Sky-Watcher WAVE 150i 完全ガイド|ストレインウェーブ赤道儀・経緯台両用の仕組み・スペック・接続方法【初めての方へ】
Sky-Watcher WAVE 150i 完全ガイド|ストレインウェーブ赤道儀・経緯台両用の仕組み・スペック・接続方法【初めての方へ】
Sky-Watcher の WAVE 150i は、ハーモニックドライブ(ストレインウェーブ)方式の赤道儀/経緯台両用マウントです。本体 5.8kg と軽量ながら、カウンターウェイト無しで 15kg、カウンターウェイト併用で 25kg の搭載荷重を実現します。本記事では、公式マニュアル(© 2024 Sky-Watcher)と Sky-Watcher 公式サイトの一次情報のみを根拠に、初めて WAVE 150i を検討する方が「自分の鏡筒は載るか/必要な周辺機材は何か/ASIAIR や SynScan Pro でどう接続するか」を判断できるよう、仕様・端子・セットアップを通しで解説します。
① ストレインウェーブ(ハーモニックドライブ)とは何か
ストレインウェーブギア(ハーモニックドライブ)は、楕円形のウェーブジェネレータが薄肉の「フレックススプライン(柔らかい歯車)」をたわませて固定の「サーキュラースプライン」と噛み合わせる、減速機の一形式です。WAVE 150i はベルト駆動のステッパーモータ+ハーモニックレデューサ(伝達方式:Belt-Driven Stepper Motor with Harmonic Reducer)を採用しており、総減速比は RA:303:1、DEC:275.4:1 です。
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount(© 2024)APPENDIX SPECIFICATIONS p.14("Motor Drive: Stepper Motor (1.8°/step), 256 Microsteps per step / Gear Ratio: RA 303:1; DEC 275.4:1")/Sky-Watcher Global 公式製品ページ("Transmission Mode: Belt-Driven Stepper Motor with Harmonic Reducer")
従来のウォームギア式赤道儀と比較した特徴は次の通りです。
| 項目 | ハーモニックドライブ(WAVE 150i) | 従来型ウォームギア |
|---|---|---|
| バックラッシュ | 原理上ゼロ(噛み合う歯数が多く、たわみで吸収) | 必ず発生し、ガイドの追従が遅れがち |
| カウンターウェイト | 原則不要(マニュアル §1.4「鏡筒が非常に重い場合のみ必要」) | 基本的に必要 |
| 減速比 | 単段で高減速(RA 303:1 / DEC 275.4:1) | 単段では低減速、複合化で精度低下 |
| 最高スルー速度 | 7.5°/秒(マニュアル §APPENDIX) | 機種によるが概して低速 |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §1.4 Install counterweight("Counterweight is optional unless the telescope and accessories are very heavy.")/§APPENDIX SPECIFICATIONS("Maximum Slewing Speed 7.5 degrees/second / Gear Ratio: RA 303:1; DEC 275.4:1")。本表のうち「噛み合う歯数が多い」「単段で高減速」はハーモニックドライブ方式の一般原理(マニュアル本文には明記なし。本記事ではメカニズム解説として記載)。
② WAVE 150i 主要スペック早見表
Sky-Watcher 公式マニュアル APPENDIX(p.13–14)および Sky-Watcher Global / USA / Australia 公式サイトのスペック表に記載のある項目を、verbatim で整理したものが次の表です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| マウントタイプ | 赤道儀 / 経緯台 両モード(Equatorial / Alt-Az Dual Mode) |
| 本体重量 | 5.8 kg(12.8 lbs) |
| 寸法 | 156 × 184 × 252 mm |
| 搭載荷重(カウンターウェイト無) | 15 kg(33 lbs) |
