部分日食を安全に見る方法|日食メガネ・太陽フィルターの選び方と使い方 完全ガイド
部分日食を安全に見る方法|日食メガネ・太陽フィルターの選び方と使い方 完全ガイド
部分日食を目で追いたい――でも、少しでも欠けた太陽が見えている間は、太陽は依然として肉眼に対して十分危険な光量を放っています。安全な観察方法は「ISO 12312-2 に準拠した日食メガネ」「ピンホール投影」「対物側にフルアパチャの太陽フィルタを装着した望遠鏡・双眼鏡」の3つに限られます。サングラス・黒い下敷き・CD・すすガラス・写真フィルムは、たとえ暗く見えても紫外線や赤外線を通してしまうため使えません。本記事では、国立天文台・NASA・米国天文学会(AAS)の公式ガイドと、眼科系メディカルソースをもとに、部分日食の安全な観察方法を1本にまとめました。
① 太陽を直視するとなぜ危険か
ポイント 1|「太陽網膜症」は数秒の直視でも起こりうる
症状:視野中心のぼやけ・中心暗点(見たい部分が黒く抜ける)・変視症(直線が歪む)・小視症・光過敏。
機序:強い可視光と紫外線が中心窩の photoreceptor と網膜色素上皮(RPE)に光化学的損傷を与え、細胞が変性する。熱による焼灼というより、活性酸素によるダメージが本体。
発現:症状は曝露後 数時間〜数日で出現することが多く、直後は自覚が無い場合もある。
出典: EyeWiki (American Academy of Ophthalmology)「Solar Retinopathy」 / Cleveland Clinic「Solar Retinopathy」(症状・発現時期・機序)
ポイント 2|軽症は自然回復、重症は永続的視力損失
予後:軽症例は 1〜6 ヶ月で回復するとされるが、重症例は永続的な視力損失を残す可能性があり、確立された治療法は無い。
診断:眼科の眼底検査と光干渉断層計(OCT)で網膜の異常を確認する。
出典: Cleveland Clinic「Solar Retinopathy」 / EyeWiki「Solar Retinopathy」(予後と診断)
ポイント 3|日食であっても太陽の光量は普段とほぼ同じ
誤解:「欠けているぶん暗いから短時間なら大丈夫」――これは違う。太陽面が 90% 欠けていても、露出している 10% は普段の太陽と同じ輝度で、そこを直視すれば普通に晴れた日中に太陽を凝視するのと同じ危険がある。国立天文台は「肉眼直視は数秒でも危険」と明言している。
出典: 国立天文台「観察のしかた」(肉眼直視の危険性)
② 絶対にやってはいけない観察方法
公的機関が名指しで禁止している方法を先にまとめます。いずれも「暗く見えるが、目に有害な紫外線・赤外線を通してしまう」という共通の理由で危険です。
| 禁止されている観察方法 | なぜダメか |
|---|---|
| 肉眼で直視する | 数秒でも網膜損傷のリスク。太陽の可視光・紫外線がそのまま眼底に到達する。 |
| サングラス(どんなに濃くても) | 通常のサングラスは太陽観察に必要な減光レベルの数千分の一しか無い。赤外線もほぼ透過。 |
| 黒い下敷き | 見た目は暗いが、赤外線に対して透明。眼底の熱損傷リスクあり。 |
| CD・DVD の記録面 | 光の遮断が不十分。反射面のムラで局所的に強光が入り危険。 |
| すすを付けたガラス板 | 古くから語られる方法だが、すすは可視光しか減衰させず、紫外線・赤外線を通す。 |
| 写真フィルム(未現像・カラーネガ) | 現代のカラーフィルムは赤外線を透過する。安全な減光効果は無い。 |
| 日食メガネをかけて望遠鏡・双眼鏡・カメラを覗く | 対物レンズが集光した太陽光がフィルタを焼き貫き、目に到達する。「絶対」に併用しない。 |
出典: AAS「How to View a Solar Eclipse Safely」 / NASA「Eclipse Viewing Safety」 / 国立天文台「観察のしかた」 / 富山市科学博物館「日食の安全な観察方法」(禁止項目の名指し記載)
③ ISO 12312-2 と日食メガネの選び方
ポイント 4|「ISO 12312-2:2015」だけが唯一の判断基準
太陽観察用フィルタの国際規格は ISO 12312-2:2015(Filters for direct observation of the sun)です。この規格に準拠しない製品は、たとえ暗く見えても安全ではありません。AAS(米国天文学会)は「特別に太陽観察用に設計され ISO 12312-2 に準拠したフィルタ」だけを認めています。
出典: AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」 / ISO 12312-2:2015 公式ページ
ポイント 5|透過率の基準値
ISO 12312-2 が定める透過率の上限は次のとおりです。日食メガネの箱・付属説明書にこの規格番号が明記されていることを確認してください。
| 波長帯 | 最大透過率 | 目安 |
|---|---|---|
| 紫外線 UVA / UVB | 可視光透過率を超えない | 実質 0.003% 以下 |
| 可視光 | 0.0032% | 溶接シェード 12〜15 相当 |
| 赤外線 IR | 3% | 熱線をブロック |
