Sky-Watcher WAVE 150i が動かない・接続できない・追尾しない|トラブル切り分け完全版

Sky-Watcher WAVE 150i が動かない・接続できない・追尾しない|トラブル切り分け完全版

Sky-Watcher WAVE 150i は、ベルト駆動ステッピングモータとハーモニックリデューサ(ストレインウェーブギア)を組み合わせた赤道儀/経緯台デュアルモードのコンパクト架台です(公式マニュアル仕様)。出先での組み立てや接続でつまずきやすいポイントは、電源・Wi-Fi/Bluetooth・SynScan Pro App・ファームウェア・バランス・ガイドの 6 系統にほぼ集約されます。本稿では公式マニュアル(v.2024-09)と Sky-Watcher 公式ダウンロードページ、SynScan App User's Manual(公式 PDF)の記載のみを根拠として、33 個の原因と対処を 9 カテゴリで切り分けます。

① 電源系トラブル — まずここを切り分ける

原因 1|電源が 12V 未満/無安定化 AC アダプタを使用している

症状:電源ボタンの LED が「等間隔の遅い点滅」または「速い点滅」、起動はするがスルー時に止まる/再起動する。
原因:WAVE150i の公式電源要件は DC 12〜16V、>35W。12V 時で >3A、16V 時で >2.2A が必要。無安定化 AC アダプタは使用不可と明記。
対処:レギュレーテッド AC アダプタまたは Li-Ion 電源で 12V 5A 以上を確保。長尺延長ケーブルでの電圧降下を避け、可能ならマウント側で 14〜16V を実測する。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.3 Power Supply Requirements("Output Voltage: DC 12 to 16 V, higher voltage is recommended. Power Rating: >35W. Do not use an unregulated AC-to-DC adapter.")

原因 2|DC プラグのサイズ/極性が違う

症状:電源を入れても LED が一切点灯しない/差し込んだ瞬間に火花が出る。
原因:WAVE150i の電源コネクタは 2.1mm 内径×5.5mm 外径、中央プラスのバレルプラグ。一般的に流通する 2.5mm 内径プラグは差さらない、または接触が浅くなって通電しない。極性逆接は内部回路を損傷する恐れがある。
対処:付属の純正電源ケーブルを使用し、サードパーティ電源を使う場合は仕様(2.1mm I.D. × 5.5mm O.D. / center positive)を実測で確認してから接続する。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.3("Barrel Plug: 2.1mm I.D, 5.5mm O.D., central positive")

原因 3|LED が等間隔の遅い点滅をする(電源電圧低下)

症状:電源スイッチの LED が等間隔で点滅し続ける。動作はするが時々ハングする。
原因:公式マニュアル §3.1 によれば「等間隔の遅い点滅は電源電圧低下を示す」。シールバッテリーやポータブル電源の残量低下、または細い電源ケーブルでの電圧降下が典型。
対処:電源を交換するか、より太いケーブルに変更し、必要なら 16V 給電に切り替える。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.1 Power Switch indicator("Single slow flashing with equal on/off time: Power voltage is low.")

原因 4|LED が速い点滅をする(電圧が極端に低い)

症状:LED が高速点滅、マウントが応答しない。
原因:公式マニュアル §3.1 によれば「速い点滅は電源電圧が極端に低いことを示し、直ちに使用を停止する必要がある」。
対処:使用を直ちに中断し、電源を別系統に交換する。低電圧運転を続けるとモータ駆動や内部基板に過電流が発生する可能性がある。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.1 Power Switch indicator("Single quick flashing: Power voltage is extremely low, stop using the mount immediately.")

原因 5|LED が三回点滅(ファームウェア更新未完了)

症状:電源スイッチ LED が常時 3 回点滅、SynScan Pro App から接続できない。
原因:公式マニュアル §3.1 によれば「三回点滅はファームウェア更新が完了していない状態」。アップデート中に電源を抜いた、または通信が中断した場合に発生する。
対処:Motor Controller Firmware Loader を再実行し、ファームウェア更新プロセスを完了させる。詳細は公式ローダ同梱の手順書を参照。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.1 / §4.5 Firmware Update("Triple flashing: Firmware update is not finished.")