| 搭載荷重(カウンターウェイト併用) | 25 kg(55 lbs) |
| 最大バランス搭載モーメント | 5 kgf·m(25kg @0.2m) |
| R.A. 軸 最大アンバランス | 3 kgf·m(15kg @0.2m) |
| Dec / Alt 軸 最大アンバランス | 0.75 kgf·m(25kg @0.03m) |
| モータ | ステッピングモータ(1.8°/step、256 マイクロステップ/step) |
| 伝達方式 | ベルト駆動 + ハーモニックレデューサ |
| 減速比 | RA 303:1 / DEC 275.4:1 |
| 最高スルー速度 | 7.5°/秒 |
| オートガイド速度 | 0.125× / 0.25× / 0.5× / 0.75× / 1× の 5 段階 |
| 緯度調整範囲 | 0°〜90° |
| 極軸合わせ範囲 | 緯度 90°、方位 20° |
| 電源 | DC 12〜16V、合計 35W 以上(12V で 3A 以上、16V で 2.2A 以上を推奨) |
| 待機電流 | 0.5A |
| サドル | Vixen / Losmandy 両対応 D/V ハイブリッド(鳩尾バー幅 43〜73mm) |
| 通信 | Wi-Fi / Bluetooth / USB-B 内蔵 |
| 追尾モード | 恒星時 / 月 / 太陽 |
| 天体カタログ | Messier / NGC / IC / Caldwell / 二重星 / 変光星 / 名前付き恒星 / 惑星 |
| 機能 | RA 電源オフブレーキ/緯度スケール・水準器 赤色 LED 照明/RA・DEC 両軸でのオートホーム |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount(© 2024)APPENDIX SPECIFICATIONS p.13–14 / Sky-Watcher Global 公式製品ページ(寸法・電源仕様)/ Sky-Watcher USA 公式("Single D/V hybrid saddle" / "Wi-Fi and Bluetooth")/ Sky-Watcher Australia 公式("Standby Current 0.5A" / "Sidereal, lunar and solar")。
③ EQ モードと AZ モードの使い分け
WAVE 150i は 1 台で赤道儀(EQ)モードと経緯台(AZ)モードの両方に切り替えられる「Dual Mode」マウントです。マニュアル §1.2 では、両モードの切り替え手順が次のように指定されています。
| モード | セットアップ手順 | 主な用途 |
|---|---|---|
| EQ(赤道儀) | 緯度ロックノブを緩め、緯度調整ノブで現地緯度に合わせる → 再ロック(マニュアル §1.2 1.)。三脚の脚 1 本を真北(南半球は真南)に向け、R.A. 軸を北に向ける(§1.1)。 | 長時間露光のディープスカイ撮影、極軸合わせ前提のオートガイド撮影。 |
| AZ(経緯台) | 高度(Altitude)調整ノブを反時計回りに突き当たるまで回し、緯度ロックノブを締める。マウントを直立状態のまま使用(§1.2 2.)。 | 眼視観望、惑星短時間撮影、極軸合わせをスキップしたい運用、月・太陽の追尾。 |
オートホーム機能(後述 §⑧)も両モードに対応しており、SynScan Pro アプリの「Utility → Advanced → Auto Home」で実行できます。マニュアル §4.3 は EQ モードの場合は Dec Offset を 0 に設定して極軸ホーム位置に戻し、AZ モードの場合は Dec Offset を -90 に設定して水平・北向きの位置に戻すと指定しています。なお、Auto Home の起動位置として Dec/Alt = -90°/270° は避ける必要があります(§4.3 NOTICE)。
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §1.1 Setup Tripod and Wave 150i / §1.2 Tilt Declination Axis(p.4)/ §4.3 Auto-Home(p.12, "For equatorial mode: Fill the Dec Offset with 0… For alt-az mode: Fill the Dec offset with -90… Avoid starting Auto-Home in the following position: Dec/Alt=-90°/270°.")
