ZWO ASI2600MC Air 完全ガイド|ASIAIR 一体型 APS-C 冷却カメラの新潮流【2026 年最新版】

ZWO ASI2600MC Air 完全ガイド|ASIAIR 一体型 APS-C 冷却カメラの新潮流【2026 年最新版】

ZWO ASI2600MC Air は、APS-C IMX571 冷却メインセンサーに ASIAIR 制御コンピューター・ガイドセンサー(SC2210)・256GB eMMC ストレージを 1 つの筐体に同居させた「四位一体」のワイヤレススマートカメラです。本ガイドでは ZWO 公式ユーザーマニュアル V2.0 と Sony IMX571 公式フライヤーの一次情報のみを根拠に、購入前に押さえておくべきハードウェア仕様・接続フロー・対応マウント・運用上の注意点・関連製品との違いを完全網羅します。

① 製品概要|ASI2600MC Air とは何か

1-1. 四位一体の「ワイヤレススマートカメラ」

ASI2600MC Air は、ZWO が「Wireless Smart Camera(ワイヤレススマートカメラ)」と呼ぶ新カテゴリの製品です。従来は別々の機材だった「DSO 撮影用メインカメラ」「オートガイダー」「ASIAIR(制御コンピューター)」「ストレージ」を 1 つのアルミ筐体に統合し、ケーブル・配電・ガイドスコープのアライメントといった煩雑な要素を構造的に減らしています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 Product Overview(「highly integrated with a deep-space camera, a guiding camera and a smart astrophotography controller into one camera body. It also integrates eMMC storage with large storage space.」)

1-2. 筐体・基本諸元

筐体は航空グレードアルミを CNC 加工し、表面はアノダイズ+サンディング処理。寸法は 本体 Ø90mm × 高さ 98mm(アンテナ別、アンテナ長 94mm)、重量は 775g。動作温度 -20℃〜50℃、保存温度 -20℃〜60℃、動作湿度 20〜90% と、星見現場の温湿度条件をカバーします。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 Specifications

1-3. 「Air」は何が違うのか — DUO / Pro との関係

ASI2600 シリーズには大別して 3 系統あります。

  • ASI2600MC Pro / MM Pro: 純粋な冷却メインカメラ。別途 ASIAIR とガイドカメラが必要。
  • ASI2600MC DUO / MM DUO: メインセンサーの近傍に小型ガイドセンサー(SC2210)を「裏面」に内蔵。ASIAIR は別途必要。
  • ASI2600MC Air / MM Air: 上記 DUO の構成にさらに ASIAIR 機能(RAM / CPU / eMMC / Wi-Fi / USB HUB / DC 配電)を統合。実質的にこれ 1 台と望遠鏡+赤道儀があれば撮像が始められる。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.2 + ZWO 公式商品ページ ASI2600MC DUO

② メインセンサー仕様|IMX571 APS-C を読み解く

2-1. Sony 公式フライヤーから見る IMX571 の素性

Sony Semiconductor Solutions の公式フライヤーによれば、IMX571BQR は 対角 28.3mm(Type 1.8)の APS-C フォーマット裏面照射型 CMOS。総画素数 6280×4264(約 26.78 M)、有効画素数 6252×4176(約 26.11 M)、単位セル 3.76μm 角、内蔵 16bit ADC、最大 +36dB の PGA を備えます。チップ寸法は 27.780×22.302mm、184 ピン LGA パッケージです。

出典: Sony Semiconductor Solutions「IMX571BQR Product Information Flyer」Ver.1.0 (2018) "Description" / "Device Structure" / "Features"

2-2. ZWO 実装値(ASI2600MC Air としての主要数値)