② Wi-Fi 接続トラブル

原因 6|Wi-Fi の SSID が見つからない

症状:スマートフォンの Wi-Fi 一覧に SynScan_WiFi_#### が表示されない。
原因:SynScan App User's Manual(公式)によると、WAVE 150i の内蔵 Wi-Fi アダプタは既定で Access Point モード、SSID は SynScan_WiFi_#### 形式、パスワードなしで起動する。電源 LED が「短点滅(接続待機)」になっていない場合、Wi-Fi モジュールが起動していない可能性がある。
対処:(1) 電源 LED が短点滅状態か確認。(2) 別のスマホやタブレットで SSID が見えるか確認。(3) 見えない場合は次項「リセット手順」。

出典: SynScan App User's Manual SynScan Wi-Fi Parameters("the network name (SSID) is of the form SynScan_WiFi_#### and there is no password")/WAVE150i 公式マニュアル §3.1

原因 7|Wi-Fi に接続できてもアプリが見つけられない(iOS)

症状:iPhone/iPad で SynScan_WiFi_#### に接続できたが、SynScan Pro App から「Connect」を押しても繋がらない。
原因:SynScan App User's Manual の NETWORK TROUBLESHOOTING に「iOS は SynScan Wi-Fi ホットスポットへ初回接続後、最大 1 分待つ必要がある場合がある」と明記。
対処:Wi-Fi 接続から約 1 分待ってから App の Connect ボタンを押す。さらに「セルラー回線を一時的に OFF」にすることで OS が SynScan Wi-Fi を「インターネット非対応」と判断して通信路を捨てるのを防げる。

出典: SynScan App User's Manual NETWORK TROUBLESHOOTING("If you are using iOS, you may need to wait about one minute" / "you may need to disable the device's cellular internet connection")

原因 8|過去に STA モード(既存ルータ参加)に切り替えていてつながらない

症状:以前は AP モードで繋がっていたが、自宅 Wi-Fi に参加させる設定(STA モード)に切り替えてからマウントが見えない。
原因:SynScan App User's Manual によれば「STA モードに設定したマウントは、電源 ON 時に設定先ルーターが既に稼働している必要がある。準備が間に合わないと AP モードのみで起動する」。また STA モード時はマウントが取得した IP を SynScan Pro App 側で正しく指定する必要がある。
対処:(1) 自宅ルーターを先に稼働させてからマウントの電源を入れる。(2) SynScan Pro App の Connect Settings で Find Device を有効化、または Fixed IP を直接入力。(3) 一度デフォルトに戻したい場合は次項「Wi-Fi 設定リセット」。

出典: SynScan App User's Manual Station mode("The access point (router) ... must be ready before you turn on the mount; otherwise, the SynScan Wi-Fi adapter will work in Access Point only mode.")

原因 9|Wi-Fi 設定(SSID/パスワード)を忘れて入れない

症状:以前 SSID やパスワードを変えたが思い出せず、どのデバイスからもマウントに繋がらない。
原因:STA モード時のルーター指定や AP モード時のカスタム SSID/パスワードを変更したが記録していない。
対処:公式リセット手順として「Wi-Fi アダプタの電源を入れたまま 1 時間アクセスせず放置すると、デフォルトの Access Point モード(SSID SynScan_WiFi_####・パスワードなし・IP 192.168.4.1)に戻る」と SynScan App User's Manual に明記されている。

出典: SynScan App User's Manual RESET SYNSCAN WI-FI ADAPTER("leave the adapter powered on for an hour without accessing it")

③ Bluetooth/2025 年 12 月以前ロットの接続不安定問題

原因 10|2025 年 12 月以前製造ロットの Wi-Fi/Bluetooth 不安定

症状:Wi-Fi または Bluetooth が時々切れる、SynScan Pro App との接続が頻繁に途切れる。
原因:Sky-Watcher 公式の Motor Controller Firmware ダウンロードページに、MC030 モータコントローラを搭載したマウント(WAVE 150i/WAVE 100i/Fusion 120/AZ-GTi 等)のうち 2025 年 12 月以前に製造されたロットの一部で Wi-Fi/Bluetooth が不安定になる事象がアナウンスされており、専用の「Tools for upgrading on-board Wi-Fi module's firmware」(15-12-2025 公開、64.109MB)が配布されている。
対処:公式の Wi-Fi モジュールファームウェア更新ツールを Sky-Watcher 公式サイトからダウンロードし、同梱の手順に従って Wi-Fi モジュールを更新する。Motor Controller Firmware(mc030_ver0366.zip / 03-04-2026)と合わせて最新化することで、内部基板側の改善も適用される。