④ 搭載できる鏡筒の現実的な目安
WAVE 150i の搭載荷重には 3 つの数値があり、混同しやすいので整理しておきます。
| 区分 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| カウンターウェイトなし最大荷重 | 15 kg | 公式の「Payload without counterweight」。鏡筒・カメラ・ガイド機材の合計重量がこの範囲なら、原理上カウンターウェイトは不要です(マニュアル §1.4)。 |
| カウンターウェイト併用時 最大荷重 | 25 kg | 公式の「Payload with counterweight」。15kg を超える鏡筒を載せる場合は、別売りカウンターウェイトキット(S30914、5kg 1 個+ロッド 2 本)でバランスを取る前提です。 |
| R.A. 軸 最大アンバランスモーメント | 3 kgf·m(15kg @ 0.2m) | バランスを取らない場合に R.A. 軸が支えられる重心モーメント。15kg の搭載物が回転軸から 0.2m 離れていても保持できる量。 |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §APPENDIX SPECIFICATIONS p.14("Maximum Balanced Payload: 5kgf.m 25kg @0.2m / Maximum unbalanced in R.A. 3kgf.m (15kg @ 0.2m) / Maximum unbalanced in Declination/Altitude 0.75kgf.m (25kg @0.03m)")/ §1.4 Install counterweight p.6 / §1.5 Balance of the Payload p.6("The Wave 150i mount can support unbalanced payload in both R.A(Azimuth) and declination(Altitude) axis.")
マニュアル §1.5 の冒頭では「WAVE 150i は R.A.(方位)軸と赤緯(高度)軸の両方でアンバランスな荷重を支持できる。しかし、バランスを取る(部分的にでも)ことで以下のメリットがある:(1) 三脚の支持面積が小さい場合の安定性向上、(2) 消費電力の低減、(3) 追尾性能の向上」と明記されています。15kg まではカウンターウェイトなしで物理的に保持可能ですが、追尾精度や消費電力を重視する場合は、軽い鏡筒であっても部分的にバランスを取ることが推奨されています。
サドルは Vixen / Losmandy 両対応の D/V ハイブリッド形式で、43〜73mm 幅の鳩尾バーを受け入れます(マニュアル APPENDIX p.14 "Telescope Mounting Bar 43mm~73mm dovetail bar")。Losmandy サイズ(約 75mm)の鳩尾バーは、製品個体差で入る場合と入らない場合があるため、購入前に弊社へお問い合わせください。
⑤ 必要な周辺機材(同梱品・別売り品)
マニュアル §Packing List(p.3)および Sky-Watcher Global / USA 公式の "Included" / "Not Included" 表記によると、マウント単体購入時の同梱品と別途準備が必要な機材は次の通りです。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 同梱品 | WAVE 150i 本体 × 1 / 電源ケーブル × 1 / USB ケーブル × 1(ASIAIR 接続用 USB-B ケーブル) |
| 別途準備(必須) | 三脚(または延長ピア/柱)/ 12V 2A 以上の DC 電源(センタープラス 2.1mm I.D. × 5.5mm O.D. プラグ)/ 鏡筒 |
| 別途準備(任意) | カウンターウェイトキット S30914(5kg ウェイト × 1、20mm 径 314mm ロッド、20mm 径 164mm エクステンションロッド、ステンレス製)/ Wave 専用カーボンファイバー三脚 / Wave 用三脚エクステンション(180mm / 1.1kg / カーボン製)/ Wave-to-EQ6 三脚アダプター(180mm 嵩上げ) / SynScan ハンドコントローラー(オプション) |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §"WAVE150i mount Packing List" p.3 / Sky-Watcher Global 公式製品ページ("Included: USB-B cable for ASI Air / Not Included: Optical tube, tripod, pier extension, counterweight kit, 12V power supply")/ Sky-Watcher USA Wave Counterweight Kit(SKU S30914、Counterweight bar 0.79"×12.4"/.72kg、Extension bar 0.79"×6.5"/.35kg)/ Sky-Watcher USA Wave Tripod Extension Tube(180mm / 1.1kg / Carbon fiber)/ Wave to EQ6 Tripod Adapter(180mm / 1.1kg)/ マニュアル §3.3 Power Supply Requirements p.11("Barrel Plug: 2.1mm I.D, 5.5mm O.D., central positive / Do not use an unregulated AC-to-DC adapter.")