ZWO 公式マニュアル V2.0 §3.2 の仕様表は次のとおりです。

項目 ASI2600MC Air(カラー)
センサー型番 SONY IMX571
センサーサイズ APS-C(23.5 × 15.7mm、対角 28.3mm)
解像度 26MP(6248 × 4176)
ピクセルサイズ 3.76μm × 3.76μm
シャッター ローリングシャッター
ADC 16bit
読み出しノイズ 0.84 〜 4.2e-(10dB ゲイン時 1.4e-)
QE ピーク 約 80%(モノクロ版 ASI2600MM Air は約 91%)
フルウェル容量 50Ke(標準)/73Ke(gain -25 拡張モード時)
ダイナミックレンジ 14bit / 14.08 stops
HCG ゲイン 100
露光時間 32μs 〜 2000s
スペクトル感度 400 〜 1000nm
出力フォーマット RAW8 / RAW16 / RGB24 / Mono8 / Mono16
ソフトビニング Bin2 / Bin3 / Bin4
推奨オフセット 50
最大フレームレート 36.4fps(320×240, RAW8) / フル解像度 RAW16 高速モードで 10fps
アンプグロー ゼロアンプグロー回路により無し
保護窓 UV/IR カットコーティング(モノ版は AR コーティング、D60×2mm)

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 / §3.2 / §3.4 / §3.5 / §3.9

2-3. 「APS-C × 3.76μm」が DSO に効く理由

APS-C 28.3mm 対角は、ZWO の DSO 専用ラインの中では「最広視野」に分類される領域です。3.76μm という適度なピクセルピッチは中焦点〜長焦点までの汎用性を担保し、後段の「⑧ ピクセルスケール早見表」で示すように 400〜1000mm 級の焦点距離レンジで現実的なサンプリングに収まります。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.2(センサー寸法・ピクセルピッチの公称値)

③ ガイドセンサー仕様|SC2210 を統合する意味

3-1. ガイドセンサーの主要数値

ガイドセンサーは ASI220MM Mini にも採用されている SC2210_BW(モノクロ)。サイズは Type 1/1.8(対角 8.81mm)、解像度 1920×1080(約 2.07MP)、ピクセル 4μm、QE ピークは 500nm 帯で 92%、読み出しノイズは 0.6〜3.2e-(10.6dB ゲイン時 1e-)、フルウェル 8.78Ke、最大露光 32μs〜10s、ADC は 12bit です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.1 (No.4) / §3.2 / §3.4

3-2. 「ガイドスコープが要らない」設計のメリット

ASI2600MC Air は、ガイドセンサーをカメラ本体に内蔵する代わりに、メインセンサー前面の保護窓近傍からピックオフした光路でガイドを行う方式(メーカーの呼称は「Three-in-one design」)を採用しています。これにより別途 OAG(オフアキシスガイダー)やガイドスコープを用意・調整する必要がなく、ガイドスコープのたわみ・温度ドリフトに起因するキャリブレーション崩れの問題を構造的に回避できます。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1「Three-in-one design」("You don't need a separate OAG, guide camera and ASIAIR.")

3-3. ガイドセンサー側のフォーカス調整

本体側面にガイドセンサー専用のフォーカシングノブが配置されており、ASIAIR の運用フローでは「夜間の撮影前に、日中の遠景を使って無限遠フォーカスを合わせておく」ことが公式に推奨されています。ガイドセンサーをメインカメラとして一時的に切り替え、Focus モードでスター点像が最小 HFD になるよう調整してから本来のメインセンサーへ戻します。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §7.2.4 / §7.3.1 (4)(5)

3-4. メインセンサーとガイドセンサーの仕様横並び

項目 メイン(IMX571) ガイド(SC2210)
対角 28.3mm(APS-C) 8.81mm(Type 1/1.8)
解像度 6248 × 4176(26MP) 1920 × 1080(2.07MP)
ピクセル 3.76μm 4μm
QE ピーク 約 80%(モノ版 91%) 500nm で 92%
読み出しノイズ 0.84〜4.2e-(10dB 時 1.4e-) 0.6〜3.2e-(10.6dB 時 1e-)
フルウェル 73Ke(拡張) 8.78Ke
最大露光 2000s 10s
ADC 16bit 12bit
スペクトル感度 400〜1000nm 300〜1000nm