出典: Sky-Watcher Motor Control Firmware("Tools for upgrading on-board Wi-Fi module's firmware (64.109MB / 15-12-2025)" / "MC030 Motor Controller Version 3.66 / mc030_ver0366.zip / 03-04-2026")

原因 11|Bluetooth ペアリングがそもそも開始できない

症状:スマートフォンの Bluetooth デバイス一覧にマウントが見えるが、タップしてもペアリング画面に進まない。
原因:SynScan Pro App は Bluetooth/Wi-Fi/USB を切り替えて使う設計で、Bluetooth 経由の接続は OS のペアリング設定からではなく App 内の Connect 設定から行う必要がある。WAVE 150i は Bluetooth 対応だが、ペアリングは App 側からのみ確立される。
対処:OS の Bluetooth 設定ではなく、SynScan Pro App を起動して Settings > Connect Settings から Bluetooth を選択する。SynScan Pro App は Windows/Mac/Android/iOS いずれでも Bluetooth 接続をサポート(Android は USB OTG ドングル併用時のみ USB も可)。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §4.1 SynScan pro APP("Windows and Mac version ... Support USB, Wi-Fi, Bluetooth connections. Android version ... Support USB, Wi-Fi and Bluetooth. iOS version ... Support Wi-Fi, Bluetooth connections.")

原因 12|OS 側にすでにペアリング情報が残っていて競合している

症状:Bluetooth で接続したが、すぐ切れる/不安定に再接続を繰り返す。
原因:過去にペアリングした古いプロファイルが OS に残り、新規セッションと競合している可能性がある(一般的な BLE 機器の挙動)。
対処:OS の Bluetooth 設定からマウントの古いプロファイルを削除し、SynScan Pro App から再度接続を開始する。改善しない場合は前項のファームウェア更新(原因 10)を併せて適用する。

出典: SynScan App 公式 About(接続方式仕様)/Sky-Watcher Motor Control Firmware("Tools for upgrading on-board Wi-Fi module's firmware")

④ USB/SynScan ハンドコントローラ 通信トラブル

原因 13|PC(Windows)が USB ポートを認識しない

症状:USB-B ケーブルで PC に接続したが COM ポートが現れない。
原因:WAVE 150i の USB ポートは仮想 COM ポートとして PC 側にシリアルデバイスとして認識される設計。USB シリアル変換チップに対応するドライバがインストールされていない場合に発生する。
対処:(1) Windows の「デバイスマネージャ」を開き、USB シリアルデバイスとして検出されているか確認。(2) ドライバ未認識の場合は付属ケーブルでマウントを直接 PC に繋ぎ、Windows Update でドライバを取得するか、PC メーカーのチップセットドライバを最新化する。(3) USB ケーブル自体の不良(充電専用ケーブル)を疑い、データ通信対応の USB-B ケーブルに交換する。

出典: SynScan App User's Manual USB PORT ON MOUNT("Connect it to a USB host (Windows and some Android devices) and the host would detect the mount as a serial device.")

原因 14|Android で USB 接続できない

症状:Android タブレットに USB-OTG ケーブルで繋いだが SynScan Pro App が反応しない。
原因:公式マニュアル §4.1 によれば「Android で USB 接続するには USB OTG ドングルが必要」。デバイス側が USB On-The-Go をハードウェアサポートしている必要がある。
対処:(1) 端末が USB OTG 対応かをアプリストアの「USB OTG checker」で確認。(2) 充電器側の OTG モードが有効か確認。(3) USB が不可ならば Wi-Fi または Bluetooth 接続に切り替える。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §4.1("While using an USB connection with an Android device, a USB OTG dongle is required.")/SynScan App User's Manual