電源について、マニュアル §3.3 は「未安定化(unregulated)AC-DC アダプターは使用しないこと」と明記しています。安定化された 12V 3A 以上のリニア/スイッチング DC アダプター、または DC モバイルバッテリー(PD ではなく純粋な 12V 出力対応のもの)を準備してください。プラグ極性はセンタープラス、内径 2.1mm × 外径 5.5mm が要求仕様です。
⑥ 接続インターフェースとポート仕様
WAVE 150i の制御パネル(マウント本体)に搭載されているコネクタは次の通りです(マニュアル §3.1 Control Panel および §3.2 Pinout of the Interfaces)。
| ポート名 | 用途 | 物理仕様 |
|---|---|---|
| PWR 12V | マウントの主電源入力 | バレルプラグ 2.1mm I.D. × 5.5mm O.D. センタープラス/DC 12〜16V / >35W |
| USB | PC / Android 機器との通信(ASIAIR 接続もこのポート) | USB-B(同梱の USB-B ケーブルを使用) |
| HAND CNTRL | SynScan ハンドコントローラー等の接続 | 8 pin(GND / Vpp+ / RX 3.3V / TX 3.3V) |
| GUIDE | オートガイダー入力(PHD2 等) | ST-4 規格 6 pin(GND / RA+ / RA- / DEC+ / DEC-) |
| AUX PWR | サドル側の補助電源出力(鏡筒側機材への給電) | バレル 2.5mm I.D. × 5.5mm O.D. / 最大 DC 5A |
| AUX USB × 2 | サドル側に出る USB ハブ用ポート(鏡筒側 USB 機器をホストへ中継) | USB Type-A 相当(マニュアル §4.6 はサドル側に USB ハブを接続可と記載) |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §3.1 Control Panel p.10(コネクタ一覧)/ §3.2 Pinout of the Interfaces p.11("HAND CONTROL 8: GND / Vpp+ / RX(3.3V) / TX(3.3V) / AUTO GUIDE 6: GND / RA+ / RA- / DEC+ / DEC-")/ §3.3 Power Supply Requirements p.11("Barrel Plug: 2.1mm I.D, 5.5mm O.D., central positive")/ §4.6 Cable Management System p.12("Connect a USB hub to the AUX USB port on the declination saddle for multiple USB devices attached to the telescope.")
WAVE 150i の大きな特徴は「マウント内蔵の配線パス(through-mount cabling)」です。マニュアル §4.6 によると、AUX USB は本体側ポートからサドル側ポートへの内部配線、AUX PWR も同様に内部配線として機能します。これにより、鏡筒側から本体側まで USB ケーブルや電源ケーブルをマウント外側に這わせる必要がなく、子午線通過時のケーブル引っかかりや絡まりを大きく減らせます。
電源状態 LED の見方
本体電源スイッチ部の LED は、点灯パターンで現在の状態を表します(マニュアル §3.1)。
| 点灯パターン | 意味 |
|---|---|
| 短い点灯 1 回(点滅) | 無線モジュールが接続待ち(Wi-Fi/BT ready) |
| 2 回点滅 | 無線接続済み |
| 点灯しっぱなし | 長時間アイドルで無線モジュールが OFF |
| 遅い点滅(オン/オフ同じ時間) | 電源電圧が低い |
| 速い点滅 1 回 | 電圧が極端に低い → ただちに使用を中止 |
| 3 回点滅 | ファームウェアアップデートが未完了 |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §3.1 Control Panel p.10("Power Switch: Turn power on/off, with the light indicating the following status...")
