オリオン座流星群 2026|10月の観測ガイド(極大時刻・方角・見方・撮影)

オリオン座流星群 2026|10月の観測ガイド(極大時刻・方角・見方・撮影)

2026 年のオリオン座流星群は、10 月 22 日(木)午前 3 時前後に極大を迎えます。上弦過ぎの明るい月が 22 日午前 1 時 25〜33 分頃に沈むため、月没から夜明けまでの約 3 時間が実質的な見頃です。予想 ZHR は 20 前後で、東京では放射点が南の空・高度約 70 度まで昇ります。本記事では 2026 年固有の観測条件、母天体ハレー彗星との関係、放射点と方角の考え方、暗順応と場所選び、カメラ撮影の設定、見えないときのチェック項目までを、一次資料に基づいて 1 本にまとめます。

① 2026 年の極大日時と観測条件

2026 年のオリオン座流星群は、活動期間 10 月 2 日〜11 月 7 日の中で、10 月 22 日(木)未明に活動のピークを迎えます。日本時間での極大予想時刻は複数の一次資料で 午前 3 時〜3 時半に収束しており、In-The-Sky.org は 03:00 JST、Study-Style は 03:27 JST と予測しています。

項目 値(2026 年)
活動期間 10 月 2 日 〜 11 月 7 日
極大予想日時(日本時間) 10 月 22 日(木)午前 3 時 00 分 〜 3 時 27 分頃
予想 ZHR 20 前後(15〜25 の幅)
見頃時間帯 10 月 22 日 午前 1 時 30 分頃 〜 夜明け前
月齢・月の状態 月齢約 10.4 / 上弦過ぎ・照明 78〜80% の月
月没時刻(10/22) 午前 1 時 25 分 〜 1 時 33 分頃(資料により差)
東京での放射点高度(03:27 JST) 南の空・高度約 70 度

出典: In-The-Sky.org - Orionid meteor shower 2026("peak activity at around 03:00 JST on 22 October 2026" / "78%" "Waxing Gibbous" / "01:33")、Study-Style - オリオン座流星群 2026 年タブ(「2026年10月22日 3時27分」「月齢10.4」「午前1時25分頃に沈んだ後は影響無し」「南の空70度ほどの高さ」「1時間に15~20個(ZHR20~25)」)、American Meteor Society - Meteor Shower Calendar("October 2 - November 7" / "ZHR: 20" / "waxing gibbous phase" / "dark skies ... only be available for a few hours between moonset and dawn")。

2026 年の観測は「月との時間勝負」になります。極大時刻に月は既に沈んでいるため、放射点が高度 70 度に達する 3 時前後は理論上ベストの条件ですが、夜明けまでの残り時間はおよそ 2 時間強しかありません。22 日は 01:30 頃に空へ出て、朝焼けが始まる 5 時前まで、途切れずに観察を続けるのが 2026 年の最適解です。

オリオン座流星群はピークがなだらかで数日間活動が続くため、天候が悪い場合は 20 日夜〜21 日明け方、22 日夜〜23 日明け方も予備日として使えます。

出典: Study-Style(「20日夜から21日明け方、あるいは22日夜から23日明け方も観測のチャンス」)、アストロアーツ(「ピークがなだらかな流星群なので数日間は注目してみたい」)。

② オリオン座流星群とは(母天体・速度・放射点)

オリオン座流星群は、5 月のみずがめ座 η 流星群と並んで ハレー彗星(1P/Halley) を母天体とする流星群です。ハレー彗星は約 76 年周期で太陽の周りを公転しており、前回の回帰は 1986 年、次回は 2061 年と予測されています。ハレー彗星が過去に太陽系を通過した際に放出した塵の帯を、地球が年に 2 回横切ることでこの 2 群が発生します。

項目 内容
母天体 ハレー彗星(1P/Halley)
母天体の公転周期 約 76 年(次回近日点通過 2061 年)
対地速度 約 66 km/s(毎秒 66 キロメートル・高速群)
放射点座標 赤経 06h 20m / 赤緯 +16° 前後(オリオン座 ベテルギウスの北)
特徴 数秒〜数分残る「痕(train)」が出やすい/時に火球化する
兄弟流星群 みずがめ座 η 流星群(5 月・同じくハレー彗星が母天体)

出典: NASA Science - Orionids("1P/Halley — orbits the Sun every 76 years, last visible in 1986, next arrival in 2061" / "41 miles (66 kilometers) per second" / "Just to the north of constellation Orion's bright star Betelgeuse" / "glowing 'trains'" / "sometimes become fireballs")、American Meteor Society("RA 06:20, Dec +15.8°")、EarthSky("produces two meteor showers")。