原因 15|SynScan ハンドコントローラ(HC ポート)に RS-232 を直接差し込んだ

症状:HC ポートに自作の RS-232 アダプタを差したらマウントが反応しなくなった/焼損した。
原因:SynScan App User's Manual に「HC ポートに RS-232 信号を直接接続しないこと。電気的レベル変換を介さない接続はマウント損傷の恐れがある」と明記されている。HAND CONTROL ポートは TX/RX が 3.3V ロジック。
対処:SynScan-USB アダプタまたは SynScan Hand Controller(SynScan Relay ファームウェア適用版)を経由して PC と接続する。

出典: SynScan App User's Manual HC PORT ON MOUNT("Connecting RS-232 signal directly to HC port, without appropriate electrical level conversion, risks damaging the mount.")/WAVE150i 公式マニュアル §3.2 Pinout("RX(3.3V) / TX(3.3V)")

原因 16|通信タイムアウトが頻発する

症状:SynScan Pro App から操作するたび「No Response」「Communication error」と表示される。
原因:SynScan App User's Manual の COMMUNICATION PARAMETERS によれば、デフォルト値は「不安定な Wi-Fi 通信を想定して再送回数とタイムアウトが長め」に設定されている。Wi-Fi 環境が混雑している場合や障害物がある場合は、デフォルト値でも通信が間に合わないことがある。
対処:(1) マウント周辺の Wi-Fi 干渉源を減らす。(2) 一時的に USB ケーブル接続に切り替えて切り分け。(3) Settings > Connect Settings の Resend tries / Read timeout を環境に合わせて調整。

出典: SynScan App User's Manual COMMUNICATION PARAMETERS("The default values assume an unreliable communication channel (such as over an unreliable Wi-Fi connection) so has many retries and long read timeout.")

⑤ ファームウェア・モジュール更新まわり

原因 17|どのファームウェアを当てればいいか分からない

症状:Sky-Watcher 公式ダウンロードページに複数のローダ/ファームウェアが並び、どれを WAVE 150i に当てるべきか判断できない。
原因:WAVE 150i に該当するのは MC030 Motor Controller Version 3.66(mc030_ver0366.zip)。ローダは Motor Controller Firmware Loader Windows v1.88(USB 経由)または v1.88(Wi-Fi 経由)。Wi-Fi モジュール側を更新する場合は別途「Tools for upgrading on-board Wi-Fi module's firmware(64.109MB)」が必要。
対処:Sky-Watcher Global の Motor Control Firmware ダウンロードページから (a) Motor Controller Firmware Loader、(b) mc030_ver0366.zip、(c) Wi-Fi モジュール更新ツールの 3 点を取得し、付属手順書に従って当てる。

出典: Sky-Watcher Motor Control Firmware("MC030 Motor Controller, Version 3.66 / mc030_ver0366.zip / 57KB / 03-04-2026 / Wave-150i and Wave-100i" / "Motor Controller Firmware Loader Windows 1.88")

原因 18|Wi-Fi 経由のファームウェアローダで失敗する

症状:Motor Controller Firmware Loader(Wi-Fi 版)で更新を試みると途中で止まる。
原因:Wi-Fi 版ローダは通信が不安定な環境で取りこぼしが発生しやすい。さらに公式注記によれば「Wi-Fi 版ローダは Star Adventurer Mini/Star Adventurer 2i の更新には非対応」とされており、対象が混在すると誤って失敗する場合もある。
対処:(1) 同じ機種でも USB 版ローダ(標準 USB v1.88)に切り替える。(2) Wi-Fi モジュール自体に不具合がある場合は先に Wi-Fi モジュール更新ツールを当ててから本体ファームウェアを更新する。

出典: Sky-Watcher Motor Control Firmware("Motor Controller Firmware Loader Windows 1.88 (WiFi) ... does not support the firmware update for a Star Adventurer Mini and a Star Adventurer 2i via WiFi")

原因 19|更新中に電源が落ち LED 三回点滅で起動しない

症状:ファームウェア更新中にケーブルが抜けたり PC がスリープしたりして、再起動後 LED が 3 回点滅する。
原因:公式マニュアル §3.1 で「三回点滅はファームウェア更新が完了していない状態」と明記されている。書き込みが中断され、ブートローダ側で再書き込みを待っている状態。
対処:Motor Controller Firmware Loader を起動し、対応ファーム(mc030_ver0366.zip)を再書き込みする。更新中は電源の安定供給と PC のスリープ抑制を必ず行う。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.1("Triple flashing: Firmware update is not finished.")