⑦ SynScan Pro / ASIAIR との接続
WAVE 150i を制御する手段は大きく分けて 3 通りあります。
1. SynScan Pro アプリ(推奨)
マニュアル §4.1 は SynScan Pro を WAVE 150i の推奨コントローラーと位置付けています。プラットフォーム別の対応接続方式は次の通りです。
| プラットフォーム | 入手先 | 対応接続 |
|---|---|---|
| Windows / Mac | www.skywatcher.com | USB / Wi-Fi / Bluetooth |
| Android | Google Play または www.skywatcher.com | USB(OTG ドングル要)/ Wi-Fi / Bluetooth |
| iOS | App Store | Wi-Fi / Bluetooth(USB 非対応) |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §4.1 SynScan pro APP p.12("Windows and Mac version: Download from www.skywatcher.com. Support USB, Wi-Fi, Bluetooth connections. / Android version… While using an USB connection with an Android device, a USB OTG dongle is required. / iOS version: Download from App Store. Support Wi-Fi, Bluetooth connections.")/ Sky-Watcher 公式 SynScan App ページ
SynScan Pro はサードパーティ製ソフトウェアからも利用可能で、公式ページでは ASCOM・Luminos・Sky Safari・StarSeek・Stellarium・SkyTrack との連携が明記されています。Windows 環境であれば SynScan Pro を起動して接続を確立し、その上で N.I.N.A. / APT 等の撮影ソフトを ASCOM プロファイル経由で接続する運用が一般的です。
2. ASIAIR との接続(USB-B 同梱)
ZWO ASIAIR シリーズで WAVE 150i を制御する場合、同梱の USB-B ケーブルを使ってマウントの USB ポートと ASIAIR の USB ポートを接続します。Sky-Watcher Global / USA の公式製品ページは "Works seamlessly with ASI Air (USB-B cable included)" と記載しており、別途のドライバ調達は不要です。
出典: Sky-Watcher USA 公式("Works seamlessly with ASI Air (USB-B cable included)")/ Sky-Watcher Global 公式("USB-B cable for ASI Air")
3. SynScan ハンドコントローラー(オプション)
マウント本体の "HAND CNTRL" 端子(8 pin)に接続する物理コントローラーで、別売りオプションです(マニュアル §4.2 / APPENDIX SPECIFICATIONS "GOTO Controller: SynScan Pro App or SynScan Hand Controller (Optional)")。スマートフォンのバッテリー切れリスクが許容できない遠征用途や、極寒地でアプリの動作が不安定になりやすい環境向きです。
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §4.2 SynScan Hand Controller p.12 / APPENDIX SPECIFICATIONS p.14
⑧ セットアップ手順(極軸合わせまで)
マニュアル §1.1 〜 §2.3 に基づく WAVE 150i の基本セットアップ手順は次の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 三脚設置 | EQ モードの場合は脚 1 本を真北(南半球は真南)に向け、マウントを取り付ける際に R.A. 軸を北側に揃える(§1.1)。 |
| 2. 緯度/高度の設定 | EQ モード: 緯度ロックノブを少し緩め、緯度調整ノブで観測地の緯度に合わせて再ロック(§1.2)。AZ モード: 高度ノブを反時計回りに突き当たるまで回し、緯度ロックノブを締める(§1.2)。 |
| 3. 鏡筒の搭載 | 電源を入れ、SynScan Pro またはハンドコントローラーで赤緯軸をスルーして上面のサドルロックノブが水平になる位置に移動。鳩尾バーが入る幅まで両側のロックノブを少しずつ緩めてから、鏡筒を右側に向けて挿入し、ロックノブを交互に均等に締める(§1.3)。鏡筒がしっかり固定されたと確認できるまで必ず手で支える(Warning 記載)。 |
| 4. カウンターウェイト(任意) | 本体上部のキャップを外し、ロッド(長 314mm/短 164mm のいずれかまたは両方)を時計回りにねじ込む。ロッド先端のセキュリティキャップを外し、ウェイトを通してロックノブを締め、ただちにセキュリティスクリューを締め直す(§1.4)。 |
| 5. バランス調整 | R.A. 軸:左手でカウンターウェイトロッドを握り、右手で R.A. ロックノブを完全に解放 → 望遠鏡を右に傾けてバランスを確認 → ウェイト位置を調整して再ロック(§1.5.1)。Dec/Alt 軸:望遠鏡を水平にスルーし、Dec ロックノブを 2 つとも外して、チューブリングまたは鳩尾バーの位置でバランスを取る(§1.5.2)。 |
| 6. 極軸合わせ | 緯度ノブを緩めて緯度スケールが現地緯度を示すように調整 → R.A. 軸を北極(南半球は南極)にざっくり向ける → §2.2(SynScan Pro 2-Star Alignment 後の Polar Alignment)または §2.3(SharpCap Pro / PHD2 によるイメージベース極軸合わせ)のいずれかを実行 → 高度・方位調整ノブで R.A. 軸を微調整 → 緯度ロックノブと方位調整ノブを締める(§2.1)。 |
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount Part I "Installation" §1.1–§1.5 p.4–8 / Part II "Polar alignment" §2.1–§2.3 p.9("Many applications, like SharpCap Pro and PHD2, provide highly accurate, imaging based, polar alignment.")