時速換算では約 24 万 km/h という速度で大気に突入するため、ひとつひとつの流星は視野の中を素早く走り抜けます。長さは短めながら明るいものが多く、明るい流星の後には数秒〜数分にわたって淡く発光する「痕(こん / train)」が残ることがあります。まれに極端に明るい火球が出現し、破裂するように明滅することもあります。

ZHR と実際に見える数の違い

予想数のところで出てくる ZHR(Zenithal Hourly Rate / 天頂出現数)は、放射点がちょうど頭の真上(天頂)にあり、限界等級 6.5 の完全に暗い空で、1 人の観測者が 1 時間に見られる理想値です。放射点が天頂より低い、月や街灯がある、雲が出ている、といった減点要素で 実際に見える数は常に ZHR より少なくなります

2026 年の東京(放射点高度 70 度)で予想 ZHR 20 の場合、都市光害と目の限界等級の実力を差し引くと、1 時間に見える群流星はおよそ 10〜15 個程度が現実的な目安になります。

出典: Wikipedia - Zenithal hourly rate("the number of meteors a single observer would see in an hour of peak activity if the radiant was at the zenith, assuming the seeing conditions are perfect" / "The rate that can effectively be seen is nearly always lower and decreases the closer the radiant is to the horizon")、In-The-Sky.org("nominal rate of around 15 meteors per hour (ZHR)")。

③ 放射点はどこ?見る方角の考え方

オリオン座流星群の放射点は、オリオン座の 1 等星ベテルギウスの北側、ふたご座との境界寄りにあります。座標では赤経 06h20m、赤緯 +16° 付近で、ベテルギウスから北東におよそ 10 度離れた位置です。

2026 年 10 月 22 日 03:27 JST(極大時刻)の東京では、放射点は南の空・高度約 70 度まで昇り、ほぼ頭上に近い理想的な位置になります。地方や北海道でも高度差は数度以内で、極大付近は日本全国どこからでも条件が近いのが特徴です。

ただし、方角そのものは気にする必要はありません。国立天文台も「見る方向を気にする必要はありません」と明記しています。流星は放射点から放射状に空全体に飛ぶため、放射点そのものを見つめるよりも、空がいちばん広く開けた方向(建物や木で遮られない方向)を眺めた方が、視野に流星を捉える確率は上がります。

唯一守りたいのは、月がある方向を正面にして観察しないという点です。2026 年は月没前(22 日 01:30 まで)の観察ではとくに、南西〜西の低空にある月に背を向ける形で北〜東〜天頂の空を見上げるのが有利です。

出典: 国立天文台 - 流星群の観察方法(「見る方向を気にする必要はありません。ただし、月のある方向を正面にして観察するのは避けたほうがよいでしょう。」)、Study-Style(「南の空70度ほどの高さ」)、EarthSky("No specific direction required—It's best to find a wide-open viewing area")。

④ 観測の基本手順(暗順応・準備・場所選び)

流星観測は特別な機材が要りません。国立天文台の観察ガイドは「望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください」と明記しています。むしろ機材ゼロの寝転がって空全体を見上げるスタイルが、視野が最も広く、流星を最も多く拾えます。

手順の目安

  1. 場所選び: 街灯や自動販売機の光が直接目に入らない場所を選ぶ。頭上に開けた空があることが第一条件。
  2. 暗順応: 屋外に出てから、目が暗さに慣れるまで 15 分程度 は「見えない」と諦めない。スマホ画面を見ると暗順応が一気にリセットされるため、観察開始前後は画面を見ない。
  3. 姿勢: レジャーシートに寝転がるか、リクライニングチェアで空を見上げる。首を上に向け続けると必ず疲れて中断する。
  4. 時間: 最低でも 15 分間は連続して 観察する。短時間だと 0 個で終わる可能性がある。
  5. 持ち物: 防寒着(10 月末の未明は冷える)/レジャーシートまたは寝袋/温かい飲み物/赤色ライト(白色ライトは暗順応を壊す)。

出典: 国立天文台 - 流星群の観察方法(「望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください。」「目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要です。」「最低でも15分間は観察しましょう。」「人工の明かりが多いと、その明るさに邪魔をされて暗い流星が見づらくなり、それだけ、見ることのできる流星の数が少なくなってしまいます。」)

「望遠鏡は要らない」のは、流星が視野中を横切る現象だからです。望遠鏡は視野が狭く(通常 1 度未満)、そこを流星が偶然通過する確率は極めて低くなります。逆に流星は空のあらゆる方向に流れるため、視野が広い 肉眼(視野約 180 度)が最も効率の良い「観測装置」になります。