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 Specifications

④ 冷却・防露・電源仕様|長時間露光に耐えるか

4-1. 2 段 TEC 冷却

冷却は 2 段 TEC 方式。公式マニュアル V2.0 §3.6 では「周囲温度 30℃ 環境で測定したとき、センサー温度を周囲より 30〜35℃ 下げられる」と明記されています(周囲温度が下がると Delta-T も小さくなる旨の注記あり)。日本の夏期夜間(25〜28℃)から梅雨明けの猛暑期まで実用域でカバーできる設計です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.6 Cooling System / §3.2 Delta-T

4-2. 防露ヒーター

保護窓に密着するポリイミドヒーターを内蔵。消費電力は 3.6W で、必要に応じて ASIAIR アプリから OFF にすることもできます。冬季・湿度の高い夜間で保護窓側の結露を抑える役割を担います。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.7 Anti Dew / §3.2 Power Of Heating Tube

4-3. 静音磁気浮上ファン

冷却フィンには「Ultra-quiet magnetic levitation fan(超静音マグネティックレビテーションファン)」を 1 基搭載。ベアリングを使わない磁気浮上構造により振動・摩耗が小さく、長時間運用に向く設計です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 External View (No.9)

4-4. 電源仕様と最大消費電力

項目 仕様
電源入力 DC12V@3A〜10A(D5.5×2.1mm、センタープラス)
バッテリ駆動 11V〜14V のリチウムバッテリ可
電源モード公称値 DC12V-3A
最大消費電力 27.6W
DC IN/OUT ポート 3 基(うち 1 基を入力、残り 2 基は出力としてマウントや露除けに分配可)
電源 LED 赤色(正常時点灯/異常時消灯/アプリで点灯 ON/OFF 切替可)

電源運用の注意: 規定外の電圧を入力するとカメラに不可逆ダメージが発生する可能性があり、同時に複数電源ポートからの入力も禁止されています(1 ポートのみ入力可)。低電圧条件での長時間使用も避けるよう公式マニュアルに明記されています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (1)(2)(12) / §3.1 (No.7,8) / §3.2 / §3.8 / §6.2

⑤ 通信・接続性|Wi-Fi デュアルバンド・USB・DC ポート

5-1. ポート構成早見表(図 1)

ポート/部位 用途
DC IN/OUT 3 いずれか 1 基を入力に。残りはマウント・露除けへ給電出力
USB 2.0 HUB 4 EAF / EFW / マウント / 外付 USB ストレージ等
USB Type-C 1 PC への画像転送(eMMC へ直接アクセス可)
Wi-Fi アンテナ 1 取り付け式・デュアルバンド対応・アンテナ長 94mm
RESET 1 5 秒長押しで Wi-Fi・パスワード・Bridge 設定を初期化
フォーカシングノブ 1 ガイドセンサー専用フォーカス調整
電源 LED 1 赤・電源正常時点灯
防露ヒーター 1(内蔵) 保護窓密着型ポリイミドヒーター 3.6W
磁気浮上ファン 1(内蔵) 超静音・冷却ヒートシンク用

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 External View (No.7〜14) / §3.2 Specifications

5-2. Wi-Fi(2.4G / 5G デュアルバンド)

無線は 802.11 b/g/n/ac 規格、2.4GHz / 5GHz デュアルバンド対応。マニュアル §6.3 は「障害物のない開放空間では理論上約 20m カバー」と記述しています。アプリ側からホットスポット名(SSID)・パスワード・バンド(2.4/5GHz)を設定可能です。デフォルトの SSID は「機種名_AIR_シリアル番号」、初期パスワードは「12345678」。初回接続時にホットスポットを変更しておくと運用上安全です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.2 / §6.3 Network Connection / §7.2.2 Wireless Smart Camera

5-3. Wi-Fi Station モード(ホームネットワーク接続)

AP モード(カメラ自身がアクセスポイント)に加え、ASIAIR デバイスをホーム LAN にブリッジ接続する Wi-Fi Station モード がアプリから設定できます。これにより、撮影中もスマートフォンを家のインターネットに接続したまま使え、家のどこからでも ASIAIR を制御できる運用が可能になります。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §7.2.2 Wi-Fi Station Mode