ファームウェア更新と注意点
マニュアル §4.5 によると、最新ファームウェアは www.skywatcher.com で公開されており、"Motor Controller Firmware Loader" アプリケーションを使ってダウンロード・適用します。アプリケーションパッケージ内に詳細な手順書が含まれます。電源 LED が「3 回点滅」している場合はファームウェア更新が未完了であり、最後まで完了させる必要があります(§3.1)。
出典: Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount §4.5 Firmware Update p.12 / §3.1 Control Panel p.10
⑨ 関連商品
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最終更新: 2026-06-28/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount(© 2024)および Sky-Watcher 公式サイト(Global / USA / Australia)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑪ よくある質問(FAQ)
Q1. WAVE 150i にはカウンターウェイトは必須ですか?
A. 必須ではありません。マニュアル §1.4 は「鏡筒とアクセサリーが非常に重い場合を除き、カウンターウェイトはオプション」と明記しています。カウンターウェイトなしの最大搭載荷重は 15kg(33 lbs)です。15kg を超える場合のみ、別売りカウンターウェイトキット S30914(5kg ウェイト+ロッド)を使って 25kg まで載せられます。なお、15kg 以下でも「より高い追尾性能・低消費電力・小型三脚での安定性」を求める場合は、部分的にバランスを取ることがマニュアル §1.5 で推奨されています。
Q2. ASIAIR と WAVE 150i を接続する方法は?
A. WAVE 150i には ASIAIR 接続用の USB-B ケーブルが標準同梱されています(マニュアル §Packing List)。マウント本体の USB ポートと ASIAIR の USB ポートを接続するだけで通信できます。Sky-Watcher Global / USA 公式ページも "Works seamlessly with ASI Air (USB-B cable included)" と記載しており、別途のドライバインストールは不要です。
Q3. 経緯台(AZ)モードでも自動導入・追尾はできますか?
A. できます。マウントタイプは "Equatorial / Alt-Az Dual Mode" で、追尾モードは恒星時・月・太陽の 3 種が両モード共通で利用できます(マニュアル APPENDIX)。AZ モードへの切り替えは、高度調整ノブを反時計回りに突き当たるまで回して緯度ロックノブを締めるだけです(§1.2)。オートホームも AZ モードに対応しています(§4.3、Dec Offset を -90 に設定)。
Q4. 必要な電源はどんな仕様ですか?
A. マニュアル §3.3 によると「出力電圧 DC 12〜16V(高い方が推奨)、出力 35W 以上(12V で 3A 以上、16V で 2.2A 以上)、バレルプラグ 2.1mm I.D. × 5.5mm O.D. センタープラス、未安定化 AC-DC アダプターは使用不可」が要求仕様です。一般的な 12V 5A 安定化 DC アダプターか、12V 出力対応のリチウム系ポータブル電源(センタープラスのプラグ極性を確認)を使用してください。
Q5. WAVE 150i のサドルはどんな鳩尾バーに対応していますか?
A. Vixen / Losmandy 両対応の D/V ハイブリッドサドルで、鳩尾バー幅 43〜73mmを受け入れます(マニュアル APPENDIX "Telescope Mounting Bar 43mm~73mm dovetail bar")。Vixen サイズ(44mm)の鳩尾バー、および一般的な Losmandy サイズの鳩尾バーが装着できます。極端に幅が広いタイプ(例:80mm 級)は入らない場合があります。
Q6. 三脚は別売りですが、どれを選べばよいですか?