⑥ メカ系・バランス・サドル

原因 20|搭載重量がアンバランス時の上限を超えている

症状:スルー中にギア音が大きい、ガイドが急にずれる、ホームに戻らない。
原因:WAVE 150i の公式仕様は「Maximum Balanced Payload 5kgf.m(25kg @0.2m)/Maximum unbalanced in R.A. 3kgf.m(15kg @0.2m)/Maximum unbalanced in Dec/Alt 0.75kgf.m(25kg @0.03m)」。アンバランス運用には軸ごとに明確なモーメント上限がある。
対処:軸ごとの「kgf.m」モーメントを計算し直す。重い鏡筒・大型カメラを搭載する場合はカウンターウェイトでバランスを取り、特に Dec/Alt 軸は重心 0.03m 以内に収める。

出典: WAVE150i 公式マニュアル APPENDIX SPECIFICATIONS("Maximum Balanced Payload 5kgf.m 25kg @0.2m / Maximum unbalanced in R.A. 3kgf.m (15kg @0.2m) / Maximum unbalanced in Declination/Altitude 0.75kgf.m (25kg @0.03m)")

原因 21|バランス取りをサボったため追尾精度が出ない

症状:追尾やガイドが不安定、消費電力が増えてバッテリーがすぐ減る。
原因:公式マニュアル §1.5 によれば「ストレインウェーブ駆動の WAVE 150i はアンバランス搭載が可能だが、バランスを取る(部分的でも)ことで①小さい三脚での安定性向上、②消費電力低下、③追尾性能向上が得られる」と明記。
対処:(1) RA 軸バランス(§1.5.1)と Dec/Alt 軸バランス(§1.5.2)を順に実施。(2) カウンターウェイト位置は Dw = Mt × Dt / Mw で算出。(3) 完全バランスが取れない場合はカウンターウェイトを最遠端でロック。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §1.5 Balance of the Payload("Higher stability ... Less power consumption ... Higher tracking performance.")

原因 22|ダブテイルバーがサドルに入らない/緩い

症状:サドルにダブテイルバーが入らない、または入っても遊びがある。
原因:WAVE 150i のサドルは 43〜73mm 幅のダブテイルバー(D/V ハイブリッド)を受け入れる仕様。範囲外のバーは適合しない。
対処:(1) ダブテイルバー幅を実測し 43〜73mm 範囲か確認。(2) ロックノブを交互に締めて偏荷重を防ぐ。(3) §1.3 の手順に従いダブテイルバーを溝に「右向きに」スライドさせて装着。

出典: WAVE150i 公式マニュアル APPENDIX("Telescope Mounting Bar: 43mm〜73mm dovetail bar")/§1.3 Install the telescope

原因 23|カウンターウェイトロッドの取り付け不良

症状:カウンターウェイトが緩む、ロッドが回ってしまう、安全キャップが落下する。
原因:公式マニュアル §1.4 によれば、(1) マウントのキャップを外し安全な場所に保管、(2) カウンターウェイトロッド(長/短/両方)を時計回りで締め込む、(3) ロッド先端の安全キャップを外しウェイトを通し、ロックノブを締めた直後に安全スクリューを必ず差し込む、という順序が必要。安全スクリューの差し込みを忘れるとウェイト落下事故につながる。
対処:§1.4 の手順を必ず遵守し、安全スクリューを「直ちに」差し込む。ロッドの増設はオプションの 0.7kg + 0.4kg ロッド構成に従う。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §1.4 Install counterweight("Thread in the security screw immediately.")