⑤ カメラで撮る(設定の目安)

肉眼観察と並行して写真に残したい場合、広角レンズを空に固定して長時間連続撮影するのが基本戦術です。以下は撮影ガイドで一般的に推奨されている出発点です。

項目 推奨値の目安
レンズ焦点距離 14〜24mm(フルサイズ換算)の広角
絞り 開放(f/1.4〜f/2.8)
ISO 感度 1600〜6400(機種のノイズ耐性で調整)
シャッター速度 15〜30 秒(星が線状に流れないギリギリ)
連写方法 インターバルタイマーで連続撮影し、後で流星が写ったコマだけ抜き出す
構図 放射点を画角の端に入れ、放射状に流れる軌跡を捉える

出典: 広角+高感度+長秒露光の基本設定は流星群撮影の一般的な推奨。個々のメーカー機材(カメラ・鏡筒)の公式マニュアルには「オリオン座流星群」向けの明示的設定は掲載されていないため、本記事は写真技術の一般知見として記載。値は目安で、実際は現地の光害と機材のノイズ耐性で調整が必要。

星を線状に流したくない場合のシャッター速度目安は「500 ÷ 焦点距離(mm)秒」がよく使われます(フルサイズ換算・広角ほど長秒が許される)。24mm レンズなら約 20 秒、14mm レンズなら約 35 秒までは点像に近く写せます。

2026 年は月が沈む 01:30 以降が撮影開始のタイミングです。月光下で撮ると空全体が青白くカブり、暗い流星が背景に埋もれます。月没を待ってから撮影開始するだけで、写真の歩留まりが大きく変わります。

⑥ 見えないときの原因チェック

「予報通り出かけたのに全然見えなかった」という声はオリオン座流星群では珍しくありません。よくある原因を 6 つ挙げます。

原因 1|観察時間が短すぎる(15 分未満)

症状: 現地に着いて 5〜10 分空を見上げただけで「見えない」と判断してしまう。
原因: 目の暗順応に約 15 分かかるうえ、流星の出現は時間的にムラがある(数分続けて出た後、10 分以上何も出ない、が普通)。
対処: 国立天文台の推奨通り、最低 15 分は連続して観察を続ける。理想は 30 分〜1 時間。

出典: 国立天文台 - 流星群の観察方法(「目が慣れるまでしばらく(15分ぐらい)待つことも必要」「最低でも15分間は観察しましょう」)。

原因 2|月明かりの中で見ている

症状: 22 日 0 時前に観察を始め「1 個も見えない」と諦める。
原因: 2026 年は月齢約 10.4(照明 78〜80%)の月が空を明るくし、暗い流星が背景に沈む。予想 ZHR 20 のうち大半は肉眼では消える等級。
対処: 月が沈む 10 月 22 日 01:25〜01:33 頃を待ってから観察開始する。

出典: American Meteor Society("dark skies for this shower's peak will only be available for a few hours between moonset and dawn")、Study-Style(「月齢10.4(午前1時25分頃に沈んだ後は影響無し)」)。

原因 3|街灯・自動販売機・スマホ画面が視野に入っている

症状: 一度は見えていた星が、時間が経つと少なくなったように感じる。
原因: 白色 LED や液晶画面の光は数秒で暗順応をリセットする。人工照明が多い場所は暗い流星から順に隠れる。
対処: 街灯や自動販売機に背を向けて立つ、または一段暗い場所へ移動。地図確認等は赤色ライトを使う。観察中はスマホ画面を極力見ない。

出典: 国立天文台(「人工の明かりが多いと、その明るさに邪魔をされて暗い流星が見づらくなり、それだけ、見ることのできる流星の数が少なくなってしまいます」)。

原因 4|狭い視野を凝視している

症状: 放射点があるオリオン座の一点を集中して見つめてしまう。
原因: 流星は放射点から放射状に空全体へ飛ぶため、放射点を凝視すると軌跡が最も短い流星しか視野に入らない。
対処: 放射点を視野の端に置き、空が最も広く開けた方向を、視野をぼかして全体を眺める。寝転がる姿勢が最も広い視野を確保できる。

出典: 国立天文台(「見る方向を気にする必要はありません」)、EarthSky("It's best to find a wide-open viewing area")。

原因 5|双眼鏡・望遠鏡で探している

症状: 望遠鏡や双眼鏡を空に向けて流星が入るのを待つが、まったく見えない。
原因: 双眼鏡や望遠鏡は視野が狭く(通常数度以下)、視野内をたまたま流星が通過する確率は極めて低い。
対処: 流星群観測は肉眼が最強。望遠鏡・双眼鏡はしまっておく。写真に残したい場合は広角レンズを空に固定して連続撮影する(⑤ 参照)。