出典: AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」(透過率上限の記載)
ポイント 6|「ISO 認証済み」の表示は正しくない
ISO は製品そのものを認証しません。正しくは「ISO 12312-2 に準拠(compliant)した試験結果を持つ製品」です。試験は ISO/IEC 17025 認定ラボが実施し、認定範囲に ISO 12312-2 が含まれている必要があります。「ISO 認証」「ISO 合格」を強く謳う製品は、規格の理解が浅い可能性があり注意が必要です。
出典: AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」(ISO は製品を認証しない旨の記載)
ポイント 7|ラベルに記載されていなければならない項目
ISO 12312-2 準拠品には、製造者名と住所、使用方法、警告、ISO 12312-2 参照が製品または包装に明記されています。国内では株式会社ビクセン・株式会社ケンコー・トキナー等のメーカーが JIS T-8141(遮光保護具)と併せて ISO 12312-2 準拠品を販売しています。裸のフィルム片・ラベル無しの遮光板は、たとえ濃くても採用しないでください。
出典: AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」(ラベル要件) / ISO 12312-2:2015 公式ページ
④ 日食メガネの正しい使い方
ポイント 8|装着前・装着中・装着後のチェック
装着前:フィルタ面にキズ・ピンホール・裂け・剥離・くもりがないか、光源に透かして確認する。少しでも欠陥があれば廃棄。金属コート素材は 5mm 円内に 200μm 超のピンホールが 1 つを超えるとアウト。
装着中:先にメガネを目に密着させて太陽から目を背けた状態で装着し、その後静かに太陽の方を向く。観察が終わったら、太陽から目を背けてからメガネを外す。
装着中の共通ルール:メガネを外した状態で太陽方向を見ない。長時間の連続観察は避ける。
出典: AAS「Always inspect your solar filter before use」 / AAS 12312-2 explainer(ピンホール判定基準)/ 国立天文台「観察のしかた」(装着・長時間連続観察禁止)
ポイント 9|使用期限と保管
ISO 12312-2 準拠の日食メガネは、適切に保管された場合の想定寿命として最大 10 年程度が obsolescence deadline として設定されています。以前は「3 年で使えなくなる」という説明がありましたが、これは初期のリリース時に「3 年以上経った紙製フレームは廃棄すべき」というガイダンスが誤って一般化したもので、現行規格は 10 年を目安に見直されています。ただし折り目・湿気・変色・キズがある個体は年数に関係なく廃棄してください。
出典: AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」(obsolescence deadline 最大 10 年の記載)
ポイント 10|子ども・学校での観察
日食メガネはフレームで両眼を完全に覆う必要があり、隙間から光が漏れないことがラベル上の要求です。子ども用は鼻当てのカットが小さく設計されている個体がありますが、規格上は成人サイズを基本とし、子ども向けバリアントが許容される形になっています。低学年の子どもは、日食メガネよりも先にピンホール投影から始めた方が事故が起きにくい傾向があります。国立天文台は「必ず専門家の指導に従ってください」と明言しています。
出典: AAS 12312-2 explainer(フレーム要件・子ども向けバリアント)/ 国立天文台「観察のしかた」(専門家の指導)
⑤ ピンホール投影・木漏れ日で見る(器材ゼロ)
ポイント 11|ピンホール投影の原理
厚紙などに小さな穴を開け、太陽を背にした状態で穴を通した太陽光を白い紙・地面・壁に映すと、欠けた太陽の形がそのまま影の中に現れます。穴を通して太陽を直接覗いてはいけません。原理はピンホールカメラと同じで、光の直進性を利用しています。
出典: NASA「Eclipse Viewing Safety」(pinhole projector の使い方)/ AAS「Indirect Solar Viewing」(「Do NOT look at the Sun through the pinhole(s)!」)
ポイント 12|身近な素材でできるピンホール
特別な工作なしで、以下のような素材でピンホール投影ができます。
| 素材 | 使い方 |
|---|---|
| 画用紙・厚紙に画鋲で穴 | 穴の直径は 1〜3mm 目安。地面や別の紙に投影。 |
| パスタ用のざる(コランダー) | 穴の数だけ欠けた太陽が並んで映る。集団観察に向く。 |
| 粗く編んだ麦わら帽子 | 帽子の下の地面・服に欠けた太陽像が現れる。 |
| 木漏れ日 | 葉の隙間がピンホールになる。舗装路・白壁に投影される。 |
| 組んだ両手の指の隙間 | 手のひらを上向きに指を格子状に組み、影を地面や別の手に投影。 |
出典: AAS「Indirect Solar Viewing」(コランダー・straw hat・crossed fingers の記載)/ 国立天文台「観察のしかた」(ピンホール法・木漏れ日)/ 富山市科学博物館(ピンホール観察器の作例)