⑦ 三脚・ピアエクステンション・剛性

原因 24|三脚が WAVE 150i の積載重量に対して非力

症状:風で揺れる、追尾中に微振動が止まらない、フォーカス時にも揺れる。
原因:WAVE 150i 本体は 5.8kg と軽量で携行性に優れる一方、搭載側は最大 25kg まで(バランス時)対応する。三脚側が華奢だと総重量に耐えきれず微振動が増える。
対処:(1) 重い鏡筒や長焦点撮影なら EQ6 Wave Steel Tripod/Carbon Fiber Tripod(Sky-Watcher USA 公式アクセサリ)など耐荷重の高い三脚を選定。(2) ピアエクステンションを使う場合、Sky-Watcher 公式の Wave to EQ6 Tripod Adapter/Pier Extension(高さ +7 インチ)を組み合わせると剛性を確保しつつ撮影鏡筒のクリアランスを稼げる。

出典: Sky-Watcher USA Wave 150i Pro("tripod, pier extension, counterweight kit, and optical tube sold separately")/Sky-Watcher USA User Manuals

原因 25|緯度ロックノブが緩んで緯度がずれる

症状:セットしたはずの緯度スケールが、撮影中にずれている。
原因:公式マニュアル §1.2 で「赤道儀モードでは 2 本の緯度ロックノブを緩めて緯度調整ノブで合わせ、最後に必ず両方の緯度ロックノブを締め直す」と指示されている。締め忘れると重量や振動で徐々にずれる。
対処:緯度合わせ後、両方の緯度ロックノブを確実に締め込む。極軸調整完了後も「Latitude locking knobs と Azimuth Adjustment Knobs を最後に必ず締める」と §2.1 にも明記されている。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §1.2 / §2.1("Lock the two Latitude locking knobs." / "Tighten the Latitude locking knobs and the Azimuth Adjustment Knobs at the end of the polar alignment.")

原因 26|緯度スケールや水準器が暗くて見えない

症状:夜間に緯度スケールや水準器が読めず、極軸合わせが難航する。
原因:WAVE 150i は緯度スケールと水準器が赤色 LED でバックライト点灯する設計だが、初期状態では明るさが控えめ、または OFF になっていることがある。
対処:SynScan Pro App または SynScan ハンドコントローラの「Polar Scope Illuminator」設定で明るさを調整。これが WAVE 150i の照明制御を兼ねる仕様(公式マニュアル §4.4)。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §4.4 Illumination("The brightness can be adjusted using the Polar Scope Illuminator settings")

⑧ Auto-Home/極軸合わせ

原因 27|Auto-Home でホームに戻らない、または変な姿勢で停止する

症状:Auto-Home を実行するとマウントが想定外の姿勢で止まる。
原因:公式マニュアル §4.3 によれば「EQ モードでは Dec Offset=0 で polar-home に戻り、AZ モードでは Dec Offset=-90 で north-level に戻る」「Dec/Alt=-90°/270° の位置から Auto-Home を開始することは避ける」とされている。モード違いの Dec Offset を入れている、あるいは禁止姿勢から開始しているケースが多い。
対処:(1) 動作モード(EQ / AZ)を再確認。(2) SynScan Pro App の Utility > Advanced > Auto Home で Dec Offset を正しく入力。(3) 開始姿勢が Dec/Alt=-90°/270° に近い場合は手動で動かしてから実行。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §4.3 Auto-Home("Fill the Dec Offset with 0, the mount will return to the polar-home position. ... Avoid starting Auto-Home in the following position: Dec/Alt=-90°/270°.")

原因 28|極軸合わせ(Star Alignment ベース)が一発で合わない

症状:SynScan の 2-Star Alignment 経由で極軸を合わせても、PHD2 や SharpCap で残差が大きい。
原因:公式マニュアル §2.2 では「2-Star Alignment → Polar Alignment プロセス → これを 2〜3 回繰り返す」と明記。1 回で完璧に合うことを想定していない。
対処:「2-Star Alignment + Polar Alignment」のサイクルを 2〜3 回繰り返す。さらに高精度を狙う場合は §2.3 の「Polar Alignment based on Imaging」、つまり SharpCap Pro/PHD2 のイメージング型極軸合わせ機能を併用する。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §2.2 / §2.3("Repeat the above steps for two or 3 times." / "Many applications, like SharpCap Pro and PHD2, provide highly accurate, imaging based, polar alignment.")