出典: 国立天文台(「望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください」)。

原因 6|期待値が ZHR そのままになっている

症状: 「ZHR 20 だから 1 時間に 20 個見える」と思って観察し、10 個ほどで「予報外れ」と感じる。
原因: ZHR は放射点が天頂・限界等級 6.5・完全に晴天という理想値で、月・光害・視界の遮り・放射点高度による減点で実測は必ず下がる。
対処: 都市部・郊外で放射点高度 70 度・2026 年の月の条件を差し引くと、1 時間 10〜15 個程度を現実的な目安として観察する。1 時間で 5〜10 個でも「順当」と考える。

出典: Wikipedia - Zenithal hourly rate("The rate that can effectively be seen is nearly always lower and decreases the closer the radiant is to the horizon")。

⑦ 関連商品

オリオン座流星群そのものは肉眼観察が最適ですが、月が沈んだ後の暗い秋の夜空は、オリオン座を含む広い星野を撮影する絶好のタイミングでもあります。流星観測と並行して、放射点周辺のオリオン大星雲(M42)や、その東のバラ星雲・くらげ星雲・モンキー星雲といった散光星雲群を広い画角で撮るなら、短焦点の広視野アポクロマート屈折鏡筒が向いています。

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最終更新: 2026-08-29/執筆: 天体ショップ スタッフ/記事内のすべての技術情報は NASA Science、American Meteor Society、International Meteor Organization、国立天文台、In-The-Sky.org、EarthSky、Wikipedia の公開一次資料に基づいて記載しています。弊社内部統計や実績数値は記載していません。一次情報で裏取りできない項目は削除してあります。

⑨ よくある質問(FAQ)

Q1. オリオン座流星群は 2026 年、いつ・どこを見ればいいですか?

A. 10 月 22 日(木)午前 3 時前後(日本時間)が予想極大です。月が沈む 22 日 01:30 頃から夜明け前までが実質の見頃です。方角はどこでもよく、空が最も広く開けている方向を寝転がって眺めてください。放射点は南の空・高度約 70 度(東京基準)まで昇ります。

Q2. 望遠鏡や双眼鏡を用意した方が多く見えますか?

A. いいえ、肉眼が最も多く見えます。国立天文台も「望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。肉眼で観察してください」と明記しています。望遠鏡は視野が数度以下と狭いため、そこを流星が通過する確率は極端に低くなります。

Q3. 1 時間に何個くらい見えますか?

A. 2026 年の予想 ZHR は 20 前後です。ただし ZHR は理想条件下の値で、月・光害・視界の遮りを差し引くと、都市部・郊外で 1 時間に 10〜15 個程度が現実的な目安です。1 時間 5〜10 個でも順当な結果です。

Q4. 極大日の前後は見えませんか?

A. オリオン座流星群はピークがなだらかで、活動期間は 10 月 2 日〜11 月 7 日と長めです。天候が悪い場合、20 日夜〜21 日明け方、22 日夜〜23 日明け方も予備日として使えます。

Q5. 母天体のハレー彗星はいつ見えますか?

A. ハレー彗星は約 76 年周期で公転しており、前回の回帰は 1986 年、次回の回帰は 2061 年と予測されています。オリオン座流星群は、ハレー彗星が過去に放出した塵の帯を地球が横切ることで発生しています。同じくハレー彗星を母天体とする流星群に、5 月のみずがめ座 η 流星群があります。

Q6. なぜ流星の後に光の筋(痕)が残ることがあるのですか?

A. オリオン座流星群の流星は大気に約 66 km/s(時速 24 万 km)という高速で突入するためです。この速度で衝突する塵は周囲の大気を強く電離させ、その電離ガスが再結合するときに発光することで、数秒〜数分にわたって「痕(train)」と呼ばれる光の筋が残ります。まれに極端に明るい火球が現れることもあります。

Q7. 写真に撮るならどんな設定がいいですか?

A. 広角レンズ(14〜24mm)を絞り開放(f/1.4〜f/2.8)、ISO 1600〜6400、シャッター速度 15〜30 秒に設定し、インターバルタイマーで連続撮影するのが基本です。月が沈む 01:30 以降が撮影開始のタイミングです。詳しい設定は本文 ⑤ カメラで撮るを参照してください。

Q8. 都会でも見えますか?

A. 見えますが、光害の少ない場所ほど多く見えます。都市部では暗い流星が空の背景光に埋もれるため、明るいものだけが残ります。可能なら、街灯が直接目に入らない公園・河原・郊外の駐車場などへ移動すると、見える数が明確に増えます。

参考にした一次情報

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