A. Sky-Watcher 純正は「Wave 専用カーボンファイバー三脚」「Wave 用カーボンファイバー三脚エクステンション(180mm / 1.1kg)」「Wave-to-EQ6 三脚アダプター(既存の EQ6 三脚を WAVE シリーズで流用するアダプター・180mm 嵩上げ)」の 3 種が用意されています。マニュアル §1.1 は「複数の三脚および延長スタンドに取り付け可能。詳細は三脚キットの取扱説明書を参照」と記載しており、3/8" スタッドを持つ汎用赤道儀用三脚にも取り付け可能です。鏡筒重量・運用スタイルに合わせて選定するため、具体的な構成は公式 LINE でご相談いただくのが確実です。
Q7. 極軸合わせは何を使えばよいですか?
A. WAVE 150i には光学式の極軸望遠鏡は付属しません。マニュアル §2.2 / §2.3 では 2 つの方法が案内されています:(1) SynScan Pro またはハンドコントローラーで 2-Star Alignment を行い、続けて Polar Alignment ルーチンを 2〜3 回繰り返す。(2) SharpCap Pro や PHD2 のイメージベース極軸合わせ機能を使う。撮影中心の運用であれば、SharpCap Pro のポーラーアライン機能が手早く高精度で完了します。
Q8. オートガイドは可能ですか?
A. 可能です。本体に ST-4 規格 6 pin の GUIDE 端子が搭載されています(マニュアル §3.1 / §3.2)。PHD2 等のガイドソフトから ASCOM Pulse Guiding(USB 経由)でも、ST-4 リレーでもガイドできます。オートガイド速度は 0.125× / 0.25× / 0.5× / 0.75× / 1× の 5 段階から選択可能です(マニュアル APPENDIX)。
Q9. ファームウェアアップデートはどうやって行いますか?
A. マニュアル §4.5 によると、Sky-Watcher 公式サイト(www.skywatcher.com)から最新ファームウェアをダウンロードし、"Motor Controller Firmware Loader" アプリケーションで適用します。詳細手順はアプリケーションパッケージ内に同梱されています。電源 LED が 3 回点滅している場合はアップデート未完了の状態なので、もう一度実行して正常に終了させてください(§3.1)。
Q10. 「マウント内蔵配線(through-mount cabling)」のメリットは何ですか?
A. マニュアル §4.6 によると、AUX USB 端子(本体側 → サドル側)と AUX PWR 端子(同様)はマウント内部の配線で結ばれており、鏡筒側機器(カメラ・フィルターホイール・ヒーター等)への USB/電源ケーブルをマウントの外に這わせる必要がありません。これにより、子午線通過時のケーブル絡まり、カウンターウェイト軸への巻き付き、ケーブル断線リスクが大きく減らせます。サドル側 AUX USB に USB ハブを接続すれば複数機器を一括接続できます。
⑫ 参考にした一次情報
- Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount(© 2024 Sky-Watcher、15 ページ、FLO ホスト)— Part I Installation / Part II Polar alignment / Part III Control Interfaces / Part IV WAVE 150i Mount Features / APPENDIX SPECIFICATIONS
- Sky-Watcher Global 公式 WAVE 150i 製品ページ — スペック表(寸法・電源・伝達方式・サドル・通信・ポート)
- Sky-Watcher USA 公式 Wave 150i Pro Strainwave Mount — 同梱品・別売り品・通信機能・ASIAIR 互換性
- Sky-Watcher Australia 公式 — 待機電流・追尾モード・保証ポリシー
- Sky-Watcher USA Wave Counterweight Kit(S30914) — カウンターウェイトキット詳細仕様
- Sky-Watcher USA Wave Carbon Fiber Tripod Extension Tube — エクステンションチューブ仕様
- Sky-Watcher USA Wave to EQ6 Tripod Adapter / Pier Extension — EQ6 三脚流用アダプター
- Sky-Watcher USA Wave 150i Pro Mount Kit w/ Carbon Fiber Tripod and Pier Extension — 三脚同梱キットの構成
- Sky-Watcher 公式 SynScan App ページ — 対応プラットフォーム・サードパーティ連携・最新バージョン
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最終更新: 2026-06-28/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は Sky-Watcher 公式マニュアル WAVE150i Mount(© 2024)および Sky-Watcher 公式サイト(Global / USA / Australia)に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。