原因 29|方位調整の可動域を超えて極軸が合わない

症状:方位調整ノブを回しきっても極軸方向にもう少し動かしたい。
原因:WAVE 150i の方位調整範囲は公式仕様で 20°。三脚の据え方が大きくずれていると、調整ノブだけでは合わせきれない。
対処:三脚側を物理的に北(または南)に向け直してから方位調整ノブを使う。公式マニュアル §1.1 に「赤道儀モードでは三脚の脚 1 本を極方向(北、南半球では南)に向ける」と明記。

出典: WAVE150i 公式マニュアル APPENDIX("Polar Alignment Range: 90 Degrees in Latitude, 20 Degrees in Azimuth")/§1.1 Setup Tripod

⑨ ガイド・ASCOM/PHD2/NINA/ASIAir 連携

原因 30|ASIAir と SynScan Pro App を同時起動して片方が接続できない

症状:ASIAir で接続できたあと、SynScan Pro App から繋ぐと両方とも不安定になる。
原因:WAVE 150i のマウント側通信路は基本的に「1 系統のホスト」と通信する設計。ASIAir(USB-B 経由)と SynScan Pro App(Wi-Fi)を同時に張ると、コマンドが衝突して挙動が乱れる。
対処:ASIAir で運用する夜は SynScan Pro App を閉じる、もしくは Wi-Fi 接続を切る。どちらか一方の制御アプリで完結させる。

出典: Sky-Watcher USA Wave 150i Pro("Works seamlessly with ASI Air (USB-B cable included)" / "Compatible with SynScan hand controller or SynScan app")

原因 31|ASIAir 経由でマウントが認識されない

症状:ASIAir Plus / Mini に WAVE 150i を USB-B で繋いだが、マウント選択画面で出てこない。
原因:付属の USB-B ケーブルを正しいポート(マウント側 USB/ASIAir 側 USB)に差していない、または USB ケーブルが充電専用品で通信に対応していない、もしくは ASIAir 側のマウント機種選択が「Sky-Watcher SynScan」系になっていない。
対処:(1) WAVE 150i 同梱の USB-B ケーブルを使用する(製品ページ明記)。(2) ASIAir のマウント設定で Sky-Watcher SynScan 互換プロトコルを選択。(3) ASIAir 側のマウント電源 OFF→ON 順序を見直す。

出典: Sky-Watcher Global WAVE 150i("compatibility with ASI Air (USB-B cable included)")

原因 32|ガイドが ST-4 ポート経由で効かない

症状:オートガイダーを GUIDE ポート(ST-4)に繋いだが補正が入らない。
原因:WAVE 150i の GUIDE ポートは公式マニュアル §3.2 の Pinout に従い、6 ピン RJ-12 で 2=GND、3=RA+、4=DEC+、5=DEC-、6=RA- の標準 ST-4 配列。市販の ST-4 ケーブルでも、ピン配置の異なるサードパーティ品ではガイド信号が通らない場合がある。また Auto-guiding 速度は 0.125×/0.25×/0.5×/0.75×/1× から SynScan Pro App 側で設定する必要がある。
対処:(1) ST-4 ケーブルの配線を確認する。(2) SynScan Pro App から Auto-guiding 速度を設定する。(3) PHD2 から ASCOM 経由でパルスガイドを使う運用にも切り替え可能。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.2 Pinout / APPENDIX("AUTO GUIDE 6: RA- 5: DEC- 4: DEC+ 3: RA+ 2: GND" / "Auto-guiding Speed 0.125X, 0.25X, 0.5X, 0.75X, 1X")

原因 33|AUX USB/AUX PWR を活用していない(ケーブルの絡みでスルー停止)

症状:子午線越え/大角度スルーでケーブルが引っ張られ追尾が止まる。
原因:WAVE 150i は内部配線型の Cable Management を持ち、AUX USB(サドル側)と AUX PWR(最大 DC 5A、2.5mm I.D. × 5.5mm O.D.)を使えば望遠鏡側デバイスへの USB と電源を「マウント内部経由」で配線できる(公式マニュアル §3.1 / §4.6)。これを使わずに外部にケーブルを這わせると、可動部に絡む典型例。
対処:(1) サドル側 AUX USB に USB ハブを繋ぎ、カメラ/フォーカサ/フィルターホイール等の USB を集約する。(2) AUX PWR は最大 5A までの低消費機器(フォーカサ、デューヒーター等)に活用。(3) 高消費電流機器(冷却カメラ等)は AUX PWR の電流制限を超えないか必ず確認する。

出典: WAVE150i 公式マニュアル §3.1 / §4.6 Cable Management System("AUX PWR: Auxiliary power connectors, 2.5mm I.D., 5.5mm O.D., maximum DC 5A." / "The AUX USB interfaces provide an internal wiring for connecting a host to the USB devices on the telescope.")