5-4. Wi-Fi リセット手順

SSID やパスワードを忘れたとき、もしくは Bridge 設定をクリアしたいときは、本体の RESET ボタンを 5 秒間長押し し、音声プロンプト「Device is reset, ready to connect」が流れたら離します。ホットスポット・パスワード・Bridge データがリセットされ、初期設定に戻ります。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 (No.11) / §9.2 Wi-Fi Reset

5-5. 国内技適

無線部の国内認証は MIC(TELEC)211-240612 として取得済みです。FCC ID は 2A7R3-ASICamera Air、IC は 28392-ASICamera Air、ほか CE / RCM / RoHS / WEEE に適合しています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.3 Product Related Certification

5-6. 内蔵ストレージと DDR バッファ

RAM は 2GB DDR4、内蔵ストレージは eMMC 256GB。さらに 2GB DDR4 はフレームバッファとしても機能し、長時間露光時のフレームドロップを抑止します。eMMC が満杯のときは USB ハブ経由で外付け USB ストレージにも保存できます。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 / §3.10 DDR Buffer / §7.2.8 Storage

⑥ ソフトウェア環境|ASIAIR App / ASIStudio / ASCOM Alpaca

6-1. ASIAIR App(主制御)

主制御は ZWO の ASIAIR App。Android / iOS / iPadOS / macOS(Apple Silicon)に対応します。マニュアルの推奨環境は次のとおりです。

プラットフォーム 最低要件 推奨
Android Android 8 以上 / RAM 4GB 以上 Android 12 以上 / RAM 6GB 以上
iOS iOS 12 以上 iOS 15 以上
macOS Apple Silicon Mac 同左

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 "Tips for Reading this Manual" / "Download ZWO ASIAIR App"

6-2. ASIAIR App で使える主要機能

マニュアル §7.3 にはワークフロー全体が示されており、Telescope Focusing / Polar Alignment / GoTo / Preview / Start Guiding / Live Stack / Autorun / Plan Mode が中核機能です。プレートソルブ・極軸合わせ(北極星見えなくても合わせられる「All Sky Polar Align」実験機能)・ライブスタック・複数ターゲット撮影(Plan Mode)まで一通りカバーします。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §7.3 Imaging Guide / §7.2.9 About(All Sky Polar Align・New Plate Solve)

6-3. ASIStudio(PC 制御)

ZWO 純正の PC 用統合ソフト ASIStudio でも本機を制御できます。対応 OS は Windows 7 以上、macOS 10.12 以上、Linux(Ubuntu 16.04 以上推奨)。マニュアル §8.2 のフロー通り、Wi-Fi ホットスポットに PC を接続したうえで ASIImg を起動するとカメラが認識されます。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §8.1 / §8.2

6-4. ASCOM Alpaca 経由で NINA / MaxIm DL / PHD2

サードパーティ PC ソフトへの接続は ASCOM Platform v6.6 以上の Alpaca プロトコル経由で行います。MaxIm DL では Camera Chooser で「Alpaca」を選び Discovery → 「ZWO ASIxxxx Air」を選択することで、Camera 1(メインカメラ)と Camera 2(ガイドカメラ)の 2 台が個別に見える挙動になります。NINA / PHD2 等も同様にこの Alpaca 経由でアクセス可能です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §8.3 Additional Astrophotography Software

6-5. ファームウェア更新と初回認証

ファームウェア更新は ASIAIR App 経由で配布されます。最新のアプリで接続するとプロンプトが表示され、確認・更新します。失敗時は ASIAIR App を終了し、本体電源を抜き差ししてから再試行する手順がマニュアルに明記されています。
また、本体は 初回起動時に 1 回だけインターネット接続による認証コード取得 が必須です。屋外活用前に自宅 Wi-Fi 環境で初回認証を済ませておくと安全です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (8) / §6.3 / §9.1 Firmware Update