ポイント 13|工作するなら「箱ピンホール」
深さ 40cm 以上のダンボール箱の一端に小さな穴(1〜3mm)、反対側の内側に白紙を貼り、穴を太陽に向け、上面の覗き穴から内側の白紙を見ると、鮮明な太陽像が観察できます。穴と投影面の距離が長いほど像は大きく、暗くなります。長時間強光が当たると紙が焦げるので、放置しないでください。
出典: 富山市科学博物館「日食の安全な観察方法」(単一段ボール箱の作例・深さ 40cm 以上)/ AAS「Indirect Solar Viewing」(安全性・pinhole 越し直視禁止)
⑥ 望遠鏡・双眼鏡で太陽を見る(対物側フィルタ必須)
ポイント 14|フィルタは必ず「対物レンズの前」に装着する
望遠鏡・双眼鏡で太陽を見る場合、フィルタは必ず対物レンズ(レンズ側・先端側)の前面全体を覆う「フルアパチャ」タイプを装着します。アイピース側(接眼レンズ)に付けるタイプは、集光された太陽熱でフィルタが割れ、目に集光光が直撃する事故を起こす可能性があり、絶対に使ってはいけません。Thousand Oaks Optical も「The filter must be FIRST in-line between sun and instrument. Do not use filter behind any lens.」と明記しています。
出典: Thousand Oaks Optical「Care & Use」(フィルタは対物側必須・アイピース側禁止)
ポイント 15|信頼できる太陽フィルタの例
白色光観察用(可視光の 99.999% 以上を遮断する ND 5.0 相当)で、AAS が Reputable Vendors として認めているメーカーの製品を選びます。
| 製品 | 特徴 |
|---|---|
| Baader AstroSolar Safety Film ND 5.0 (Visual) | シート状フィルム。太陽像は自然な白〜青白色。自作セルに貼って対物側にキャップ状に装着。ドイツ製。 |
| Thousand Oaks Optical SolarLite / Silver-Black Polymer | 米国製ポリマー系フィルム。太陽はオレンジ色に見える。入射光を 99.999% 遮断。保証は Glass 2+ / SolarLite 15 年、Black Polymer 10 年。 |
| Celestron EclipSmart(望遠鏡向け) | ISO 12312-2:2015(E) 準拠を明示。可視光 99.999% 遮断。SAI Global Assurance Services 独立試験済み。American Paper Optics 製フィルム使用。 |
出典: Thousand Oaks Optical「Care & Use」(99.999% 遮断・保証期間)/ Celestron EclipSmart Universal Solar Filter(ISO 12312-2:2015(E) 準拠・SAI Global 試験・American Paper Optics 製)/ Baader AstroSolar は複数販売店(Agena Astro / Modern Astronomy 等)に共通する ND 5.0(透過率 0.001%)表記
ポイント 16|ファインダースコープにもフィルタが必要
本体対物側にフィルタを付けても、ファインダースコープ(照準用の小型望遠鏡)に何もしていなければ、ファインダーを覗いた瞬間に眼を傷害します。Thousand Oaks は「Keep finder scopes covered unless equipped with proper solar filters.」と明記しています。ファインダー用の小型フィルタを併用するか、キャップを外さないようにしてください。トラス構造の望遠鏡は側面開口部からの光がフィルタ側に回り込んで反射する事故が起きるため、開口部を布などで塞ぐ必要があります。
出典: Thousand Oaks Optical「Care & Use」(ファインダー保護・トラス構造の側面遮蔽)
ポイント 17|使用前の点検と装着手順
毎回の観察前に、以下を目視で確認します。Thousand Oaks は毎使用ごとの点検を明記しています。
- フィルム面のキズ・ピンホール・裂け・剥離・変形が無いこと
- フィルタセル(枠)と鏡筒が確実に固定でき、風で外れる可能性が無いこと
- 屋外気温に馴らすため、機材と一緒に 15 分以上外気温に置くこと
装着は必ず望遠鏡を太陽以外の方向に向けた状態で行い、装着後にゆっくり導入します。取り外しも太陽以外の方向に向けてから。ピンホールが見つかった場合、Thousand Oaks は内側から細字マーカーで塞ぐことを推奨していますが、無理はせず、大きな欠陥があれば新品交換してください。
出典: Thousand Oaks Optical「Care & Use」(毎使用点検・15 分外気馴染ませ・ピンホールのマーカー処理)
⑦ 望遠鏡投影法(集団観察の定番)
ポイント 18|アイピースから白紙にスクリーン投影
望遠鏡の対物側にフィルタを付けず、アイピースを通した像を白紙・スクリーンに直接投影する方式です。フィルタ購入不要で、複数人が同時に欠けた太陽を観察できます。国立天文台も「大勢の人が一度に日食のようすを観察することができます」と紹介しています。