本記事で取り上げた WAVE 150i 本体および周辺アクセサリの商品ページは以下です。

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最終更新: 2026-06-28/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sky-Watcher 公式マニュアル(WAVE150i v.2024-09)/Sky-Watcher 公式ダウンロードページ(Motor Control Firmware)/SynScan App User's Manual(公式 PDF)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. WAVE 150i に必要な電源は何 V・何 A ですか?

公式マニュアル §3.3 に「DC 12〜16V、>35W」「12V で >3A、16V で >2.2A」と明記されています。プラグは 2.1mm 内径×5.5mm 外径、中央プラスです。無安定化 AC アダプタは使用不可です。

Q2. WAVE 150i は経緯台モードでも使えますか?

はい、公式仕様で Equatorial / Alt-Az Dual Mode に対応します。経緯台モードでは緯度調整ノブを反時計回りに突き当たるまで回し、マウントを直立姿勢にしてから緯度ロックノブを締めます(§1.2)。

Q3. iPhone から SynScan Pro App でつなぐとき、Wi-Fi に繋がっているのにアプリが認識しません。

SynScan App User's Manual の Network Troubleshooting に「iOS は SynScan Wi-Fi ホットスポット接続後、最大 1 分待つ必要がある場合がある」「セルラー回線を一時的に OFF にする必要がある場合がある」と明記されています。

Q4. ファームウェアの更新中に電源が落ちて、LED が 3 回点滅したまま動きません。

公式マニュアル §3.1 で「三回点滅はファームウェア更新が完了していない状態」とされています。Motor Controller Firmware Loader(USB 版 v1.88)で mc030_ver0366.zip を再書き込みすることで復旧できます。

Q5. 2025 年 12 月以前に買ったロットで Wi-Fi/Bluetooth が不安定なのですが?

Sky-Watcher 公式ダウンロードページに「2025 年 12 月以前製造の MC030 搭載マウントの一部で発生する Wi-Fi/Bluetooth 不安定」に対する「Tools for upgrading on-board Wi-Fi module's firmware(15-12-2025 公開)」が配布されています。これを当てると改善するケースがあります。

Q6. ASIAir と SynScan Pro App を併用しても大丈夫ですか?

同時併用は推奨しません。マウントは基本的に 1 ホストとの通信を想定した設計のため、ASIAir 運用時は SynScan Pro App を閉じる、もしくはどちらか一方の制御アプリで完結させてください。

Q7. ガイドが ST-4 ポートで効かないのですが?

GUIDE ポートのピン配置は公式マニュアル §3.2 で定義されています。市販 ST-4 ケーブルでも配線違いがあるため、配線を確認してください。また Auto-guiding 速度(0.125×〜1×)は SynScan Pro App 側で設定する必要があります。

Q8. 公式に動作温度はどの範囲ですか?

WAVE150i 公式マニュアル APPENDIX に「Operational Temperature」として明示されていますが、配布 PDF の一部欄がフォント文字化けしているため、本ガイドでは具体的な摂氏温度の正確引用を控えます。寒冷地運用の前には Sky-Watcher 公式または購入店に最新の動作温度範囲をご確認ください。

Q9. カウンターウェイトは必須ですか?

公式マニュアル §1.4 で「カウンターウェイトはオプション。望遠鏡やアクセサリが非常に重い場合を除き不要」と明記されています。WAVE 150i はストレインウェーブ機構によりアンバランス搭載が可能ですが、§1.5 にあるとおりバランスを取ることで安定性・消費電力・追尾性能のすべてが改善します。

参考にした一次情報リスト

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最終更新: 2026-06-28/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sky-Watcher 公式マニュアル(WAVE150i v.2024-09)/Sky-Watcher 公式ダウンロードページ(Motor Control Firmware)/SynScan App User's Manual(公式 PDF)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。