⑦ 望遠鏡・マウント・アクセサリの接続フロー

7-1. 望遠鏡側のバックフォーカス設計

本機のアダプタリングは M54×0.75、本体側のバックフォーカスは 12.5mm または 17.5mm(付属アダプタ構成の選択による)です。望遠鏡へ取り付ける際は、合計 55mm バックフォーカス を基準にスペーサーを構成するよう公式マニュアルに記載されています。フラットナー/レデューサーの設計バックフォーカスから本機 BF を差し引いた残量をスペーサーで埋める設計が基本です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 / §6.6 Telescope Connection

7-2. レンズ接続(Nikon / Canon)

カメラレンズを用いる広角・準広角の撮像も可能。Nikon-T2 アダプタまたは EOS-T2 アダプタを使い、必要に応じて 2 インチフィルターを介してレンズを装着する構成がマニュアル §6.7 に図示されています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §6.7 Lens Connection

7-3. マウント接続(USB ケーブル経由)

USB 2.0 HUB(4 基)を介して、各種マウントを接続できます。マニュアル §6.4 は以下 3 通りを示します。

  1. RS-232 → USB 変換: NexStar / SynScan V3/V4 / GTOCP / StarGo / Pulsar2 GoTo / Go2Nova / Gemini / AutoStar / AudioStar / PMC-8(手動でシリアルモード切替必要) などの「ハンドコントローラー(HC)系」マウントは、RS232-USB ケーブルまたは FTDI ケーブルで接続。SynScan V5 は USB Type B-A プリンターケーブル。
  2. USB 直結(マウント本体に USB ポート): 新世代マウントは本体に USB ポートを内蔵しており、Type B-A プリンターケーブル 1 本で接続。
  3. EQMod via EQDir: EQ シリーズ各種は EQDir ケーブルで HC ポート(または AUX ポート)を直接 ASIAIR に繋ぎ、アプリで「EQMod Mount」を選択。デフォルトのボーレートは 9600(AZEQ5 と EQ6-R PRO は 115200、AZ-GTi は 11880・UDP プロトコル)。

サポートされているマウント例(マニュアル §6.4 抜粋): EQ3-2 / NEQ3 / HEQ3 / SkyView Pro EQ / EQ4 / EQ5 / HEQ5 / EQ6 / EQ6 Pro / NEQ6 / EQ6-R PRO / AZ-EQ5GT / AZ-EQ6GT / EQ8 / EQM-35 Pro / AZ-GTi / CEM26 / GEM28 / CEM40 / GEM45 / HEQ5 PRO / AVX / CGEM II / CGX / RST-135 / RST-135E / EM31 / Crux 170HD / Crux 140HD / Mark III / AM5 / HEM27 ほか。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §6.4 Mount Connection via Cables

7-4. マウント接続(Wi-Fi)

Wi-Fi 経由のマウント接続にも対応しており、SkyWatcher AZ-GTi の SynScan Wi-Fi モジュール、StarFi Wi-Fi Adapter、SkyPortal Wi-Fi Module、StarGo Wi-Fi モード、PMC-8 Wi-Fi モードなどがマニュアル §6.5 で言及されています。詳細手順は ZWO のヘルプドキュメントを参照する流れです。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §6.5 Mount Connection via Network

7-5. EAF / EFW / 露除けヒーターの接続

ASIAIR を内蔵しているため、USB 2.0 HUB 経由で EAF(電動フォーカサー)EFW(電動フィルターホイール)を接続できます。EFW はカラーカメラでは任意(フィルター撮影しないなら不要)。露除けヒーターストラップは DC OUT ポートから給電する構成がマニュアル §6.2 に図示されています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 (No.10) / §6.1 / §6.2 / §7.2.6 Filter Wheel / §7.2.7 EAF

⑧ ピクセルスケール早見表|どの焦点距離と相性が良いか

8-1. ピクセルスケール公式

ピクセルスケール(秒角/ピクセル)は、ピクセルサイズ(μm)÷ 焦点距離(mm)× 206.265 で求められる、CCD/CMOS 天体撮影の基礎公式です。本機の 3.76μm ピクセルでの早見は次のとおりです。