出典: 国立天文台「観察のしかた」(望遠鏡投影法の紹介)/ AAS「Indirect Solar Viewing: Pinhole & Optical Projection」(望遠鏡投影の概要)
ポイント 19|投影法の必須ルール(誰かが必ず監視)
AAS は望遠鏡投影について「経験ある観察者が、自分の機材を、常時監視できる場合にのみ」推奨するとしています。理由は明確で、誰かがアイピースを覗いた瞬間に失明事故が起きるからです。子どもや来訪者が近づく可能性がある場合、必ず1人以上の監視役を置き、アイピース背後を人が通れないよう配置してください。
出典: AAS「Indirect Solar Viewing」(「experienced observer / supervise its use / severe eye injury risk if someone peers into the eyepiece」)
ポイント 20|アイピースの選び方(熱に注意)
投影法は集光した太陽光がアイピースに数分〜数十分当たり続けるため、アイピース内部が高温になります。プラスチック部品や接合レンズ(複数の凸凹レンズをバルサム等で貼り合わせた構造)を含むアイピースは、熱で歪む・接合面が剥がれる・曇る等のリスクがあります。特に多群多枚構成のズームアイピースは、内部に接合レンズを多く含み、投影法では熱ダメージを受けやすいため投影法での使用は推奨しません。投影法には、単純構造の Kellner / Plössl 等の中〜長焦点アイピース(15〜25mm 程度)を犠牲用に用意してください。
出典: AAS「Indirect Solar Viewing」配下の投影ガイダンス(過度な発熱リスク・監視要件)/ Thousand Oaks Optical「Care & Use」(フィルタとアイピース位置関係の原則)
ポイント 21|投影スクリーンの作り方
アイピース後方 20〜40cm 程度に白い紙(画用紙・ケント紙)を保持し、望遠鏡を太陽に向けてピントを合わせます。周囲の光が像を薄くしないよう、スクリーンの周りをフード(黒画用紙で囲う筒)で影を作ると像が鮮明になります。長時間強光が当たり続けるので、紙が焦げる兆候があれば投影距離を伸ばすか休憩を入れてください。
出典: AAS「Indirect Solar Viewing」(optical projection の一般解説)
⑧ 皆既日食と部分日食の違い(裸眼が許される瞬間)
NASA は皆既日食(total solar eclipse)における例外について、以下のように明記しています。
- 皆既の完全遮蔽の瞬間(totality)だけは、皆既帯にいる観察者に限り裸眼観察が安全
- 太陽面が少しでも復活し始めたら、即座に日食メガネを装着
- 部分日食・金環日食は、始まりから終わりまで常に眼保護が必要(裸眼可の瞬間は存在しない)
つまり本記事のテーマである「部分日食」では、最初から最後まで日食メガネ・ピンホール投影・対物フィルタ付き望遠鏡のいずれかしか観察手段はありません。「あと少しで完全に隠れそうだから裸眼で」といった判断は、部分日食では一切成立しません。
出典: NASA Science「Eclipse Viewing Safety」(totality の例外・partial では常時保護必要) / AAS「How to View a Solar Eclipse Safely」(totality 例外条件)
⑨ 万一、目に異常を感じたら
日食観察のあとに次のような症状が出たら、様子を見ずに眼科を受診してください。太陽網膜症は自覚が遅れることが多く、翌日以降に症状が現れる例もあります。
- 視野中心のぼやけ・かすみ
- 中心暗点(見たい部分が黒く抜ける・視界に丸い抜け)
- 変視症(まっすぐな線が歪んで見える)
- 小視症(物が小さく見える)
- 光過敏・涙が止まらない・頭痛
眼科では眼底検査と光干渉断層計(OCT)で網膜の状態を確認します。軽症は 1〜6 ヶ月で自然回復する例が多いものの、確立された治療法は無く、重症例は永続的な視力損失を残すため、早期の受診と経過観察が重要です。
出典: Cleveland Clinic「Solar Retinopathy」(症状・受診・予後)/ EyeWiki「Solar Retinopathy」(OCT / fundus diagnosis)
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最終更新: 2026-08-29/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は AAS(米国天文学会)Solar Eclipse Task Force・NASA Science・国立天文台・ISO 12312-2:2015 公式ページ・Thousand Oaks Optical 公式ドキュメント・Cleveland Clinic / EyeWiki の医療解説に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。
⑪ よくある質問(FAQ)
Q1. 曇りや薄雲越しなら日食メガネなしで見ても大丈夫ですか?
