません。冷却+長時間露出用途は、同じ ZWO なら 1" 正方センサーの ASI 533MC Pro や、APS-C クラスの ASI 2600MC Pro などが公式に用意されています。
出典: ZWO 公式 ASI678MC/MM 製品ページZWO 公式 ASI533 Pro シリーズ製品ページ

Q8. カラー版 (MC) とモノクロ版 (MM) はどちらを選ぶべきですか?

A. 初心者〜中級で「RGB 分光フィルター運用まではまだやらない」方は迷わずカラー版(MC)が扱いやすいです。モノクロ版(MM)は、L・R・G・B・Hα・OIII・SII などのフィルターを付け替えながら合成する運用が前提で、対応するフィルターホイールも別途必要です。同じセンサー世代(IMX678)で MC / MM の両方が用意されている点は仕様ページで明示されています。
出典: ZWO 公式 ASI678MC/MM 製品ページ

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最終更新: 2026-08-11/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式マニュアル・ZWO 公式製品ページ・Sony Semiconductor 公式センサーフライヤーに基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。