焦点距離 ピクセルスケール 適性
300mm 約 2.58 秒/px 広視野・大型散光星雲(北アメリカ星雲・カリフォルニア星雲等)
400mm 約 1.94 秒/px 中型〜大型 DSO・モザイク 1-2 枚で大星雲
550mm 約 1.41 秒/px バランス重視(中型銀河・反射星雲)
700mm 約 1.11 秒/px 小〜中型銀河、球状星団
1000mm 約 0.78 秒/px シーイングが良ければ可。長辺視野は約 1.3 度に縮小

出典: 一般的なピクセルスケール公式 ピクセルサイズ(μm) ÷ 焦点距離(mm) × 206.265 = 秒角/ピクセル。ピクセルサイズ 3.76μm は ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 公式仕様。なお本表の換算値はカタログ仕様から算出した参考値であり、実運用ではバローや減光フィルターによる実焦点距離変動を考慮してください。

8-2. APS-C ならではの長辺視野感覚

センサー長辺 23.5mm / 短辺 15.7mm / 対角 28.3mm を、焦点距離(mm)× 57.3 / 1000 で度換算すると、たとえば 400mm では長辺 約 3.37 度、550mm では約 2.45 度、1000mm では約 1.35 度の視野が得られます。短焦点広視野では「天体撮影のフレーミング自由度」が高い一方、1000mm を超える望遠系では小さな天体に絞った構図設計が現実的です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.2(センサー寸法)。視野角換算式は天体撮影一般公式。

⑨ 設置・運用上の注意事項(公式マニュアル §2 まとめ)

9-1. 環境条件

  • 気象: 雨・雪・霧・雷・強風・極端気象下では使用も保管も避ける。
  • 通気: 通気の良い場所で使用する(ヒートシンクの放熱経路を塞がない)。
  • 直射日光: 長時間の直射日光暴露は表面変色の原因。日中の組立は望遠鏡の鏡筒バンドで影を作るなど工夫を。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (3)(5)(11)

9-2. 電源・ケーブル取り回し

  • 規定外電圧の入力はカメラに不可逆ダメージの可能性。
  • 同時に複数 DC ポートから入力しない(1 ポートのみ入力)。
  • 低電圧条件で長時間使用しない。
  • マウント・露除けに延びる通信/電源ケーブルが赤道儀の回転で絡まないよう、ケーブルマネジメントを徹底する。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (1)(2)(4)(12) / §6.1 / §6.2

9-3. データ保護

  • 画像転送中に USB ドライブや Type-C ケーブルを抜くと、データ損失・ストレージ破損の恐れあり。エクスポート完了をアプリ表示で確認する。
  • 本体起動・認証中は ASIAIR アプリをバックグラウンドに回さない・閉じない・電源を切らない。
  • 初回認証はインターネット接続環境で 1 回必須。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (6)(7)(8)

9-4. 高温時の取り扱い

長時間動作後の本体は温度が上昇します。電源を切った直後の素手接触は避け、しばらく冷却してから取り扱うようマニュアルに明記されています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (9)

9-5. 保証

本機は ZWO 社の製品保証の対象です。修理・交換には RMA コードの取得が必要で、ZWO 公認代理店経由で購入したユーザーは代理店経由のアフターサービスも受けられます。なお、当ショップ(株式会社天文堂)でご購入の場合は、弊社独自の初期不良 60 日 + 3 年保証も付帯します。

出典: ZWO Warranty & Return Policy / ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §10 Servicing & Warranty

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⑩ 本記事で扱った商品ページ・公式 LINE のご案内

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最終更新: 2026-05-16/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式ユーザーマニュアル V2.0 / Sony Semiconductor Solutions IMX571BQR 公式フライヤー / ZWO 公式商品ページ / ZWO 公式保証ポリシー に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑪ よくある質問(FAQ)

Q1. ASIAIR Plus を持っていれば、ASI2600MC Air を買う意味はある?

主な違いは「OAG・ガイドカメラ・ガイドスコープが構造的に不要」「USB / DC 配線の物理的な絡まりが減る」点です。すでに Pro / DUO + ASIAIR Plus の運用が安定している場合は、Air 単体で構成を組み直す動機は薄め。新規に APS-C 冷却撮像を始める or 機材一式を整理・軽量化したい人ほど Air の利点は大きく出ます。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 Three-in-one design

Q2. 本体の電源は 12V 5A のポータブル電源で足りる?