いいえ、危険です。薄雲は可視光を減衰させますが、赤外線はほぼ透過します。まぶしさが減っていても、網膜には有害な光量が届いていることがあります。国立天文台は「肉眼直視は数秒でも危険」と明言しています。
Q2. スマホや一眼カメラで太陽を撮るだけなら大丈夫ですか?
撮る側の目は守れても、カメラのセンサーが強光で焼損する可能性があります。長焦点のレンズは特に危険で、撮影時は対物側に太陽フィルタを装着してください。液晶画面越しに構図を見る場合でも、光学ファインダーを覗く一眼レフは絶対にファインダーから覗かないこと。
Q3. 使い古しの日食メガネはまだ使えますか?
ラベルにキズ・変色・折れ目・ピンホールが無く、規格上の想定寿命(適切に保管された場合で最大 10 年程度)を超えていない個体であれば、目視点検で問題なしと確認したうえで使えます。少しでも欠陥があれば廃棄してください。
Q4. 日食メガネを重ねがけすれば望遠鏡でも安全ですか?
いいえ、絶対にダメです。対物レンズが集光した太陽光は、日食メガネを一瞬で焼き貫き、目に致命的なダメージを与えます。日食メガネと光学機器(望遠鏡・双眼鏡・カメラ)は、いかなる形でも「重ねて」使ってはいけません。
Q5. 望遠鏡の対物にアルミホイルで小さな穴を開けたキャップ(絞り)を付ければフィルタなしでも見られますか?
絞り(アパチャストップ)だけでは、赤外線・可視光の減光は不十分で危険です。減光そのものを担う ISO 12312-2 準拠フィルタや、太陽観察用 ND 5.0 相当のフィルム(Baader AstroSolar / Thousand Oaks 等)を、必ず絞りの前面に装着してください。
Q6. ピンホール投影で長時間観察すると紙が焦げると聞きました。危険ですか?
ピンホール自体は集光倍率が低いため通常は問題ありませんが、投影紙を長時間同じ位置に置くと局所加熱で焦げる可能性があります。手や顔を投影経路に置かない、燃えやすい素材の上に投影しないという配慮で十分です。
Q7. 家の中から窓越しに見れば安全ですか?
いいえ、窓ガラスは可視光・赤外線をほとんど透過するため、屋外で見るのと危険度は変わりません。窓越しであっても、日食メガネや投影法を必ず使ってください。
参考にした一次情報
- American Astronomical Society Solar Eclipse Task Force「How to View a Solar Eclipse Safely」
- AAS「About the ISO 12312-2 Standard for Solar Viewers」
- AAS「Indirect Solar Viewing: Pinhole & Optical Projection」
- NASA Science「Eclipse Viewing Safety」
- 国立天文台「観察のしかた」
- 富山市科学博物館「日食の安全な観察方法」
- ISO 12312-2:2015 公式ページ
- Thousand Oaks Optical「Care & Use Instructions」
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最終更新: 2026-08-29/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は AAS(米国天文学会)Solar Eclipse Task Force・NASA Science・国立天文台・ISO 12312-2:2015 公式ページ・Thousand Oaks Optical 公式ドキュメント・Cleveland Clinic / EyeWiki の医療解説に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。