最大消費電力は 27.6W、電源入力は DC12V@3A〜10A の範囲が公式仕様です。実用上は 12V × 5A(60W)の供給能力があれば、本体冷却 + EAF + マウント駆動を含めて余裕を持って動かせます。リチウムバッテリは 11V〜14V の範囲で動作します。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §2 (1) / §3.2 / §3.8

Q3. SSID やパスワードを忘れたらどうすればよい?

本体の RESET ボタンを 5 秒長押しすると、ホットスポット・パスワード・Bridge 設定が初期化されます。音声プロンプト「Device is reset, ready to connect」が再生されたらリリースしてください。デフォルトパスワードは「12345678」です。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.1 (No.11) / §6.3 / §9.2

Q4. NINA や PHD2 で使えますか?

使えます。ASCOM Platform v6.6 以上を PC にインストールしたうえで、Alpaca プロトコルでカメラを検出します。本機は「メインカメラ」「ガイドカメラ」の 2 デバイスが個別に見えるため、PHD2 はガイドカメラ、NINA / MaxIm DL はメインカメラとして同時に運用できます。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §8.3 Additional Astrophotography Software

Q5. バックフォーカスはどう設計すればよい?

本体側のバックフォーカスは 12.5mm または 17.5mm(付属アダプタ構成の選択による)。望遠鏡側は 合計 55mm を基準にスペーサーで埋めるのが公式マニュアルの推奨です。アダプタリングは M54×0.75 で、レンズ運用時は Nikon-T2 / EOS-T2 アダプタを介します。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 / §6.6 / §6.7

Q6. 冷却はどの程度まで下げられる?

2 段 TEC により、周囲 30℃ 環境で 30〜35℃ の温度降下(センサー温度約 0〜-5℃ 目安)が公式に明記されています。周囲温度が下がると Delta-T も小さくなる点に注意してください(冬季は無理に深い設定温度を狙わず、安定して維持できる目標温度に下げる運用が現実的)。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.2 Delta-T / §3.6 Cooling System

Q7. 国内技適は取得済み?

取得済みです。日本電波法上の認証として MIC(TELEC)番号 211-240612 がマニュアル §3.3 に明記されています。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §3.3 Product Related Certification

Q8. 一眼レフ(DSLR / ミラーレス)からの乗り換えで気を付けるべきこと

センサーサイズが APS-C(IMX571)なので、フルサイズ機種からの移行では視野が約 0.6〜0.7 倍に狭まる感覚になります。一方で 冷却・低読み出しノイズ・ゼロアンプグロー・無人連続撮影(Plan Mode) といった天体撮影専用機の恩恵は大きく、長時間積算前提のディープスペース撮影では同価格帯のミラーレス+ポータブル赤道儀の構成より総合的に有利になるケースが多いです。

出典: ZWO ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0 §1 / §3.2 / §7.3.7 Autorun / §7.3.8 Plan Mode

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ASI2600MC Air をさらに深く理解するために、当ショップのナレッジ記事も併せてご覧ください。

参考にした一次情報

  1. Wireless Smart Camera ASI2600MC/MM Air User Manual V2.0(ZWO 公式 PDF)
  2. Wireless Smart Camera ASI2600MC Air User Manual V1.0(ZWO 公式 PDF 旧版)
  3. Sony Semiconductor Solutions「IMX571BQR Product Information Flyer」Ver.1.0 (2018)
  4. ZWO 公式商品ページ「ASI2600MC/MM Air」
  5. ZWO 公式米国ストア「ASI2600MC/MM Air」
  6. ZWO 公式 Warranty & Return Policy
  7. ZWO 公式 ASIAIR ソフトウェアページ
  8. ASIAIR App(App Store)

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最終更新: 2026-05-16/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は ZWO 公式ユーザーマニュアル V2.0 / Sony Semiconductor Solutions IMX571BQR 公式フライヤー / ZWO 公式商品ページ / ZWO 公式保証ポリシー に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。